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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesのインストールと構成
12c (12.2.1.1)
E77351-01
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16 データベースへの共有ファイル・システムの移動

WebCenter Sitesでは、JavaノンブロッキングI/O (NIO) APIを使用して、共有ファイル・システムを格納するデータベースを利用できます。これにより、クラスタ環境でのネットワーク・ファイル共有の必要がなくなり、Coherenceキャッシュによってファイル・ロックを処理できます。WebCenter Sitesは、そのままの状態では、デフォルトのディスク・ベースのファイル・システム(ローカルまたはネットワーク)になります。データベースに共有ファイル・システムを移動するには、このトピックの手順を完了してください。処理を元に戻すための手順も提供されています。

次の点に注意してください。
  • Oracle 11gおよび12cのデータベースのみがサポートされます。

  • WebCenter Sitesによって管理されるファイル(共有ファイルとも呼ばれる)は、データベースに保存することをお薦めします。これは高可用性デプロイメントの構成に役立つとともに、環境のバックアップとリストア・プロセスを効率的に行うことができます。データベースは、WebCenter Sitesのデータベースまたは別のデータベースにすることができます。サイトのニーズに応じて、追加の容量または処理、あるいはその両方の計画が必要になる場合があります。

  • WebCenter Sitesをクラスタ化する場合は、共有ファイル・システムを移動する前に、次の手順を実行する必要があります。
    1. 「クラスタの設定」の手順を完了します。

    2. すべてのクラスタ・メンバーをCoherenceクラスタに追加します。
      1. WebLogic Server管理コンソールで、「ドメイン名」「環境」「Coherenceクラスタ」に移動します。

      2. デフォルトのCoherenceクラスタを選択し、「メンバー」タブをクリックします。

      3. 「クラスタ」セクションで、WebCenter Sitesクラスタを有効にし、「クラスタのすべてのサーバー」オプションを有効にします。

  • 「WebCenter Sitesクラスタの設定」に記載されたとおり、クラスタのプライマリ・ノードが設定され、クラスタ・ノードとして登録されていることを確認します。

  • デフォルトのデータ・ソース名はwcsitesDSです。別のデータ・ソース名を使用する場合は、次の手順を完了する前に、sites_config_dir/NIOSharedServices.xmldatabaseConnector Beanを新しい名前に設定する必要があります。

    注意:

    sites_config_dirは、DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/です。
  • 一般的なファイル・ベースのクラスタをすでに設定している場合、wcs_properties.jsonは、クラスタ設定の一部として、sites-shared/configディレクトリに移動されます。この場合、次のことに注意してください。
    • wcs_properties.jsonファイルをsites_config_dirに移動して戻します。

    • その後、データベースからディスク・ストレージに戻る場合は、回復オプションを指定してNIO変換ユーティリティを実行した後に、wcs_properties.jsonファイルをsites-shared/configディレクトリにコピーして戻します。

  • WebCenter Sitesの共有ファイル・システムをWebCenter Sitesのリポジトリ・データベースに保存する場合は、prefix_TS_WCSITESおよびprefix_TS_TMP_WCSITES表領域の表領域サイズを増加してください。

  • WebCenter Sitesの共有ファイル・システムをWebCenter Sitesのリポジトリ・データベース以外のデータベースに保存する場合は、次の手順を実行してください。
    1. 次のコマンドを使用して、WebCenter Sitesのリポジトリ・データベースと同じ権限を持つ新しいデータベースを作成します。

      • CREATE SEQUENCE

      • CREATE SESSION

      • CREATE TABLE

      • CREATE TRIGGER

      • CREATE VIEW

      • UNLIMITED TABLESPACE

    2. 新しいデータベースを指すように新しいデータ・ソースを作成し、WebCenter Sitesを実行している管理対象サーバー上のJDBCデータ・ソースとして新しいデータ・ソースをデプロイします。

    3. sites_config_dir/NIOSharedServices.xmldatabaseConnector Beanを新しいデータ・ソース名に設定します。

WebCenter Sitesの共有ファイル・システムをディスクからデータベース(WebCenter Sitesリポジトリまたは別のデータベースのいずれか)に移動するには、次の手順を実行します
  1. WebCenter Sitesを実行しているすべての管理対象サーバーを停止します。
  2. sites_config_dirをバックアップします。障害が発生した場合は、configフォルダに加えた変更をロールバックできます。
  3. WebCenter Sites共有ディレクトリの場所をメモしておきます。
    場所は、wcsites.sharedを検索することによって、sites_config_dir/wcs_properties.jsonファイルで調べることができます。
  4. sites_config_dir/NIOConversionServices.xmldatabaseConnectorおよびsitesDatabaseConnector Beanを適切なデータベース接続URLに設定します。
    これらのBeanは、プライマリWebCenter Sitesデータベースとは別のデータベースにWebCenter Sitesの共有ファイル・システム表(WCS_SHAREDFILESYSTEM)を保存する場合にのみ異なります。
  5. コマンド・プロンプトを開き、ORACLE_HOME/wcsites/webcentersites/sites-home/bin/に変更します。
  6. 変換スクリプトを実行します: ./nioconversion.sh sites-home_directory sites_config_parent sites_shared_directory convert|revert database_driver_file
    このスクリプトは、UNIXオペレーティング・システムにあります。Windowsオペレーティング・システムでは、nioconversion.batコマンドを使用し、同じオプションを指定します。

    次の表は、このスクリプトのオプションの説明です。

    プロパティ 説明
    convertまたはrevert

    共有ファイル・システムをデータベース・ストレージに変換、または元のディスク・ストレージに戻します。

    sites-home_directory

    sites-homeディレクトリのフル・パス。デフォルトでは、ORACLE_HOME/wcsites/webcentersites/sites-homeです。

    sites_config_parent

    WebCenter Sitesconfigディレクトリが含まれている親ディレクトリのフル・パス(末尾にスラッシュを付けません)。デフォルトでは、DOMAIN_HOME/wcsites/wcsitesです。

    sites_shared_directory

    WebCenter Sitesの共有ファイル・システム・ディレクトリ(wcs_shared)のフル・パス。

    database_driver_file

    ターゲット・データベースへの接続に使用されるデータベース・ドライバ・ファイルのフル・パスと名前。

    silent (オプション)

    このフラグにより、コンソールへのメッセージが最小化されます。

    UNIXの例: nioconversion.sh /mySites/sites-home /mySites/config /mySites/sites-shared convert /lib/ojdbc6.jar

    Windowsの例: nioconversion.bat C:\mySites\sites-home C:\mySites\config C:\mySites\sites-shared convert C:\lib\ojdbc6.jar silent

    注意:

    変換ユーティリティにシンボリック・リンク・パスを指定しないでください(変換が失敗します)。ハードリンクのフル・パスのみを指定してください。シンボリック・リンクがある場合は、ユーティリティを実行するときに、wcs_properties.json:wcsites.sharedに保存されている実際の値をパラメータとして使用する必要があります。
  7. プロンプトが表示されたら、WebCenter Sitesおよび共有ファイル・システムのデータベース(WebCenter Sitesリポジトリ・データベースに共有ファイル・システムを保存しない場合)の資格証明を入力し、変換処理が完了するまで待ちます。

    パスワードは、プライマリWebCenter Sitesデータベースとは別のデータベースにWebCenter Sitesの共有ファイル・システム表(WCS_SHAREDFILESYSTEM)を保存する場合にのみ異なります。

    データベースに共有ファイル・システムが複製され、データベース内のファイル・システムを参照するために、すべての構成ファイル(ini/json/database表)が更新されます。

    ユーティリティのログ・ファイルは、sites.utilities.logと呼ばれています。それは、このユーティリティが実行されたディレクトリに作成されます。

  8. ディスク上の古い共有ファイル・システム・ディレクトリを見つけて名前を変更します(まだ削除しないでください)。
  9. WebCenter Sitesの管理対象サーバーを起動し、管理インタフェースにログインして新しい構成が完全に機能しているかどうかを確認します。
  10. WebCenter Sitesの起動後に、ディスク上の古い共有ファイル・システム・ディレクトリが再作成されていないことを確認します。ディレクトリが再作成された場合、まだそれを参照している可能性のあるカスタム・コードがあるかどうかをチェックします。
  11. WebCenter Sitesの起動後に、ディスク上の古い共有ファイル・システム・ディレクトリが再作成されていない場合は、ディレクトリをバックアップし、ディレクトリおよびその内容を削除します。

注意:

WebCenter Sitesの共有ファイル・システムをWebCenter Sitesのリポジトリ・データベース以外のデータベースに保存する場合は、管理インタフェースへの初回のログインに数分間の追加の時間がかかります。