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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesのインストールと構成
12c (12.2.1.1)
E77351-01
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15 クラスタの設定

高可用性の場合、WebLogicドメイン内のWebCenter Sitesクラスタの設定では、1つのマシン上にプライマリ・クラスタ・ノード、および同一または別のマシン上に1つ以上のセカンダリ・クラスタ・ノードを設定できます。最初に作成されたWebCenter Sites管理対象サーバーがプライマリ・ノードで、同じドメイン内に追加されたWebCenter Sites管理対象サーバーはセカンダリ・ノードです。

次のトピックでは、WebCenter Sitesクラスタの設定方法を説明します。

15.1 WebCenter Sitesクラスタの設定の準備

管理対象サーバーを含むWebCenter Sitesドメインがインストールおよび構成され、ロード・バランサの設定、コンフィギュレータの実行、LDAP認証プロバイダの設定およびCASの構成が完了したら、ドメインのWebCenter Sites管理対象サーバーのクラスタを設定できます。

WebCenter Sitesクラスタを設定する前に、次のタスクが完了していることを確認してください。
  1. 「Oracle WebCenter Sitesソフトウェアのインストール」に記載されているように、WebCenter Sitesをインストールし、「WebCenter Sitesドメインの構成」に記載されているように、少なくとも1つのWebCenter Sites管理対象サーバー(クラスタ内のプライマリ・ノード)を含むWebLogicドメインを設定します。

    「WebCenter Sitesドメインの構成」の手順に従った場合は、クラスタの設定を開始するときに、1つのクラスタと2つの管理対象サーバーを含むWebCenter Sitesドメインがあります。

    セカンダリ・ノードを追加するには、「WebCenter Sitesクラスタの設定」で説明しているように、WebLogic Server管理コンソールを使用してプライマリ・ノード構成のクローンを作成できます。または、Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、WebCenter Sitesドメインを拡張できます。

  2. 「WebCenter SitesのWeb層の作成」で説明しているように、Web層とロード・バランサを設定し、ロード・バランサのIPアドレスを使用するようにプライマリ・クラスタ・ノードを構成します。

    ロード・バランサの設定の詳細は、『高可用性ガイド』の高可用性環境でのサーバーのロード・バランシングおよびロード・バランサの構成に関する項を参照してください

  3. 「WebCenter Sitesの構成」で説明しているように、WebCenter Sitesコンフィギュレータを実行します。

  4. 外部LDAP認証プロバイダまたはOracle Access Managerに基づいて認証する場合は、クラスタ環境への拡張を行う前に、この統合を完了します。「外部認証への切替え」で説明したとおり、LDAP認証プロバイダのデフォルト・アイデンティティ・ストアは、Oracle Access Managerに変更できます。または、「LDAPディレクトリに対する認証への切替え」で説明したとおり、WebCenter Sitesと外部LDAPディレクトリを統合することもできます。

  5. 高可用性のために別のサーバー上に中央認証サービス(CAS)をデプロイする場合は、WebCenter Sitesクラスタを構成する前に、CASクラスタを設定しておきます。

  6. プライマリ以外のノード上にCASアプリケーションが存在する場合は、「CASのプライマリ・クラスタ・ノードの構成」の手順を実行してください。

  7. 一般的なファイル・ベースのクラスタの場合は、すべての異なるクラスタ・ノードが指すことができるように、wcs_properties.jsonファイルを含む新しい共有場所を設定します。

    注意:

    クラスタでNIOデータベース・ベースのファイル・システムを使用する場合、この手順を実行する必要はありません。詳細は、「データベースへの共有ファイル・システムの移動」を参照してください。
    1. WebCenter Sitesの共有ストレージ・ディレクトリ(sites-shared)に、configという名前のディレクトリを作成します。

    2. sites-shared/configディレクトリにDOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/wcs_properties.jsonファイルを移動します。ファイルをコピーしないでください。

    3. wcs_properties.jsonが存在する共有ディレクトリを参照するために、各クラスタ・ノード上のsites.configシステム・プロパティを更新します。

      注意:

      sites.configをsharedFSに使用することはできません。新しいディレクトの作成に必要なリディレクトリsharedFSには、多くの場合は、ディレクトリwcssites/wcsites/sharedが使用されます。sharedFSがsites.configを示している場合、構成ユーティリティは停止します。
  8. クラスタ内のすべてのWebCenter Sites管理対象サーバーを停止します。

15.2 WebCenter Sitesクラスタの設定

WebCenter Sitesクラスタの1つ以上のノードを管理対象サーバーとして作成した後(wcs_server1wcs_server2)、ノードを構成してクラスタを設定する必要があります。

最初に、WebCenter Sitesのプライマリ・クラスタ・ノードを構成します。次に、クラスタのプライマリ・ノードと連携する1つ以上のセカンダリ・ノードを構成できます。クラスタ構成でプライマリ・ノードが機能するために必要な構成の変更を完了するには、次の手順を実行します。
  1. プライマリ・クラスタ・ノードを登録します。
    1. WebCenter Sites管理対象サーバーを起動します。
    2. WebCenter Sites管理インタフェースにログインし、「管理」タブを選択し、「システム・ツール」を展開し、「クラスタ・ノード管理」をクリックします。
    3. sites_server1の次のフィールドに、有効な値を入力します。
      ノード名: ノード名には、管理対象サーバーの名前など、任意の一意の名前を指定できます。例: sites_server1
      ホスト名: ノード・メンバーのホスト名またはIPアドレスは、ロード・バランサではなく、ノードの実際のリスニング・アドレスです。
      ポート番号: ノード・メンバーのポート番号は、ノード・バランサのポートではなく、ノードの実際のポートです。
      バッチ・ホスト名: ノード・メンバーのホスト名またはIPアドレスは、ロード・バランサではなく、ノードの実際のリスニング・アドレスです。クラスタ化された環境では、1つのバッチ・ホストのみがサポートされます。専用のホストを指すように、各クラスタ・メンバーにこのプロパティを設定する必要があります。
      バッチ・ポート番号: ポート番号が80以外の場合は、ポート番号も指定する必要があります。
      セキュアな接続でインストールしますか。 : クラスタ・メンバーが実行されているサーバーのプロトコルを指定します。HTTPSの場合はyes、HTTPの場合はnoに設定します。
    4. プライマリ・ノードを登録するために「追加」をクリックします。

      注意:

      プライマリ・ノードを最初に登録する必要があります
  2. 「サーバー」sites-server「サーバーの起動」に移動し、「引数」の下に—Dsites.node=node_nameを追加します。
    ノード名は、前述の手順1cで指定したものと同じにする必要があります。例: -Dsites.node=sites_server1
  3. DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/configディレクトリで、次の2つのファイルを変更します。
    • host.properties: このクラスタ・ノードの有効なホスト名でhost.nameプロパティを更新します。host.name値は、クラスタ内で一意の値にする必要があります。
    • jbossTicketCacheReplicationConfig.xml: このクラスタ・ノードの有効なホストまたはIPアドレスでbind_addrプロパティを更新します。
  4. 複数の物理サーバーにまたがるクラスタの場合は、DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/configディレクトリのcas-cache.xmlcs-cache.xmllinked-cache.xmlss-cache.xmlおよびjbossTicketCacheReplicationConfig.xmlファイルを次のように編集します。
    • (オプション) IPv6アドレッシングを使用している場合は、multicastGroupAddress値を有効なIPv6マルチキャスト・アドレスに設定します。この値は、クラスタ内の各ノードで同一にする必要があります。例: [ff0x:0:0:0:0:0:0:301]。
    • cas-cache.xmlcs-cache.xmllinked-cache.xmlおよびss-cache.xmlファイルのtimeToLiveパラメータに、環境に適した値を設定します(通常は1)。jbossTicketCacheReplicationConfig.xmlファイルのip_ttlパラメータに、環境に適した値を設定します(通常は1)。クラスタ・メンバーがすべて同じマシン上に配置されていない場合、timeToLiveフィールドをデフォルト値の0から変更する必要があります。このフィールドは、次の表に示すように、クラスタ化マシンの分布に基づいて設定する必要があります。
      リスト 説明

      1

      同じサブネットに限定されるマルチキャスト・パケット。

      32

      同じサイトに限定されるマルチキャスト・パケット。

      64

      同じ地理的領域に限定されるマルチキャスト・パケット。

      128

      同じ大陸に限定されるマルチキャスト・パケット。

      255

      制限なし。

      注意:

      他のインストールが同じマルチキャスト・ポートを使用することができるので、WebCenter Sitesインストールが遅くなり、数時間かかる場合があります。このインストールに使用されるポートが、ネットワーク上の他のWebCenter Sitesインストールとは異なっていることを確認してください。インストールが遅いと思われる場合は、トラブルシューティング・ステップとして、マルチキャスト・ポートを変更します。
    • (オプション) multicastGroupPortの値は、2048より大きい一意の値に変更することをお薦めします。jbossTicketCacheReplicationConfig.xmlで使用するマルチキャスト・ポートは、クラスタ内の各ノードで同じであるが、同じネットワーク上で実行されている他のクラスタでは異なることを確認してください
  5. CASアプリケーションがWebCenter Sitesと同じWebLogicドメイン上に配置されている場合は、「CASのプライマリ・クラスタ・ノードの構成」のCASクラスタの構成手順を完了してください。
  6. 最初のノードをテストします。
    1. そのノードのWebCenter Sites管理対象サーバーを起動し、すでに実行中である場合は、再起動(停止して起動)します。
    2. WebCenter Sitesにログインして稼働中であることを確認します。
  7. sites_server2および追加のセカンダリ・サーバーのための構成の変更を完了するには、管理対象サーバーが停止していることを確認し、次の手順を実行した後、前述の手順2から6までを繰り返します。
  8. WebLogic Server管理コンソールを使用するか(推奨)、Fusion Middleware構成ウィザードでドメインを拡張することにより、WebCenter Sitesドメインにノードを追加します。
    1. 管理コンソールを使用してノードを追加するには、既存のプライマリ・ノード(sites_server1など)のクローンを作成します。
    2. sites_server2または構成ウィザード(ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/config.sh)を使用して追加されたセカンダリ・ノードでは、新しく追加されたノード上の構成ウィザードによって作成されたconfigフォルダ(DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config)を、プライマリ・ノードからコピーしたconfigフォルダ(ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/config)によって置換します。
      これは、新しく追加されたノード上の構成ファイルを正しく設定するためです。
  9. DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/configフォルダに関連する次の手順を実行します。
    1. このディレクトリが、各クラスタ・ノードにコピーされ、ローカルで使用可能であることを確認します。
    2. このディレクトリが、各クラスタ・ノードの管理対象サーバーのクラス・パスで参照されていることを確認します。
    3. このディレクトリにwcs_properties.jsonファイルが含まれていないことを確認します。
  10. クラスタ・ノードをWebCenter Sitesに登録します。
    1. このクラスタ・ノードの管理対象サーバーを再起動します。
    2. WebCenter Sites管理インタフェースにログインし、「管理」タブを選択し、「システム・ツール」を展開し、「クラスタ・ノード管理」をクリックします。
    3. 表示される画面で、ドロップダウン・リストから「追加」を選択し、次のパラメータの値を入力します。
      名前 説明
      ノード名 手順3のこのクラスタ・ノードの-Dsites.nodeの値と同じにする必要があります
      ホスト名 このクラスタ・ノードのホスト名またはIPアドレス(ロード・バランサではありません)。
      ポート番号 このクラスタ・ノードのポート番号(ロード・バランサではありません)。
      バッチ・ホスト名 ロード・バランサではなく、ノードの実際のリスニング・アドレスである、ノード・メンバーのホスト名またはIPアドレス。クラスタ化された環境では、1つのバッチ・ホストのみがサポートされます。このプロパティは、専用ホストを指すように各クラスタ・メンバーに設定します。
      バッチ・ポート番号 ポート番号が80以外の値は、バッチ・ポート番号を指定する必要があります。
      セキュアな接続でインストールしますか。 SSL (HTTPS)を使用する場合は「はい」、そうでない場合は「いいえ」に設定します。
  11. このクラスタ・ノードで実行されているWebCenter Sites管理対象サーバーを再起動します。
  12. このクラスタ・ノードのWebCenter Sites管理インタフェースにログインし、稼働中であることを確認します。クラスタ・ノードの構成を表示するには、「管理」タブをクリックし、「システム・ツール」「システム情報」「サイト情報」に移動します。
  13. (オプション) WebCenter Sitesの共有記憶域をデータベースに移動する場合は、「データベースへの共有ファイル・システムの移動」の手順を実行してください。
クラスタ化の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』の高度な管理: 環境の拡張に関する項を参照してください。