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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド
13cリリース1
E70363-03
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31 システム・インフラストラクチャ・ターゲットの処理

この章では、Oracle Enterprise Managerシステム・インフラストラクチャ・プラグインについて説明します。この章の内容は次のとおりです。

31.1 Enterprise Managerシステム・インフラストラクチャの概要

ホストとは、管理対象のデータベースやその他のサービスが常駐するコンピュータです。ホストは、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlでモニタリングされる数多くのコンポーネントやターゲットの1つです。Oracle Enterprise Manager Cloud Controlは、図31-1に示すアプリケーションからストレージ・ディスクまでのOracle製品スタックにおける、エンタープライズ・レベルのデータ・センター管理ソリューションです。

図31-1 Oracle製品スタック

図31-1の説明が続きます
「図31-1 Oracle製品スタック」の説明

Enterprise Managerシステム・インフラストラクチャ(EMSI)プラグインは、完全に統合されたソフトウェア・プラグインとしてモニタリング機能を提供し、Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システム、仮想化されたオペレーティング・システム(ゾーン)や仮想マシン(論理ドメイン)、サーバー、記憶域アプライアンス、ホストの記憶域、ネットワーク・リソースなどのスタックの下半分について、エンタープライズ全体のビューを提供します。

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlコンソールのインタフェースは、管理対象コンポーネントに関する詳細情報を提供し、コンポーネント間の関係を示します。ドリルダウンして、特定のコンポーネントやメトリックに関するより詳細な情報を表示できます。

サーバー・ターゲットについては、電力使用量、ネットワーク情報、サービス・プロセッサ構成、ファンや温度の情報などのサーバーの詳細を表示できます。その他のハードウェア・ターゲットには、シャーシ、ラック、電力配分装置、ネットワーク機器などがあります。ホストまたは記憶域アプライアンスの記憶域リソースとそのコンポーネント(記憶域プール、ストレージ・ハードウェア、ファイルシステム、論理ボリューム、論理ユニット(LUN)など)を表示できます。

Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システム・ターゲットについては、リソースとプロセスの情報、上位コンシューマ、パフォーマンスおよびオープン・インシデントの詳細を表示できます。さらに、Oracle Solarisの代替ブート環境やゾーンに関する詳細を表示できます。

Oracle VM Server for SPARCを使用してハードウェアを仮想化したり、Oracle Solarisを使用してオペレーティング・システムを仮想化すると、詳細が仮想化プラットフォーム・ページに表示されます。仮想化プラットフォーム・ページには、全体のゲスト、CPUとメモリー、インシデント、構成情報などの高レベルの詳細が表示されます。個々の仮想サーバーのページにドリルダウンして、選択した論理ドメインまたはゾーンに固有のメトリックを表示できます。

Enterprise Managerシステム・インフラストラクチャは、Oracle SuperClusterエンジニアド・システムのビューも提供します。Oracle SuperClusterは、SPARC計算ノード、Oracle ZFS Storage Appliance、インフィニバンド・スイッチ、PDUおよびExadata Storage Serverをマルチラック・システムに統合します。計算ノード、Exadata Storage Server、インフィニバンド・スイッチ、電力配分装置、ZFS記憶域サーバーなど、Oracle SuperClusterのすべてのコンポーネントを表示できます。「計算ノード」を展開すると、論理ドメインおよびゾーンを表示できます。

31.1.1 システム・インフラストラクチャ・ターゲットのモニタリングについて

一連のモニタリング・ルールおよびパラメータが、管理対象ターゲットをモニタリングします。予期したとおりに実行されていないリソースについては、アラートとインシデントが発行されます。

各ターゲットに対するダッシュボードには、ターゲット・タイプに基づいて詳細が表示されます。すべてのダッシュボードに、警告インシデント、クリティカル・インシデントおよび致命的なオープン・インシデントの数がリンクとともに表示され、リンクを使用して特定のインシデントのインシデント・マネージャにドリルダウンできます。

ホストにデプロイされた管理エージェントによって、ターゲットのアクティビティ、ステータス、パフォーマンスおよび状態についての情報が収集され、追跡されます。次の検出されたターゲット・タイプのメトリックを表示できます。

  • サーバー

  • 記憶域サーバー

  • ネットワーク

  • ラックおよび電力配分装置(PDU)

  • Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システム

  • Oracle Solarisゾーン

  • Oracle VM Server for SPARCおよび論理ドメイン

  • Oracle SuperClusterエンジニアド・システム

31.1.2 システム・インフラストラクチャ・ターゲットの動的ビューについて

ターゲットのタイプに応じて、ターゲット・ホームページにグラフ、チャートおよび表が表示され、より詳細な情報が一目でわかります。より複雑なターゲットのホームページには、動的なフォトリアリスティック・ビューと関係チャートが表示されます。場合によっては、イメージと対話することで、ハードウェアのデプロイ方法およびリソースの利用方法について理解を深めることができます。

次のチャートとビューを使用すると、ターゲットを迅速に評価でき、関係が一目でわかります。

  • 関係チャート: ゲストへのリソースの割当て方法が表示されます。たとえば、Oracle VM Server for SPARCの「システム・インフラストラクチャ仮想化プラットフォーム」ページには、vCPUとコアの割当てが表示される「コアの分散」タブがあります。チャートには同心円が表示され、そのセグメントには、どのCPUとコアがどのゲストに割り当てられ、どれが割り当てられていないかが示されます。外側の輪の中のゲストをクリックして、そのゲストのリソース使用に関する詳細な情報を表示できます。

  • フォトリアリスティック・ビュー: ハードウェア・ターゲットのコンポーネントとポート、およびオープン・インシデントがあるかどうかが表示されます。たとえば、Oracle SuperClusterエンジニアド・システムのモニタリング・ページには、ラック内でのシステムのレイアウト方法がわかるフォトリアリスティック・ビューがあります。システム内のすべてのアクティブなターゲットがイメージで表示されます。イメージ内のターゲットにマウス・ポインタを重ねると、より詳細な情報を表示できます。エンジニアド・システムのコンポーネントにオープン・インシデントがある場合は、コンポーネントが赤枠のイメージで表示されます。

  • 構成図ビュー: エンジニアド・システムのコンポーネントのラベルが表示されたシンボリック・ビューが表示されます。エンジニアド・システム内のサーバー、ZFS Storage Applianceサーバー、InfiniBandスイッチおよびPDUのLEDステータス(稼働中、停止中またはブラックアウト)と温度が一目でわかります。

31.2 システム・インフラストラクチャのユーザー・インタフェースの概要

システム・インフラストラクチャ・プラグインによって収集された情報は、更新されたユーザー・インタフェースに表示されます。各ターゲット・ホームページは、ターゲットのタイプ、およびターゲットでOracle VM Server for SPARCとOracle Solaris Zonesのどちらの仮想化テクノロジが利用されているかによって、若干異なります。

ターゲットのオープン・インシデント、リソース使用率およびメトリックがダッシュボードに表示されるため、ダッシュボードは高可用性と最適化されたパフォーマンスの維持に役立ちます。ユーザー・インタフェースのタブには、より詳細なメトリック情報が含まれています。情報は、ステータスやコンポーネント間の関係をすばやく理解できるように、グラフ、表、チャート、構成図ビューおよびフォトリアリスティック・ビューに表示されます。

31.2.1 ターゲット・ホームページについて

ホームページでは、ステータスをすばやく表示したり、潜在的なリソースの問題を特定したり、特定のターゲットのサービス・リクエストや構成履歴を表示することができます。このページからオープン・インシデントの詳細にドリルダウンして、詳細なメトリックおよびゲストの詳細を表示できます。

ホームページには、「すべてのターゲット」メニューからアクセスできます。各ホームページの上部にダッシュボードがあります。ページの右側にあるタブでより詳細な情報や履歴グラフを使用できます。

ダッシュボードは、重要な情報や厳密にモニタリングする必要がある情報の概要を表示するように設計されています。情報は、ダッシュレットと呼ばれる一連のセクションに表示されます。ダッシュボードには、少なくとも4つのダッシュレットが表示されます。ターゲット・タイプによってダッシュレットの数とコンテンツが決まります。ダッシュレット行の下にある小さなボタンをクリックすると、次の一連のダッシュレットに切り替わります。ナビゲーション・ボタンの下に、ダッシュボードを最小化できる1つのボタンがあります。

図31-2は、Oracle ZFS Storage Serverターゲット・ホームページの最初の3つのダッシュレットの例です。この例は、ターゲット・タイプとページが最後にリフレッシュされた日付を示しています。最初のダッシュレットにはターゲットの詳細が含まれ、2番目のダッシュレットは、オープン・インシデントの数と重大度レベルを示しています。3番目のダッシュレットは、このターゲットで使用されている容量と使用可能な容量を示しています。赤枠で示すように、「オープン・インシデント」ダッシュレットの下に1つ以上のボタンが表示されます。ボタンをクリックすると、次の一連のダッシュレットに移動します。

図31-2 ダッシュボード

図31-2の説明が続きます
「図31-2 Dashboard」の説明

コンテンツは異なりますが、各ホームページには、ターゲットのステータス、リソース使用率およびメトリックの統合されたビューが表示されます。ダッシュレットに表示される詳細の一部を次に示します。

  • 最初のダッシュレットには、選択したターゲットの名前やステータスなどのターゲットの詳細が表示されます。

  • 2番目のダッシュレットにはインシデント情報が表示されます。このダッシュレットには、現在オープンになっているクリティカル、警告および情報インシデントの数が表示されます。それぞれの数字は、より詳細な情報へのリンクになっています。

  • ターゲット・タイプに固有のリソース使用率、上位統計情報およびメトリック情報が1つ以上のダッシュレットに表示されます。

  • 過去30日間および過去5日間にOracleにファイルされた選択ターゲットのサービス・リクエストの数がダッシュレットに表示されます。

  • 最後のダッシュレットには、最後の構成変更および最終報告インシデントの時間が表示されます。

場合によっては、ダッシュレットのコンテンツをクリックしてドリルダウンし、詳細情報を取得できます。たとえば、「オープン・インシデント」ダッシュレットは、より詳細な情報にリンクしています。インシデントのタイプの横にある数字をクリックすると、ダッシュボードが反転し、インシデントの表が表示され、ターゲット名、シノプシスおよびそのタイプに応じた追加情報が示されます。さらにドリルダウンしてインシデント・マネージャに移動し、最高レベルの詳細を表示できます。

これらのターゲット・タイプのホームページの違いは、「仮想化ホームページについて」および「Oracleエンジニアド・システムのホームページについて」を参照してください。

31.2.2 仮想化ホームページについて

Oracle VM Server for SPARC仮想化テクノロジを使用する場合とOracle Solaris Zone仮想化テクノロジを使用する場合とでは、ターゲット・ホームページが異なります。

仮想化のターゲット・ホームページは次のとおりです。

  • 「仮想化プラットフォーム」ページ

  • 「仮想サーバー」ページ

「仮想化プラットフォーム」ページは、制御ドメインまたはグローバル・ゾーンのホームページです。「仮想化プラットフォーム」ページの左上隅には、関連する各論理ドメインまたはゾーンの「仮想サーバー」ホームページへのリンクを含む、「ターゲット・ナビゲーション」アイコンがあります。

ゾーンおよび論理ドメインについては、「仮想化プラットフォーム」ページに表示されるインシデント数にすべての関連するゾーンとドメインのインシデントが含まれます。たとえば、制御ドメインとすべての関連する論理ドメインが含まれます。

31.2.3 Oracleエンジニアド・システムのホームページについて

Oracle SuperClusterエンジニアド・システムについては、ターゲットのホームページからエンジニアド・システムのコンポーネントをモニタリングできます。モニタリング・ページに、エンジニアド・システムのフォトリアリスティック・ビューと構成図ビューが表示されます。フォトリアリスティック・ビューは、ラック内でのシステムの物理的なレイアウト方法の把握に役立ちます。イメージにマウス・ポインタを重ねると、コンポーネントに関する詳細を表示できます。構成図ビューには、コンポーネント・ラベルとLEDステータスが表示されます。

31.3 システム・インフラストラクチャ管理のロールの作成

システム・インフラストラクチャ・プラグインでは、アクセス制御用のロールを独自に定義していません。プラグインを管理するには、ロールおよび管理者を作成して、管理者にロールを割り当てる必要があります。ユーザーの権限は、ロールによって制限されます。


注意:

セキュリティ上の理由により、SYSMANアカウントは、他のアカウントを作成するためのテンプレートとしてのみ使用し、直接使用しないことをお薦めします。

ユーザーに管理権限を指定するロールを作成するには、次の手順を実行します。

  1. スーパー管理者ユーザーとしてEnterprise Manager Cloud Controlコンソールにログインします。

  2. 「設定」「セキュリティ」の順に選択します。

  3. 「ロール」を選択します。

    「セキュリティ」ページに、事前定義済ロールのリストが表示されます。これらのロールを基礎として、固有のサイト・レベル要件に合せてカスタム・ロールを定義できます。


    注意:

    表示された事前定義済ロールは、編集も削除もできません。

  4. 作成する目的のロールに最も近いロールを選択します。「類似作成」をクリックします。

  5. 「プロパティ」ページで、新しいロールの名前を入力します。オプションで説明を追加できます。「次」をクリックします。

  6. 「ロール」ページで、「使用可能なロール」のリストからロールを選択します。「移動」をクリックして、ロールを「選択したロール」に追加します。「次へ」をクリックします。

  7. 「ターゲット権限」ページで、新しいロールに付与する権限を選択します。「次」をクリックします。

  8. 「リソース権限」ページで、明示的に付与する特定の権限を編集できます。「権限付与の管理」の「編集」アイコンをクリックして、変更を行います。「次」をクリックします。

  9. 「管理者」ページの「選択可能な管理者」リストから、新しいロールを付与する管理者を選択します。「移動」をクリックして、管理者を「選択した管理者」に追加します。「次へ」をクリックします。

  10. 「確認」ページに、作成した新しいロールの完全なサマリーが表示されます。「戻る」をクリックして前の画面に戻り、変更を行います。「終了」をクリックして、ロールの作成を完了します。

新しく作成された管理者でログインすると、SYSMANとは異なり、管理者は設定された権限で制限されます。