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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド
13cリリース1
E70363-03
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32 ネットワークの管理

次の情報が含まれています。

32.1 ネットワーク管理のスタート・ガイド

Enterprise Managerは、図32-1に示す開放型システム間相互接続(OSI)モデルの第1、第2および第3層に移入するターゲットを検出および管理します。OSIモデルでは、ある層はそれより上の層をサポートし、それより下の層によりプロビジョニングされます。ある層に障害が発生すると、それより上にある層に影響を及ぼします。

  • 第1層: ファブリック・ターゲットはOSIモデルの物理層(ネットワーク・スイッチなど)にあります。

  • 第2層: データリンク・ターゲットはこのモデルのリンク層にあります。イーサネット・ファブリックの場合、データリンクはVLAN IDです。インフィニバンド・ファブリックの場合、データリンクはパーティション・キーです。この層には、リンクの組合せが含まれます(リンク・アグリゲーションなど)。

  • 第3層: ネットワーク・ターゲットはこのモデルのネットワーク層にあり、IPアドレスおよびIPMPグループとしてプラムされるネットワーク・インタフェースです。

ネットワーク管理には、ターゲットがネットワーク・リソースを利用できるようにするためのあらゆるアクティビティが含まれます。

  • ファブリックおよびそのデータリンクと、ネットワークの検出。

  • レイヤー関連構成およびパフォーマンスのメトリックを収集します。

  • 各レベルでの障害の検出。

  • トポロジ(ファブリックおよびネットワーク内の関係のグラフィック表示)の表示。

32.2 ユーザー・インタフェース内でのネットワーク情報の場所

表32-1に、情報が記載されている場所を示します。

表32-1 BUI内でのネットワーク情報の場所

リソース 場所

ファブリックの表示

「すべてのターゲット」を表示し、「システム・インフラストラクチャ・ネットワーク」を選択します。

ネットワークの表示

「すべてのターゲット」を表示し、「システム・インフラストラクチャ・ネットワーク」を選択します。ネットワークを選択します。

データリンクの表示

「すべてのターゲット」を表示し、「システム・インフラストラクチャ・ネットワーク」または「ホスト」を選択します。ネットワークを選択し、「ネットワークの接続性」タブをクリックしてから、「データリンク」オプションをクリックします。

ネットワーク・スイッチの表示

「すべてのターゲット」を表示し、「システム・インフラストラクチャOracle InfiniBandスイッチ」または「システム・インフラストラクチャCISCOスイッチ」を選択します。

ネットワークを使用している仮想化ホストの表示

ネットワークを表示して「接続されたノード」セクションを表示するか、「ネットワーク・メンバー」タブをクリックします。

ネットワークにおけるインシデントの表示

ネットワーク・インシデント・ダッシュレットの表示。

ネットワーク・スイッチのステータスの表示

「すべてのターゲット」を表示し、続いて「システム・インフラストラクチャ・スイッチ」を選択し、「温度」、「ファン」パフォーマンスおよび「スループット」ダッシュレットを表示します。

ネットワーク・スイッチのパフォーマンスの表示

「すべてのターゲット」を表示し、「システム・インフラストラクチャ・スイッチ」、ネットワーク・スイッチの順に選択します。「パフォーマンス」タブをクリックします。いつでも表示をリフレッシュできます。

ネットワーク・スイッチに対してモニタリングされているメトリックの表示

「すべてのターゲット」を表示し、「システム・インフラストラクチャ・スイッチ」を選択します。「システム・インフラストラクチャ・スイッチ」を右クリックして、「モニタリング」「すべてのメトリック」の順に選択します。

ネットワーク・スイッチのポートの表示

「すべてのターゲット」を表示し、「システム・インフラストラクチャ・スイッチ」を選択します。ネットワーク・スイッチを選択します。グリッドに使用済および使用可能なポートが表示されます。

ファブリックの検出

「ターゲットの追加」手順のいずれかを使用します。

ファブリック、データリンクまたはネットワークの削除

「ターゲットの削除」処理を使用します。


32.3 ネットワーク管理の処理

要件に応じて、次の処理を実行できます。

  • スイッチやネットワーク接続ターゲットの検出。ファブリックなどのネットワーク接続ターゲットを検出すると、そのデータリンクとネットワークも検出されたアセットとなります。

  • ファブリック、データリンクおよびネットワークの構成の表示。

  • インシデントおよびパフォーマンス・メトリックを使用した問題の診断。

  • ターゲットのモニター方法とパフォーマンス測定方法の変更。

32.4 トポロジの表示

トポロジは、アセット間の関係を表示します。ネットワーク・トポロジは、ポート、データリンクおよびネットワーク・インタフェースから構成されています。

  1. 「ターゲット」「すべてのターゲット」の順に選択します。

  2. ファブリックについては、イーサネット/インフィニバンド・ファブリックを選択します。

    ネットワーク・スイッチについては、「システム・インフラストラクチャ・スイッチ」を選択します。

    ネットワークについては、「システム・インフラストラクチャ・ネットワーク」を選択します。

  3. ターゲットの1つを選択します。

  4. ターゲットのランディング・ページで、メニューを表示するターゲットのタイプの横にある下向き矢印をクリックします。

  5. ファブリックについては、図32-2に示すように、「ファブリック・トポロジ」を選択します。

    図32-2 トポロジのメニュー選択

    図32-2の説明が続きます
    「図32-2 トポロジのメニュー選択」の説明

  6. 「トポロジ」ページに、このターゲットの関係が表示されます。トポロジの表示を調整して、ターゲットの詳細を表示できます。図32-3は、「フィルタ」オプションにアセットが含まれているため、選択したファブリックを使用するアセットを示しています。

    図32-3 ファブリック・トポロジ

    図32-3の説明が続きます
    「図32-3 ファブリック・トポロジ」の説明

  7. トポロジのオブジェクトにカーソルを重ねて、アセットの情報を表示します。図32-4に、ファブリックのスイッチにマウス・ポインタを重ねた結果を示します。

    図32-4 ターゲット・トポロジ

    図32-4の説明が続きます
    「図32-4 ターゲット・トポロジ」の説明

  8. 別のターゲットを表示するには、再度「すべてのターゲット」をクリックしてから、フィルタを削除するターゲット・タイプの横にある「削除」アイコンをクリックします。

32.5 ファブリック

32.5.1 ファブリックについて

ファブリックは、ターゲット(つまり、ポート)間の接続を含む物理ネットワーク・ターゲットを表します。スイッチの場合、すべてのポートがファブリックをサポートします。サーバーや記憶域アプライアンスなど、ネットワーク対応デバイスの場合には、ファブリックへのその接続が、そのポートとなります。OSIモデルの物理層として、ファブリック内のあらゆる障害が、ファブリックを使用するデータリンクとネットワークに影響を及ぼします。

ファブリックの名前は、ターゲットの名前に基づきます。たとえば、abcp01sw-ib02という名前のインフィニバンド・スイッチを検出する場合、ファブリックの名前は、IBFabric@abcp01sw-ib02.us.example.comになります。スイッチがシステム・コンポーネントの場合、ファブリックはシステムで最初に検出されるターゲットに基づく名前になります。ETHFabric@abcp01cn02.us.example.comという名前のファブリックは、このイーサネット・ファブリックで最初に計算ノードが検出されたことを示しています。

Enterprise Managerは、イーサネット・ファブリックとインフィニバンド・ファブリックを検出および管理できます。ファブリックの検出の詳細は、第16章「システム・インフラストラクチャ・ターゲットの検出、昇格および追加」を参照してください。検出後、これらのファブリックが共通して持つ属性、およびこれらの固有の属性を表示できます。

32.5.2 ファブリックに関する情報の表示

ファブリックに関する情報を表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「ターゲット」「すべてのターゲット」の順に選択します。

  2. イーサネット/インフィニバンド・ファブリックを選択します。

  3. ファブリックの1つを選択します。ファブリックのランディング・ページに、このファブリックのインシデントおよびこのファブリックを使用するノードが表示されます。

    図32-5 ファブリックのランディング・ページ

    図32-5の説明が続きます
    「図32-5 ファブリックのランディング・ページ」の説明

  4. 「ファブリック詳細」アイコンまたは「ファブリック・パフォーマンス」アイコンをクリックして、このファブリックに関する詳細を表示します。

    図32-6 ファブリック・パフォーマンス・アイコン

    図32-6の説明が続きます
    「図32-6 ファブリック・パフォーマンス・アイコン」の説明

32.5.3 ファブリック情報について

ファブリック・ダッシュボードのダッシュレットには次の情報が含まれています。

  • このファブリックのVLAN IDまたはパーティション・キー:

    • タグ付けされているVLANがあるイーサネット・ファブリックの場合、このセクションに各VLAN IDがリストされます。タグ付けされているVLANがない場合、このセクションにUntaggedが表示されます。

    • インフィニバンド・ファブリックの場合、このセクションに各パーティション・キーがリストされます。

  • オープン・インシデント

  • ポート占有

  • 最後の構成時間

「接続されたノード」セクションに、ファブリックのすべてのノード、つまりネットワーク・スイッチがリストされます。図32-7に示すように、ノードにマウス・ポインタを重ねることによって、固有の情報を表示することもできます。

図32-7 ファブリックのノード

図32-7の説明が続きます
「図32-7 ファブリックのノード」の説明

32.5.4 ファブリックのパフォーマンスについて

メトリックは可能な場合はリアルタイムに収集および表示されます。ネットワーク・スイッチのILOMサービス・プロセッサの場合、メトリック収集はリアルタイムで行われません。それらの場合、最新収集メトリックが、タイムスタンプとともに表示されます。

ファブリックまたはファブリック内のネットワーク・スイッチのインシデントを表示し、パフォーマンスのレコードを表示できます。パフォーマンスの変更が懸念される場合、改善のための推奨事項を検討します。

「設定」「モニタリング」「修正処理」の順に選択します。

パフォーマンスとメトリック収集の両方に影響を与える1つの要因は、ガイド付きプロセスを使用した追加ウィザードを使用してネットワーク・スイッチを検出するときに指定するSNMPのバージョンです。SNMPの3つのバージョンすべてがサポートされますが、最もセキュアで最も効率的なバージョン3をお薦めします。ネットワーク・スイッチへのアクセスを取得するために、資格証明でなく、公開のコミュニティ文字列を使用するバージョン2cがデフォルト・バージョンで、効果的なパフォーマンスを提供します。非推奨のSNMPバージョン1は、セキュアでなく、複数の問合せを使用してメトリックを収集します。バージョン1が必要な場合、SNMPのタイムアウト値を少なくとも180秒に増やす必要があります。表32-2に、SNMP指定のオプションを示します。

表32-2 サポートされているSNMPのバージョン

SNMPのバージョン セキュリティ・レベル パフォーマンス・レベル 推奨

バージョン3

高: ユーザー名およびパスワードが必要です

高: メトリックが1つの照会で一括収集されます。

推奨

バージョン2

非セキュア: パブリック・コミュニティ文字列

バージョン2cが使用されている場合は許容され、これにより、メトリックを一括収集できます。他のサブバージョンには、拡張された期限切れ間隔が必要です。

パフォーマンスは許容されますが、セキュリティが十分ではありません。

バージョン1

非セキュア: パブリック・コミュニティ文字列

180秒以上の期限切れ間隔が必要です。

非推奨


32.5.5 アクセス・ポイントの表示

  1. 「ターゲット」「すべてのターゲット」の順に選択します。

  2. 「システム・インフラストラクチャ・サーバー」を選択します。

  3. サーバーを選択します。

  4. 「システム・インフラストラクチャ・サーバー」グループの横にある下向き矢印をクリックして、メニューを表示します。

  5. 「モニタリング」「アクセス・ポイント - 概要」の順に選択します。

    図32-8 アクセス・ポイントの概要

    図32-8の説明が続きます
    「図32-8 アクセス・ポイントの概要」の説明

  6. 詳細は、もう一度メニューを選択し、「モニタリング」「アクセス・ポイント - 現行の機能マップ」の順に選択します。

    図32-9 アクセス・ポイントの機能マップ

    図32-9の説明が続きます
    「図32-9 アクセス・ポイントの機能マップ」の説明

32.5.6 ファブリックの削除

接続されているすべてのターゲットが削除されたファブリックは、自動的に削除されます。ファブリックを削除するには、「ターゲットの削除」処理を使用して、各ターゲットを削除します。最後のターゲットが削除されると、ファブリックは削除されます。

32.6 データリンク

32.6.1 データリンクについて

ネットワーク・スイッチまたはネットワーク対応デバイスを検出すると、次のようなそのデータリンクが検出されます。

  • ターゲット・コンポーネント

  • LAG構成

  • LAGメンバーシップ

  • 結合構成

  • IPMP構成

  • IPMPメンバーシップ

データリンク層は、VLAN (タグ付け済およびタグ付けされていないVLAN ID)、インフィニバンド・パーティション(デフォルトおよび割当て済パーティション・キー)およびファイバ・チャネル・ゾーンによってリソースを共有するネットワークを管理します。また、データリンクは、他のデータリンクを使用してスループットまたは信頼性を向上させることもできます。

32.6.2 データリンクに関する情報の表示

データリンクに関する情報を表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「ターゲット」「すべてのターゲット」の順に選択します。

  2. 「ホスト」を選択します。

  3. ホストを選択します。

  4. サマリーで、「ネットワークの接続性」タブをクリックします。

  5. データリンク・オプションをクリックします。

    図32-10 データリンク

    図32-10の説明が続きます
    「図32-10 データリンク」の説明

  6. 「詳細...」オプションをクリックして、パスおよび転送率を表示します。

32.7 ネットワーク

32.7.1 ネットワークについて

ネットワーク・スイッチまたはネットワーク対応デバイスを検出すると、そのネットワークが検出されます。選択したネットワークに関する次の情報を表示できます。

  • メトリックと収集設定

  • メトリック収集エラー

  • ステータス履歴

  • インシデント・マネージャ

  • アラート履歴

  • ブラックアウトとブラウンアウト

  • ブラックアウトの作成...

  • ブラックアウトの終了...

  • すべてのメトリック

  • ブラウンアウトの作成...

  • ブラウンアウトの終了...

  • ジョブ・アクティビティ

  • 情報パブリッシャ・レポート

  • 最新収集

  • 比較およびドリフト管理

  • 比較...

  • 検索...

  • 履歴

  • 保存...

  • 保存済

  • トポロジ

  • コンプライアンス結果

  • 標準アソシエーション

  • リアルタイム監視

  • モニタリング構成

  • 管理者アクセス

  • ターゲットの削除...

  • グループに追加...

  • プロパティ

  • ターゲット・サイトマップ

  • ターゲット情報

オペレーティング・システムを検出すると、OSターゲットのネットワーク接続性に関する次の情報を表示できます。

  • ネットワーク・インタフェース: MACアドレス、IPアドレス、ネットマスクおよびブロードキャスト・アドレス

  • IPV4およびIpv6

  • ルーティング表

  • オープンしているネットワーク・ポート

32.7.2 ネットワークに関する情報の表示

ネットワーク・スイッチに関する情報を表示する手順:

  1. 「ターゲット」「すべてのターゲット」の順に選択します。

  2. イーサネット/インフィニバンド・ファブリックを選択します。

  3. ファブリックの1つを選択します。

  4. ネットワーク・スイッチの1つを選択します。

  5. 「パフォーマンス」タブなどのタブを使用して、このターゲットに関する情報を表示します。

このページに移動する別の方法は、「すべてのターゲット」リストから、「システム・インフラストラクチャ・スイッチ」を選択することです。

  1. 「ターゲット」「すべてのターゲット」の順に選択します。

  2. 「システム・インフラストラクチャ・ネットワーク」を選択します。

  3. サブネットを選択します。

  4. 「システム・インフラストラクチャ・ネットワーク」の横にある下向き矢印をクリックしてメニューを表示するか、「ターゲット・サイトマップ」を選択してこのターゲットで使用できる処理のリストを表示します。たとえば、パフォーマンス・メトリックを表示するには、「モニタリング」を選択して、ドロップダウン・メニューから「すべてのメトリック」を選択するか、「ターゲット・サイトマップ」から「すべてのメトリック」を選択します。

32.7.3 ネットワークの削除

ネットワークに接続されているすべてのターゲットが削除されると、ネットワークは自動的に削除されます。ネットワークを削除するには、「ターゲットの削除」処理を使用して、各ターゲットを削除します。最後のターゲットが削除されると、ネットワークは削除されます。

32.7.4 OSアセットのネットワークの詳細の表示

この手順の説明に従い、ホストを選択してそのオペレーティング・システムを選択するか、オペレーティング・システムを選択してリストからサーバーを選択することができます。

  1. 「ターゲット」「すべてのターゲット」の順に選択します。

  2. 「オペレーティング・システム」セクションまでスクロールして、オペレーティング・システムのタイプを選択します。すべてのサーバーとそのオペレーティング・システムがリストされます。

  3. サーバーを選択します。

  4. 「OS」ダッシュボードで「ネットワークの使用方法」グラフまでスクロールして、ネットワーク・アクティビティの概要を表示します。このグラフの値および時間間隔は変更できます。

    図32-11 ネットワークの使用状況のグラフ

    図32-11の説明が続きます
    「図32-11 ネットワークの使用状況のグラフ」の説明

  5. 詳細を表示するには、「ネットワークの接続性」タブをクリックします。その後、「インタフェース」または「データリンク」オプションをクリックできます。