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Oracle® Solaris 10 から Oracle® Solaris 11.4 への移行

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更新: 2018 年 8 月
 
 

Oracle Solaris 10 と Oracle Solaris 11 の主な違い

Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11 へのアップグレードには、Oracle Solaris 11 の新規のインストールが必要です。

移行に役立つツールには次のものがあります。

  • Oracle Solaris 10 ブランドゾーン。Oracle Solaris 10 インスタンスを Oracle Solaris 11 システムの Oracle Solaris 10 ゾーンに移行します。

  • ZFS シャドウマイグレーション。UFS データを、ローカルまたは NFS のいずれかの既存のファイルシステムから、ローカルの新しい ZFS ファイルシステムに移行します。同じファイルシステム階層に UFS ディレクトリと ZFS ファイルシステムを混在させないでください。

    また、UFS ファイルシステムを Oracle Solaris 10 システムから Oracle Solaris 11 システムにリモートでマウントすることも、Oracle Solaris 10 システムで ufsrestore コマンドを使用して、UFS データ (ufsdump) を Oracle Solaris 11 ZFS ファイルシステムに復元することもできます。

  • ZFS プールのインポート。Oracle Solaris 10 システムで ZFS ストレージプールが含まれているストレージデバイスをエクスポートして切断してから、それらを Oracle Solaris 11 システムにインポートします。

  • NFS ファイル共有。Oracle Solaris 10 システムから Oracle Solaris 11 システムにファイルを共有します。NFS の旧バージョンの共有 ZFS ファイルシステムと ZFS NFS 共有ファイルシステムを混在させないでください。ZFS の NFS 共有ファイルシステムのみを使用してください。

主要な Oracle Solaris のドキュメントについては、Oracle Solaris のドキュメントを参照してください。その他のドキュメントおよび例については、『Oracle Solaris 11 のテクノロジーの概要』ページでテクノロジーを選択してください。

Oracle Solaris 10 で実行されるアプリケーションは、パブリック Oracle Solaris インタフェースのみを使用している場合は Oracle Solaris 11 でも実行されます。The Oracle Solaris 11 Preflight Applications Checker は、Oracle Solaris 10 で動作中のアプリケーションを分析して、アプリケーションの Oracle Solaris 11 の準備状態を判断できます。このツールのチェックの成功は、Oracle Solaris 11 で変更しなくてもアプリケーションを実行できることを強く示します。

FOSS およびその他のソフトウェアのバージョンが更新されます。システムに複数のバージョンのコマンドまたはツールを同時にインストールできる場合もあります。アプリケーションが特定のバージョンに依存する場合は、リンクに依存するのではなく実行可能ファイルへのフルパスを使用してください。

Oracle Solaris 11 で使用できなくなったコマンドおよびツールのリストについては、『Oracle Solaris 11 の End of Feature の通知』を参照してください。ほとんどの場合は、代替のものが用意されています。このリストには、新しい Oracle Solaris 11 をサポートしないハードウェアも含まれています。特定のサーバーでサポートされていない Oracle ソフトウェアのリストについては、『Oracle Server システムソフトウェアスタック』を参照してください。

各リリースでの新規機能または更新された機能の概要については、次のドキュメントを参照してください。

グラフィカルデスクトップは、一部のシステムインストールにはデフォルトでは含まれていません。グラフィカルデスクトップが必要な場合は、group/system/solaris-desktop IPS パッケージをインストールしてください。

インストールとアップグレードの変更点

Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11 への主な変更点は次のとおりです。

  • インストールとアップグレード:

    • JumpStart の代わりに、Automated Installer を使用します。

    • Live Upgrade の代わりに、テキストインストーラまたは Image Packaging System (IPS) の pkg コマンドを使用します。

    • ソフトウェアパッケージは、Linux パッケージリポジトリと同様のパッケージリポジトリで配布されます。

  • アーカイブとリカバリ: フラッシュアーカイブの代わりに、統合アーカイブを使用します。

  • システムサービス: 構成ファイルを直接編集するのではなく、サービス管理機能 (SMF) サービスのプロパティー値を設定することで、より多くのシステム構成を行います。構成ファイルでコメントを探して、その構成についてのドキュメントを参照してください。

  • root ユーザー: デフォルトでは root は役割であり、ユーザーではありません。権限が必要なタスクを root として実行する代わりに、関連するタスクの各セットをターゲットとした役割を作成し、割り当てます。

  • シェル: root ユーザーのデフォルトシェルは ksh です。その他のユーザーのデフォルトシェルは bash です。デフォルトのユーザー PATH も変更されています。

Oracle Solaris 機能を構成する方法の変更点

/etc/system.d ディレクトリ (顧客固有のシステム構成ファイルも格納されます) の部分的な構成ファイルによって、より多くの構成が提供されます。/etc/system を日常的に編集することは避けるようにしてください。部分的な構成ファイルは、指定されたサービスプロパティー値を使用して SMF サービスによって作成される場合もあります。

ネットワーク構成では、Oracle Solaris 11 は、net0net1netN 命名規則を使用して、システムの各データリンクに一般的な名前を割り当てます。構成も、構成ファイルを直接編集するのではなく、SMF サービスプロパティー値を使用して管理されます。さらに、データリンクと IP インタフェースを設定するための新しいコマンドが導入されて、Oracle Solaris 10 でよく使用されている ifconfig などのコマンドに取って替わっています。

Oracle Solaris 11 のネットワークは、ネットワークパフォーマンスの向上、効率的なネットワークリソース管理、ネットワークの可用性の向上、およびネットワーク仮想化などの分野での新しいテクノロジーを提供するように向上しています。『Oracle Solaris ネットワークの管理』および『Oracle Solaris でのネットワークサービスの管理』にあるドキュメントを参照してください。

ユーザー環境の変更点

  • デフォルトのログインおよびその他のシェルの変更 - Oracle Solaris 11 では、/bin/sh は Korn シェル (ksh93) であり、デフォルトの対話式シェルは Bourne-Again (bash) シェルです。ログインシェルとして使用した場合、bash は .bash_profile.bash_login、または .profile ファイルの最初のインスタンスから構成情報を取り出します。

    • レガシー Bourne シェルは /usr/sunos/bin/sh として使用可能です。

    • 旧バージョンの ksh88 は、shell/ksh88 パッケージの /usr/sunos/bin/ksh として使用可能です。

    • Korn シェルの互換性の情報は、/usr/share/doc/ksh/COMPATIBILITY で入手できます。

  • デフォルトのユーザーパスおよび PATH 環境変数 – デフォルトのユーザーパスは /usr/bin です。root 役割のデフォルトパスは /usr/bin:/usr/sbin です。bash のデフォルトの PATH 環境変数は /usr/bin:/usr/sbin です

Oracle Solaris 11.4 のユーザー環境の詳細については、About the User Work Environment in Managing User Accounts and User Environments in Oracle Solaris 11.3を参照してください。

セキュリティーの変更点

Oracle Solaris 11 のセキュリティーは、業界標準をより厳密にサポートしています。Oracle Solaris 11 のセキュリティーの概要については、Security: An Oracle Solaris Differentiatorを参照してください。

その他の拡張は、さらに強化を行い、コンプライアンス機能を追加し、セキュリティーのリモート管理を有効にします。