5 Wallet Managerツールを使用したウォレットの設定

LCMツールを使用してライフサイクル操作を実行するには、パスワード資格証明をウォレットに格納する必要があります。この結果、create-domainアクションを実行するには、データベースへの接続に使用するユーザー名とパスワードなど、必要な資格証明を含むOracleウォレットを設定する必要があります。

これを実行するには、Wallet Managerツールを使用します。

• Wallet Managerツールについて
  Wallet Managerツールを使用して、様々なライフサイクル操作の実行に必要なパスワード資格証明を作成および管理できます。
• ウォレットの作成
  この例では、Wallet Managerツールを使用してウォレットを作成し、必要なパスワード資格証明をそのウォレットに追加する方法を示します。

5.1 Wallet Managerツールについて

Wallet Managerツールを使用して、様々なライフサイクル操作の実行に必要なパスワード資格証明を作成および管理できます。

Wallet Managerツールには、Oracle Walletファイルを作成および保守するための単純なコマンドライン・インタフェースが用意されています。 セキュリティ・ニーズに応じて、暗号化されたウォレットまたは自動ログイン・ウォレットのいずれかを作成できます。

このツールを使用すると、次のことができます。

• 新規ウォレットの作成

• ウォレットへの新規資格証明の追加

• ウォレットの既存の資格証明の更新

• ウォレットからの既存の資格証明の削除

このチュートリアルでは、新規の暗号化されたウォレットの作成方法を示します。ウォレットの作成を参照してください。

Javaプログラミングをよく理解している場合は、Lifecycle Management Credential ManagementのJava APIリファレンスも使用すると、APIを使用したウォレットの作成方法についてさらに学習できます。

5.2 ウォレットの作成

この例では、Wallet Managerツールを使用してウォレットを作成し、必要なパスワード資格証明をそのウォレットに追加する方法を示します。

このチュートリアルでは、create-domain-exampleディレクトリのcreate-wallet.shスクリプトを使用して、サンプル・トポロジで参照される資格証明を含むウォレットを設定します。

ウォレットを作成するには、次のステップを実行します。

1. ディレクトリをcreate-domain-exampleディレクトリに変更します。

   cd path_to_example_directory/create-domain-example

2. create-wallet.shファイルを開いて、各資格証明に対する-passwordオプションの値を指定します。

   次の表を使用して、データベース・ユーザー、WebLogic管理者ユーザーおよび各スキーマ・ユーザーに対する-passwordオプションをcreate-wallet.shファイルに定義します。

   ここで定義するパスワードは、メモしておいてください。このパスワードは、後でドメイン作成のプロセスで必要になります。

   -alias	-user	-password
   db1/dba	データベース・ユーザー名(Oracleデータベースのデフォルトのユーザー名はsys)	データベース・ユーザー・パスワード
   soa/wlsadmin	WebLogic管理者ユーザー名(デフォルトはweblogic)	WebLogic管理者ユーザー・パスワード
   db1/soa-infra	${SCHEMA_PREFIX}_SOAINFRA	SOAINFRAスキーマ・パスワード
   db1/opss	${SCHEMA_PREFIX}_OPSS	OPSSスキーマ・パスワード
   db1/iau	${SCHEMA_PREFIX}_IAU	IAUスキーマ・パスワード
   db1/iau-append	${SCHEMA_PREFIX}_IAU_APPEND	IAU_APPENDスキーマ・パスワード
   db1/iau-viewer	${SCHEMA_PREFIX}_IAU_VIEWER	IAU_VIEWERスキーマ・パスワード
   db1/ums	${SCHEMA_PREFIX}_UMS	UMSスキーマ・パスワード
   db1/mds	${SCHEMA_PREFIX}_MDS	MDSスキーマ・パスワード
   db1/wls	${SCHEMA_PREFIX}_WLS	WLSスキーマ・パスワード
   db1/wls-runtime	${SCHEMA_PREFIX}_WLS_RUNTIME	WLS_RUNTIMEスキーマ・パスワード
   db1/stb	${SCHEMA_PREFIX}_STB	STBスキーマ・パスワード

   次に、create-wallet.shファイルの例を示します。

   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/dba -user sys -password database_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias soa/wlsadmin -user weblogic -password weblogic_password  -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/soa-infra -user ${SCHEMA_PREFIX}_SOAINFRA -password soainfra_password  -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/opss -user ${SCHEMA_PREFIX}_OPSS -password opss_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/iau -user ${SCHEMA_PREFIX}_IAU -password iau_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/iau-append -user ${SCHEMA_PREFIX}_IAU_APPEND -password iau_append_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/iau-viewer -user ${SCHEMA_PREFIX}_IAU_VIEWER -password iau_viewer_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/ums -user ${SCHEMA_PREFIX}_UMS -password ums_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/mds -user ${SCHEMA_PREFIX}_MDS -password mds_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/wls -user ${SCHEMA_PREFIX}_WLS -password wls_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/wls-runtime -user ${SCHEMA_PREFIX}_WLS_RUNTIME -password wls_runtime_password -walletPassword $WALLET
   
   "$JAVA" "$JRE_OPTIONS" -cp "$JRE_CP" oracle.fmwplatform.credentials.wallet.WalletManager add -walletDirectory . 
   -alias db1/stb -user ${SCHEMA_PREFIX}_STB -password stb_password -walletPassword $WALLET

3. ファイルを保存して閉じます。
4. ORACLE_HOME環境変数を、Fusion MiddlewareインフラストラクチャをインストールしたOracleホームのフルパスに設定します。

   次に例を示します。

   export ORACLE_HOME=/home/Oracle/products/fmw12211

5. JAVA_HOME環境変数を、動作保証されたJDKのパスに設定します。

   次に例を示します。

   export JAVA_HOME=/home/Oracle/products/jdk1.8.0_77

6. ディレクトリをcreate-domain-example/mywalletディレクトリに変更します。

   cd path_to_example_directory/create-domain-example/mywallet

   このディレクトリの既存のウォレットを削除します。デフォルトでは、このディレクトリは空です。
7. 次のコマンドを実行して、ステップ2で定義した資格証明を含むウォレットをmywalletディレクトリに作成します。実行権限があることをまだ確認していない場合は、確認します。

   sh ../create-wallet.sh FMWEX -walletPassword wallet_password

   各項目の意味は次のとおりです。

   • FMWEXは、ドメインに対するSOAスキーマの作成に使用されるスキーマ接頭辞であり、このチュートリアル全体で参照されます。

     別の接頭辞を選択する場合は、FMWEXを実際の接頭辞の値に置き換えてください。ここで入力する接頭辞は、メモしておいてください。soa-topology-1.0.jsonファイルを後で編集する際に、すべてのスキーマに対する接頭辞のフィールドを確実に更新するために必要となります。

   • wallet_passwordはウォレット・パスワードです。

これで、データベース、WebLogic管理者およびスキーマ・ユーザーの資格証明を含むウォレットがcreate-domain-example/mywalletディレクトリに設定されました。