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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceのインストールと構成
12c (12.2.1.1)
E77343-01
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目次

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2 Oracle Business Intelligenceのインストールと構成の準備

Oracle Business Intelligenceのインストールを準備するために、システムが基本要件を満たしていることを確認します。次に、適切なインストール・ソフトウェアを取得して、この章の手順を実行します。

2.1 Oracle Business Intelligenceの標準インストール・トポロジをインストールして構成する際のロードマップ

Oracle Business Intelligence 12cインストーラを実行して「BIプラットフォーム配布」を選択すると、様々なライフサイクル・タスクを実行する基盤がしかれます。たとえば、システムを構成するバイナリ・ファイルがインストールされます。Configuration Assistantを実行すると、システム・コンポーネント、サービス・インスタンスおよびシステム・コンポーネントの起動と12cシステムの管理に使用するバイナリ・ファイルが作成されます。

このガイドでは、Oracle Business Intelligenceの標準トポロジをインストールして構成するために必要な詳細情報を示します。このトポロジの修正バージョンを作成する場合は、このガイドに記載されている補足情報へのリンクを参照してください。

次の図は、Oracle Business Intelligence 12cの標準トポロジをインストールして構成するためのプロセス・フローを示しています。

図2-1 標準インストール・フローチャート

このフローチャートは、Oracle Business Intelligence 12cの標準トポロジをインストールして構成するためのプロセス・フローを示しています。

表2-1は、Oracle Business Intelligenceの標準トポロジをインストールして構成するために必要な手順を示します。

表2-1 標準インストール・ロードマップ

No. タスク 説明 ドキュメント
1

計画および準備

システム環境を確認します。
インストールの前に、最小限のシステム要件およびネットワーク要件を満たしていることを確認します。 「システム環境の確認のロードマップ」を参照してください。
2 次のOracleの配布を入手します。
  • Oracle Fusion Middleware 12c Infrastructure (12.2.1.1)

  • Oracle Business Intelligence 12c (12.2.1.1)

次の場所からOracle Fusion Middleware 12c InfrastructureおよびOracle BI (12.2.1.1)の配布をダウンロードします。

Oracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloud

「製品ディストリビューションの理解と入手」を参照してください。
3 インストール・ディレクトリを決めます インストーラが、アクセスする必要のあるインストーラ・ディレクトリにアクセスできるか、または作成する必要のあるインストーラ・ディレクトリを作成できるかを確認します。また、ディレクトリが最小要件を満たしているシステムに存在することも確認します。 「インストールおよび構成のためのディレクトリの理解」を参照してください。
4

ソフトウェアのインストール

前提条件となるソフトウェアをインストールします。
Oracleホーム・ディレクトリを作成するには、Java Development Toolkit (JDK)とOracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールします。Oracleホーム・ディレクトリはその後のインストールで使用します。 Oracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールするには、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成 』を参照してください。

注意:

InfrastructureのインストールInfrastructureのドメインを構成する必要はありません。
5 Oracle Business Intelligenceソフトウェアをインストールします。 BIをインストールするには、Oracle BIインストーラをOracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールしたのと同じOracleホームで実行します。 「Oracle Business Intelligenceのインストール」を参照してください。
6 インストールを確認します。 インストールが成功したことを確認するには、ディレクトリ構造およびログを確認します。 ディレクトリ構造のチェックを参照してください。
7

ドメインの構成

BIドメインを構成します。
Oracle Business Intelligence 12c Configuration Assistantツールを実行し、BIドメインを構成します。

注意:

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して、またはOracle Business Intelligence 12c Configuration Assistantを使用してデータベース・スキーマを作成できます。
リポジトリ作成ユーティリティを使用したスキーマの作成の詳細は、リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成のスキーマの作成に関する項を参照してください。
8 ドメイン構成を確認します。 Configuration Assistantのサマリー・ページに詳しく説明されているすべてのリンクはアクセス可能でログインできることを 確認します。

また、必要なすべてのプロセスがアクティブかどうかをstatus.sh|cmdスクリプトを実行して確認します。

status.sh|cmdは$Domain_Home/bitools/bin/status.(sh|cmd)にあります。

「構成の確認」を参照してください。

9

次の手順

高可用性のためのドメインの管理と準備
ドメインを管理するための追加のツールおよびリソースを確認し、可用性が高くなるようにドメインを構成します。 「ドメイン構成後の次の手順」を参照してください。

2.2 システム環境の確認のロードマップ

このトピックでは、インストールと構成の手順を開始する前に参照して理解する必要がある重要な情報が記載されています。ここでは、Oracle Business Intelligenceをインストールおよび構成するために、ご使用の環境で準備が整っていることを確認するための重要なタスクおよび判断項目を示します。

インストールおよび構成のプロセスを開始する前に、表2-2の重要な情報を読んで理解してください。ここでは、Oracle Business Intelligenceをインストールおよび構成するために、ご使用の環境が適切に準備されていることを確認するための重要なタスクおよび判断項目を示します。

表2-2 システム環境の確認のロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

動作保証およびシステム要件を確認します

インストールおよび構成について、ご使用のオペレーティング・システムが動作保証され適切に構成されることを確認します。

「動作保証、システム要件および相互運用性の確認」を参照してください。

適切なインストール・ユーザーを特定します

ソフトウェアをインストールおよび構成するには、インストール・ユーザーに必要な権限があることを確認します。

「インストール・ユーザーの選択」を参照してください。

目的のシステムでインストール・ディレクトリおよび構成ディレクトリを選択します

推奨ディレクトリ構造に従って、インストールおよび構成に必要なディレクトリが作成できることを確認します。

「インストールおよび構成のためのディレクトリの理解」を参照してください。

動作保証されたJDKをインストールします

配布のインストール・プログラムは、ご使用のシステムで動作保証されたJDKを必要とします。

「Oracle Fusion MiddlewareインストレーションのためのJDK要件の理解」を参照してください。

中間層スキーマのデータベースのインストールおよび構成

WebLogicドメインを構成するには、Oracle Business Intelligenceで必要なスキーマに対して適切に構成された、動作保証済のデータベースにアクセスできる必要があります。

「Oracle Fusion Middlewareインストレーションのデータベース要件の理解を参照してください。

2.2.1 動作保証、システム要件および相互運用性の確認

ご使用の環境がインストールに必要な要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスおよびシステム要件のドキュメントをあわせて使用することをお薦めします。

  1. 環境が動作保証要件を満たしていることの確認

    製品を、サポートされているハードウェアおよびソフトウェア構成上にインストールすることを確認してください。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

    Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しています。新しい動作保証情報が発表された場合は、適切な動作保証ドキュメントにすぐに追加されます。新しい動作保証は随時リリースされる場合があります。そのため、動作保証のドキュメントはドキュメント・ライブラリとは別に管理され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  2. 動作保証情報を確認するためのシステム要件ドキュメントの使用

    Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントを使用して、動作保証要件が満たされていることを確認することをお薦めします。たとえば、動作保証ドキュメントに、お使いの製品が64ビットOracle Linux 6.5のインストールに対して動作保証されていることが示されている場合、このドキュメントを使用してシステムが必要な最小要件を満たしていることを確認します。これには、ディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージおよびパッチ、その他のオペレーティング・システム固有の項目などが含まれます。システム要件は、将来的に変更されることがあります。そのため、システム要件情報のドキュメントは、ドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  3. 複数の製品間での相互運用性の確認

    相互運用性および互換性の理解を読んで、同一リリースまたは混在するリリースからなる複数のFusion Middleware製品をインストールおよび実行する方法を理解してください。

2.2.2 インストール・ユーザーの選択

システム上でインストールと構成を実行するユーザーは、十分な権限を持っている必要があります。

2.2.2.1 ユーザー権限の理解

Fusion Middleware製品をインストールするユーザーは、そのファイルを所有し、そのファイルに対する特定の権限を持ちます。

Fusion Middleware製品をインストールするユーザーには、次の権限があります。

  • 実行可能ファイル以外(.jar.properties.xmlなど)のすべてのファイルに対する読取り権限と書込み権限。その他の同じグループのすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限のみがあります。

  • すべての実行可能ファイル(.exe.shまたは.cmd)に対する読取り、書込みおよび実行権限。同じグループのその他のすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限および実行権限のみがあります。

したがって、ソフトウェアをインストールするユーザー以外のユーザーも、ドメインまたはFusion Middleware製品を構成するためにOracleホームのインストール・バイナリを使用できます。

構成中に生成されたファイルは、構成ウィザードを実行したユーザーが所有者になり、前述のインストール・ユーザーと同じ権限を持ちます。ただし、セキュリティに厳しいファイルはグループ権限では作成されません。ドメインを作成したユーザーのみが読取りおよび書込み権限を持ち、ドメインを管理できます。

次に例を示します。

  • 例1: 1人のユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合

    この例は、同じユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合の権限を示します。

    すべてのファイルに対して適切な権限があるようにするには、同じ所有者が構成ウィザードを使用してOracle Fusion Middleware製品のインストールとWebLogic Serverドメインの構成の両方のタスクを実行することをお薦めします。

    ドメインを作成するユーザーがソフトウェアをインストールしたユーザーと異なる場合、次の例に示すように、どちらのユーザーにも同じ権限が必要です。

  • 例2: Oracleホームとドメインを別のユーザーが作成する場合

    この例は、あるユーザーがOracleホームを作成し、別のユーザーがドメインを構成する場合の権限を示します。

注意:

特定のドメイン・ファイルにはグループ権限がありません。たとえば、cwallet.ssoです。

インストーラを実行する前に、次の項目について考慮してください。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、ソフトウェアをインストールする前にumask027に設定することをお薦めします。これにより、インストール時にファイルの権限を正しく設定することができるようになります。以下のコマンドを使用します。

    umask 027

    このコマンドは、製品のインストーラと同じ端末ウィンドウで実行する必要があります。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、インストール・プログラムをrootユーザーで実行しないでください。rootユーザーとしてインストーラを実行すると、起動検証に失敗し、インストールを続行できなくなります。

  • 製品のインストールを管理する際(パッチ適用、管理対象サーバーの起動など)は、製品インストールに使用したものと同じユーザーIDを使用します。

  • Windowsオペレーティング・システムの場合、製品をインストールするには管理者権限が必要です。詳細は、「Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認」を参照してください。

2.2.2.2 UNIXオペレーティング・システムでの非デフォルトのユーザー権限の理解

デフォルトの権限の設定を変更すると、インストールおよびシステムのセキュリティが低下する可能性があります。デフォルトの権限の設定を変更することはお薦めしません。

他のユーザーが特定のファイルまたは実行可能ファイルへのアクセスが必要な場合は、ファイルのアクセス権を変更するかわりに、UNIXのsudoコマンド(または他の同様のコマンド)の使用を検討してください。

さらにサポートが必要な場合は、ご使用のUNIXオペレーティング・システムに付属している管理者ガイドを参照するか、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

2.2.2.3 Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認

Windowsレジストリを更新するには、管理者権限が必要です。

デフォルトでは、通常の権限でシステムにログインする管理者権限を持つメンバーが、管理タスクを実行するために高い権限が要求される場合があります。

高い権限が必要なタスクを実行するには:

  1. 左下の「スタート」メニューまたはWindowsアイコンから、コマンド・プロンプトアイテムを検索します。
  2. コマンド・プロンプトを右クリックして「管理者として実行」を選択します。
    新しいコマンド・プロンプト・ウィンドウが開き、このウィンドウで実行されるすべてのアクションは管理者権限で実行されます。

    注意:

    システムでユーザーアクセス制御が有効な場合、このアクションの確認を求めるウインドウが表示される場合があります。確認し、この手順を続行します。
  3. 必要なタスクを実行します。

    たとえば、製品のインストーラを起動する方法は次のとおりです。

    jarファイルの場合、次のように入力します。

    java —jar distribution_name.jar

    実行可能ファイル(.exe.bin、または.shファイル)に対して、次を入力します。

    distribution_name.exe

2.2.3 インストールおよび構成のためのディレクトリの理解

推奨ディレクトリ構造に従って、インストールおよび構成に必要なディレクトリが作成することは重要です。

インストール中およびドメインの構成中に、次のディレクトリの場所を指定する必要があります。

  • Oracleホーム

  • ドメイン・ホーム

この項には、これらのディレクトリを作成する場所を決定するときに役立つ情報が記載されています。

2.2.3.1 推奨ディレクトリ構造の理解

Oracleホーム、ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームには、推奨される特定の場所があります。

図2-2に推奨するディレクトリ構造を示します。

図2-2 Oracle Fusion Middlewareの推奨ディレクトリ構造



システムでベースの場所(Oracleベース)を決め、(/home/oracleなど)そこから2つのサブ・ディレクトリを別々に作成します。productディレクトリには、製品のバイナリ・ファイルとすべてのOracleホーム・ディレクトリを含めます。configディレクトリにはドメイン・データとアプリケーション・データを格納します。

Oracleホーム下には構成データを置かないことをお薦めします。製品を別のメジャー・リリースにアップグレードする場合、バイナリ用に新しいOracleホームの作成が必要になります。また構成データは、Oracleホームのバイナリからアクセス可能な場所に置く必要があります。

このドキュメント全体の例を通じて、/home/oracle/productディレクトリ(Oracleホーム)と/home/oracle/configディレクトリ(アプリケーション・データと構成データ)を使用していますが、これらのディレクトリはご使用のシステムの実際のディレクトリに読み替えてください。

2.2.3.2 Oracleホーム・ディレクトリについて

Oracle Fusion Middleware製品をインストールする場合は、Oracleホーム・ディレクトリを使用する必要があります。

このディレクトリは、同じマシンにインストールされた複数のFusion Middleware製品で使用される共通ファイルのリポジトリです。これらのファイルは、Fusion Middlewareをシステムで正しく動作させるために重要です。これらによって、インストール時の製品間の依存関係のチェックが容易になります。このためOracleホーム・ディレクトリは、システムにインストールされるすべてのOracle Fusion Middleware製品の中心的なサポート・ディレクトリとみなすことができます。

Oracleホーム・ディレクトリは、Fusion MiddlewareドキュメントでORACLE_HOMEと呼ばれています。

Oracleホームの考慮事項

Oracleホーム・ディレクトリを作成し、Fusion Middleware製品をインストールするときに、次の点に注意してください。

  • Oracleホーム・ディレクトリの名前に空白を含めないでください。Oracleホーム・ディレクトリのパスに空白が含まれていると、エラー・メッセージが表示されます。

  • 単一のOracleホーム・ディレクトリには、Oracle Fusion Middlewareの各製品に1つのインスタンスのみインストールできます。異なるバージョンの製品を同じマシンにインストールするには、それぞれのバージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリに格納する必要があります。

    単一のOracleホームに複数の異なる製品をインストールすることもできますが、Oracleホームには各製品で1つのバージョンのみをインストールできます。

複数のホーム・ディレクトリ

ほとんどの場合、Oracleホームは1つで十分ですが、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合もあります。たとえば次の場合に、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する必要があります。

  • それぞれ製品のスタックが別々の開発と本番環境を別々に管理する場合。2つのディレクトリを使用するこのにより、準備ができるまで本番環境を変更せずに、開発環境を更新できるようになります。

  • 2つのバージョンのFusion Middleware製品を同時に保持する場合。たとえば製品の既存のバージョンを残したまま新しいバージョンをインストールする必要がある場合。この場合、製品の各バージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。

  • 相互に互換性のない複数の製品をインストールする必要があります。詳細な情報は、相互運用性と互換性の理解を参照してください。

注意:

複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合、各製品の構成フェーズにおいて重ならないポート範囲を用意する必要があります。

2.2.3.3 ドメイン・ホーム・ディレクトリについて

ドメイン・ホームは、構成するドメインが作成されるディレクトリです。

デフォルトのドメイン・ホームの場所は、ORACLE_HOME/user_projects/domains/domain_nameです。ただし、このデフォルトの場所を使用しないことをお薦めします。ドメイン・ホームは、Oracleホーム・ディレクトリの外部に置きます(例: /home/oracle/config/domains)。configディレクトリには、ドメインとアプリケーションのデータが含まれている必要があります。新規インストール、パッチの適用およびその他の操作によって、ORACLE_HOMEのみが更新され、ドメインの構成は更新されないように、ドメイン専用のディレクトリをお薦めします。

推奨ディレクトリ構造とドメイン・ホームの場所については、「推奨ディレクトリ構造の理解」を参照してください。

Fusion Middlewareドキュメントで、ドメイン・ホーム・ディレクトリはDOMAIN_HOMEと呼ばれ、ドメイン名を含むそれ以下のすべてのフォルダが含まれます。たとえば、ドメイン名がexampledomainで、/home/oracle/config/domainsディレクトリにドメイン・データを配置する場合、ドキュメントでのDOMAIN_HOME/home/oracle/config/domains/exampledomainを指します。

2.2.3.4 共有記憶域の準備

Oracle Fusion Middlewareでは、1つのOracleホームから複数のOracle WebLogic Serverドメインを構成できます。これにより、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールしたり、複数のホストをインストールするためにOracleホストを再利用したりすることもできます。

ご使用の環境で共有記憶域を使用する場合は、詳細について高可用性ガイドの共有記憶域の使用に関する説明を参照してください。

2.2.4 Oracle Fusion MiddlewareインストレーションのためのJDK要件の理解

ほとんどのFusion Middleware製品は、.jarファイル形式で配布されます。これらのディストリビューションにJDKは含まれていません。.jar配布インストーラを実行するには、動作保証されたJDKがすでにシステムにインストールされている必要があります。

JDKがOracleホームの外部にインストールされていることを確認してください。Oracleホームの下にJDKをインストールすると、将来的にタスクを実行しようとすると、問題が発生します。Oracle Universal Installerは、Oracleホーム・ディレクトリが空であるかどうかを検証し、空のディレクトリが指定されるまで、インストールを進めません。JDKのインストールは、/uo1/oracle/products/jdkディレクトリに配置することをお薦めします。java -jarコマンドを使用して、インストーラJARファイルを実行できます。

BIディストリビューションは、プラットフォーム固有のディストリビューションです。プラットフォーム固有の配布には、.bin (UNIXの場合)または.exe (Windowsの場合)インストーラがあります。プラットフォーム固有のJDKは配布に含まれるため、JDKを個別にインストールする必要はありません。ただし、認定されたJDKのバージョンによっては、より新しいバージョンにそのJDKをアップグレードする必要があります。

Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成のページで動作保証情報を参照し、必要なJDKバージョンであることを確認してください。

必要なJDKをダウンロードするには、次のURLにアクセスしてJava SE JDKをダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html

2.2.5 Oracle Fusion Middlewareインストレーションのデータベース要件の理解

多くのOracle Fusion Middleware製品は、ドメイン構成の前にデータベース・スキーマが必要です。このようなスキーマをインストールできるデータベースがない場合は、動作保証されたデータベースを最初にインストールして構成します。

オペレーティング・システムで動作保証されているデータベースを調べるには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向け動作保証情報ドキュメントのリポジトリ作成ユーティリティの項を参照してください。

注意:

12c (12.2.1.1)では、動作保証されたOracleデータベースのみがOracle Fusion Middleware Infrastructure標準インストール・トポロジに使用できます。

データベースが適切に構成されると、製品のスキーマを作成することができます。

注意:

Configuration Assistantは製品スキーマの作成をOracleデータベース用のみサポートします。ただし、DB2またはSQL Serverをデータベースとして使用している場合には、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して製品スキーマを作成します。

RCUは、データベースにスキーマを作成するために使用するツールです。このツールはOracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールした後に利用できます。

2.3 製品ディストリビューションの理解と入手

Oracle Fusion Middleware Infrastructureの配布を使用して最初のOracle Business Intelligenceドメインを作成します。このディストリビューションには、Oracle WebLogic ServerソフトウェアとOracle JRFソフトウェアの両方が1つのディストリビューションとして含まれています。

Fusion Middleware Infrastructureの配布には、Oracle Fusion Middleware製品をサポートするために必要な次のコンポーネントおよびその他のライブラリや技術が同梱されています。

  • Oracle Web Services Manager。
  • Oracle Application Development Framework (Oracle ADF)
  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。
  • リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)

Oracle Fusion Middleware Infrastructureの配布は、".jar"ファイルとして入手でき、Oracle Business Intelligenceの配布は"bin|exe"ファイルとして入手できます。この配布をインストールして構成するには、動作保証されたJDKがシステムにインストールされている必要があります。

製品の配布の詳細は、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングの製品の配布の理解と入手に関する項を参照してください。

製品の配布を入手する手順は次のとおりです。
  1. 12.2.1.1製品の配布をインストールするターゲット・システムにログインします。
  2. Oracle Fusion Middleware Infrastructureの配布(fmw_12.2.1.1.0_infrastructure_generic.jar)を、Oracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudからお使いのターゲット・システムにダウンロードします。
  3. Oracle Business Intelligenceの配布(UNIXの場合はfmw_12.2.1.1.0_bi_platform_linux64.bin、Windowsの場合はfmw_12.2.1.1.0_bi_platform_linux64.exe)を、Oracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudからお使いのターゲット・システムにダウンロードします。

2.4 インストール・チェックリストの確認

インストール・プロセスでは、特定の情報の入力が必要になります。

表2-3に、Oracle Business Intelligenceのインストール前に知っておく必要のある重要な項目、またはインストール中に決定する必要のある重要な項目を示します。

表2-3 インストール・チェックリスト

情報 値の例 説明

JAVA_HOME

/home/Oracle/Java/jdk1.8.0_77

Java JDK ホーム・ディレクトリを指す環境変数。

データベース・ホスト

examplehost.exampledomain

データベースを実行しているホストの名前とドメイン。

データベース・ポート

1521

データベースがリスニングしているポート番号。デフォルトのOracleデータベースのリスニング・ポートは1521です。

データベース・サービス名

orcl

Oracleデータベースには一意のサービス名が必要です。デフォルトのサービス名は、orclです。

DBAユーザー名

SYS

データベース管理権限を持つユーザーの名前。OracleデータベースのデフォルトのDBAユーザーは、SYSです。

DBAパスワード

myDBApw957

データベース管理権限を持つユーザーのパスワード。

ORACLE_HOME

/home/Oracle/product/ORACLE_HOME

ソフトウェアをインストールするディレクトリ。

このディレクトリには、必要に応じてOracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle Business Intelligenceが含められます。

WebLogic Serverホスト名

examplehost.exampledomain.com

Oracle WebLogic ServerおよびOracle Business Intelligenceのコンソールのホスト名。

コンソール・ポート

7001

Oracle WebLogic ServerおよびOracle Business Intelligenceのコンソールのポート。

DOMAIN_HOME

/home/Oracle/config/domains/bi_domain

ドメイン・データの格納場所。

APPLICATION_HOME

/home/Oracle/config/applications/bi_domain

アプリケーション・データの格納場所。

WebLogicドメインの管理者のユーザー名

weblogic

Oracle WebLogic Serverの管理権限を持つユーザーの名前。デフォルトの管理者ユーザーは、weblogicです。

管理者ユーザー・パスワード

myADMpw902

Oracle WebLogic Server管理権限を持つユーザーのパスワード。

FTPポート

7021

埋込みFTPサーバーのポート。

RCUユーティリティ

ORACLE_HOME/oracle_common/bin

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)へのパス。

RCUスキーマ接頭辞

BI

Oracle Business Intelligenceによって使用されるデータベース・スキーマの名前の接頭辞。

RCUスキーマ・パスワード

myRCUpw674

Oracle Business Intelligenceによって使用されるデータベース・スキーマのパスワード。

構成ユーティリティ

ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin

ドメインを作成し構成するための構成ウィザードへのパス。

$FTP_ROOT

${ORACLE_HOME}/b2b/ftp_root

埋込みFTPサーバーのルート・ディレクトリ。

2.5 Oracle Business Intelligenceのインストールの準備におけるOracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール

Oracleホーム・ディレクトリを作成して、Oracle Business Intelligenceをインストールするためにサポートされているソフトウェアをインストールするには、Oracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールする必要があります。この項のプロシージャに従って動作保証されたJDKを探してインストールし、Oracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールしてディレクトリ構造を確認します。

Oracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールするには、次のタスクを実行します。

2.5.1 サポートされているJDKのインストール

Oracle Fusion Middlewareでは、動作保証されたJava Development Kit (JDK)がシステムにインストールされている必要があります。

動作保証されるJDKを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページにある、ご使用のリリースでの動作保証に関するドキュメントを確認してください。現在のOracle Fusion MiddlewareリリースのJDKを特定したら、Oracle Technology Networkの次の場所からJDKをダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technetwork/java/index.html

Java SE JDKのダウンロード・セクションに必ず移動してください。

JDKを次の場所にインストールします。
  • アプリケーション層の各ホスト・コンピュータからアクセスできる共有記憶域デバイス
  • Web層の各ホスト・コンピュータのローカル記憶域デバイス

    DMZに配置されるWeb層ホスト・コンピュータは、アプリケーション層の共有記憶域に必ずしもアクセスできるとはかぎりません。

最新のサポートされているJDKをインストールする方法は次のとおりです。

  1. ディレクトリを、JDKアーカイブ・ファイルをダウンロードした場所に変更します。
    cd download_dir
  2. アーカイブをJDKホーム・ディレクトリに解凍します。
    tar -xzvf jdk-8u77-linux-x64.tar.gz
  3. JDKディレクトリを次のようにディレクトリ構造の推奨される場所に移動します。
    次に例を示します。
    mv download_dir/jdk1.8.0_77/u01/oracle/products/jdk
  4. ホスト・コンピュータでJavaを実行するためのJAVA_HOMEおよびPATH環境変数を定義します。
    次に例を示します。
    export JAVA_HOME=/u01/oracle/products/jdk
    export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH
  5. システムのJavaバージョンを確認します。
    UNIXオペレーティング・システムで、次のコマンドを入力します。
    java -version
    次のような出力が表示されます。

    java version "1.8.0_77"
    Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_77-b03)
    Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM (build 25.77-b03, mixed mode)

    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    1. Windowsの「スタート」メニューで、検索フィールドにAbout Javaと入力します。
    2. 「About Java」をクリックします。
      次に示す「About Java」ウィンドウに、Javaバージョンが表示されます。

      図2-3「About Java」ウィンドウ - Windowsオペレーティング・システムのJavaバージョンの確認

      Windowsオペレーティング・システムのJavaバージョンを確認するために使用する「About Java」ウィンドウ
システムにサポートされているJDKが正常にインストールされました。

2.5.2 Infrastructureインストーラの起動

サポートされているJDKをインストールした後、InfrastructureをインストールしてOracle BIをインストールする準備のためにWebLogicドメインを作成する必要があります。

インストール・プログラムを起動する手順は次のとおりです。
  1. ホストにログインします。
  2. インストール・プログラムがダウンロードされたディレクトリに変更します。

    注意:

    配布をOracle Technology Networkからダウンロードする場合、通常、jarファイルはzipファイル形式内にパッケージされています。解凍したら、次の手順に進みます。
  3. 次の例に示すとおり、システム上のJDKディレクトリからJava実行可能ファイルを実行して、インストール・プログラムを起動します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    JAVA_HOME/bin/java [-d64] -jar fmw_12.2.1.1.0_infrastructure_generic.jar

    JAVA_HOMEを、ご使用のシステムのJDKがある場所の実際のパスに置き換えます。

    注意:

    HP-UX Itaniumを使用している場合のみ"-d64"フラグを使用します。
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    JAVA_HOME\bin\java -jar fmw_12.2.1.1.0_infrastructure_generic.jar

    JAVA_HOMEを、ご使用のシステムのJDKがある場所の実際のパスに置き換えます。

インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備ができています。

2.5.3 インストール画面への移動

このトピックは、インストールを進めるにあたってインストーラ画面を理解するのに役立ちます。

インストール・プログラムでは、表2-4に記載された順番で一連の画面が表示されます。

インストール画面に関して詳細な情報が必要な場合は、画面名をクリックしてください。

表2-4 Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール画面

画面 説明

インストール・インベントリの設定

UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、この画面が表示されます。中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名には、中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認してください。

中央インベントリの詳細は、Oracle Universal InstallerによるソフトウェアのインストールでOracle中央インベントリの理解に関する項を参照してください。

ようこそ

製品のインストーラの紹介画面です。

自動更新

この画面を使用して、使用可能なパッチを「My Oracle Support」で自動的に検索するかユーザーの組織のためにすでにダウンロードされているパッチを、ローカル・ディレクトリで自動的に検索します。

インストールの場所

この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。

インストール・タイプ

この画面を使用してインストールのタイプと、それに従ってインストールされる製品および機能を選択します。

このトポロジの場合は、「Fusion Middleware Infrastructure」を選択します。

注意:

このドキュメントのトポロジにサーバーの例は含まれません。本番環境にはサンプルをインストールしないことを強くお薦めします。

前提条件チェック

「前提条件チェック」画面では、ホスト・コンピュータを分析して、特定のオペレーティング・システムの前提条件を満たしているか確認します。

いずれかの前提条件のチェックが失敗すると、エラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。エラー・メッセージや警告メッセージを無視してインストールを続ける場合は、「スキップ」をクリックします(このアプローチはお薦めできません)。

セキュリティ更新

Oracle Supportアカウントをすでに所持している場合は、この画面を使用して、セキュリティ・アップデートの受取り方法を指定します。

アカウントを所持していないときに、この手順を省略してもかまわない場合は、チェック・ボックスの選択を解除して、その選択を後続のダイアログ・ボックスで確認します。

インストールの概要

この画面を使用して、選択したインストール・オプションを確認します。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。レスポンス・ファイルは、今後、サイレント・インストールを実行する場合に使用できます。

サイレント・インストールやコマンド行インストールの詳細は、Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールでサイレント・モードにおけるOracle Universal Installerの使用方法に関する項を参照してください。

インストールの進行状況

この画面はインストールの進行状況を示します。

進行状況バーが100%完了になったら、「終了」をクリックしてインストーラを閉じるか、「次へ」をクリックしてサマリーを表示します。

インストール完了

この画面のサマリー情報を確認してから、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。

2.5.4 インストール・ログ・ファイルの確認

インストール・ログ・ファイルの内容を確認し、インストーラに何も問題が発生しなかったことを確認します。

デフォルトでは、インストーラによって、Oracle_Inventory_Location/logsディレクトリ(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはOracle_Inventory_Location\logsディレクトリ(Windowsオペレーティング・システムの場合)にログ・ファイルが書き込まれます。

ログ・ファイルとその場所の詳細は、『Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストール』のインストール・ログ・ファイルに関する項を参照してください。

2.5.5 ディレクトリ構造のチェック

Oracle Fusion Middleware InfrastructureをインストールしてOracleホームを作成すると、このトピックにリストされているディレクトリとサブディレクトリが表示されます。インストールの内容は、インストール中に選択したオプションによって異なります。

ディレクトリ構造を確認する方法は次のとおりです。

  1. InfrastructureをインストールしたORACLE_HOMEディレクトリに変更します。
  2. 次のコマンドを入力します。
    ls -l
    システムのディレクトリ構造は、次の例の構造と一致する必要があります。
    /u01/oracle/products/fmw/
    
    cfgtoollogs
    coherence
    em
    install
    inventory
    OPatch
    oracle_common
    oraInst.loc
    oui
    root.sh
    wlserver
    インストール完了後のディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Fusion Middlewareの主要なディレクトリに関する項を参照してください。