この章では、Oracle GoldenGate Monitorサーバーをテスト環境から本番環境に("T2P")移動する手順について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle GoldenGate Monitorサーバーをテスト環境から本番環境に移動する前に、Oracle GoldenGate Monitorエージェントを使用したOracle GoldenGateモニタリングを有効にするためにソースとターゲットの両環境でOracle GoldenGateがインストールされ、構成されていることを確認します。
テスト環境を準備するには、Oracle WebLogic Serverインフラストラクチャをインストールし、次のようにします。
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してデータベース・インスタンスを作成します。手順については、3.2項「リポジトリの作成」を参照してください。
次の順序でOracle GoldenGate Monitor 12c (12.2.1)をインストールし、構成します。
Oracle GoldenGate Monitorサーバー
Oracle GoldenGate Monitorエージェント
この項には、本番(ターゲット)環境の準備方法に関する情報が含まれています。
ターゲット環境は次の前提条件を満たす必要があります。
コピーするORACLE_HOME
およびコンポーネントのバージョンと互換性のあるcloningclient.jar
ファイルおよびpasteBinary
スクリプト・ファイルを使用する必要があります。この章の手順では、現在のバージョンのcloningclient.jar
ファイルおよび移動スクリプトを使用するものとします。
ターゲット環境は、ソース環境と同じオペレーティング・システム上にある必要があります。また、オペレーティング・システムのアーキテクチャは両環境で同じである必要があります。たとえば、両環境とも32ビット・オペレーティング・システムまたは64ビット・オペレーティング・システムである必要があります。
ホストにはJDK 8u40以上がインストールされている必要があります。また、PATH
、CLASSPATH
およびJAVA_HOME
環境変数がJDKを指していることを確認します。スクリプトを実行する際、適合するJavaホームを指定する必要があります。つまり、Oracleホームが64ビットの場合、64ビットJavaホームを指定する必要があります。Oracleホームが32ビットの場合、32ビットJavaホームを指定する必要があります。
ターゲット環境に、ソース環境のユーザーと同じスーパーユーザーまたは管理ユーザーが必要です。インストールの移動の完了後、ターゲット環境のユーザーを変更できます。
Oracle Databaseの本番環境を準備するには、次のようにします。
3.2項「リポジトリの作成」で説明されているように、RCUを使用して新規データベース・インスタンスを作成します。
ターゲット環境のデータベースは、ソース環境のデータベースのタイプおよびバージョンと同じである必要があります。たとえば、ソース環境のデータベースがOracleデータベースの場合、ターゲット環境のデータベースもOracleデータベースである必要があります。
T2Pコピー・アンド・ペースト・スクリプトを使用して、wls_jrf.jar
バイナリ・ファイルをターゲット環境にコピー・アンド・ペーストします。
注意: 次の例で使用されるスクリプト(移動スクリプトと呼ばれる)は、ORACLE_HOME/oracle_common/bin/ (WindowsではORACLE_HOME\oracle_common\bin\ )にあります。移動スクリプトの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の移動スクリプトおよび移動計画に関する項を参照してください。 |
コピーの手順:
LinuxまたはUNIXの場合:
$ ./copyBinary.sh -javaHome /usr/local/packages/jdk8 -archiveLoc /scratch/myuser/T2P/oh_copy.jar -sourceOracleHomeLoc /scratch/myuser/WLS_12.2.1_HOME
Windowsの場合:
C:\ copyBinary.cmd -javaHome C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_25 -archiveLoc userhome\T2P\oh_copy.jar -sourceOracleHomeLoc userhome\WLS_12.2.1_HOME
貼付けの手順:
まず、pasteBinary
スクリプトおよびcloningclient.jar
ファイルをターゲット・システムにコピーし、実行権限があることを確認します。cloningClient.jar
は、ORACLE_COMMON_HOME/jlib/cloningclient.jar
(Linux)またはORACLE_
COMMON_HOME\jlib\cloningclient.jar
(Windows)にあります。
次に、O/Sに応じて次のいずれかを行います。
LinuxまたはUNIXの場合:
$ ./pasteBinary.sh -javaHome /usr/local/packages/jdk8 -archiveLoc /scratch/myuser/T2P/oh_copy.jar -targetOracleHomeLoc /scratch/myuser/WLS_1221_COPY_HOME -targetOracleHomeName WLS_1221_COPY_HOME_1
Windowsの場合:
C: pasteBinary.cmd -javaHome C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_25 -archiveLoc userhome\T2P\oh_copy.jar -targetOracleHomeLoc userhome\WLS_1221_COPY_HOME -targetOracleHomeName WLS_1221_COPY_HOME_1
テキスト・エディタを使用して、adminuser_password.txt
という名前の新規テキスト・ファイルを作成し、そのファイルにOracle WebLogic Server管理ユーザーのパスワード(weblogic
など)を入力して保存します。このファイルは次の手順で使用します。
WebLogic Serverコンソールにログインします。
上部にある「Logout」の横の「Preferences」を選択します。
画面下部にある「Automatically Acquire Lock and Activate Changes」を選択解除して、これらの変更を保存します。
左側にある「Release the Configuration Lock」をクリックします。
WebLogic管理サーバーを再起動します。
ターゲット・スキーマに対してmoveplan.xml
という名前のスキーマ・パスワード・テスト・ファイルを作成します。
ターゲット上でmoveplan.xml
を編集し、ターゲット・スキーマ名とターゲット・スキーマ・パスワード・ファイルを絶対パスで更新します。
WebLogic管理サーバーを停止します。
次のようにcopyConfig
スクリプトを使用して、Oracle GoldenGate Monitor Weblogicドメイン構成をターゲット環境にコピーします。
注意: WebLogic ServerドメインでcopyConfig.sh スクリプトを実行する前に、管理サーバーおよび管理対象サーバーが稼働していることを確認します。 |
LinuxまたはUNIXの場合:
$ ./copyConfig.sh -javaHome /usr/local/packages/jdk8 -archiveLoc /scratch/myuser/T2P/oggmon_domain.jar -sourceDomainLoc /scratch/myuser/OGGMON_INSTALLS/oggmon_domain -sourceOracleHomeLoc /scratch/myuser/WLS_12.2.1_HOME -domainHostName myhost.example.com -domainPortNum 7001 -domainAdminUserName weblogic -domainAdminPasswordFile /scratch/myuser/T2P/adminuser_password.txt
Windowsの場合:
C:\ copyConfig.cmd -javaHome C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_25 -archiveLoc userhome\T2P/oggmon_domain.jar -sourceDomainLoc userhome\OGGMON_INSTALLS\oggmon_domain -sourceOracleHomeLoc userhome\WLS_12.2.1_HOME -domainHostName myhost.example.com -domainPortNum 7001 -domainAdminUserName weblogic -domainAdminPasswordFile userhome\T2P\adminuser_password.txt
次のようにextractMovePlan
スクリプトを使用して、ドメイン構成jarファイル(oggmon_domain.jar
)から移動計画を抽出し、ターゲット環境に必要な更新を行えるようにします。
LinuxまたはUNIXの場合:
$ ./extractMovePlan.sh -javaHome /usr/local/packages/jdk8 -archiveLoc /scratch/myuser/T2P/oggmon_domain.jar -planDirLoc /scratch/myuser/T2P/extract_plans
Windowsの場合:
C:\ extractMovePlan.cmd -javaHome C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_25 -archiveLoc userhome\T2P\oggmon_domain.jar -planDirLoc userhome/T2P\extract_plans
移動計画のプロパティおよび編集する必要のあるプロパティの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の移動計画の変更に関する項を参照してください。
次のようにpasteConfig
スクリプトを使用して、生成された構成をターゲット環境に貼り付けます。
LinuxまたはUNIXの場合:
$ ./pasteConfig.sh -javaHome /usr/local/packages/jdk8 -archiveLoc /scratch/myuser/T2P/oggmon_domain.jar -targetDomainLoc /scratch/myuser/OGGMON_INSTALLS/ oggmon_domain_copy -targetOracleHomeLoc /scratch/myuser/WLS_1221_COPY_HOME -movePlanLoc /scratch/myuser/T2P/extract_plans/moveplan.xml -domainAdminPasswordFile /scratch/myuser/T2P/ adminuser_password.txt -logDirLoc /scratch/myuser/T2P/log
Windowsの場合:
C:\ pasteConfig.cmd -javaHome C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_25 -archiveLoc userhome\T2P\oggmon_domain.jar -targetDomainLoc userhome\OGGMON_INSTALLS\oggmon_domain_copy -targetOracleHomeLoc userhome\WLS_1221_COPY_HOME -movePlanLoc userhome\T2P\extract_plans\moveplan.xml -domainAdminPasswordFile userhome\T2P\adminuser_password.txt -logDirLoc userhome\T2P\log
次のようにして、Oracle GoldenGate Monitorサーバー構成を更新します。
Oracle GoldenGate Monitorサーバーのoggmon.properties
構成ファイルを更新します。
SSL証明書を手動でターゲット環境に移動します。Oracle GoldenGate MonitorでのSSLの使用の詳細は、Oracle GoldenGate Monitorの管理のSSL通信の使用に関する項を参照してください。
WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して、ターゲット環境のOracle GoldenGate Monitorサーバー関連のパスワードを更新します。WLSTの使用の詳細は、WebLogic Scripting Toolの理解を参照してください。
ターゲット・マシンにOracle GoldenGate Monitorエージェント・ソフトウェアをインストールし、構成します。手順については、Oracle GoldenGate Monitor Agentのインストールおよび構成を参照してください。
注意: T2Pスクリプトは、Oracle GoldenGate Monitorエージェントなどのスタンドアロン製品では利用できません。 |
次のようにしてT2P移動が正常に行われたことを確認します。
4.5.1項「Oracle WebLogic管理サーバーの起動」で説明されているようにして管理サーバーを起動し、4.5.3項「WebLogic管理対象サーバーの起動」で説明されているようにして管理対象サーバーを起動します。
Oracle GoldenGateコアGGSCI端末に移動し、start jagentコマンドを実行してOracle GoldenGate Monitorエージェントを起動します。
GGSCI>start jagent
すべて正常に起動したら、T2Pプロセスは完了です。
テスト環境から本番環境への移動の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理の次の章を参照してください。
「テスト環境から本番環境への移動」
「移動スクリプトおよび移動計画」