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Oracle® Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド
12c (12.2.1.1.0)
E79339-01
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14 マップの使用

この章では、マップセットの使用方法について説明します。ソース・とターゲットのシステムのメッセージが異なるドキュメント定義で定義され、あるメッセージから別のメッセージにデータをマップする必要がある場合は、マップセットを使用してマッピング・ロジックを定義します。

この章の構成は、次のとおりです。

14.1 マッピングの概要

マップセットは、ネイティブ形式からXML、XMLからXML、さらにXMLからネイティブ形式にマッピングする標準変換よりも、ネイティブ・データ形式をネイティブ・データ形式にマップする方がよい場合にデータ変換を提供します。

異なるドキュメント定義によって定義されているメッセージ間でデータをマップする必要がある場合は、マップセットを使用できます。たとえば、HL7 2.3.1形式でメッセージを送信するシステムがあり、受信側システムではHL7 2.5形式のデータを必要とする場合があります。または、HIPAA 4010メッセージをHIPAA 5010に変換し、さらにHIPAA 4010に再変換することが必要な場合があります。

マップセットには、事前定義済またはユーザー定義のマップ・ファイルと2つのドキュメント定義が含まれます。マップ・ファイルは、データがある形式から別の形式に変換される方法を定義します。現在、Oracle SOA Suite ヘルスケア統合ユーザー・インタフェースでは、異なるバージョンのHL7メッセージ間のマッピングをサポートしています。Oracle B2Bコンソールでは、異なるHIPAA X12メッセージ間のマッピングと、異なるバージョンのHL7間のマッピングをサポートしています。

注意:

現在、マップセットを使用したHL7 2.xメッセージからHL7 v3.0への変換はサポートされていませんが、この操作はOracle JDeveloperのXSLTマッパーを使用して行うことができます。

Oracle B2Bには、1つのネイティブ・データ形式を別のネイティブ形式に直接変換できる機能があります。たとえば、Oracle B2Bでは、Health Insurance Portability and Accountability Act (HIPAA)のドキュメントをバージョン4010から5010(およびその逆)に変換する構築済のマップが提供されています(ドキュメント・タイプ837 Health Care Claim用)。そのため、標準のマップ・ファイルを使用して、この変換を実行できます。カスタマイズしたマップを作成する必要があるのであれば、Oracle B2BのMapBuilderアプリケーション(Windowsプラットフォームでのみ使用可能)で独自のマップを設計および構築できます。

14.1.1 マップセットについて

マップセットを作成する場合は、マップ・ファイル、ソース・ドキュメント定義およびターゲット・ドキュメント定義を1つのマップセット内で関連付けます。マップセットは、定義とマッピングを、複数のOracle B2Bまたはhealthcare integrationアプリケーションで再利用できる1つの単位にグループ化します。各マップセットは2つの異なるドキュメント定義を使用し、マップセットを作成するにはこれらの定義を設計時リポジトリに作成する必要があります。マップセットには、プロトコルごとに提供されるデフォルトのドキュメント定義、あるいは作成または変更したカスタマイズ済定義を使用するオプションがあります。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationでマップセットを作成する場合は、適切なエンドポイントに関連付けて、マッピング・ロジックをhealthcare integrationプロジェクトに組み込みます。Oracle B2Bでマップセットを作成する場合は、取引パートナ・アグリーメントに関連付けます。マップセットをエンドポイントまたはアグリーメントに関連付ける場合は、ドキュメント定義とメッセージ・フローがエンドポイントまたはアグリーメントと一致するマップセットのみ選択できます。

14.1.2 定義済マップセットとカスタム・マップセット

Oracle B2Bでは、Oracle Document EditorのMapBuilder機能を使用するかEdifecsが提供している事前定義済マップ・ファイルを購入することで、独自のカスタム・マップセットを作成できます。構築済マップには、HIPAA 4010メッセージをHIPAA 5010メッセージに変換するマップなど、Health Insurance Portability and Accountability Act (HIPAA)用のマップが含まれます。

14.2 Oracle B2Bコンソールでのマップセットの使用

HL7以外のデータ標準をマップするためのマップセットを作成する場合、または、healthcare integration機能ではなくOracle B2Bの機能を使用してマップセットを作成する場合は、Oracle B2Bコンソールを使用します。

この機能を使用すると、たとえば、HIPAA 4010メッセージ・タイプをHIPAA 5010にマップできます。Oracle B2Bを使用してHL7メッセージをマップすることもできますが、Oracle SOA Suite for healthcare integrationのほうを使用することをお薦めします。

次の手順を実行して、マップセットをOracle B2B取引パートナ・アグリーメントに組み込みます。

14.2.1 Oracle B2Bコンソールでのマップセットの作成

この手順を開始する前に、Oracle B2Bコンソールにアクセスするコンピュータでマップ・ファイルが使用可能であることと、マッピングする両方の標準に必要なドキュメント定義がOracle B2Bですでに作成されていることを確認します。この3つのコンポーネントがないと、マップセットを作成できません。

Oracle B2Bでのドキュメント定義の操作の詳細は、ドキュメント・プロトコルの使用 を参照してください。

マップセットを作成するには

  1. 図14-1に示すように、Oracle B2Bコンソールで「管理」をクリックし、「マップセット」タブをクリックします。

    図14-1 Oracle B2Bコンソールの「マップセット」ページ

    図14-1の説明が続きます
    「図14-1 Oracle B2Bコンソールの「マップセット」ページ」の説明
  2. 「マップセット」ページで、「マップセットの追加」(プラスのボタン)をクリックします。

    マップセット・リストに新しい行が表示されます。

  3. 新しい行で、新しいマップセットの名前と簡単な説明を入力します。
  4. 「マップ・ファイルの場所」フィールドの横にある「参照」をクリックします。
  5. マップ・ファイルの場所を参照し、ファイルを選択して「開く」をクリックします。

    選択したマップ・ファイルがロードされ、図14-2に示すように、「ソース・ドキュメント定義」および「ターゲット・ドキュメント定義」フィールドに、マッピングのための適切なドキュメント定義が移入されます。

    図14-2 Oracle B2Bコンソールで定義されているマップセット

    図14-2の説明が続きます
    「図14-2 Oracle B2Bコンソールで定義されているマップセット」の説明

    注意:

    Oracle B2Bにドキュメント定義が存在していない場合、この手順は失敗します。

  6. 表示される確認ダイアログで「保存」「OK」をクリックします。

14.2.2 マップセットと取引パートナ・アグリーメントの関連付け

マッピングをB2B処理ロジックに組み込むため、マップセットを取引パートナ・アグリーメントに関連付けます。取引パートナ・アグリーメントの詳細および操作方法は、 取引パートナ・アグリーメントの作成とデプロイを参照してください。

始める前に:

必要なすべてのB2Bコンポーネントが作成および構成されていることを確認します。少なくとも、ドキュメント定義、取引パートナおよびマップセットについて確認します。

マップセットを取引パートナ・アグリーメントに関連付けるには:

  1. Oracle B2Bコンソールで、右上の「パートナ」を選択します。

    パートナ・ページが表示されます。

  2. 左側の「パートナ」パネルで、リモート取引パートナの名前を選択し、「アグリーメント」パネルで「新規アグリーメントの作成」ボタンをクリックします。

    アグリーメント・ページが表示されます。

  3. 「変換」を選択解除します。

    注意:

    「変換」が選択されている場合は、エンドポイントのマップセットとともに使用するときに無視されます。マップセットがデータ変換を実行するため、変換は不要です。

  4. 取引パートナおよびアグリーメントのドキュメント定義を選択します。ドキュメント定義では、取引パートナとの交換で使用するネイティブ形式を選択します。
  5. 図14-3に示すように、「マップセット」フィールドをクリックし、このアグリーメント用に作成したマップセットを選択します。

    図14-3 Oracle B2Bの「マップセット」ページ

    図14-3の説明が続きます
    「図14-3 Oracle B2Bの「マップセット」ページ」の説明

    注意:

    マップセットを使用するときに、選択したドキュメント定義がマップセット内でソースとターゲットのどちらになるかは、アグリーメントでのメッセージ・フローの方向によって決まります。

  6. 選択したマップセットの情報を表示するには、「マップセット詳細」をクリックします。

    図14-4に示すように、マップセットのサマリー情報を示すダイアログが表示されます。

    図14-4 「マップセット詳細」ダイアログ

    図14-4の説明が続きます
    「図14-4 「マップセット詳細」ダイアログ」の説明
  7. 取引パートナ・アグリーメントの作成とデプロイの説明のとおり、アグリーメントを構成します。
  8. アグリーメントの構成が終了したら、「保存」をクリックし、表示された確認ダイアログで「OK」をクリックします。
  9. アグリーメントを検証するには、「検証」をクリックします。
  10. アグリーメントをアプリケーション・サーバーにデプロイする準備が整ったら、「デプロイ」をクリックします。

14.2.3 Oracle B2Bコンソールでのマップセットの削除

現在アグリーメントで使用されていないマップセットのみ削除できます。

Oracle B2Bコンソールでマップセットを削除するには:

  1. Oracle B2Bコンソールで「管理」をクリックし、それから「マップセット」タブをクリックします。

  2. マップセット・ページで、削除するマップセットを含む行を選択します。

  3. 「マップセット」表で「マップセットの削除」(Xボタン)をクリックし、「削除の確認」ダイアログで「はい」をクリックします。

  4. 確認ダイアログで、「OK」をクリックします。

14.3 Oracle MapBuilderを使用した構成済マップの作成

Oracle Document Editorの一部としてインストールされるOracle MapBuilderアプリケーションを使用して、マップセット・ファイルを作成できます。

カスタム・マップセット・ファイルの作成の詳細は、Oracle MapBuilderのヘルプを参照してください。