3 ELS 保守のインストール

この章では、ELS 保守のインストール方法について説明します。ここでは、次のトピックについて説明します。

ELS 7.2 用および ELS 7.2 と共存している Oracle StorageTek ソフトウェアのすべてのリリース用の最新の累積保守 (PTF および HOLDDATA) を入手してインストールする必要があります。My Oracle Support (MOS) サイトから累積保守をダウンロードします。

http://www.myoraclesupport.com

HOLDDATA および PTF 更新についてこのサイトに頻繁にアクセスし、定期的に累積保守更新をインストールしてください。PTF は、毎月 MOS にリリースされます。

保守のインストールを行う前に、利用可能な最新の保守の情報について、Oracle Global Customer Services に問い合わせてください。Oracle へのお問い合わせについては、はじめにを参照してください。

注記:

PTF および HOLDDATA は ELS リリース時に存在しない可能性がありますが、しばらくすると、毎月 MOS にリリースされます。

保守インストールデータセット

SMP/E を使用して ELS 保守をインストールします。したがって、ELS ベース製品のインストールに使用される SMP/E ターゲットおよび配布ライブラリが必要になります。これらのライブラリの詳細については、ターゲットおよび配布ライブラリデータセットの割り振りと、必須の DDDEF エントリを参照してください。

ELS 累積サービスの内容

ELS 累積保守は ZIP ファイルで配布されます。次の表では、ZIP ファイルに含まれるファイルについて説明します。

表3-1 ELS 7.2 累積サービスの内容 (コードディレクトリ)

ファイル番号
データセット名
説明

1

els72.cvr

PTF カバーレターと JCL サンプル

2

els72.hdd

SMP/E HOLDDATA

3

els72.ptf

サービス PTF

4

els72.smm

サマリーデータ


ELS 保守の SMP/E JCL サンプルのアンロード

ELS 保守をインストールするためのサンプル JCL メンバーは、ELS インストールプロセス中に ELS ZIP ファイル、インストールテープ、または CD-ROM からアンロードされています。詳細については、SMP/E JCL ライブラリのアンロードを参照してください。

これらの JCL サンプルはマスモードでも、個々の SYSMOD での保守でも使用できます。

累積保守のアンロード

次の作業を実行して、カバーレター、HOLDDATA、PTF、およびサマリーデータをアンロードします。

  1. 次の例に示すように、次の FTP 受け取り側データセットを事前に割り振っておきます。「hlq」を高位識別子に変更します。「vr」を 72 に変更します。

    Data Set Name  . . . :hlq.ELSvr.HDD - HOLDDATA
    //  RECFM=FB,LRECL=80,SPACE=(27920,(30,30))
    
    Data Set Name  . . . :hlq.ELSvr.PTF - PTFs
    //  RECFM=FB,LRECL=80,SPACE=(27920,(13000,300))
    
    Data Set Name  . . . :hlq.ELSvr.CVR - Cover Letters
    //  RECFM=FB,LRECL=80,SPACE=(27920,(30,30))
    
    Data Set Name  . . . :hlq.ELSvr.SMM - Summary
    //  RECFM=FB,LRECL=80,SPACE=(27920,(30,30))
    
    
  2. DOS ウィンドウを開き、cd (ディレクトリ変更) コマンドを使用して、ダウンロードした累積保守ファイルが含まれるディレクトリに移動します。

  3. 次のコマンドを入力します。

    FTP mvshost
    (Supply your user and password credentials.)
    
    binary
    
    mput els72.cvr
    mput els72.hdd
    mput els72.ptf
    mput els72.smm
    
    quit
    

    mput コマンドをこの順序で実行すると、次のファイルがコピーされます。

    • els72.cvr

    • els72.hdd

    • els72.ptf

    • els72.smm

    コピー先は、MVS システムの次のデータセットとなります。

    • hlq.ELS72.CVR

    • hlq.ELS72.HDD

    • hlq.ELS72.PTF

    • hlq.ELS72.SMM

    ここで、hlq は高位修飾子です。

SMP/E RECEIVE 保守

サンプルメンバー MAINTRCF には、FMID ごとに SMP/E RECEIVE 保守を実行するためのサンプル JCL が収められています。

このサンプルメンバーを次のように変更します。

  • hlq.ELS72.PTF データセットを指すように、SMPPTFIN DD 文を変更します。

  • hlq.ELS72.HDD データセットを指すように SMPHOLD DD 文を変更します。

保守を実行するには、サンプルメンバーのプロローグに表示されている指示に従い、ジョブを送信します。

このジョブで実行するすべてのステップの場合、リターンコードはゼロ (0) であることが必要です。それ以外のリターンコードが返された場合は、StorageTek ソフトウェアサポートにお問い合わせください。

SMP/E APPLY 保守

サンプルメンバー MAINTAPF には、FMID ごとに SMP/E APPLY 保守を実行するためのサンプル JCL が収められています。

実際の SMP/E APPLY の前に SMP/E APPLY CHECK を実行するために必要な変更および手順については、サンプルメンバーのプロローグにある指示に従ってください。ジョブを送信し、保守を適用します。

注記:

APPLY に SMC JES3 FMID が含まれている場合は、サンプル JCL 内の APPLY コマンドで ASSEM オプションを指定する必要があります。

SMP/E ACCEPT 保守

注記:

保守の SMP/E ACCEPT の実行は、オプションです。

サンプルメンバー MAINTACF には、FMID ごとに SMP/E ACCEPT 保守を実行するためのサンプル JCL が収められています。

実際の SMP/E ACCEPT の前に SMP/E ACCEPT CHECK を実行するために必要な変更および手順については、サンプルメンバーのプロローグにある指示に従ってください。ジョブを送信し、保守を適用します。

HELD ELS PTF の分離

HOLDSYSTEM 例外データのために適用できなかった PTF を特定するために、前のセクションの APPLY の実行による出力結果を確認します。その PTF のカバーレターを確認し、使用している環境にその PTF を適用できるかを判別します。一般的に、HOLDSYSTEM で使用する ELS SYSMODS には、次の 2 つの種類があります。

  • テープ管理システムのスクラッチ変換モジュール (SLUDRCA1SLUDRRMMSLUDRSMCSLUDRTLM、および SLUDRZAR) を更新する SYSMODS。

  • ELS SMP/E 環境の制御範囲を超えた依存関係を持つ SYSMODS。たとえば、ELS PTF の中には、特殊な MVS PTF の適用が必要なものもあります。適用しないと、自動処理パッケージを変更しなければなりません。

HOLDSYSTEM 例外データのために適用されなかった SYSMODS の確認結果に基づき、次の 4 つの PTF のリストを作成します。

  • リスト 1

    使用しているサイトにインストールされていないテープ管理システムのテープ管理システム PTF が含まれます。

  • リスト 2

    使用しているサイトにテープ管理システムがインストールされており、ソースの修正が必要な場合の、テープ管理システム PTF が含まれます。

  • リスト 3

    使用しているサイトが PTF カバーレターで定義された条件を満たさないために適用されない非テープ管理システム PTF が含まれます。

  • リスト 4

    HOLDSYSTEM 例外データのために保留となっている、そのほかのすべての PTF が含まれます。これらは、使用しているインストールに適用できない、保留となっている PTF です。含まれるものは、テープ管理システムが使用しているサイトでインストールされるテープ管理システム PTF であり、ソースコードを修正する必要はありません。

適用可能な ELS HOLDSYSTEM SYSMODS の APPLY

次の例に示すサンプル JCL を使用して、適用可能な HOLDSYSTEM SYSMODS に対して SMP/E APPLY を実行します。

例3-1 SMP/E APPLY HOLDSYSTEM SYSMODS に対する JCL

//jobname  JOB .....
//S1       EXEC smpe-proc 
//SMPCNTL  DD  * 
   SET BDY(target-zone) .
   APPLY PTFS
         EXCLUDE(ptf1,ptf2,........ptfn)
         GROUPEXTEND
         FORFMID(
             /* FMID-id  */ 
                )
         BYPASS(HOLDSYSTEM)
          ASSEM
               .
/*