次の各トピックでは、ADF Facesの新機能と変更された機能について、およびこのガイドに記載されているその他の重要な変更について紹介します。
Oracle JDeveloperおよびOracle Application Development Framework (Oracle ADF)のOracle Fusion Middlewareリリース12c (12.2.1.1.0)には、次の新しい開発機能と変更された開発機能が含まれています。これらの機能について、このガイドで説明します。
ADF Facesコンバータは負数用の新しい書式をサポートします。詳細は、「コンバータに負数を指定する方法」を参照してください。
masonryLayoutコンポーネントは3x2以上のタイル・サイズをサポートするようになりました。詳細は、「masonryLayoutコンポーネントの使用方法」を参照してください。
codeEditorコンポーネントはコード補完をサポートしており、開発者は独自のコード・ヒントと他の多くの拡張機能を追加できます。詳細は、「コード・エディタの使用」を参照してください。
inputDateコンポーネントにはクライアントでカレンダを即時に開けるパフォーマンス拡張機能があります。コンテンツを取得するためにサーバーからフェッチする必要がなくなりました。詳細は、「InputDateコンポーネントの追加方法」を参照してください。
表、ツリーまたはツリー表コンポーネントからExcelのスプレッドシートへのエクスポートが拡張され、データ・フィールドの書式が保持されるようになりました。フィールドのタイプを使用してExcelのセルの書式が設定されますが、セルの書式が有効でない場合、テキストはデフォルトのText形式でエクスポートされます。詳細は、「表、ツリーまたはツリー表からのデータのエクスポート」を参照してください。
表コンポーネントはクライアント側の行のフェッチをサポートしており、ユーザーがすでにフェッチした表の行にスクロール・バックしたときに再フェッチすることがなくなりました。キャッシュできるクライアントの行数を設定するには、属性maxClientRows
を、scroll
に設定したscrollPolicy
属性と組み合せて使用します。詳細は、「ページへの表の表示方法」を参照してください。
inputListOfValuesコンポーネントは、指定した最小文字数よりも多い文字数をユーザーが入力したときに、af:autoSuggestBehavior
を使用してリストをフィルタします。詳細は、「InputListOfValuesコンポーネントの使用方法」を参照してください。
Calendarコンポーネントがすべてのタイプのビューの印刷をサポートするようになりました。詳細は、「Calendarコンポーネントの作成について」を参照してください。
ADFデータ視覚化コンポーネント
新しいチャート・コンポーネント、ADF DVT株価チャートが使用できるようになりました。株価チャートは、株式の各種の値および出来高を表示するために使用します。クライアント側の株価チャートは、レガシーのサーバー側の株価グラフよりもお薦めします。詳細は、チャート・コンポーネントのユースケースおよび例および株価チャートにデータを追加する方法を参照してください。
ADF DVTチャート・ソリューションには範囲グラフが含まれるようになりました。範囲グラフは、面グラフまたは棒グラフに高値および低値を指定することによって作成できます。範囲グラフは、特定の重要な範囲内のデータを表示するため、または参照領域を使用するかわりに使用します。範囲棒グラフは、コスト分析のためのウォータフォール・グラフを作成する場合にも役に立ちます。詳細は、チャート・コンポーネントのユースケースおよび例を参照してください。
ADF DVTチャート・ソリューションには分割二重Yグラフが含まれるようになりました。分割二重Yグラフは、Y2軸をサポートするすべてのグラフで作成できます。分割二重Yグラフは、異なる軸のデータを表すため、またはチャートの描画エリアを整頓するために使用します。詳細は、チャート・コンポーネントのユースケースおよび例を参照してください。
新しいデータ視覚化コンポーネントであるADF DVT統計図表が使用できるようになりました。統計図表は、情報を魅力のある外観で表示できる汎用的なデータ視覚化ツールです。統計図表は、絶対数または母集団の部分を表すために使用し、様々な方法で使用できます。詳細は、「統計図表コンポーネントの使用方法」を参照してください。
新しいデータ視覚化コンポーネントであるADF DVTタグ・クラウドが使用可能になりました。タグ・クラウドはデータ視覚化ツールであり、クラウドまたは長方形のレイアウトにタグのメタデータまたは文字列のメトリックが表示されます。タグは色によってグループ化でき、相対的なサイズまたは重要度を割り当てる(タグのフォント・サイズに反映されます)ことができます。詳細は、「タグ・クラウド・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
ADF DVTチャートに対するその他の変更には、次の改善事項が含まれています。詳細は、「グラフの表示要素のカスタマイズ」を参照してください。
棒グラフで棒の幅を変更できるようになりました。
チャートのタイトルおよび脚注は、コンテナへのバインドに加えて、描画エリアにバインドして位置合せできるようになりました。
新しいstackCategory
属性を使用して、積上げグラフで系列のグループを一緒に積み上げるように指定できるようになりました。
ファンネル・チャートの区分ラベルをカスタマイズまたは削除できるようになりました。
時間軸を持つチャートは、新しいskipGaps
属性を使用して、定期的ではないデータを持つチャートが連続的になるように構成できるようになりました。
チャートのツールチップおよびラベルは、新しいtooltipLabel
属性およびtooltipDisplay
属性を使用してカスタマイズできるようになりました。
グラフの軸で対数スケールがサポートされるようになりました。
バブル・チャートおよび散布図で、データ・ポイント間の線コネクタがサポートされるようになりました。
ADF DVTステータス・メーター・ゲージにはいくつかの改善点があります。ゲージの描画エリアおよびゲージの枠線のサイズおよび色をカスタマイズできるようになりました。円形ステータス・メーター・ゲージでは、カスタムの内部リングのサイズ、および部分的な形状のレンダリングのための開始角度と終了角度がサポートされるようになりました。ゲージのタイトルをカスタマイズおよび位置指定できるようになりました。インジケータを描画エリアよりも大きく表示できるようになりました。詳細は、「ゲージの構成」を参照してください。
ADF DVTゲージに対するその他の変更には、次の改善事項が含まれています。詳細は、ゲージ・コンポーネントのユースケースおよび例を参照してください。
ADF DVT評価ゲージおよびLEDゲージでは、人間の形がサポートされるようになりました。評価ゲージを垂直にレンダリングできるようになりました。
ADF DVTゲージでカスタム・ラベルがサポートされるようになりました。
panelSpringboardコンポーネントがスワイプ・ジェスチャーをサポートするようになりました。これにより、ユーザーは子ページを前後に移動できるようになります。詳細は、「パネルにおけるコンテンツの表示または非表示」を参照してください。
ADF Facesは、アプリケーションがコンポーネント・ライブラリで定義された属性に加えて標準以外の属性を追加し、それらの属性をコンポーネントの生成されたDOMに表示できる、パススルー属性をサポートしています。詳細は、「パススルー属性に関する必知事項」を参照してください。
リリース12c (12.2.1.1.0)について、このドキュメントの一部が更新されています。次の表に、追加または変更された項を示します。
第I部 ADF Facesのスタート・ガイド
現在のリリースで使用されるAltaスキンのイメージを更新するためにADF Facesコンポーネントのデモ・アプリケーションの章が改訂されました。
第IV部 一般的なADF Facesコンポーネントの使用
inputFile
コンポーネントを使用してファイルをアップロードするときに進行状況バーを表示する方法について説明するためにファイルのアップロード機能の使用方法の項が改訂されました。
コード・エディタ・コンポーネントで「メッセージ」ペインにすべての警告およびエラーが一覧表示されるように構成するためのオプションについて説明するためにコード・エディタの使用の項が改訂されました。
基礎となる表モデルがCollectionModel
インスタンスではない場合に、複数列のソートを有効化するpanelCollection
コンポーネントの使用を明確にして、「プログラムを使用した表の列のソートの有効化に関する必知事項」の項が改訂されました。
ADF Facesのtable/tree/treeTableコンポーネントの操作の現在のレコードを変更するためのsetRowKey()
およびsetRowIndex()
の正しい使用方法について説明するために表の選択された行でのアクションの実行に関する必知事項の項が改訂されました。
他のオペレーティングシステムにiOSのスクロールバーの表示を実装する方法について説明するために、リスト・ビューのスクロールバーに関する必知事項の項が新しく追加されました。
非推奨になったtable
コンポーネントのScrollPolicy属性のオプションloadMoreのかわりに、タブレット・デバイスで仮想化スクロールを厳密にシミュレートするscrollオプションを使用するように、「コンテンツの配信」の項が改訂されました。
タイムアウト・プロパティを使用してポップアップを消去する方法について説明するために、ポップアップの表示動作の制御の項が新しく追加されました。
ユーザーがthematic map
コンポーネントの最大ズーム・レベルを制御できる、新しいMaxZoom属性を説明するために、セマティック・マップをページに追加する方法の項が改訂されました。
pivot table
コンポーネントでの拡張スクロールをサポートする、新しいScrollPolicy属性を説明するために、「スクロールおよびページ・コントロール」の項が改訂されました。
ユーザーがセルからセルへ移動するときに、サーバーのラウンドトリップを防げるように、pivot table
コンポーネントで変更されたデータ・セルのサブミッションをカスタマイズできる、新しいValueSubmitPolicy属性とLazyオプションを説明するために、「データ・セルの編集」の項が改訂されました。
QueryDescriptor
クラスの後方クエリ検索コンポーネントで指定された事前定義された演算子の役割を明確にするために、「実行時の処理: クエリ・コンポーネントが演算子をレンダリングする方法」の項が改訂されました。
第VI部 ビューの完成
accessibility-profile要素から大きいフォントのアクセシビリティ・プリファレンスが削除されて、「ADF Facesでのアクセシビリティ・サポートの構成」の項が改訂されました。
デフォルトのADF Facesコンポーネントのパーソナライズ機能をよりよく説明するために、UIの特性の情報を含めるようにユーザー・カスタマイズについての項が改訂されました。
電子メール送信可能なページへのフッターを適切にレンダリングするための機能拡張について説明するために、電子メール送信可能なページの作成の項が改訂されました。
ブラウザ・ページから移動するときに、アクティブなデータ有効コンポーネントを再アクティブ化するADSの制限について説明する新しい項「ADS有効ページからの移動に関する必知事項」が追加されました。
第VII部 付録
[Tab]キーおよび[Enter]キーを使用して、ユーザーが表を移動する方法をよりわかりやすく説明するために、「表のタブのトラバースの順序」の項が改訂されました。
ADF Facesのテスト自動化フレームワークを使用するためのベスト・プラクティスについてよりよく説明するために、テスト自動化の情報が新しい項であるADF Facesのテスト自動化の使用に移動されました。
マウス・イベントをテストする際に使用できるマウス・イベントをシミュレートする方法を説明する、新しい項「ADF Facesテスト自動化でのマウス・イベントのシミュレーション」が追加されました。
ユーザーがADF Facesテスト自動化を有効にして、oracle.adf.view.rich.automation.ENABLED
をSAFE
またはFULL
に設定したときにADFが有効にする応答Cookieの役割を説明するために、「ADF Facesのテスト自動化の有効化」の項が改訂されました。