Oracle の StorageTek T10000 テープドライブファミリは、大容量のデータストレージ用に設計された一連の小型でモジュール式の高性能ユニットを提供します。テープドライブは、ラックに搭載するか、または各種の StorageTek ライブラリで使用します (図1-1を参照)。T10000 ドライブファミリには T10000A、T10000B、T10000C、および T10000D の 4 つのモデルがあります。
ノート:
テープドライブはこのガイド全体で、T10000、テープドライブ、または単にドライブとも呼ばれています。図の凡例:
テープドライブは高さ 8.89 cm (3.5 インチ)、幅 14.6 cm (5.75 インチ)、および深さ 42.55 cm (16.75 インチ) です。このドライブは単一リールのテープカートリッジと PRML (Partial Response Maximum Likelihood) と呼ばれるテクノロジを使用して、次を可能にする高密度なデータフォーマットを提供します。
T10000A は最大 500 ギガバイト (GB) の非圧縮データを記録して保存する
T10000B は最大 1 テラバイト (TB) の非圧縮データを記録して保存する
T10000C は最大 5.5 テラバイト (TB) の非圧縮データを記録して保存する
T10000D は最大 8.5 テラバイト (TB) の非圧縮データを記録して保存する
テープドライブへのホスト接続には光ファイバを使用して、高速なデータ転送を提供します。
テープドライブには、次の電気および機械部品が含まれます。
コントロールプロセッサ: すべてのドライブ機能を制御し、埋め込みのファームウェアを搭載しています。
ADC テクノロジ: データ圧縮と解凍を実行します。ADC は、Adaptive Lossless Data Compression 技術です。
特殊なバッファー: テープに書き込まれた形式でデータを保持し、ふたたびホストから読み取られます。
読み取りおよび書き込み回路 (読み取り/書き込みヘッド): データをテープに書き込み、それをふたたび読み取るヘッドテクノロジによって補完される PRML を使用します。デュアルヘッドおよび 32 チャネルテクノロジは、データの整合性を向上させ、媒体の寿命を延長し、高い転送速度を実現します。
暗号化回路: 有効にすると、データを暗号化および復号化します。
ヘッドクリーナ: カートリッジのアンロード時にヘッドからごみを除去します。
データバッファー: T10000A または B ドライブには 256M バイトのデータバッファーがあります。T10000C または D ドライブには、2G バイトのデータバッファーがあります。
ローダー: カートリッジをロードし、それをカートリッジモーターにはめ込みます。
スレッダ: ロード時にテープをテープパスから巻き取りリールまで通し、アンロード時にテープをカートリッジに戻します。
テープパス: ヘッドを超えるまでテープを導きます。
Ethernet ポート: 暗号化鍵、Virtual Operator Panel、または Service Delivery Platform (SDP) などの項目をサポートする接続を提供します。ドライブは IPv4 および IPv6 アドレスをサポートします (ネットワークの選択を参照)。
Tape Transport Interface (TTI): ドライブとライブラリ間でコマンドとステータスを転送します。
RFID (Radio Frequency Identification) システム: テープカートリッジ内のメモリーチップへのインタフェースを提供します。
図1-2に、T10000A または B テープドライブのテープパスの要素を示します。T10000C または D のテープパスは似ています。
図の凡例:
波長 (モード) およびケーブルのタイプに応じて、さまざまなタイプのスモールファクタプラガブル (SFP) モジュールがあります。
短波長 SFP モジュールは、50 ミクロンマルチモードケーブルで使用します。
長波長 SFP モジュールは、9 ミクロンシングルモードケーブルで使用します。
テープドライブには、その 2 つの各ポートに SFP モジュールが付属しています。
ヒント:
ネットワークを計画する場合、SFP モジュールが HBA、スイッチ、波長、ケーブルタイプを含む特定のネットワークのタイプと構成をサポートしていることを確認します。図1-3に、構成に応じて、T10000 テープドライブに電力を供給する方法を示します。
SL3000 または SL8500 の構成では、T10000 テープドライブは、ドライブトレーの内部にある DC 電源から動作電圧を受け取ります。
ラックマウント構成では、ドライブは、ラックトレー (シャーシ) の内部にマウントされた AC 電源モジュールから動作電圧を受け取ります。
L シリーズライブラリ構成では、T10000A または B ドライブは、ライブラリトレーに取り付けられた外部 AC 電源モジュールから動作電圧を受け取ります。
9741E キャビネット構成では、T10000A ドライブは、キャビネット内にマウントされた外部 AC 電源モジュールから動作電圧を受け取ります。
すべてのバージョンの電源装置は、ほかの保守要件を持たない現場交換可能ユニット (FRU) です。電源モジュールが故障した場合は、別のモジュールと交換してください。
ノート:
電源装置がほかの T シリーズテープドライブの電源装置と同じように見え、同じ寸法であっても、T10000 電源装置は、特定の T10000 テープドライブモデルに固有です。図の凡例:
1 - 9741E ドライブキャビネット用 AC 電源装置 (T10000A のみ)
2 - ラックシャーシ (すべての T10000 モデル) および L シリーズライブラリ (T10000A または B のみ) 用 AC 電源装置
3 - DC 電源装置 (SL8500 および SL3000 ライブラリ)
保証または保守契約の対象になるテープドライブでは、Oracle のすべての保守呼び出しに、ドライブ保守 (Ethernet) ポートへの物理的なアクセスと接続が必要です。保守の必要なドライブに顧客が Ethernet ケーブルを物理的に接続している場合、保守担当者はこのケーブルを取り外して必要な保守アクションを行なってください。
Service Delivery Platform (SDP) によってサポートされている、暗号化に対応しない T10000 ドライブでは、そのドライブの Ethernet ポートが完全に SDP サイトユニット専用になっている必要があります。
暗号化に対応した T10000 ドライブでは、Oracle または Oracle 認定サービスパートナーによる保守活動時を除き、そのドライブの Ethernet ポートが完全に Encryption Service Network 専用になっている必要があります。
Encryption と SDP が共存している場所では、Encryption Service Network を使用することで Ethernet ポートが並行して共有される必要があります。
ノート:
ドライブの保守用ポートを無許可で使用している間に発生したドライブの機能障害に関して、Oracle はサポートすることも一切の責任を負うこともありません。無許可での使用は、ドライブの Ethernet ポートを次の項目以外に使用した場合に当てはまります。
Encryption 1.x (T10000C または T10000D ドライブではサポートされない)
Encryption 2.x 環境
VOP (Virtual Operator Panel)
リモートサポートプラットフォーム (Service Delivery Platform (SDP) など)
サービスのテープ健全性チェックツール
StorageTek Diagnostic System (STDS)
テープドライブは、組み込みの暗号化を備え、Oracle Key Manager (OKM) または Crypto Key Management System (KMS) と連携して、T10000 テープドライブによって書き込まれたデータを暗号化および復号化します。FIPS 準拠:
コードレベル 1.40.108、1.41.110、または 1.41.111 および KMS 2.1 以降を使用する T10000A ドライブは、磁気テープ上のデータに対して、FIPS 140-2 Level 1 セキュリティーに準拠しています。
コードレベル 1.40.208、1.41.210、または 1.41.211 および KMS 2.1 以降を使用する T10000B ドライブは、磁気テープ上のデータに対して、FIPS 140-2 Level 2 セキュリティーに準拠しています。
コードレベル 1.51.318 または 1.57.308 および OKM を使用する T10000C ドライブは磁気テープ上のデータに FIPS 140-2 Level 1 セキュリティーを提供します。
コードレベル 4.07.107 および Oracle Key Manager を使用する T10000D ドライブは磁気テープ上のデータに FIPS 140-2 Level 1 セキュリティーを提供します。
同じドライブはデータを暗号化するか、暗号化しないかのいずれかで、両方はありません。
テープドライブの Ethernet ポートは、暗号化鍵を取得します。
暗号化は FIPS モードでアクティブ化された場合にオフにできません。
Data Path Key Management (DPKM) サブシステムは、StorageTek テープドライブの 3 つ目の暗号化の実装です。DPKM では、SCSI 4 コマンド Security Protocol In
および Security Protocol Out
を使用して、StorageTek 暗号化テープドライブにホストベースの鍵管理を実装します。暗号化鍵は、ファイバチャネルインタフェース (非 FIPS 準拠) 経由でテープドライブに提供されます。DPKM はカートリッジごとに暗号化の状態をオンまたはオフに切り替える機能を提供するため、ユーザーは各テープカートリッジで暗号化ファイルと非暗号化ファイルを組み合わせて使用できます。テープドライブの DPKM 機能を有効または無効にするには、VOP を使用します。
次の機能は T10000C および T10000D テープドライブで使用できます。一部の機能の説明については、次のホワイトペーパーを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/jp/server-storage/sun-tape-storage/documentation/index.html
StorageTek Data Integrity Validation (DIV) は、ドライブに送信されたレコードごとに、アプリケーションまたはファイルシステムが提供するチェックサムを StorageTek T10000 で確実に検証するようにします。ユーザーが生成したチェックサムは、各レコードとともにテープに格納され、その後の読み取りまたは検証操作時にチェックできます (データをホストに送信する追加のオーバーヘッドはかかりません)。この機能の使用方法に関する情報は次から入手できます。
StorageTek T10000 テープドライブファイバチャネルのリファレンスマニュアル
StorageTek Tape Tiering Accelerator と StorageTek In-Drive Reclaim Accelerator によるテープの使用の再定義 (ホワイトペーパー)
DIV 機能は、FC テープドライブで使用でき、アプリケーションのサポートが必要です。
ノート:
この機能は、T10000D テープドライブでのみサポートされています。Oracle の StorageTek Direct Copy 機能によって、本番プロセスで並列にデータを移行することが可能になります。CPU を大量に消費するデータ移行アクティビティーでホストアプリケーションやディスクキャッシュに負荷をかけることなく、任意のファイバチャネルテープデバイスから StorageTek T10000D に直接データをコピーします。この機能は、Oracle Hierarchical Storage Manager 6.1 を使用してサポートされます。この機能の詳細については、最寄りの販売担当者に問い合わせて StorageTek Direct Copy ユーザー指定のコピーを入手してください。
ノート:
この機能は、T10000D テープドライブでのみサポートされています。Oracle の StorageTek File Access Accelerator 機能により、アプリケーションは、テープドライブの各ファイルへのシークに必要な時間を最小限に抑える最適化された取得順序を使用して StorageTek T10000D からファイルをリコールできます。テープドライブはアプリケーションからファイルのリストを受信し、ファイル間のシーク距離を最小限に抑えるためにそのリストの順序を最適化して、順序を変更したリストをアプリケーションに返します。次に、アプリケーションは標準のコマンドを使用して、最適化されたファイル順序でテープドライブに読み取り要求を送信します。この機能の詳細については、最寄りの販売担当者に問い合わせて StorageTek T10000 テープドライブファイバチャネルのリファレンスマニュアルのコピーを入手してください。
Maximum Capacity は、通常はテープからテープへのコピー操作を確実に成功させるために確保されているテープ容量を使用できるようにします。この機能の使用方法は、StorageTek T10000 テープドライブファイバチャネルのリファレンスマニュアルに説明されています。この機能により、T10000C の容量を 5.5T バイトまたは T10000D を 8.5T バイトに増やすことができます。
Maximum Capacity はデフォルトでオフにされており (VOP を使用して有効化)、FC ドライブおよび VSM で使用でき、アプリケーションのサポートは必要ありません。
StorageTek File Sync Accelerator (FSA) は、通常はテープマークの書き込みまたはその他の同期操作によって生じるバックヒッチをアプリケーションで減少または解消できるようにします。
FSA 機能はデフォルトでオンにされており (VOP を使用して無効化)、FC および FICON ドライブで使用でき、アプリケーションのサポートは必要ありません。StorageTek T10000 テープドライブによるテープパフォーマンスの最大化に関するホワイトペーパーを参照してください。
StorageTek Tape Application Accelerator (TAA) は、アプリケーションがデータストリームに sync コマンドを挿入しても、テープへの書き込みスループットを向上させます。TAA が有効にされていると、ドライブはテープマークを Buffered Tape Mark (バッファリングされたテープマーク) に、sync (同期) を NO-OP (無操作) に変換します。Buffered Tape Mark (バッファリングされたテープマーク) と NO-OP (無操作) では、テープドライブがバッファーの内容をテープに出して空にし、バックヒッチを引き起こすことがないため、データが高速にテープに書き込まれます。
TAA 機能はデフォルトでオフにされており (VOP を使用して有効化)、FC および FICON ドライブで使用でき、アプリケーションのサポートは必要ありません。
TAA 構成を有効にする前に、ユーザーは特定のアプリケーションが Write Tape Mark (テープマーク書き込み) と同期 (sync) をどのように使用しているかを判断する必要があります。File Sync (ファイル同期) と Write Tape Mark (テープマーク書き込み) は、FICON 環境とファイバチャネル環境では異なって定義されます。
FICON ドライブで TAA が有効にされていると、File Sync (ファイル同期) は常に NO-OP (無操作) に変換され、テープマークは常に Buffered Tape Mark (バッファリングされたテープマーク) として扱われます。
ノート:
この機能は、遅延エラーを処理する環境でのみ使用する必要があります。この機能が有効になっている場合は、テープマークを送信しても、データが正常にテープに書き込まれているとはかぎりません。コマンドが完了したあとで、バッファーに入っているデータがテープに書き込まれると、遅延エラーが報告される場合があります。FICON のみの環境では、二重書き込み操作でこの機能を使用するようにしてください。ファイバチャネル環境での TAA 操作は、ユーザーのストレージアプリケーションが電源障害やリセット状況のあとに、ジョブを自動的に再起動するかどうかによって異なります。
障害イベントのあとにジョブを再起動するように設計されたアプリケーションでは、File Sync (ファイル同期) は NO-OP (無操作) に変換しますが、テープマークは Buffered Tape Mark (バッファリングされたテープマーク) として扱わないように、TAA を構成することを強くお勧めします。
障害イベントのあとにジョブを再起動するように設計されていないアプリケーションでは、出力タイプのジョブを 2 つのテープドライブに二重化することを強くお勧めします。
StorageTek T10000 テープドライブによるテープパフォーマンスの最大化に関するホワイトペーパーを参照してください。
StorageTek Search Accelerator (SSA) は、FICON アプリケーションで最大 1024 バイトの長さの文字列を検索できるようにします。この機能によって、FICON 環境でのメインフレームの HSM 監査のパフォーマンスが向上する可能性があります。
SSA 機能は FC および FICON ドライブで使用でき、アプリケーションのサポートが必要です (API を使用できます)。Oracle の StorageTek Search Accelerator の使用に関するホワイトペーパーを参照してください。
StorageTek T10000C および T10000D テープドライブは、カートリッジの媒体情報領域 (MIR) へのアクセスをサポートしています。このコマンドは、StorageTek T10000B テープドライブと同様に、SCSI Read Buffer
コマンドを使用して実装されます。MIR データはテープレコードの位置情報を提供し、どのレコードをテープから最初に読み取るかを指示するためにアプリケーションで使用できます。この機能は、T10000 MAS N677 技術ドキュメントに説明されています。
MAS 機能は、FC テープドライブで使用でき、アプリケーションのサポートが必要です。
ノート:
この機能は標準カートリッジでのみサポートされます。StorageTek In-Drive Reclaim Accelerator (IDR) は、テープ全体を書き換えることなく、アプリケーションでテープの領域を再利用できるようにします。アプリケーションでパーティションマップを保存および管理して、この機能の利点を十分に活かす必要があります。StorageTek Virtual Storage Manager (VSM) は、StorageTek T10000B、T10000C、および T10000D ドライブでこの機能をサポートします。この機能の詳細については、最寄りの販売担当者に問い合わせて ALP のユーザーズガイドのコピーを入手してください。
IDR 機能は FC および FICON ドライブで使用でき、アプリケーションのサポートが必要です (API を使用できます)。
ノート:
この機能は標準カートリッジでのみサポートされます。StorageTek T10000C および T10000D ドライブにはテープをパーティション分割する機能があります。これらのパーティションをアプリケーションによって編成することで、テープ上のファイルセットの位置を制御できます。テープの先頭近くに置かれたデータセットには、テープの終わり (EOT) 近くに書き込まれたデータよりもアクセス速度が速いという特性があります。
アプリケーションで、テープ上のデータの位置を管理できるようになります。
StorageTek Tape Tiering Accelerator (TTA) により、パーティションを読み取り専用にできます。
TTA は最大で次を可能にします。
T10000C ドライブによって書き込まれるカートリッジ上の 480 論理ボリューム
T10000D ドライブによって書き込まれるカートリッジ上の 600 論理ボリューム
TTA 機能は FC および FICON ドライブで使用でき、アプリケーションのサポートが必要です (API を使用できます)。
この機能の詳細については、最寄りの販売担当者に問い合わせて ALP のユーザーズガイドのコピーを入手してください。
このセクションでは、T10000 テープドライブの性能仕様、物理仕様、および環境仕様を示します。
容量および性能:
容量、ネイティブ
T10000A: 500 ギガバイト (5 x 1011 バイト)
T10000B: 1 テラバイト (1 x 1012 バイト)
T10000C: 5 テラバイト (5 x 1012 バイト)
T10000D: 8 テラバイト (8 x 1012 バイト)
ノート:
Max Capacity が有効にされている場合、容量は T10000C の場合に 5.5T バイトまたは T10000D の場合に 8.5T バイトまで増やすことができます。容量 (Sport カートリッジ)
T10000A: 120 ギガバイト
T10000B: 240 ギガバイト
T10000C: 1 テラバイト (1 x 1012 バイト)
T10000D: 1.6 テラバイト (1.6 x 1012 バイト)
データバッファーのサイズ:
T10000A または B: 256M バイト
T10000C または D: 2G バイト
テープの速度:
読み取りおよび書き込み
T10000A: 2.0 および 4.95 m/秒
T10000B:
T10000B でフォーマットしたカートリッジ: 2.0 および 3.74 m/秒
T10000A でフォーマットしたカートリッジ: 2.0 および 4.95 m/秒 (読み取り専用)
T10000C: 5.62 m/秒
T10000D: 4.75 m/秒 (4.25、3.75、3.25、および 2.75 m/秒の追加の速度)
ファイルの検索および位置特定:
T10000A または B: 8.0 - 12 m/秒 (変動速度)
T10000C または D: 10 - 13 m/秒 (変動速度)
高速巻き戻し:
T10000A または B: 8.0 - 12 m/秒 (変動速度)
T10000C または D: 10 - 13 m/秒 (変動速度)
インタフェース:
タイプ:
T10000A: 2G ビットまたは 4G ビットファイバチャネル (FC) および FICON
T10000B/C: 4G ビット FC および FICON
T10000D: 16G ビット FC および 16G ビット FICON
ノート:
16G ビットテープドライブインタフェースは、8G ビットおよび 4G ビット環境と互換性があります。データレート:
T10000A または B: 120M バイト/秒
T10000C: 252M バイト/秒 (ネイティブ Sustained) および 240M バイト/秒 (full file host)
T10000D: 252M バイト/秒 (ネイティブ Sustained)
ノート:
実現される実際のデータレートは、使用されているプロセッサ、ディスクデータレート、データブロックサイズ、データ圧縮率、インタフェース、I/O アタッチメント、ストレージエリアネットワーク (SAN)、およびソフトウェアを含む完全なシステムの機能です。ドライブは、252M バイト/秒 (T10000C または D) または 120M バイト/秒 (T10000A または B) ネイティブデータレートに対応できますが、その他のコンポーネントで実際の有効データレートが制限されることがあります。アクセス時間:
テープのロードおよび準備スレッド
T10000A または B: 16.5 秒
T10000C: 13.1 秒
T10000D: 13 秒
ファイルアクセス、平均 (ロードを含む)
T10000A または B: 62.5 秒 (Sport カートリッジの場合は 30.5 秒)
T10000C: 70.1 秒 (Sport カートリッジの場合は 30.6 秒)
T10000D: 62.5 秒 (Sport カートリッジの場合は 28 秒)
巻き戻し (最高):
T10000A または B: 91 秒 (Sport カートリッジの場合は 23 秒)
T10000C: 115 秒 (Sport カートリッジの場合は 32.5 秒)
T10000D: 97 秒 (Sport カートリッジの場合は 26 秒)
アンロード時間: 23 秒
信頼性:
ヘッドの寿命: 5 年
未訂正ビット誤り率: 1 x 10-19
幅:
146 mm (5.77 インチ) ドライブ (カートリッジベゼルを含む)
483 mm (19 インチ) ラックマウントトレー
奥行き:
ドライブ:
433 mm (17 インチ) T10000A または B (カートリッジのベゼルおよび D コネクタを含む)
427 mm (16.8 インチ) T10000C (カートリッジのベゼルおよび SFP モジュールを含む)
ラックマウントトレー: 640 mm (25 インチ)
高さ: 81 mm (3.2 インチ)
重量:
ラックマウントトレー: 18.6 kg (41 ポンド) 単一ドライブまたは 25 kg (55 ポンド) デュアルドライブ
SL8500 トレー: 9.4 kg (20.75 ポンド)
SL3000 トレー: 10.1 kg (22.25 ポンド)
L シリーズ (T10000A または B のみ): 8.3 kg (18.3 ポンド)
9310 (T10000A のみ): 6.9 kg (15.25 ポンド)
ノート:
T10000 テープドライブは、下に示すすべての範囲で機能しますが、推奨される範囲内に環境を維持することにより、最適な信頼性を実現します。温度:
最適: 22°C (72°F)
推奨: 20 - 25°C (68 - 77°F)
範囲: 15.6 - 32.2°C (60 - 90°F) - 乾球
輸送時:
最適: 22°C (72°F)
推奨: 20 - 25°C (68 - 77°F)
範囲: -40 - 60°C (-40 - 140°F)
保管時:
最適: 22°C (72°F)
推奨: 20 - 25°C (68 - 77°F)
範囲: 10 - 40°C (50 - 104°F) - 乾球
動作時:
最適: 45%
推奨: 40 - 50%
範囲: 20 - 80%
輸送時:
最適: 45%
推奨: 40 - 50%
範囲: 10 - 95%
保管時:
最適: 45%
推奨: 40 - 50%
範囲: 10 - 95%
湿球 (結露なし):
動作時: 29°C (84°F)
輸送時: 35°C (95°F)
保管時: 35°C (95°F)
ヒント:
業界の最良事例では、最高のパフォーマンスを実現するために、コンピュータ室の相対湿度を 40 - 50% に維持することを推奨しています。T10000 テープドライブは、StorageTek ライブラリまたはラックマウントの構成で使用できます。
ライブラリ構成用のドライブトレーには、1 台のテープドライブを収納します (図1-1を参照)。ドライブトレーは、ライブラリモデル用に特別に設計されています。あるライブラリモデルを別のライブラリモデルに適合させるために、変換キットを使用できます (ライブラリトレーキットを参照)。
SL3000: 最大 56 台の T10000 テープドライブで 200 個から 6,000 個のカートリッジを保持します。
SL8500: 単一の SL8500 は、最大 64 台の T10000 テープドライブで最大 10,000 個のカートリッジを保持します。10 台のモジュールのライブラリコンプレックスでは、最大 100,000 個のカートリッジと最大 640 台のテープドライブを保持できます。
L シリーズ:
ノート:
T10000C および T10000D テープドライブは、L シリーズライブラリではサポートされません。L180: 最大 6 台の T10000A または T10000B テープドライブで 84 から 174 個のカートリッジを保持します。
L700: 最大 12 台の T10000A または T10000B テープドライブで 216 から 678 個のカートリッジを保持します。
L700e: パススルーポート (PTP) によって 2 台のライブラリを接続している場合、最大 24 台の T10000A または T10000B テープドライブで 300 から 1,344 個のカートリッジを保持します。
L1400M: 最大 24 台の T10000A または T10000B テープドライブで 300 から 1,344 個のカートリッジを保持します。
9310:
ノート:
T10000B、T10000C、および T10000D テープドライブは、9310 ライブラリではサポートされません。単一の 9310 は、9741E ドライブキャビネットを備えた 4 つのドライブウォール上の最大 80 台の T10000 テープドライブで最大 6,000 個のカートリッジを保持します。
詳細は、ライブラリの設置要件を参照してください。
Virtual Operator Panel では、オペレータまたは保守担当者が 1 台のテープドライブのタスクをモニターし、実行できます。VOP ソフトウェアは、Windows、Solaris、Linux などの多様なプラットフォームにインストールできます。
VOP は、テープドライブへの標準 RJ-45 Ethernet 接続を使用します。
VOP を使用して、ドライブ操作を実行し、エラー情報を取得し、テープドライブを構成できます。
図1-4に、「Drive Operations」メニューが展開された T10000 テープドライブの Virtual Operator Panel (VOP) グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を示します。
T10000 では、次のタイプのカートリッジをサポートします。
StorageTek T10000 カートリッジ (T10000A または B ドライブ):
データ: 500G バイト (T10000A) または 1T バイト (T10000B)
データ、Sport: 120G バイト (T10000A) または 240G バイト (T10000B)
VolSafe、容量: 500G バイト (T10000A) または 1T バイト (T10000B)
VolSafe、Sport: 120G バイト (T10000A) または 240G バイト (T10000B)
クリーニングカートリッジ: 50 回使用 (CT または CL カートリッジ)
StorageTek T10000 T2 カートリッジ (T10000C および T10000D テープドライブ):
データ、標準: 5T バイト (T10000C) または 8T バイト (T10000D)
データ、Sport: 1T バイト (T10000C) または 1.6T バイト (T10000D)
VolSafe、Sport: 1T バイト (T10000C) または 1.6T バイト (T10000D)
VolSafe、容量: 最大 5.5T バイト (T10000C) または 8.5T バイト (T10000D)
クリーニングカートリッジ: 50 回使用 (CL カートリッジ)
カートリッジ内部には、カートリッジとその時間経過によるパフォーマンスに関する情報を保存する Radio Frequency Identification (RFID) メモリーチップが搭載されています。ドライブ内のモジュールは、チップから情報を取得します。
すべてのカートリッジには、カートリッジラベル領域、カートリッジドア、書き込み保護スイッチがあります。図1-5に、T10000 テープカートリッジの例を示します。
テープカートリッジに関する詳細、ラベルの例、および仕様については、付録A テープカートリッジを参照してください。
注意:
サーボトラックの損傷: 一括消去によって、事前記録されていたサーボトラックが破壊されます。StorageTek T10000 または T10000 T2 テープカートリッジにはデガウスを行わないでください。図の凡例:
T10000 テープドライブは光ファイバベースのホストインタフェースをサポートしています。
オープンシステムプラットフォーム用のファイバチャネル
エンタープライズメインフレーム用の FICON (IBM のファイバ接続)
インタフェースは規格に準拠しています。
米国規格協会 (ANSI)
国際標準化機構 (ISO)
情報技術規格国際委員会 (INCITS)
T10000 テープドライブでは特定のタイプのケーブルとコネクタが使われます。
シングルモード:
伝送: レーザー
芯および被覆材: 9/125
色: 黄
インタフェース速度: 1、2、4、または 16G ビット/秒
距離:
T10000A、B、または C: 2 m - 10 km
T10000D: T10000D の長波長 SFP で最大 20 km
マルチモード:
伝送: LED
芯および被覆材: 50/125
重要: 62.5/125 の寸法のマルチモードケーブルは推奨されません。既存の設置でそれらが検出された場合は、マルチモード 50/125 インタフェースケーブルに交換してください。
OM2 ケーブル:
色: オレンジ
インタフェース速度と距離:
1G ビット/秒、最大 500 m
2G ビット/秒、最大 300 m
4G ビット/秒、最大 150 m
8G ビット/秒、最大 50 m
16G ビット/秒、最大 35 m
ノート:
これらの長さを超えると、問題を引き起こし、エラーしきい値を超え、パフォーマンスを妨げる可能性があります。OM4 ケーブル
色: 水色
インタフェース速度と距離:
4G ビット/秒、最大 400 m
8G ビット/秒、最大 200 m
16G ビット/秒、最大 130 m
T10000 テープドライブは、ANSI ファイバチャネル仕様に準拠して、2 つのポートによる接続をサポートします。
情報技術規格国際委員会 (InterNational Committee for Information Technology Standards、INCITS) の次のドキュメントを参照してください。
ノート:
ホストがReserve/Release
または Persistent Reserve/Release
仕様を遵守している場合、ドライブは 2 台のホストをサポートできます。T10000 テープドライブは別のテープドライブまたはディスクサブシステムと同じホストポートに接続しないでください。帯域幅の要求が HBA の負荷になり、2 つのソリューションの間で許容できないエラー回復問題を引き起こします。
Interop Tool はサポートされるすべての製品 (StorageTek ブランドまたはサードパーティーブランド) の接続情報を使用して設計された Web ベースのツールです。この Web サイトに表示される構成は、社内の試験研究所や技術パートナーを含むさまざまなソースから報告された最新情報を反映しています。
Interop Tool には Oracle 従業員がアクセスできます。
ストレージエリアネットワーク (SAN) を構築する場合、最初にすることは計画です。次に、ネットワークを設計し、接続する場合に考慮する項目のリストを示します。
接続の論理計画を作成します。
デュアルファブリックおよびデュアル HBA を使用してサーバーを接続します。
ベンダーとデバイスのタイプはゾーンに分類します。
柔軟性を得るには WWN ゾーンを、セキュリティーを得るにはポートゾーンを使用します。
1 つのファブリック内のすべてのスイッチで同じゾーン構成を維持してください。
ゾーン内の別名には一意の名前を使用します。
可能な場合は、スイッチと HBA のベンダーを標準化します。
類似のデバイスでは同じファームウェアおよびドライバレベルを使用します。
冗長性のため、スイッチ間には少なくとも 2 つのリンクを使用します。
拡張の余地を残しておきます。
すべてのものをドキュメント化し、ラベル付けします。可能な場合は図を提供します。
大きなファブリックも可能ですが、エラーや混乱を減らすために、サイズを制限し、複数の小さいファブリックを使用することが最適です。
一部のオペレーティングシステムでは、再起動後にデバイスが必ず同じターゲット ID またはパスを持つことを保証していません。これによって、テープドライブが再起動前と同じ ID を持つことを想定するアプリケーションで問題が発生する可能性があります。
バインディングとは、コンポーネント (テープドライブポート、スイッチ、ファブリックなど) の World Wide Name (WWN) とファイバチャネルネットワーク内の特定のターゲット ID を一致させる方法です。この機能は、デバイスを共有する環境で役立ちます。
バインディングのタイプ
永続的バインディングは個々のドライブを HBA に固定します。
ポートバインディングは、スイッチの個々のポートをノードに固定します。
スイッチバインディングはファブリック内で個々のスイッチを固定します。
ファブリックバインディングはネットワーク内でファブリック全体を固定します。
T10000 テープドライブと、StorageTek T シリーズおよび Linear Tape-Open を含むその他のドライブタイプとのいくつかの比較は次のとおりです。
T10000 ドライブ:
T10000A: 500G バイト標準カートリッジおよび 120G バイト Sport カートリッジ
T10000B: 1T バイト標準カートリッジおよび 240G バイト Sport カートリッジ
T10000C: 5T バイト標準カートリッジおよび 1T バイト Sport カートリッジ
T10000D: 8T バイト標準カートリッジおよび 1.6T バイト Sport カートリッジ
ノート:
Max Capacity が有効にされている場合、容量は T10000C の場合に 5.5T バイトまたは T10000D の場合に 8.5T バイトまで増やすことができます。T9940B: 200G バイト
LTO6: 2.5T バイト
T10000 ドライブ:
ノート:
実現される実際のデータレートは、使用されているプロセッサ、ディスクデータレート、データブロックサイズ、データ圧縮率、インタフェース、I/O アタッチメント、ストレージエリアネットワーク (SAN)、およびソフトウェアを含む完全なシステムの機能です。ドライブは、252M バイト/秒 (T10000C または D) または 120M バイト/秒 (T10000A または B) ネイティブデータレートに対応できますが、その他のコンポーネントで実際の有効データレートが制限されることがあります。T10000A または T10000B: 125M バイト/秒
T10000C: 252M バイト/秒 (ネイティブ Sustained) および 240M バイト/秒 (full file host)
T10000D: 252M バイト/秒 (ネイティブ Sustained)
T9940B: 30M バイト/秒
LTO6: 160M バイト/秒
T10000 ドライブ:
T10000A または B: 標準カートリッジ 62.5 秒および Sport カートリッジ 30.5 秒
T10000C: 標準カートリッジ 70.1 秒および Sport カートリッジ 30.6 秒
T10000D: 標準カートリッジ 62.5 秒および Sport カートリッジ 28 秒
T9940B: 59 秒
LTO6: 50 秒
T10000 ドライブ:
T10000A: 2.0 または 4.95 m/秒
T10000B: 2.0 または 3.74 m/秒
T10000C: 5.62 m/秒
T10000D: 4.75 m/秒 (4.25、3.75、3.23、および 2.75 m/秒の追加の速度)
T9940B: 3.4 m/秒
LTO6: 7.4 m/秒
T10000 ドライブ:
T10000A または B: 91 秒 (Sport カートリッジの場合は 23 秒)
T10000C: 115 秒 (Sport カートリッジの場合は 32.5 秒)
T10000D: 97 秒 (Sport カートリッジの場合は 26 秒)
T9940B: 90 秒
LTO6: 98 秒
StorageTek T10000 テープカートリッジ: 855 m (2805 フィート)
StorageTek T10000 T2 テープカートリッジ: 1107 m (3632 フィート)
T9940 テープカートリッジ: 650 m (2133 フィート)
LTO6 Ultrium データカートリッジ: 846 m (2776 フィート)
T10000 ドライブ:
T10000A: 768
T10000B: 1152
T10000C: 3584
T10000D: 4608
T9940B: 576
LTO6: 2176