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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド
12c (12.2.1.1.0)
E77227-02
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オブジェクトの等化

同じ名前であってもアップグレードIDの異なる2つのリポジトリにオブジェクトがある場合、これらを同じオブジェクトとして処理する必要が生じる場合があります。

これを実行するには、equalizerpdsユーティリティを使用して両方のオブジェク方に同じアップグレードIDを付けて、これらを等化します。または、マージ・プロセスの一部として、これらのオブジェクトを等化できます。

「オブジェクトの等化」ダイアログ(「リポジトリの比較」ダイアログから使用可能)を使用して、equalizerpdsユーティリティを実行した後のリポジトリの外観をプレビューすることもできます。

この項では、次の項目について説明します。

オブジェクトの等化について

Oracle BI管理ツールでオブジェクトのアップグレードIDを使用して各リポジトリ・オブジェクトの履歴が追跡されるため、オブジェクトの等化が必要になる場合があります。

アップグレードIDは、各オブジェクトに一意の識別子です。

アップグレードIDは、ユーザー・アクションのため、またはマージ中に変更される場合があります。変更が発生し、その後で比較が行われると、Oracle BI管理ツールでは、新しいアップグレードIDを新しいオブジェクトとして処理し、欠落した元のアップグレードIDを削除されたオブジェクトとして処理します。

たとえば、2つの同一のリポジトリがあるとします。一方のリポジトリで、プレゼンテーション列を削除し、これを再作成します。「リポジトリの比較」ダイアログを使用して2つのリポジトリを比較するとき、プレゼンテーション列に2つのエントリがあります。一方は古いオブジェクトを削除済として示し、もう一方は新しいオブジェクトを作成済として示します。「リポジトリの比較」ダイアログを使用しないと、管理ツールでは通常はオブジェクト名とプロパティのみを表示し、基礎となるアップグレードIDを表示しないため、この処理が行われたかどうかの判別が困難になります。

アップグレードIDは一意ではありませんが、まれにマージするリポジトリに同じアップグレードIDが含まれる場合があるので注意してください。マージするリポジトリでequalizerpdsユーティリティを実行すると、この重複したアップグレードIDの問題が修正され、マージの実行中のエラーが防止されます。

リポジトリをマージして変更を等化する前に、リポジトリに対してequalizerpdsユーティリティを実行することは非常に有効です。相反する変更(複製した列を名前変更する場合など)を等化すると、基礎のアップグレードIDがクリーンアップされ、マージ中の意図しない名前変更が回避されます。

オブジェクトを等化するとき、正規のオブジェクト名変更が異なるオブジェクトになるため、オブジェクトの名前変更の追跡が失われる場合があります。つまり、リポジトリ内で実行した意図的な名前変更によって異なるアップグレードIDに変更され、これに続くマージによって、名前変更されたオブジェクトが新しいオブジェクトとして誤って処理される場合があります。この状況を回避するには、意図的に名前変更したオブジェクトの変更前の名前と変更後の名前を名前変更マップ・ファイルに入力し、このファイルをユーティリティに渡します。equalizerpdsユーティリティによってこのファイル内の情報が使用され、名前変更された現行のオブジェクトで元のIDが使用されるようになります。

注意:

「リポジトリの問合せ」ダイアログを使用して、リポジトリ・オブジェクトのアップグレードIDを表示できます。これを実行するには、次の手順に従います。

  1. ツール」→「リポジトリの問合せ」を選択します。

  2. 問合せを実行します。詳細は、リポジトリ・メタデータの問合せおよび管理を参照してください。

  3. 「列」をクリックします。

  4. リストから「アップグレードID」を選択します。「検索」ボタンを使用して「アップグレードID」を検索できます。

  5. 「OK」をクリックします。アップグレードIDを表示した新しい列が「結果」リストに表示されます。

「オプション」ダイアログの「一般」タブで「問合せリポジトリにアップグレードIDを表示」を選択していない場合は、列のオプションとして「アップグレードID」を使用できません。詳細は、管理ツールのオプションの設定を参照してください。

「オブジェクトの等化」ダイアログの使用

「オブジェクトの等化」ダイアログを使用すると、リポジトリでequalizerpdsユーティリティを実行した場合のリポジトリの外観をプレビューできます。

「オブジェクトの等化」ダイアログは、同じ名前のオブジェクトに関する変更を比較する便利な方法を提供しますが、変更はいずれも永続しません。

注意:

「オブジェクトの等化」ダイアログを大きなリポジトリに対して使用すると、非常に時間がかかる場合があります。

「オブジェクトの等化」ダイアログを表示して使用するには:

  1. 管理ツールで、リポジトリをオフライン・モードで開きます。
  2. ファイル」メニューで、「比較」を選択します。
  3. 「元のリポジトリの選択」ダイアログで、開いているリポジトリ(通常、元のリポジトリ)と比較するリポジトリを選択します。サブメニューから「リポジトリ」を選択してRPD形式のバイナリ・リポジトリ・ファイルを選択するか、「XML」を選択して一連のMDS XMLドキュメントを選択します。
  4. オフラインで開くダイアログで、リポジトリ・パスワードを入力し、「OK」をクリックします。「リポジトリの比較」ダイアログが表示されます。
  5. 等化」をクリックし、「オブジェクトの等化」ダイアログを表示します。
  6. 「オブジェクトの等化」ダイアログに、異なるアップグレードIDを持つオブジェクトを同じオブジェクトとして見なす必要がある変更のリストが表示されます。次のオプションを使用して、変更を等化する方法をモデル化できます。
    • 同じ名前のオブジェクトに関する変更を自動的に等化するには、「自動」をクリックします。この変更は、「等化済」表に表示されます。

      等化できる変更がない場合、表には何も表示されず、「OK」ボタンは無効のままになります。

    • 「削除済」リストでオブジェクトを選択し、「作成」リストで対応するオブジェクトを選択し、「追加」または「プラスの追加」をクリックしてオブジェクトを等化します。「プラスの追加」をクリックすると、該当のオブジェクトおよびその子オブジェクトが「等化済」表に追加されます。「追加」をクリックすると、選択したオブジェクトのみが追加されます。たとえば、「サブジェクト・エリア」を選択して、「プラスの追加」をクリックすると、基礎の「プレゼンテーション」表および「プレゼンテーション」列も追加されます。

      手動選択すると、「自動」ボタンは無効になります。

    • 「等化済」表で行を選択し、「削除」または「すべて削除」をクリックして、「等化済」表からオブジェクトを削除します。「すべて削除」をクリックすると、該当のオブジェクトおよびその子オブジェクトが削除されます。「削除」をクリックすると、選択したオブジェクトのみが削除されます。

      すべての手動選択が削除されると、「自動」ボタンは有効になります。

  7. 変更のモデル化を終了したら「OK」をクリックします。変更が「リポジトリの比較」ダイアログに表示されますが、この変更は、ダイアログを閉じた後には存続しません。

equalizerpdsユーティリティの使用

equalizerpdsユーティリティを使用して、2つの異なるリポジトリにあるオブジェクトのアップグレードIDを等化できます。複数のオブジェクトが同じアップグレードIDを持っている場合、これらは同じオブジェクトと見なされます。このユーティリティは、第1のリポジトリ(通常、元のリポジトリ)のアップグレードIDを2番目のリポジトリ(通常、変更済リポジトリ)のアップグレードIDと比較します。次に、元のリポジトリのアップグレードIDを使用して、同じ名前のオブジェクトのアップグレードIDを等化します。

equalizerpdsユーティリティは、WindowsシステムとUNIXシステムの両方で使用できます。ただし、equalizerpdsは、RPD形式のバイナリ・リポジトリでのみ使用できます。

equalizerpdsユーティリティの場所は、次のとおりです。

BI_DOMAIN/bitools/bin

構文

equalizerpdsユーティリティは次のパラメータを取ります。

equalizerpds [-B original_repository_password] -C original_repository_name
{-E modified_repository_password]|-G} -F modified_repository_name [-I input_UDML_script_name][-J rename_map_file]
[-O output_repository_name] [-R output_apply_result_file] [-U output_id_map_file][-Y equalStringSet]

説明:

Gは、変更されたリポジトリ・パスワードに元のリポジトリ・パスワードを使用することを指定します。

rename_map_fileは、名前変更され、等化するオブジェクトのリストを含むテキスト・ファイルです。形式は、次の列を含むタブ区切りファイルです。

TypeName     Name1     Name2

たとえば、Name1からName2に名前変更されたマップ・ファイルに論理列を含めるには、次のように入力します。

ATTRIBUTE     "BusinessModel"."Table"."Name1"     "BusinessModel"."Table"."Name2"

タブ区切りは正しくコピーされない場合があるため、ご使用のファイルの基盤としてこの例をカット・アンド・ペーストしないでください。正しいタブを指定した新しいファイルを作成してください。

有効なTypeName値の詳細は、TypeNameの値についてを参照してください。

equalStringSetは、同一として処理する文字のセットです。

original_repository_password引数およびmodified_repository_password引数はオプションです。これらのパスワード引数を入力しないと、コマンドを実行したときにこれらのパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます(password1およびpassword2)。セキュリティ侵害のリスクを最小限にとどめるために、パスワード引数をコマンドラインやスクリプトで指定しないことをお薦めします。これらのパスワード引数は下位互換性のみがサポートされ、将来のリリースで削除される予定です。スクリプト上の理由から、標準入力によってパスワードを指定できます。

次に例を示します。

equalizedrpds -C original.rpd -F modified.rpd -O modified_equalized.rpd
password1: my_original_rpd_password
password2: my_modified_rpd_password

この例では、original.rpdがmodified.rpdと比較され、original.rpdのアップグレードIDを使用してアップグレードIDが等化されます。最終結果は、modified_equalized.rpdに書き込まれます。

注意:

完全パス名をリポジトリ・ファイル(入力ファイルと出力ファイルの両方)に入力にしてください(これらが異なるディレクトリにある場合)。

TypeNameの値について

使用可能なオブジェクト・タイプおよびTypeName用のこれらに対応する値について学習します。

この表は、使用可能なオブジェクト・タイプおよびTypeName用のこれらに対応する値を示します。

オブジェクト・タイプ TypeNameの値

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DATABASE

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TABLE KEY

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キューブ表

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論理列

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