この章では、ELS インストール後のタスクについて説明します。次のトピックがあります。
次に進む前に、第2章 ELS および追加ソフトウェアのインストールで説明したインストールタスクが終了していることを確認してください
VTCS には、インストール後のタスクはありません。必要な VTCS 構成タスクについては『HSC および VTCS の構成』を参照してください。
SMC、HSC、および VTCS は、MVS で許可プログラムとして実行する必要があります。したがって、次の手順を実行して、ELS ロードライブラリを APF 許可する必要があります。
SYS1.PARMLIB
の IEAAPFzz
または PROGzz
メンバーのどちらかに ELS ロードライブラリを追加します。
ELS ロードライブラリの許可に説明されているコマンドを発行してロードライブラリを許可します。
ELS ロードライブラリを承認するには、IEAAPFzz
メンバーに次のエントリを追加します。
your.SEALINK volser
,
このエントリを許可プログラムリストに追加する前に、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
IEAAPFzz
メンバーに複数のエントリが存在する場合は、各エントリ (最後を除く) が、続きを示すコンマで終わっている必要があります。最後のエントリにはコンマは付けません。
注記:
ELS ロードライブラリが SMS 管理対象ボリュームにある場合は、許可されたライブラリエントリにボリュームを指定する必要はありません。この場合、ライブラリが SMS 管理対象であることを示すために、ライブラリ名のあとには何も指定しないでください。間違ったボリュームを指定した場合、そのライブラリは許可できません。ELS ロードライブラリを承認するには、PROGzz
メンバーに次のエントリを追加します。
APF ADD DSNAME(your.SEALINK) VOLUME(volser) | SMS
このエントリを許可プログラムリストに追加する前に、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
注記:
ELS ロードライブラリが SMS 管理対象ボリュームにある場合は、許可されたライブラリエントリにボリュームを指定する必要はありません。この場合、ライブラリが SMS 管理対象であることを示すために、該当するライブラリ名の後ろにリテラルで「SMS」を指定します。間違ったボリュームを指定した場合、そのライブラリは許可できません。IEAAPFzz
または PROGzz
メンバーへのエントリの追加は、IPL の実行時にライブラリが承認されるようにするために必要です。
また、稼働中のシステム上にあるライブラリを動的に許可するには、次の MVS システムコマンドを発行します。
ライブラリが SMS 管理対象の場合は、次のコマンドを発行します。
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.SEALINK,SMS
ライブラリが SMS 管理対象でない場合は、次のコマンドを発行します。
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.SEALINK,
volser
高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
このセクションでは、必要な SMC インストール後のタスクについて説明します。次のトピックがあります。
SMC は動的に定義される MVS サブシステムとして実行されます。マスター MVS サブシステムのもとで実行することも、プライマリジョブ入力サブシステムのもとでセカンダリサブシステムとして実行することもできます。
多くの場合、SMC はインストール時に動的に定義されるため、MVS サブシステム名テーブルに追加する必要はありません。
ただし、次の条件に該当する場合、必要に応じて MVS サブシステム名テーブル (SYS1.PARMLIB
メンバー IEFSSNzz
) に SMC を追加する必要があります。
SMC とテープ管理システムを同じホストで実行し、テープ管理システムが MVS 動的サブシステムとしても実行されている場合、メッセージ処理の正しい順序を確認するため、サブシステム名テーブルへ、テープ管理システムと SMC の両方を追加してください。テープ管理システムとの相互作用およびサブシステム名テーブルを参照してください。
同じホストで SMC および Unicenter CA-MIA 製品を実行する場合、EDL 処理が必ず正しい順番で行われるようにするために、Unicenter CA-MIA および SMC の両方をサブシステム名テーブルに追加してください。「Unicenter CA-MIA との相互作用およびサブシステム名テーブル」を参照してください。
同じホストで SMC、テープ管理システム、および Unicenter CA-MIA 製品を実行する場合、これらの 3 つをサブシステム名テーブルに追加してください。「SMC、TMS、Unicenter CA-MIA 間の相互作用およびサブシステム名テーブル」を参照してください。
マスター MVS サブシステム (プライマリジョブ入力サブシステムではなく) のもとで SMC を実行するには、SMC をサブシステム名テーブルに追加してください。「MSTR およびサブシステム名テーブルのもとでの SMC の実行」を参照してください。
また、SMC START
手順を含む PROCLIB
は、マスターアドレス空間の PROCLIB
連結に存在しなければなりません。この連結は、DD IEFPDSI
の下の SYS1.PARMLIB(MSTJCLzz)
で定義されます。
テープ管理システム (TMS) を実行する場合、必ず SMC の前に MVS マウントメッセージが処理されるようにする必要があります。(TMS) エントリが SMC エントリの前に来るように、テープ管理システムおよび SMC をサブシステム名テーブルに追加します。次の例では、CA-1 リリース 5.1 以降および SMC のエントリを示しています。
SUBSYS SUBNAME(JES2) PRIMARY(YES) START(NO) SUBSYS SUBNAME(TMS) SUBSYS SUBNAME(SMC0) INITRTN (SMCBPREI)
テープ管理システムを同じホストにインストールする場合、テープ管理システムおよび SMC の両方をサブシステム名テーブルに追加することをお勧めしています。
次は、両方が動的サブシステムである場合のテープ管理システムと SMC のサブシステム名定義シナリオです。
シナリオ 1
このシナリオでは、SMC と TMS の両方がサブシステム名テーブルで定義されます。このシナリオはサポートされており、推奨されます。テーブル中、TMS は SMC の前になければなりません。
シナリオ 2
このシナリオでは、SMC がサブシステム名テーブルに定義されていますが、TMS は定義されていません。このシナリオはサポートされていません。TMS は SMC の前に MVS マウントメッセージの処理を実行できません。
シナリオ 3
このシナリオでは、TMS がサブシステム名テーブルに定義されていますが、SMC は定義されていません。このシナリオはサポートされていますが、推奨されません。SMC は必ず TMS のあとに起動しなければなりません。
同じホストで Unicenter CA-MIA 製品を実行する場合、Computer Associates では、Unicenter CA-MIA の定義の前に、SMC を定義し、Unicenter CA-MIA および SMC の両方をサブシステム名テーブルに追加することをお勧めしています。
次の例では、SMC および Unicenter CA-MIA のエントリを示しています。
SUBSYS SUBNAME(JES2) PRIMARY(YES) START(NO) SUBSYS SUBNAME(SMC0) INITRTN(SMCBPREI) SUBSYS SUBNAME(MIA)
Unicenter CA-MIA の互換性を実現するには、SMC での ALLOCDEF
MIACOMPAT(ON)
オプションの指定も必要です。ALLOCDEF
コマンドについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
同じホストで SMC、テープ管理システム (TMS)、および Unicenter CA-MIA 製品すべてを実行する場合、これらの 3 つの製品すべてを、次の例に示した順番でサブシステム名テーブルに追加してください。
SUBSYS SUBNAME(JES2) PRIMARY(YES) START(NO) SUBSYS SUBNAME(TMS) SUBSYS SUBNAME(SMC0) INITRTN(SMCBPREI) SUBSYS SUBNAME(MIA)
Unicenter CA-MIA の互換性を実現するには、SMC での ALLOCDEF
MIACOMPAT(ON)
オプションの指定も必要です。ALLOCDEF
コマンドについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
プライマリジョブ入力サブシステムではなく、MSTR サブシステムのもとで SMC を実行するには、次のエントリをサブシステム名テーブルに追加して、SMC サブシステム名を識別する必要があります。
SUBSYS SUBNAME(SMC0)
使用しているプライマリジョブ入力サブシステムが JES3 である場合、SMC は MSTR
の下では実行できず、JES3 の下で実行する必要があります。
SMC サブシステムが MSTR
のもとで実行される場合、SMC START
手順で PARM
パラメータの MSTR
オプションも含める必要があります。SMC START
手順の作成については、『SMC の構成と管理』を参照してください。
MSTR
の下で実行するためにサブシステム名テーブルに SMC を追加する代わりとして、MVS Start
コマンドで SUB=MSTR
パラメータを指定して SMC サブシステムを起動する方法があります。SMC START 手順の実行については、『SMC の構成と管理』を参照してください。
次の点を考慮してください。
SUBNAME(
name
)
パラメータは SMC START
手順名と一致する 1 - 4 文字の名前を指定します。SUBNAME(
name
)
パラメータを使用して定義する SMC サブシステム名が SMC START
手順の名前に一致しない場合は、START
手順内の PARM
パラメータに SYSS
オプションを含める必要があります。SMC START
手順の作成については、『SMC の構成と管理』を参照してください。
定位置指定形式ではなく、SUBSYS
コマンドのキーワード形式を使用する必要があります。サブシステム名の定義についての詳細は、IBM z/OS の資料を参照してください。
サブシステム名を動的に定義していない場合、SMC サブシステム名のエントリを有効にするには、MVS ホストシステムの IPL を実行する必要があります。
Unicenter CA-MIA サブシステム名をサブシステム名テーブルに追加した場合は、次のいずれかの状態でなくてはなりません。
このサブシステムを使用するスターテッドタスクは、マスターアドレス空間の PROCLIB
連結に存在することが必要です。この連結は、DD IEFPDSI
の下の SYS1.PARMLIB(MSTJCLzz)
で定義されます。
Unicenter CA-MIA の Start
コマンドでは SUB=JES2
が指定される必要があります。
たとえば、S CAMIA,SUB=JES2
とします。
SMC をセカンダリ MVS サブシステムとして実行する場合、SEALINK
ライブラリ内に存在する SMC サブシステム初期化前ルーチンモジュール (SMCBPREI
) は、MVS LINKLIST
ライブラリ内にも存在する必要があります。SMCBPREI
モジュールは、SEALINK
から LINKLIST
ライブラリにコピーまたは移動できます。
SMCBPREI
初期化前ルーチンモジュールは、SMC リリース間で機能的に互換性があります。ただし、将来の互換性のために、SMCBPREI
初期化前モジュールの最新のリリースを使用してください。
MVS プログラム属性テーブル (PPT) を修正して、SMC サブシステムに関するエントリを追加する必要があります。
SYS1.PARMLIB
のメンバー SCHEDzz
に次のエントリを追加します。
PPT PGMNAME(SMCBINT),PRIV,SYST,KEY(3)
注記:
SMC の実行には、(1-7 の) ローキーを使用します。このセクションの例では、キー 3 を使用しています。キー 8-15 を使用すると、予測できない結果が生じます。
SCHEDzz
メンバーを変更したあと、IPL または動的な更新を実行する必要があります。
SMC は、SCOPE=COMMON
のデータスペースを使用して相互アドレス空間通信を実行します。IEASYSzz
メンバーの MAXCAD
パラメータが、SMC を示すように MVS で適切に設定されていることを確認してください。このパラメータは、MVS システムで使用できる共通のデータスペースの数を制御します。
詳細については、IBM z/OS の資料を参照してください。
このセクションでは、必要な HSC インストール後のタスクについて説明します。次のトピックがあります。
HSC は、マスター MVS サブシステムのもとで実行することも、プライマリジョブ入力サブシステムのもとでセカンダリサブシステムとして実行することもできます。
HSC をマスター MVS サブシステムの下で実行する場合は、サブシステム名テーブル (SYS1.PARMLIB
メンバー IEFSSNzz
) に、サブシステム名を識別する行を追加する必要があります。これは、HSC スターテッドタスク手順の手順名に対応する、1-4 文字の名前です。
HSC をセカンダリ MVS サブシステムとして実行する場合は、サブシステム名テーブル (SYS1.PARMLIB
メンバー IEFSSNzz
) に、次を識別する行を追加する必要があります。
サブシステム名。これは、HSC START
手順名に対応する 1-4 文字の名前です。
HSC サブシステム初期設定ルーチン名。これは SLSBPREI
でなければなりません。
HSC サブシステム名を SLS0 とすると、HSC をマスター MVS サブシステムのもとであるいはセカンダリ MVS サブシステムとして実行する場合、HSC をサブシステム名テーブルに正しく追加するには、次の行を追加します。
SUBSYS SUBNAME(SLS0) INITRTN(SLSBPREI) /* keyword format */
MVS SETSSI
コマンドを使用して HSC サブシステム名を動的に定義することも可能です。例:
マスターサブシステムの下で実行している場合:
SETSSI ADD,SUB=SLS0
セカンダリサブシステムとして実行している場合:
SETSSI ADD,SUB=SLS0,INITRTN=SLSBPREI
どちらの例でも、SLS0
は HSC サブシステム名、SLSBPREI
は HSC サブシステム初期設定ルーチン名です。
注記:
サブシステム名テーブルで指定した HSC サブシステム名が HSC START タスク手順の名前に合っていない場合は、START 手順の PARM パラメータに SYSS オプションを追加する必要があります。HSC 起動手順の作成については、『HSC および VTCS の構成』を参照してください。
HSC サブシステム名を動的に定義していない場合、HSC サブシステム名のエントリを有効にするには、MVS ホストシステムの IPL を実行する必要があります。
HSC サブシステム名を動的に定義していない場合、HSC サブシステム名のエントリを有効にするには、MVS ホストシステムの IPL を実行する必要があります。
サブシステム名の定義についての詳細は、IBM z/OS の資料を参照してください。
HSC ユーザー出口ライブラリは、HSC ロードライブラリと同じライブラリでも、異なるライブラリでも許容されます。HSC ユーザー出口ライブラリが別のライブラリの場合は、次の手順を実行して、ユーザー出口ロードライブラリを APF 許可する必要があります。
SYS1.PARMLIB
の IEAAPFzz
または PROGzz
メンバーのどちらかに HSC ユーザー出口ロードライブラリを追加します。
HSC ユーザー出口ロードライブラリの許可に説明されているコマンドを発行してロードライブラリを許可します。
HSC ユーザー出口ロードライブラリを承認するには、IEAAPFzz
メンバーに次のエントリを追加します。
your.SEALINK volser your.HSC_USEREXIT.LOAD volser
これらのエントリを許可プログラムリストに追加する前に、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
IEAAPFzz
メンバーに複数のエントリが存在する場合は、各エントリ (最後を除く) が、続きを示すコンマで終わっている必要があります。最後のエントリにはコンマは付けません。
注記:
HSC ユーザー出口ロードライブラリが SMS 管理対象ボリュームにある場合は、許可されたライブラリエントリにボリュームを指定する必要はありません。この場合、ライブラリが SMS 管理対象であることを示すために、ライブラリ名のあとには何も指定しないでください。間違ったボリュームを指定した場合、そのライブラリは許可できません。HSC ユーザー出口ロードライブラリを承認するには、PROGzz
メンバーに次のエントリを追加します。
APF ADD DSNAME(your.SEALINK) VOLUME(volser) | SMS APF ADD DSNAME(your.HSC_USEREXIT.LOAD) VOLUME(volser) | SMS
このエントリを許可プログラムリストに追加する前に、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
注記:
HSC ユーザー出口ロードライブラリが SMS 管理対象ボリュームにある場合は、許可されたライブラリエントリにボリュームを指定する必要はありません。この場合、ライブラリが SMS 管理対象であることを示すために、該当するライブラリ名の後ろにリテラルで「SMS」を指定します。間違ったボリュームを指定した場合、そのライブラリは許可できません。IEAAPFzz
または PROGzz
メンバーへのエントリの追加は、IPL の実行時にライブラリが承認されるようにするために必要です。また、稼働中のシステム上にあるライブラリを動的に許可するには、次の MVS システムコマンドを発行します。
ライブラリが SMS 管理対象の場合:
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.HSC_USEREXIT.LOAD,SMS
ライブラリが SMS 管理対象ではない場合:
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.HSC_USEREXIT.LOAD,
volser
どちらのコマンドでも、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
HSC をセカンダリ MVS サブシステムとして実行する場合、SEALINK
ライブラリ内に存在する HSC サブシステム初期化前ルーチンモジュール (SLSBPREI
) は、MVS LINKLIST
ライブラリ内にも存在する必要があります。SLSBPREI
モジュールを SEALINK
ライブラリから LINKLIST
ライブラリにコピーまたは移動できます。
SLSBPREI
事前初期設定ルーチンモジュールは、HSC の各リリース間で、機能の互換性があります。ただし、それ以上の互換性については、SLSBPREI
事前初期設定モジュールの最新のリリースを使用してください。
MVS プログラム属性テーブル (PPT) を修正して、HSC サブシステムに関するエントリを追加する必要があります。
SYS1.PARMLIB
のメンバー SCHEDzz
に次のエントリを追加します。
PPT PGMNAME(SLSBINIT),PRIV,SYST,KEY(3)
注記:
HSC の実行には、(1-7 の) ローキーを使用します。このセクションの例では、キー 3 を使用しています。キー 8-15 を使用すると、SOC1 や SOC4 の異常終了などの予測不可能な結果が生じます。HSC は、HSC および VTCS イベントの SMF レコードサブタイプを生成できます。これらのレコードのサブタイプを生成するには、SYS1.PARMLIB
のメンバー SMFPRMzz
内のシステム管理機能 (SMF) パラメータに 2 行を追加し、次の項目を指定する必要があります。
HSC サブシステム名
HSC 記録間隔、INTERVAL(
hhmmss
)
として指定。
値が小さいほどデータの記録頻度は多くなります。
ライブラリパフォーマンスへの影響を避けるため、指定時間は最低 15 分 (001500) とするよう強くお勧めしています。VSM をサポートしない HSC システムについては、1 時間間隔 (010000) の指定をお勧めしています。
HSC SMF レコードタイプ
記録対象の HSC/VTCS SMF レコードサブタイプ。
HSC および VTCS が生成できるサブタイプの詳細は、『ELS プログラミングリファレンス』を参照してください。
HSC サブシステム名が SLS0
の場合、HSC および VTCS レコードサブタイプを追加する行の例を次に示します。
SUBSYS(SLS0,INTERVAL(001500),TYPE(255)) SUBPARM(SLS0(SUBTYPE(1-8,10,11,13-21,25-33)))
注記:
SMF オプションでSUBTYPE
パラメータを指定しない場合、HSC は 1 から 6 のサブタイプを生成します。カートリッジの移動および表示レコードを生成するには、SUBPARM
パラメータをコーディングし、サブタイプ 7 と 8 を組み込む必要があります。使用しているテープ管理システムと関連リリースレベルによっては、HSC SLUCONDB
ユーティリティーおよび SMC SMCUDBX
ユーティリティーによって呼び出される TMS (テープ管理システム) インタフェース (SLUDR*
) ルーチンを再アセンブルしなければならない場合があります。これらのルーチンにローカルで修正を加えている場合も、再アセンブルが必要です。これらのルーチンは、ELS のインストール中に生成された SEALINK
ライブラリに含まれています。
注記:
TMS インタフェースルーチンのソースは ELS 7.0 で変更されました。SLUDR*
に一致する名前を持つモジュールにローカル変更を加えた場合は、ELS 7.0/7.1/7.2 ソースをローカル変更で変更して再アセンブルする必要があります。古いバージョンの SLUDR*
モジュールは、SLUCONDB
の ELS 7.0/7.1/7.2 バージョンに対応していません。
SLUCONDB
および SMCUDBX
ユーティリティー、および TMS インタフェースルーチンの詳細については、ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
スクラッチ更新 (SLUCONDB
) ユーティリティーの詳しい再アセンブル要件については、『HSC および VTCS の管理』を参照してください。
このセクションでは、TAPE SETUP
処理を実行する JES3 環境に必要なインストール後のタスクについて説明します。次のトピックがあります。
ASSEM
オプションで SMC JES3 サポート機能をインストールした場合は、SMCERSLV
モジュールのリンク編集とアセンブリが自動的に実行されています。SMCERSLV
モジュールは、SMC に必要な JES3 マクロフィールドの正しいオフセットと長さを取得します。
SMCERSLV
モジュールの初期のアセンブリとリンク編集のあとは、JES3 マクロに IBM 保守が適用されるたびに、このモジュールを手動で再アセンブルする必要があります。特定の JES3 マクロが更新されたら、SMC SAMPLIB
のメンバー SMCJRSLV
を実行することによって、SMCERSLV
の再アセンブルを実行できます。
SMCJRSLV
ライブラリメンバーは、MVS/JES3 ターゲットおよび配布ゾーンに対して実行されます。SMCJRSLV
ジョブのプロローグに含まれている指示に従って、必要なすべての変更を行い、ジョブを実行します。
注記:
SMCERSLV
モジュールを再アセンブルするには SMCJRSLV
ライブラリメンバーを使用することを強くお勧めします。JES3 マクロへの保守の適用後に SMCERSLV
モジュールの再アセンブルを実行しないと、SMC の予測できない動作が起こる可能性があります。SMC JES3 ロードライブラリ内のすべてのロードモジュールが JES3 アドレス空間にアクセスできなければなりません。したがって、次の手順を実行して、SMC JES3 ロードライブラリを APF 許可する必要があります。
SYS1.PARMLIB
の IEAAPFzz
または PROGzz
メンバーのどちらかに SMC JES3 ロードライブラリを追加します。
SMC JES3 ロードライブラリの許可に説明されているコマンドを発行してロードライブラリを許可します。
注記:
JES3 の「ホットスタート」は上記のモジュールをアクティブにする必要があります。
IATIIP1
Type 1 変更の NOSMC
パラメータが PROMPT
に設定されている場合は、モジュール SMCERSLV
が JES3 アドレス空間からアクセス可能である必要があります。この変更については、SMC Type 1 の修正の作成およびインストールを参照してください。
モジュール SMCERSLV
は SMC アドレス空間にアクセスできなければなりません。このモジュールは、SMZ7200
FMID がインストールされている SMZLINK
ライブラリに自動的にアセンブルされます。
SMC JES3 ロードライブラリを承認するには、IEAAPFzz
メンバーに次のエントリを追加します。
your.SMZLINK volser,
このエントリを許可プログラムリストに追加する前に、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
IEAAPFzz
メンバーに複数のエントリが存在する場合は、各エントリ (最後を除く) が、続きを示すコンマで終わっている必要があります。最後のエントリにはコンマは付けません。
注記:
SMC JES3 ロードライブラリが SMS 管理対象ボリュームにある場合は、許可されたライブラリエントリにボリュームを指定する必要はありません。間違ったボリュームを指定した場合、そのライブラリは許可できません。SMC JES3 ロードライブラリを承認するには、PROGzz
メンバーに次のエントリを追加します。
APF ADD DSNAME(your.SMZLINK) VOLUME(volser)
このエントリを許可プログラムリストに追加する前に、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
注記:
SMCJES3 ロードライブラリが SMS 管理対象ボリュームにある場合は、許可されたライブラリエントリにボリュームを指定する必要はありません。間違ったボリュームを指定した場合、そのライブラリは許可できません。IEAAPFzz
または PROGzz
メンバーへのエントリの追加は、IPL の実行時にライブラリが承認されるようにするために必要です。また、稼働中のシステム上にあるライブラリを動的に許可するには、次の MVS システムコマンドを発行します。
ライブラリが SMS 管理対象の場合:
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.SMZLINK,SMS
ライブラリが SMS 管理対象ではない場合:
SETPROG APF,ADD,DSN=
your
.SMZLINK,
volser
どちらのコマンドでも、高位修飾子および volser
を、使用するシステムに適した値に編集してください。
TAPE SETUP
処理を実行する JES3 環境では、特定の JES3 モジュールに対するタイプ 1 変更の作成および SMP/E インストールが必要です。
注記:
現在 HSC、MVS/CSC、または以前のリリースの SMC が実行されている MVS/JES3 システム上で SMC を実行しようとする場合は、既存の Type 1 の修正を削除し、SMC Type 1 の修正を作成してインストールする必要があります。次の各 JES3 モジュールに対する SMC Type 1 変更を作成するには、SMCEHOOK
マクロを使用します。
JES3 モジュール IATIICM
に対する Type 1 の修正により、SMC は、JCL DD 文に指定されている場合、DFSMS DATACLAS
の記録技法とメディアの値を取り出せるようになります。JCL DD 文に DATACLAS
が指定されるようにインストールしている場合に限り、これらの修正をインストールしてください。
JES3 モジュール IATIIP1
に対する Type 1 の修正により、SMC でデバイス分離が可能になります。SMCEHOOK
マクロは、SMC がデータセットのボリュームがどこに存在するかを判定し、ジョブの中間ジョブサマリーテーブル (IJS) 内のそのボリュームの位置に基づいてエソテリック名を置換できるようにする、IATIIP1
モジュール内の ACALL
を提供します。次に、JES3 はそのジョブに対するジョブサマリーテーブル (JST) を作成します。これは、デバイス設定の変更およびボリューム介入処理に使用されるものです。この Type 1 の修正は必須です。
SMCEHOOK
マクロの NOSMC
パラメータをコーディングして、C/I 処理の発生時に SMC がアクティブでない場合に JES3 C/I に実行させるアクションを示します。SMC がまだ初期化されていない場合に JES3 割り振りを続行するかどうかに基づき、パラメータ値を選択します。有効な値とアクションは次のとおりです。
NOSMC=PROMPT
である場合は、1 つの C/I プロセスがオペレータに SMC を起動するよう求め、SMC の初期化を待ちます。
NOSMC=NONE
である場合は、C/I プロセスが StorageTek テープサブシステムなしで続行されます。
JES3 モジュール IATMDAL
に対する Type 1 の修正により、SMC でデバイス設定の変更ができるようになります。SMCEHOOK
マクロは、SMC がトランスポートの割り当てをそのボリュームを含むもっとも近い LSM (特定の要求)、または最大数のスクラッチボリュームを含む LSM (不特定の要求) に送信できるようにする、IATMDAL モジュール内の ACALL
を提供します。ジョブに対して作成された JST は、デバイス設定の変更およびボリューム介入処理に使用されます。この Type 1 の修正は必須です。
SMCEHOOK
マクロの TASKID
パラメータをコーディングして、デバイス優先度のタスク ID を示します。使用できる値の範囲は 151-255 です。デフォルト値は 203 です。
SMCEHOOK
マクロのプロローグには、その使用に関連した詳細な指示が示されています。SMCEHOOK
マクロは、SMCMAC ライブラリ内に存在します。
SMC サンプルメンバー SMCUIICM
、SMCUIIP1
、SMCUMDAL
、および SMCUMDFE
には、SMC JES3 Type 1 変更の例が含まれています。
JES3 モジュールに SMC Type 1 の修正を作成したあとは、Type 1 の修正の SMP/E インストールをする必要があります。IATIICM
、IATIIP1
、IATMDAL
、および IATMDFE
に対する SMC Type 1 変更を SMP/E インストールするには、SMC SAMPLIB
メンバー SMCJTYP1
を使用します。次の例は、メンバー SMCJTYP1
に含まれる JCL を示しています。
//jobname JOB ..... //INSTTYP1 EXEC PGM=GIMSMP,REGION=4096K //SMPCSI DD DSN=your.jes3.global.csi,DISP=SHR //SMPPTFIN DD DSN=your.usermods,DISP=SHR //SMPHOLD DD DUMMY //SMPCNTL DD * SET BDY(GLOBAL). RECEIVE S( LUSIICM LUSIIP1 LUSMDAL LUSMDFE ) . SET BDY(jes3-target-zone) . APPLY S( LUSIICM LUSIIP1 LUSMDAL LUSMDFE ) . /*
次の手順を実行します。
SMC SAMPLIB
の作業コピーを表す新しいデータセットを割り当てます。独自の命名規則を使用し、元の SMC SAMPLIB
と同じ LRECL
、RECFM
、および DSORG
値を指定します。
注記:
元の SMCSAMPLIB
は編集しないでください。SMC SAMPLIB
メンバーの SMCUIIP1
と SMCUMDAL
を、手順 1 で割り振りしたデータセットにコピーします。この 2 つのメンバーの最初に表示されている修正を実行します。
手順 2 - 4 で説明されるこのデータセットの編集に際しては、行番号の設定を OFF
にする必要があります。
IATIICM
への変更が使用しているシステムに適しているかどうかを判定します。適している場合は、SMC SAMPLIB
メンバーの SMCUIICM
を手順 1 で割り振りしたデータセットにコピーします。このメンバーに表示されている修正を実行します。
IATMDFE
への変更が使用しているシステムに適しているかどうかを判定します。適している場合は、SMC SAMPLIB
メンバーの SMCUMDFE
を手順 1 で割り振りしたデータセットにコピーします。このメンバーに表示されている修正を実行します。
SMC SAMPLIB
メンバー SMCJTYP1
を編集します。
ローカル標準を満たすように JOB
カードを変更します。
your.jes3.global.csi
を、JES3 グローバル CSI の名前に変更します。
your.usermods
を手順 1 で割り振りしたデータセットの名前に変更します。
jes3-target-zone
を JES3 SMP/E ターゲットゾーン名に変更します。
IATIICM
への変更をインストールしない場合は、RECEIVE
および APPLY
文から LUSIICM
文かを削除します。
IATMDFE
への変更をインストールしない場合は、RECEIVE
および APPLY
文から LUSMDFE
文を削除します。
ジョブを送信します。
マウントのデファー処理およびライブラリボリュームのオペレータ介入メッセージの抑止を可能にする場合は、JES3 IATUX09
ユーザー出口の修正の作成および SMP/E インストールが必要です。
共通の割り振りの間にマウントのデファー処理およびライブラリボリュームのオペレータ介入メッセージの抑止を実行するには、JES3 IATUX09
ユーザー出口のソースおよびユーザー修正の作成が必要です。
JES3 IATUX09
ユーザー出口の修正により、ライブラリカートリッジトランスポートのオペレータ介入メッセージの抑止が可能になり、マウント処理機能のデファー処理ができるようになります。ユーザー出口を使用するかどうかはオプションです。ただし、共通の割り振りの間にマウントのデファー処理およびライブラリボリュームのオペレータ介入メッセージの抑止を実行する場合には、インストールする必要があります。
インストールですでに JES3 ユーザー出口 IATUX09
を使用している場合は、既存のユーザー出口の名前を変更し、新しいロードモジュール名を SETC のオペランドフィールド内のラベル &OLDUX09
に配置します。サンプルのユーザー出口 SMC3UX09
にある SETC のラベル &OLDUX09
を参照してください。
ソースの例は SMC サンプルメンバー SMC3UX09
に含まれており、ユーザー変更の例は SMC SAMPLIB
メンバー SMCUUX09
に含まれています。
JES3 IATUX09
ユーザー出口の修正を作成したあと、そのユーザー出口の修正の SMP/E インストールが必要です。JES3 ユーザー出口の修正の SMP/E インストールを実行するには、サンプルライブラリメンバー SMCJUX09
を使用します。
次の例は、SMCJUX09
に含まれる JCL を示しています。
//jobname JOB ..... //INSTUX09 EXEC PGM=GIMSMP,REGION=4096K //SMPCSI DD DSN=your.jes3.global.csi,DISP=SHR //SMPPTFIN DD DSN=your.usermods,DISP=SHR //SMPHOLD DD DUMMY //SMPCNTL DD * SET BDY(GLOBAL) . RECEIVE S( LUSUX09 ) . SET BDY(jes3-target-zone) . APPLY S( LUSUX09 ) . /*
次の手順を実行します。
SMC SAMPLIB
の作業コピーを表す新しいデータセットを割り当てます。独自の命名規則を使用し、元の SMC SAMPLIB
と同じ LRECL
、RECFM
、および DSORG
値を指定します。SMC Type 1 の修正のインストールの説明に従って以前にデータセットを割り当てている場合は、そのデータセットを使用できます。
注記:
元の SMCSAMPLIB
は編集しないでください。SMC SAMPLIB
メンバーの SMCUUX09
と SMC3UX09
を手順 1 で割り振りしたデータセットにコピーします。
SMCUUX09
の先頭にドキュメント化されている手順を調べ、必要なすべての変更を実行します。
注記:
すでにIATUX09
を使用している場合は、既存のユーザー出口の変更の名前を変更する必要があります。SMC SAMPLIB
メンバー SMCJUX09
を編集します。
ローカル標準を満たすように JOB
カードを変更します。
your.jes3.global.csi
を、JES3 グローバル CSI の名前に変更します。
your.usermods
を手順 1 で割り振りしたデータセットの名前に変更します。
jes3-target-zone
を JES3 SMP/E ターゲットゾーン名に変更します。
ジョブを送信します。
ライブラリボリュームの JES3 マウントメッセージ (IAT5210
) の処理を可能にするには、JES3 IATUX71
ユーザー出口の修正の作成および SMP/E インストールが必要です。
ライブラリボリュームの JES3 マウントメッセージの処理を可能にするには、JES3 IATUX71
ユーザー出口のソースおよびユーザー修正の作成が必要です。
JES3 IATUX71
ユーザー出口の変更を使用すると、JES3 マウントメッセージ IAT5210
に応答して必要なボリュームをマウントすることが可能になります。このユーザー出口はオプションです。ただし、ライブラリサブシステムのポリシーがマウントのデファー処理を要求しない場合、ライブラリボリュームの JES3 マウントメッセージの処理を可能にするには、このユーザー出口をインストールする必要があります。HSC の場合は、ALLOC
コマンドパラメータ DEFER
を OFF
に設定すると、マウント遅延は要求されません。MVS/CSC の場合は、DEFER
起動パラメータを NO
に設定するか、または ALTER
コマンドでその値を NO
にリセットすると、マウント遅延は要求されません。
ユーザー出口の変更の例は、SMC サンプルメンバー SMCUUX71
に含まれています。
JES3 IATUX71
ユーザー出口の修正を作成したあと、そのユーザー出口の修正の SMP/E インストールが必要です。JES3 ユーザー出口の修正の SMP/E インストールを実行するには、サンプルライブラリメンバー SMCJUX71
を使用します。
次の例は、SMCJUX71
に含まれる JCL を示しています。
//jobname JOB ..... //INSTUX71 EXEC PGM=GIMSMP,REGION=4096K //SMPCSI DD DSN=your.jes3.global.csi,DISP=SHR //SMPPTFIN DD DSN=your.usermods,DISP=SHR //SMPHOLD DD DUMMY //SMPCNTL DD * SET BDY(GLOBAL) . RECEIVE S( LUSUX71 ) . SET BDY(jes3-target-zone) . APPLY S( LUSUX71 ) . /*
次の手順を実行します。
SMC SAMPLIB
の作業コピーになる新しいデータセットを割り当てます。独自のデータセット命名規則を使用して、このデータセットを RECFM=FB
、DSORG=PS
、LRRECL=80
として割り当てます。SMC Type 1 の修正のインストールの説明に従って以前にセットを割り当てている場合は、そのデータセットを使用できます。
注記:
元の SMCSAMPLIB
は編集しないでください。SMC SAMPLIB
メンバーの SMCUUX71
と SMC3UX71
を手順 1 で割り振りしたデータセットにコピーします。SMC の JES3 IATUX71 ユーザー出口の修正の作成およびインストールの指示に従って、SMC3UX71
の最初にある手順を調べ、必要なすべての変更を実行します。
注記:
すでにIATUX71
を使用している場合は、既存のユーザー出口の変更の名前を変更する必要があります。SMC SAMPLIB
メンバー SMCJUX71
を編集します。
ローカル標準を満たすように JOB
カードを変更します。
your.jes3.global.csi
を、JES3 グローバル CSI の名前に変更します。
your.usermods
を手順 1 で割り振りしたデータセットの名前に変更します。
jes3-target-zone
を JES3 SMP/E ターゲットゾーン名に変更します。
ジョブを送信します。