5 既知の問題

警告:

Oracle Linux 7は現在延長サポート中です。詳細は、Oracle Linux拡張サポートおよびOracleオープン・ソース・サポート・ポリシーを参照してください。

できるだけ早くアプリケーションとデータをOracle Linux 8またはOracle Linux 9に移行してください。

この章では、Oracle Linux 7.9の既知の問題について説明します。一部の問題は、x86_64プラットフォームとArm (aarch64)プラットフォームの両方に該当することがあります。Arm (aarch64)プラットフォームにのみ影響する既知の問題は、「既知の問題(aarch64)」を参照してください。

UEK R6に固有のその他の問題は、Unbreakable Enterprise Kernelリリース6: リリース・ノート(5.4.17-2011)を参照してください。

インストールとアップグレードの問題

Oracle Linux 7.9のインストールまたはアップグレード中に、次の1つ以上の問題が発生する可能性があります。

マルチパス対応のNVMeコントローラを使用するシステムでインストーラ・カーネルがブートに失敗する

Oracle Linux 7.9インストーラは、マルチパス対応のNon-Volatile Memory Express (NVMe)コントローラを使用するシステムでブートに失敗することがあります。

この問題を回避するには、ターゲット・システムでnvme_core.multipath=Nカーネル引数を設定して、ブート時にインストールについてネイティブ・マルチパス・サポートを無効にします。

(バグID 31758304)

openscap-containersパッケージがインストールされている場合にULNからのアップグレードが失敗する

アップグレードするシステムにopenscap-containersパッケージがすでにインストールされている場合、ULNからパッケージをインストールしてOracle Linux 7.8からOracle Linux 7.9にアップグレードすると失敗します。

この問題が発生しないようにするには、Oracle Linux 7.9にアップグレードする前にopenscap-containersパッケージを削除します。

sudo yum -y remove openscap-containers

(バグID 30686371)

グラフィカル・インストーラでユーザーがkickstart設定を編集できる

ノート:

次の問題は、x86_64プラットフォームと64ビットArm (aarch64)プラットフォームの両方に該当します。

グラフィカル・インストールを実行するときに、kickstart構成ファイルを使用して一部のインストール・オプションがすでに設定されている場合でも、インストール中に様々なフィールドをクリックし、事前定義された内容を編集することにより、それらの設定を変更できます。インストール・プロセス中にこのようなタイプの編集を行うには、設定の変更を意図的に試みる必要があり、対話型インストールが実質的に可能となって、kickstart構成で設定されたオプションがいずれのポリシーでも保護されなくなります。

テキスト・インストールの実行時には、このようなタイプの編集を行うことはできません。テキスト・インストール中には、kickstart構成ファイルでまだ定義されていないフィールドのみを変更できます。

(バグID 28642357)

許容できないKdump値が入力されたときにグラフィカル・インストーラがエラーを生成できない

Kdump設定を構成するときにグラフィカル・インストーラに適用される軽微なアップストリーム・ユーザビリティ・エラーがあります。手動kdumpメモリー予約を構成しようとして、メモリー予約値を許容できない値に設定した場合、インストーラでは、警告やエラー・メッセージが生成されることなく、「完了」をクリックしてインストール・サマリー画面に戻ることができます。

許容できない値を選択すると、インストーラによって、入力された許容値のうち最後に認識された値に値がリセットされます。または、インストーラによって、デフォルトの最小値である512 MBが設定されます。この情報は、インストール・サマリー画面には表示されません。このパラメータには誤った値を格納できないため、誤った情報が入力された場合でもインストールは成功します。

この問題は、テキストベースのインストーラでは発生せず、許容できない値を入力するとエラーが適切に返され、許容値を入力するまで続行できません。

(バグID 31133351、31182708)

Kdumpについて手動で設定した予約済メモリーがグラフィカル・インストーラで表示されない

Kdump設定を構成するときに、軽微なユーザビリティ・エラーがグラフィカル・インストーラに適用されます。Kdump用に予約されているデフォルトのメモリー・サイズを手動で変更した場合、画面がリフレッシュされても新しい設定は表示されません。かわりに、システム・メモリーの合計と使用可能なシステム・メモリーの値のみが表示されます。その結果、予約するメモリー(Mb)パラメータの制限が将来のKdump構成で不明になります。

ノート:

ブート時に使用するサイズをカーネルが決めるため、autoのKdumpメモリー予約のデフォルト設定は適切です

ノート:

ブート時に使用するサイズをカーネルが決めるため、autoのKdumpメモリー予約のデフォルト設定は適切です

(バグID 31133287および31182699)

HPE FlexFabricアダプタを使用するHPEサーバーでFCoEブートが失敗する

この問題は、入出力メモリー管理ユニット(IOMMU)が有効になっている場合に、bnx2xおよびbnx2fcドライバとOption Card Black Box - Active Health (OCBB)機能に関する既知の制限が原因となって発生します。この問題は、ネットワーク・アダプタ・ファームウェアが、インタフェースの起動または停止時あるいはドライバのロードまたはアンロード時に、ネットワーク・デバイスが割り当てられていないメモリー領域にアクセスしようとするために発生します。この問題が発生した場合は、システムを再起動する必要があります。

回避策として、カーネル・ブート・パラメータにintel_iommu=offを指定する必要があります。

(バグID 30102871)

iSCSIディスクへのインストールに関する情報

iSCSIディスクにインストールする場合は、ブート・コマンドラインにrd.iscsi.ibft=1パラメータを追加し、インストール・ターゲットとして少なくとも1つのMBRまたはGPT形式のディスクを指定する必要があります。そうしないと、インストールは失敗し、次のエラー・メッセージが表示されます。

No valid boot loader target device found. 

重要:

ip=ibftの使用をお薦めする以前の手順は現在では完全に非推奨であるため、このオプションは有効ではなくなりました。

(バグID 22076589、30155659)

HPE 3PAR TPVVへのインストールに関する情報

HPE 3PARストレージ・アレイにThin Persistenceライセンスを適用していない場合は、インストールで、シン・プロビジョニングされた仮想ボリューム(TPVV)にファイル・システムを作成できません。このライセンスは、ストレージの再利用のための低レベルSCSI UNMAPコマンドをサポートするために必要です。適切なライセンスがない場合の回避策は、TPVVのかわりにフル・プロビジョニングされた仮想ボリューム(FPVV)を使用することです。

(バグID 22140852)

Oracle Flash Accelerator F640 NVMeデバイスでインストールが失敗する

ターゲット・デバイスが、2つのブロック・デバイスを含むOracle Flash Accelerator F640 NVMeアドイン・カードである場合、インストールは失敗します。カードには2つの独立したNVMeコントローラとデバイスがありますが、同じWWIDが割り当てられています。マルチパス・デバイス・マッパーによって2つのブロック・デバイスが同じWWIDにマップされるため、無効なマルチパス構成が生成され、インストールが妨げられます。

この問題を回避するには、インストーラのブート引数nompathを使用して、ブート時にインストールのマルチパスを無効にします。インストールが完了したら、/etc/multipath.confファイルを編集して、システムでマルチパス構成についてNVMeブロック・デバイスをブロックリストに登録します。または、デバイス・マッパー・マルチパスを完全に無効にできます。マルチパスの構成の詳細は、Oracle Linux 7: 管理者ガイドを参照してください。

(バグID 27638939)

オープン・ファイル制限が小さすぎ、かつrpm-plugin-systemd-inhibitがインストールされている場合にアップグレードが失敗する

ノート:

次の問題は、x86_64プラットフォームと64ビットArm (aarch64)プラットフォームの両方に該当します。

ログイン・セッションのオープン・ファイル制限が小さく設定されすぎていて、アップグレードされるシステムに多数のチャネルまたはリポジトリの複数のパッケージが含まれている場合、Oracle Linux 7.6からのアップグレードが失敗する可能性があります。この問題は、rpm-plugin-systemd-inhibitパッケージがインストールされていて、セッションが4096未満の最大オープン・ファイル制限に対して構成されている場合に発生する可能性があります。通常は、この問題によって、yumコマンドが更新に失敗し、次のようなエラー・メッセージが生成されます。

Verifying  : glib2-static-2.56.1-1.el7.i686
glib2-static-2.56.1-1.el7.i686 was supposed to be installed but is not!

この問題を解決するには、yum updateコマンドを実行する前に、オープン・ファイル制限を4096に設定します。次に例を示します。

sudo ulimit -n 4096
sudo yum update -y

(バグID 28720235)

rdma-coreがインストールされているシステムをアップグレードすると、32ビットRDMAパッケージがインストールされる

Oracle Linux 7.4より前のアップグレードについて、rdma-core.noarchパッケージがインストールされている場合、32ビット・バージョンのパッケージおよび多数の依存関係も不要にインストールされます。この問題は、パッケージの元のバージョンが廃止されているために発生します。そのため、アップグレード中に、パッケージがrdma-core.i686バージョンとrdma-core.x86_64バージョンの両方のパッケージおよびそれらのパッケージの依存関係に置き換えられます。

この問題を回避するには、--exclude=\*.i686オプションを指定してyum updateコマンドを実行します。次に例を示します。

sudo yum update --exclude=\*.i686

(バグID 28217831)

パッケージの競合: PackageKit.i686とPackageKit.x86_64

ULNのol7_x86_64_optional_latestチャネルのPackageKit.i686パッケージは、ol7_x86_64_u6_baseチャネルのPackageKit.x86_64パッケージと競合します。両方のパッケージをインストールしようとすると、次のようなトランザクション・チェック・エラーが発生します。

Transaction check error:
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/__init__.pyc from install
of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/__init__.pyo from install
of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/backend.pyc from install
of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/backend.pyo from install
of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/enums.pyc from install of
PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/enums.pyo from install of
PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/filter.pyc from install of
PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/filter.pyo from install of
PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/misc.pyc from install of
PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/misc.pyo from install of
PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/package.pyc from install
of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/package.pyo from install
of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/progress.pyc from install
of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64
  file /usr/lib/python2.7/site-packages/packagekit/progress.pyo from install
of PackageKit-version.el7.i686 conflicts with file from package
PackageKit-version.el7.x86_64

同じシステムに同時にインストールできるのは、これらのパッケージのいずれか1つのみです。この競合を回避するには、yum構成でPackageKit.i686パッケージを除外します。インストール中にパッケージを除外する方法の詳細は、Oracle Linux: Unbreakable Linux Networkユーザーズ・ガイドfor Oracle Linux 6 and Oracle Linux 7を参照してください。

(バグID 24963661)

libpcapをアンインストールすると、多数のlibvirtパッケージが削除される可能性がある

ノート:

次の問題は、x86_64プラットフォームと64ビットArm (aarch64)プラットフォームの両方に該当します。

libpcapパッケージは、将来のテクノロジに対する機能を有効にするために更新されます。このパッケージをインストールした後、アンインストールしようとすると、依存関係によって多数のlibvirtパッケージもアンインストールされる可能性があります。libvirtパッケージはlibvirt-daemon-driver-nwfilerパッケージと依存関係があり、このパッケージはlibpcapと依存関係があります。libpcapパッケージを削除すると、パッケージのlibvirtファミリ全体が削除されます。

(バグID 28582266)

systemdにRemoveIPC=yesが構成されている場合にデータベースのインストールおよび操作が失敗する

systemdにRemoveIPC=yes設定が構成されている場合に、非システム・ユーザーがログアウトすると、そのユーザーのプロセスのプロセス間通信(IPC)が終了されます。ラップトップ・システムでの使用を目的としたこの設定は、サーバーではソフトウェアの問題を引き起こす場合があります。たとえば、ユーザーが、Oracle Databaseのoracleのようなデータベース・ソフトウェア所有者である場合、この構成によってデータベースのインストールが失敗したり、データベース・サービスがクラッシュすることがあります。

Oracle Linux 7.9ではデフォルトで、systemdによってIPCが終了しないようにするために、/etc/systemd/logind.confファイルでRemoveIPC=noが構成されています。ただし、システムをOracle Linux 7.9に更新する前にこのファイルを変更した場合、更新によって新しいバージョンのファイルが/etc/systemd/logind.conf.rpmnewとしてインストールされ、/etc/systemd/logind.confファイルでRemoveIPC=noは設定されません。データベースのクラッシュを防ぐには、/etc/systemd/logind.confファイルでRemoveIPC=noを設定した後、systemctl rebootコマンドを実行してシステムを再起動します。

(バグID 22224874)

自動バグ報告ツール

ノート:

次の情報は、x86_64プラットフォームと64ビットArmプラットフォームの両方に関連します。

Red Hat自動バグ報告ツール(ABRT)で提供される自動報告のデーモンおよび機能は、Oracle Linuxではサポートされていません

ABRTパッケージおよび関連ファイル(libreportなど)は、パッケージの依存関係を満たすためにディストリビューションに含まれており、ローカル・バグ・レポートの生成に使用できますが、これらのレポートを自動的にアップロードする機能はサポートされていません。技術的なサポートが必要な場合は、My Oracle Supportポータルまたは電話でOracleサポートに連絡してください。

ファイル・システムの問題

Oracle Linux 7.9の実行時には、次に示すファイル・システムの問題が発生します。

XFS: RHCKではreflink機能がサポートされていない

UEK R5カーネルでreflink機能をサポートするXFSファイル・システムが作成された場合、RHCKカーネルではこのXFSファイル・システムをマウントできません。このファイル・システムは読取り専用としてのみマウントできます。

(バグID 30119906)

XFS: RHCKではreal-timeデバイスがサポートされていない

UEK R5カーネルでreal-timeデバイスをサポートするXFSファイル・システムが作成された場合、RHCKカーネルではこのXFSファイル・システムをマウントできません。

(バグID 30115269)

ブート中にDell EMC PowerEdgeサーバーでACPIエラー・メッセージが表示される

IntelベースのDell EMC PowerEdgeサーバーのブート時に、BIOSでDell Active Power Controller (DAPC)設定が有効になっていると、次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。

kernel: ACPI Error: No handler for Region [SYSI] (0000000061df8ef3) [IPMI] (20190816/evregion-132)
kernel: ACPI Error: Region IPMI (ID=7) has no handler (20190816/exfldio-265)
kernel: ACPI Error: Aborting method \_SB.PMI0._GHL due to previous error (AE_NOT_EXIST) (20190816/psparse-531)
kernel: ACPI Error: Aborting method \_SB.PMI0._PMC due to previous error (AE_NOT_EXIST) (20190816/psparse-531)
kernel: ACPI Error: AE_NOT_EXIST, Evaluating _PMC (20190816/power_meter-743)

この問題は、RHCKカーネルとUEKカーネルの両方で発生します。

この問題の回避策は、次のようにapci_power_meterカーネル・モジュールを無効にすることです。

echo "blacklist acpi_power_meter" >> /etc/modprobe.d/hwmon.conf

apci_power_meterカーネル・モジュールを無効にした後、システムをリブートして変更を有効にします。

DAPC機能を必要としない環境については、代替の回避策としてDAPC BIOS設定を無効にできます。

(バグID 32105233)

/bootがBTRFSサブボリューム上にある場合、カーネルのアップグレード時にgrubbyの致命的エラーが発生する

ノート:

次の問題は、x86_64プラットフォームと64ビットArm (aarch64)プラットフォームの両方に該当します。

/bootがBtrfsサブボリュームでホストされている場合、GRUB 2ではinitramfsおよびvmlinuzのパス名を正しく処理できません。この問題は、ユーザーが新しいカーネルを更新またはインストールした後、grubbyコマンドがGRUB 2構成の更新を試行する際に発生します。Oracle Linux 7.9のフレッシュ・インストールがあり、RHCKまたはUEKカーネルをアップグレードする場合は、次のエラーが表示されます。

grubby fatal error: unable to find a suitable template

カーネルが更新された後にシステムを再起動すると、古いカーネルが起動されます。

この問題を回避するには、カーネルがインストールまたはアップグレードされた直後に、grub2-mkconfigを使用して、UEFIブート・システムで/etc/grub2/grub.cfgファイルまたは/etc/grub2-efi.cfgファイルを再生成します。次に例を示します。

sudo grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg

次のように、生成された構成内のカーネル・メニュー・エントリのリストを取得します。

grep -P "submenu|^menuentry" /boot/grub2/grub.cfg | cut -d "'" -f2

リストからデフォルト・カーネルとして実行するカーネル・エントリを選択し、次のコマンドを使用してこのエントリをデフォルトに設定します。

sudo grub2-set-default "menu entry title"

前述のコマンドで、menu entry titleは、リストで識別したカーネル・エントリのタイトルです。

grub2-editenv listコマンドを使用して、saved_entryが選択したカーネル・メニューのタイトルに更新されていることを確認できます。

システムを再起動し、uname -aを使用して、正しいカーネルが現在実行中であることを確認します。

(バグID 22750169)

ヘブライ文字のLaTeXフォント

ノート:

次の情報は、x86_64プラットフォームと64ビットArm (aarch64)プラットフォームの両方に該当します。

tex-fonts-hebrewパッケージのインストールは、その前にすべてのtexlive*パッケージをインストールしていないと失敗します。

(バグID 19059949)

InfiniBand CAポートを無効にすると警告が生成される

ibportstate disableコマンドを使用してInfiniBand CAまたはルーター・ポートを無効にすると、次の警告メッセージが表示される場合があります。

ibwarn: [2696] _do_madrpc: recv failed: Connection timed out
ibwarn: [2696] mad_rpc: _do_madrpc failed; dport (Lid 38)
ibportstate: iberror: failed: smp set portinfo failed

これらの警告は無視してもかまいません。

(バグID 16248314)

ロックダウンが有効になっている場合にKdumpが起動に失敗する

カーネル・ロックダウン機能が有効になっており、integrityまたはconfidentialityパラメータが設定されている場合、kdumpサービスは起動に失敗します。

この問題を回避するには、Kdumpの/usr/bin/kdumpctl構成ファイルに-sオプションを追加して、standard_kexec_args="-p"引数を含めます。変更を有効にするには、kdumpサービスを再起動する必要があります。

(バグID 31724653)

一部のAMDハードウェアでKdumpが失敗することがある

現在のOracle Linuxリリースを実行している一部のAMDハードウェアで、Kdumpが失敗することがあります。影響を受けるハードウェアには、AMD EPYC CPUサーバーが含まれます。

この問題を回避するには、/etc/sysconfig/kdump構成ファイルを変更し、KDUMP_COMMANDLINE_APPENDからiommu=offコマンドライン・オプションを削除した後、kdumpサービスを再起動して変更を有効にします。

(バグID 31127379、34034614、34211826)

KVMの問題

次に示すKVMの問題が発生することがあります。

UEFIを使用するKVMゲストのスナップショットは失敗し、サポートされていない

ノート:

次の問題は、x86_64プラットフォームと64ビットArm (aarch64)プラットフォームの両方に該当します。

KVMゲストがUEFIを使用している場合、KVMゲストのスナップショットを作成できません。古いバージョンのQEMUおよびlibvirtでは、ツールによって、エラーまたは警告なしでスナップショットを作成できますが、スナップショットが破損している可能性があります。これらのツールの最新バージョンでは、次のようなエラーを生成することでスナップショットの作成が妨げられます。

virsh # snapshot-create-as OL7-seboot
error: Operation not supported: internal snapshots of a VM with pflash based
firmware are not supported

(バグID 26826800)

LSI MegaRAID SAS ISCSIコントローラを使用するKVMゲストは7つの仮想ディスクに制限される

LSI MegaRAID SAS ISCSIコントローラを使用しているOracle Linux 7.9 KVMゲストは、7個の仮想ディスクに制限されています。KVMゲストは最大8つのISCSI仮想ディスクを持つことができますが、LSI MegaRAID SASコントローラは最初のスロットをISCSIイニシエータに使用し、仮想ディスクには7つのスロットのみが残されます。

この問題を回避するには、ISCSI仮想ディスクの作成時に、lsiコントローラではなくmegasasコントローラを使用します。たとえば、次の例に示すように、-device lsi-device megasasに変更します。

sudo /usr/bin/qemu-system-x86_64 -machine accel=kvm -m 8192 -smp 8 \
-drive file=/path/OracleLinux-7.6-x86_64.qcow2,format=qcow2,if=none,id=disk \  
-device ide-hd,bus=ide.0,unit=0,drive=disk,bootindex=0 -device lsi,id=lsi0 \ 
-drive  file=/path/disk1.img,format=raw,if=none,id=drive_image1 \
-device scsi-hd,id=image1,drive=drive_image1,bus=lsi0.0 \
...
sudo /usr/bin/qemu-system-x86_64 -machine accel=kvm -m 8192 -smp 8 \
-drive file=/path/OracleLinux-7.6-x86_64.qcow2,format=qcow2,if=none,id=disk \  
-device ide-hd,bus=ide.0,unit=0,drive=disk,bootindex=0 -device megasas,id=lsi0 \ 
-drive  file=/path/disk1.img,format=raw,if=none,id=drive_image1 \
-device scsi-hd,id=image1,drive=drive_image1,bus=lsi0.0 \
...

(バグ27681238)

NFSでOracle Linux 7 LXCコンテナを作成できない

ノート:

次の問題は、x86_64プラットフォームと64ビットArm (aarch64)プラットフォームの両方に該当します。

rootファイル・システム(/container)がNFS共有上でホストされている場合、Oracle Linux 7コンテナの作成に失敗します。この問題は、Oracle Linux 7のiputilsパッケージが、Linuxファイル拡張属性[xattr(7)] security capabilities(7)を使用するように構築されているために発生します。NFSではこれらのファイル機能がサポートされていないため、iputilsパッケージがNFSファイル・システムにインストールされないことがあります。たとえば、Oracle Linux 7コンテナの作成時、iputilsパッケージのインストール中にインストールが失敗し、次のエラーが発生します。

Error unpacking rpm package iputils-20121221-7.el7.x86_64
error: unpacking of archive failed on file /usr/bin/ping: cpio: cap_set_file
error: iputils-20121221-7.el7.x86_64: install failed

また、Oracle Linux 7コンテナの作成時にinitscriptsおよびsystemdパッケージをインストールしようとすると、同様の問題が発生します。

この問題は、NFSv3とNFSv4の両方で発生します。Oracle Linux 6コンテナは影響を受けないことに注意してください。

(バグID 25024258)

Oracle VMおよびXenでのOracle Linux 7ゲストのサポート

Oracle VMリリース3では、ハードウェア仮想化(HVM)と準仮想化ドライバによるハードウェア仮想化(PVHVM)の両方についてOracle Linux 7ゲストがサポートされています。Oracle VMまたはその他のXenベースのハイパーバイザ上の準仮想化ドメイン(PVM)内のOracle Linux 7ゲストはサポートされていません。

Oracle VMリリース2では、どのようなタイプのOracle Linux 7ゲストもサポートされていません。

(バグID 18712168、18667813、18266964)

ネットワークの問題

次の問題は、ネットワーク機能と構成に関連しています。

Broadcom BCM573xxネットワーク・ドライバ(bnxt_en)に関するデバイス名の変更により、ネットワーク構成の問題が発生することがある

UEK R6に組み込まれたBroadcom BCM573xxネットワーク・ドライバ(bnxt_en)に対するアップストリームの変更により、このドライバを使用するBroadcomネットワーク・インタフェースの2番目のポートのデバイス名が変更されます。たとえば、以前はeno3d1として識別されていたデバイスは、eno3として識別されるようになりました。この修正は、デバイスのネーミングを改善するため、また、ネットワーク・デバイスが異なる機能に属する可能性がある場合など、デバイスのポート機能に関する仮定に対処するために適用されました。その結果、RHCKまたはUEK R5、あるいはそれより前のUEKリリースを使用するシステムからUEK R6にアップグレードするときに、この変更によってネットワーク・スクリプトで問題が発生することがあります。

インストール中に、影響を受けるカードの2番目のポートを構成した場合、UEK R6を使用したインストール後の最初のブート時またはそれ以降のブート時に、この名前の変更による誤った構成エントリの結果として、システムは2番目のポートの初期化に失敗します。RHCKにブートする場合、システムは影響を受けません。

また、以前のOracle LinuxリリースからOracle Linux 7.9にアップグレードする場合、影響を受けるカードの2番目のポートが以前に構成されていると、以前のUEKおよびRHCKリリースでも異なるネーミング・スキームが使用されているため、システムは2番目のポートの初期化に失敗します。

この問題を回避するには、新しいインストールを実行し、デフォルトのカーネルとしてUEK R6を使用する場合は、Oracle Linux 7.9 UEKブートISOを使用してインストールを実行します。または、RHCKにブートするか、UEK R6でドライバによって使用されるネーミング規則に対応するようにネットワーク・インタフェース構成ファイル名およびインタフェース名を更新することもできます。

(バグID 31972637)

UEK R5より前のUEKリリースではGeneveネットワーク・ドライバのサポートが提供されない

Oracle Linux 7.9に含まれているipおよびiprouteコマンドは、Geneve対応デバイスをサポートしています。このドライバ用モジュールはRHCKには付属していますが、UEK R5より前のリリースには含まれていません。

そのため、Geneveデバイスの設定、追加または表示に使用するコマンドは、RHCKで使用する場合、あるいは、UEK R5またはUEK R6 (Oracle Linux 7.9に同梱されているデフォルトのUEKリリース)を実行している場合にのみ機能します。

(バグID 24652835)

ネットワーク接続アイコンに誤ったインタフェースの状態が示される

ネットワーク接続アイコンに、アクティブなネットワーク・インタフェースが切断されていると示される場合があります。この動作は、rootユーザーで発生し、他のユーザーでは発生しません。ip linkifconfigなどのコマンドライン・ユーティリティには正しい状態が示されます。

(バグID 19060089)

電源ボタンがデフォルトでACPI Suspendモードに設定される

Oracle Linux 7のグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)コンソール・モードでは、デフォルトでハードウェアの電源ボタンがACPI "Sleep"ボタンと同等のものとして扱われ、電源ボタンによりシステムが省電力のスリープ・モードに入ります。この動作は、GNOMEデスクトップ環境に固有です。

以前のOracle Linuxリリースでは、ハードウェアの電源ボタンでシステムのシャットダウンが開始されました。Oracle Linux 7が同様に動作するようにするには、次の手順を実行します。

  1. /etc/dconf/db/local.d/01-shutdown-button-actionという名前のファイルを作成し、次の内容を設定します。

    cat /etc/dconf/db/local.d/01-power
    [org/gnome/settings-daemon/plugins/power]
    power-button-action='interactive'
  2. /etc/dconf/db/local.d/locks/01-powerという名前のファイルを作成し、次の内容を設定します。

    cat /etc/dconf/db/local.d/locks/01-power
    /org/gnome/settings-daemon/plugins/power/power-button-action
    
  3. 次のコマンドを実行します。

    sudo dconf update
  4. デスクトップ環境からログアウトした後、ログインしなおして、新しい設定を有効にします。

(バグID 25597898)

sosreportコマンドが警告を発行する

このリリースでsosreportコマンドを実行すると、次のような警告が発行されます。

[plugin:networking] skipped command 'ip -s macsec show': required kernel
modules or services not present (kmods=[macsec] services=[]). Use
'--allow-system-changes' to enable collection.
[plugin:networking] skipped command 'ss -peaonmi': required kernel modules or
services not present
(kmods=[tcp_diag,udp_diag,inet_diag,unix_diag,netlink_diag,af_packet_diag]
services=[]). Use '--allow-system-changes' to enable collection.

これらの警告は、sosパッケージ・バージョンが変更されて--allow-system-changesオプションが追加されたことによって発生します。この警告は、sosreportコマンドを実行するときには常にこのオプションを指定することと、すべてのデータが正しく収集されるとともに結果のsosreportからシステム情報が省略されないようにすることを通知しています。

ノート:

--allow-system-changesオプションを指定すると、このコマンドによって、カーネル・モジュールのロードなど、システムを変更する機能があるものも含め、すべてのサブコマンドが実行されます。

(バグID 30650012)