1 インストールの準備

この章では、ELS インストールパッケージおよびインストール準備要件について説明します。ここでは、次のトピックについて説明します。

インストールパッケージ

ELS インストールパッケージには、次のものが含まれています。

  • ELS ソフトウェア機能 (FMID) およびそれらをインストールするために使用されるサンプルを含む ELS インストール ZIP ファイルまたはメディア (テープまたは CD-ROM)。ソフトウェア機能は、次のソフトウェアを対象としています。

    基本ソフトウェア:

    • StorageTek ストレージ管理コンポーネント (SMC)

      (以前 StorageTek HTTP Server として知られていた製品を含みます)

    • StorageTek ホストソフトウェアコンポーネント (HSC)

    • StorageTek 仮想テープ制御ソフトウェア (VTCS)

    • StorageTek 並行障害回復テスト (CDRT)

    追加ソフトウェア:

    • StorageTek ライブラリコンテンツマネージャー (LCM、以前の名称は ExLM)

      (以前は「Offsite Vault Feature」と呼ばれていた製品も含む)

    • StorageTek MVS 環境用クライアントシステムコンポーネント (MVS/CSC)

    • StorageTek LibraryStation

  • ELS Read Me First - リリース特有の重要な製品情報を含みます。

インストールの一環として、ELS 7.2 用および ELS 7.2 と共存している Oracle StorageTek ソフトウェアのすべてのリリース用の最新の累積保守 (PTF および HOLDDATA) を入手してインストールする必要があります。

My Oracle Support (MOS) サイトから累積保守をダウンロードします。

http://www.myoraclesupport.com

HOLDDATA および PTF 更新についてこのサイトに頻繁にアクセスし、定期的に累積保守更新をインストールします。PTF は、毎月 MOS にリリースされます。

ELS 累積保守のインストールについては、第3章 ELS 保守のインストールを参照してください。

ELS インストール Zip ファイルの内容

次の表では、ELS インストール ZIP ファイルに含まれるフォルダおよびファイルについて説明します。

表1-1 ELS 7.2 インストール Zip ファイルの内容

フォルダまたはファイル
説明

Documents フォルダ

ELS インストールノートが含まれます

SEA72.gimzip

ELS 製品を含む圧縮ファイル (JCL サンプルを除く)

SEA72.pax

ELS 製品を含む圧縮ファイル (JCL サンプルを含む)

Samples.unix フォルダ

UNIX バージョンの ELS サンプルが含まれます

Samples.win フォルダ

Windows バージョンの ELS サンプルが含まれます

Start Here.html

ドキュメントフォルダへの XML 開始点


ELS インストールテープの内容

ELS は、ボリュームシリアル番号が SEA720 の標準ラベル 9840C または 9940B テープで配布されます。

次の表では、ELS インストールテープに含まれるファイルについて説明します。

表1-2 ELS 7.2 インストールテープの内容

ファイル番号
データセット名
説明

1

SMPMCS

SMP/E 制御文

2

SSEA720.F1

ELS (HSC、SMC、VTCS、および CDRT) JCLIN およびインストールサンプル

3

SSEA720.F2

ELS のサンプル

4

SSEA720.F3

ELS のマクロ

5

SSEA720.F4

ELS のソースモジュール

6

SSEA720.F5

ELS オブジェクトモジュール

7

SCS7200.F1

MVS/CSC JCLIN

8

SCS7200.F2

MVS/CSC のマクロおよびサンプル

9

SCS7200.F3

MVS/CSC ソースモジュール

10

SCS7200.F4

MVS/CSC オブジェクトモジュール

11

SMZ7200.F1

SMC JES3 JCLIN

12

SMZ7200.F2

SMC JES3 のサンプル

13

SMZ7200.F3

SMC JES3 のマクロ

14

SMZ7200.F4

SMC JES3 ソースモジュール

15

SMZ7200.F5

SMC JES3 オブジェクトモジュール

16

SOC7200.F1

LibraryStation JCLIN

17

SOC7200.F2

LibraryStation のマクロおよびサンプル

18

SOC7200.F3

LibraryStation オブジェクトモジュール

19

SSCR70C.F1

SAS/C 7.0 JCLIN

20

SSCR70C.F2

SAS/C 7.0 オブジェクトモジュール

21

SSCR70D.F1

SAS/C 7.0 JCLIN

22

SSCR70D.F2

SAS/C 7.0 オブジェクトモジュール

23

SLM7200.F1

LCM JCLIN

24

SLM7200.F2

LCM オブジェクトモジュール

25

SLM7200.F3

LCM のサンプル

26

SLM7200.F4

LCM グラフィカルユーザーインタフェース


ELS インストール CD-ROM の内容

ELS は標準 CD-ROM で配布されます。

次の表では、ELS インストール CD-ROM に含まれるファイルについて説明します。

表1-3 ELS 7.2 インストール CD-ROM の内容

ファイル番号
データセット名
説明

1

Documents

ELS CD インストール上の注意

2

SEA72.gimzip

ELS 製品を含む圧縮ファイル (JCL サンプルを除く)

3

SEA72.pax

ELS 製品を含む圧縮ファイル (JCL サンプルを含む)

4

Samples.unix

UNIX バージョンの ELS サンプル

5

Samples.win

Windows バージョンの ELS サンプル (CR/LF を含む)

6

Start Here.html

ドキュメントフォルダへの XML 開始点


ソフトウェア要件

ELS ソフトウェア要件は次のとおりです。

オペレーティングシステム

IBM でサポートされる任意のバージョンの z/OS (JES2 および JES3 環境)

ELS ソフトウェア

ELS リリース 7.2

追加ソフトウェア

次のいずれかです。

  • StorageTek LCM 7.2

  • StorageTek LibraryStation 7.2

  • StorageTek MVS/CSC 7.2

TCP/IP 通信

次のうちのいずれか 1 つ。

  • IBM TCP/IP リリース 3.1 以降

  • CA Unicenter TCPaccess 通信サーバーリリース 5.0 以降

  • CA Unicenter TCPaccess X.25 サーバーリリース 1 以降

SNA LU 6.2 通信

次のうちのいずれか 1 つ。

  • IBM ACF/VTAM リリース 3.4.2 以降

  • IBM APPC/MVS 通信サービス

SNA LU 6.2 は次の種類の通信にのみ適用されます。

  • HSC ホスト間

  • IBM UNIX 上の MVS/CSC と ACSLS の間

  • RMLS 400 クライアントから LibraryStation へ

HSC サーバーシステム通信

IBM ACF/VTAM リリース 3.4.2 以降

独立系ソフトウェアベンダーの製品

次のいずれかです。

  • ASG-Zara

  • CA-1

  • CA-DYNAM/TLMS

  • CA-1®/Copycat Computer Associates International

  • CA-Dynam®/TLMS/Copycat Computer Associates International

  • CONTROL-M/TAPE

  • DFSMS

  • DFSMSdfp

  • DFSMSdss

  • DFSMShsm

  • DFSMSrmm

  • DFSORT

  • FATSCopy Innovation Data Processing

  • FDR MIM Syncsort

  • Sysplex

  • Tape/Copy OpenTech Systems, Inc.

  • TelTape Cartagena Software Limited

ソフトウェアの互換性

VSM の CDS レベルを H に変更する前に、すべてのホストで ELS バージョン 7.1 が実行されている必要があります。この要件は、バージョン 6.2、7.0、7.1、および 7.2 で互換性のある SMC クライアントの LPAR には適用されません。

次の製品互換性ガイドラインを考慮してください。

SMC の互換性

SMC 7.2 は、次と互換性があります。

  • 同じホスト上の HSC/VTCS 7.2

  • 異なるホスト上の HSC/VTCS 6.2、7.0、7.1、または 7.2

  • MVS/CSC 7.2

HSC/VTCS の互換性

HSC/VTCS 7.2 は、次と互換性があります。

  • 同じホスト上の SMC 7.2

  • 異なるホスト上の SMC 6.2、7.0、7.1、または 7.2

  • LibraryStation 7.2

  • ExPR 6.1

VTCS 7.2 には、最小で CDS レベル F が必要です。

LCM の互換性

LCM 7.2 は、HSC/VTCS 7.2 のみと互換性があります。

LibraryStation の互換性

LibraryStation 7.2 は、HSC/VTCS 7.2 のみと互換性があります。

MVS/CSC の互換性

MVS/CSC 7.2 は、SMC 7.2 のみと互換性があります。

ハードウェア要件

注記:

  • ACS にはライブラリトランスポートおよびメディアの混合を含めることができます。

  • SL8500 および SL3000 ライブラリの HSC サポートの詳細は、『HSC および VTCS の管理』を参照してください。

  • SL8500 および SL3000 の構成情報については、『HSC および VTCS の構成』を参照してください。

ELS ハードウェア要件は次のとおりです。

プロセッサ

MVS を実行する IBM または IBM と互換性のあるプロセッサ (IBM でサポートされる任意のバージョンの z/OS)

StorageTek ライブラリストレージモジュール (LSM)

  • StorageTek SL3000 モジュラーライブラリシステム

  • StorageTek SL8500 モジュラーライブラリシステム

  • StorageTek PowderHorn™ 9310

  • StorageTek TimberWolf 9740

  • StorageTek WolfCreek 9360

  • StorageTek 標準 4410

トランスポートおよび関連メディア

  • StorageTek T10000A/B/C/D

  • StorageTek T9940A/B

  • StorageTek T9840A/B/C/D

  • StorageTek TimberLine™ 9490EE

  • StorageTek TimberLine™ 9490

  • StorageTek 4490

  • StorageTek 4480

  • StorageTek SD3

  • HP LTO 第 2-6 世代

  • IBM LTO 第 2-6 世代

仮想ストレージの要件

注記:

  • MVS/CSC および HSC の稼働中に、境界より上の ECSA の容量は動的に増減します。実際の容量はアクティビティーおよびライブラリの大きさにより異なりますが、10K 以上増加することはあまりありません。

  • ECSA の実際の容量は、ライブラリの大きさおよび MVS に定義されるトランスポートの数により若干異なります。

  • 修正サービステープのインストール、ソフトウェアの拡張、またはソフトウェアの新規リリースの際には、CSA の容量を増やす必要があります。

ELS 仮想ストレージ要件は次のとおりです。

SMC 仮想ストレージの要件

  • JES2 の場合、ロードモジュールおよびデータ構造用に 16M 境界より上の約 2.8M バイトの ECSA。

  • JES3 の場合、16M 境界より上の ECSA では 800K 追加。

  • 16M 境界より下の CSA の要件は特にありません。

HSC、VTCS、および LibraryStation 仮想ストレージの要件

  • ロードモジュールおよびデータ構造用に 16M 境界より上の約 215K の ECSA。

  • 一部のロードモジュールおよびデータ構造用に 16M 境界より下の約 20K の CSA。

  • HSC の稼働中に、境界より上の ECSA の容量は動的に増減します。実際の容量はアクティビティーおよびライブラリの大きさにより異なりますが、10K 以上増加することはあまりありません。

  • 最小領域サイズ 6M バイト。ただし、マニフェストファイルを操作するユーティリティーやコマンドを実行する場合は、システムでサポートされる最大の領域サイズが必要。

注記:

  • これらの要件は、MVS の HSC アドレス空間で実行される VTCS および LibraryStation にも適用されます。

  • 境界より下の約 400 バイトの CSA ストレージがサブプール 228 (FIXED) にあります。

MVS/CSC 仮想ストレージの要件

  • ロードモジュールおよびデータ構造用に 16M 境界より上の約 200K の ECSA。

  • 一部のロードモジュールおよびデータ構造用に 16M 境界より下の約 34K の CSA。

インストール準備作業の考慮事項

  • SMC および HSC は必須の ELS コンポーネントで、インストールする必要があります。

  • ELS 製品コンポーネントのインストールに先立ち、上記以外の必要な PTF については、StorageTek ソフトウェアサポートにお問い合わせください。

  • ELS ソフトウェアの以前のリリースから移行する場合は、ELS 製品ドキュメントの適切な移行および共存のガイドラインについて理解しておく必要があります。

  • ELS ソフトウェアは SMP/E を使用してインストールします。このガイドのすべてのインストール指示は、SMP/E に基づいています。

  • ELS 製品のインストールおよび保守に際しては MVS Program Binder を使用してください。使用しない場合、link-editing エラーの原因になります。