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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesのインストールと構成
12c (12.2.1.1)
E77351-01
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8 WebCenter Sitesの構成

Oracle WebCenter Sites管理対象サーバーを構成した後、ブラウザ・ベースのWebCenter Sitesコンフィギュレータを完了することにより、WebCenter Sitesインスタンスを構成できます。WebCenter Sitesランタイムは、WebCenter Sites、CAS Webアプリケーション(WARファイル)およびクラスタ・メンバー間の共有コンポーネント(configディレクトリ、dataディレクトリおよびデータベース・インスタンス)で構成されています。

次のトピックでは、WebCenter Sitesの構成方法を説明します。

8.1 WebCenter Sites構成の前提条件の完了

WebCenter Sitesコンフィギュレータを使用する前に、いくつかの前提条件タスクを実行する必要があります。これらのタスクには、OPSSのアクセス権限の付与、キャッシュ・ファイルの変更、データベース・スキーマの作成、WebCenter Sitesドメインの構成および環境のプロパティ値の設定が含まれます。

WebCenter Sitesを構成する前に、これらの前提条件タスクが完了していることを確認してください。
  1. 次のスクリプトを実行して、ORACLE_HOME/wcsites/wcsites_common/lib/sites-security.jarOracle Platform Security Services資格証明ストアの読取り、書込みおよび削除のアクセス権限を付与します。
    • UNIXオペレーティング・システムの場合:

      DOMAIN_HOME/wcsites/bin/grant-opss-permission.sh

    • Windowsオペレーティング・システムの場合:

      DOMAIN_HOME\wcsites\bin\grant-opss-permission.bat

    スクリプトから入力を要求されたら、WebLogic Server管理者のユーザー名とパスワードを使用します。

    Fusion Middleware構成ウィザードでデフォルト(ORACLE_HOME/user_projects/domains/domain_name)以外のドメイン・ホームを指定した場合は、grant-opss-permission.shまたはgrant-opss-permission.batを実行する前に、指定したドメイン名が含まれていることを確認してください。必要に応じて、ファイルを編集してドメイン名を更新します。

  2. WebCenter Sitesのconfigディレクトリのcs-cache.xmlss-cache.xmllinked-cache.xmlおよびcas-cache.xmlファイルを次のように変更します。
    1. 次のセクションを見つけます。
      <cacheManagerPeerProviderFactory class="net.sf.ehcache.distribution.RMICacheManagerPeerProviderFactory" properties="peerDiscovery=automatic, multicastGroupAddress=230.0.0.0, multicastGroupPort=4444, timeToLive=0" />
    2. peerDiscoveryプロパティの値を手動に変更します。
    3. ファイルを保存して閉じます。
    4. WebCenter Sites管理対象サーバーを起動します。
  3. 「データベース・スキーマの作成」で説明しているように、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して、WebCenter Sitesのデータベース・スキーマを作成します。
  4. Fusion Middleware構成ウィザードとOracle WebCenter Sitesテンプレートを使用して新しいドメインを作成し、「ドメインの構成」で説明しているように、1つ以上のWebCenter Sites管理対象サーバーを構成します。

    注意:

    IBM DB2 WebCenter Sitesでは、Fusion Middleware構成ウィザードによって作成されるデフォルトのデータ・ソースをサポートしません。DB2がサポートするドライバを使用して新しいデータ・ソースを作成する手順:
    1. WebCenter Sitesドメインのクラス・パスに、IBM DB2ドライバJARファイルを追加します。

      1. WebLogic Server管理サーバーを停止します。

      2. ドメインのクラス・パスに追加できる場所に、DB2のdb2jcc.jarおよびdb2jcc_license_cu.jarファイルをコピーします。

      3. DOMAIN_HOME/bin/setDomainEnv.shを編集し、# ADD EXTENSIONS TO CLASSPATHSの後に次の行を追加します。

        PRE_CLASSPATH="path_to_db2jcc.jar:path_to_db2jcc_license_cu.jar:${PRE_CLASSPATH}"

      4. 管理サーバーを起動します。

    2. 前述のDB2ドライバを使用して新しいデータ・ソースを作成します。詳細は、「JDBCコンポーネント・スキーマ情報の指定」を参照してください。

8.2 コンフィギュレータによるWebCenter Sitesの構成

WebCenter Sitesコンフィギュレータは、WebCenter Sitesが機能するために必要な表およびデータをデータベースに移入します。コンフィギュレータは、必要なユーザー・アカウントを設定し、データベース・オブジェクトの必要な権限も設定します。

注意:

低速ネットワーク上でWebCenter Sitesを構成する場合は、WebCenter Sitesコンフィギュレータを起動する前に、StuckThreadMaxTimeプロパティの設定をスレッドごとに1000秒に増加します。デフォルト値は600秒です。

ネットワーク関連の問題が発生する可能性のある特定の環境では、WebCenter Sites構成の設定プロセスで、サンプル・サイトのインポート・プロセスの1スレッド当たりの所要時間が600秒を超える可能性があります。これによって、インポート・プロセスまたはインストールが失敗し、ログ・ファイルに複数の例外が記録される可能性があります。サンプル・サイトのインストールが正常に完了するために、設定を1000秒に増加することをお薦めします。

StuckThreadMaxTimeの値を変更するには、ドメインのWebLogic Server管理コンソールで、「サーバー」、「wcsites_server1」、「構成」、「チューニング」の順に移動します。

対応するWebLogicドメインが正常に設定された後、ブラウザ・ベースのWebCenter Sitesコンフィギュレータを実行する手順:
  1. (オプション)コンフィギュレータをサイレント・モードで実行するには:
    1. DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/wcs_properties_bootstrap.iniファイルを編集し、インラインの指示を完了します。
    2. WebCenter Sites管理対象サーバーを起動します。
    3. 次のコマンドを使用してWebCenter Sitesの構成プロセスを開始します。
      • UNIXオペレーティング・システム: xdg-open http://sites-host:sites-port/sites/sitesconfig

      • Windowsオペレーティング・システム: start http://sites-host:sites-port/sites/sitesconfig

  2. Webサーバー上でWebCenter Sitesを構成するには、WebCenter Sitesの構成を開始する前に、Webサーバーのtimeout値を300 secに増加します。
  3. (オプション) 管理インタフェースのプロパティ管理ツールを使用して、環境に応じて次のプロパティの値を設定します。これらのプロパティは、NIOデータベース・ベースのファイル・システムを使用するクラスタに設定します。ファイルをデフォルトの場所(DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config下の個別フォルダ)以外に保存する場合は、WebCenter Sitesが稼働中になるとそれを変更できなくなるため、その場所をプロパティ値として指定します。
    プロパティ 説明
    xcelerate.transformpath

    WebCenter Sitesのアセットに変換される前に、Microsoft Wordのファイルが保存されているディレクトリ。

    cs.pgcachefolder

    非推奨。Oracleサポートから指示された場合にのみ設定します。

    cs.xmlfolder

    HTMLレンダリングのための作業ディレクトリ。

    cs.pgexportfolder

    ディスクへのエクスポートの配信タイプによりアセットを公開するときに作成されるHTMLファイルのベース・エクスポート・ディレクトリ。

    vis.path

    WebCenter Sitesがインストールされているディレクトリ。末尾のスラッシュを含める必要があります。

    mwb.path

    WebCenter Sitesがインストールされているディレクトリ。末尾のスラッシュを含める必要があります。

    contentserver.installation.folder

    WebCenter Sitesがインストールされているディレクトリ。末尾のスラッシュを含める必要があります。Satellite ServerとWebCenter Sitesが同じWebアプリケーションで実行するため、ユーザーのセッションを共有する必要がある場合のインストールに適用されます。これを指定すると、Satellite ServerがWebCenter Sitesのリソースにアクセスできます。

    cs.csdtfolder

    WebCenter Sitesの開発者ツールのインポートが格納されるディレクトリ。

    前述のプロパティの詳細は、Oracle WebCenter Sitesプロパティ・ファイル・リファレンスを参照してください。

  4. WebCenter Sitesプライマリ・クラスタ・ノードの管理対象サーバーを起動します。
  5. Webブラウザで、このURLにアクセスします: http://sites-host:sites-port/sites/sitesconfigsetup
  6. 表示されるWebCenter Sitesコンフィギュレータの画面で、「開始」をクリックします。
  7. 「データベース・パラメータ」画面で、WebCenter Sitesデータベース・リポジトリの「JNDI DataSource名」を指定します。これは、WebLogicドメインの設定時にリポジトリ作成ユーティリティを使用して作成したリポジトリです。
  8. 「Webアプリケーション・パラメータ」画面で、安全な接続を介してインストールしている場合は「はい」を選択し、すべてのパラメータをデフォルトの(事前に移入された)値のままにし、「次」をクリックします。
  9. 「CASデプロイメント情報」画面で、すべてのパラメータをデフォルトの(事前に移入された)値のままにし、「次」をクリックします。ロード・バランシングのためにクラスタとフロントエンドWebサーバーを使用している場合は、環境に応じてこれらの値を調整します。
  10. 「WebCenter Sites管理者アカウント」画面で、必要な資格証明を指定し、「次」をクリックします。
  11. (オプション) WebCenter Sitesのインストール時に「WebCenter Sites - 例」インストール・オプションを選択した場合、「サンプル・サイト」画面が表示されます。この画面で、目的のサンプル・サイトを選択し、「次」をクリックします。
  12. 「構成サマリー」画面で「テスト」をクリックし、すべてのテストが成功しているかどうかを確認します。「開始」をクリックし、構成プロセスが完了するのを待ちます。
  13. WebCenter Sitesアプリケーションの管理対象サーバーを再起動します。
  14. Webブラウザで次のURLにアクセスしてログインし、WebCenter Sitesが稼働中かどうかを確認します: http://sites-host:sites-port/sites

注意:

cas.logのデフォルトの場所は、DOMAIN_HOME/servers/wcsites_server1/logs/です。
XMLPostとBulkloaderが稼働するためには、CLASSPATH環境変数に次のディレクトリを設定します。
ORACLE_HOME\wcsites\webcentersites\sites-home\lib\*
ORACLE_HOME\oracle_common\modules\clients\*

追加のクラスタ・ノードを構成する方法の詳細は、「クラスタの設定」を参照してください。

外部LDAP認証プロバイダの構成方法の詳細は、「LDAPディレクトリに対する認証への切替え」を参照してください。

Oracle Access Managerの統合を構成する方法の詳細は、「Oracle Access Managerに対する認証への切替え」を参照してください。

WebCenter Sites構成のインポート/エクスポート・ユーティリティの使用方法の詳細は、Oracle WebCenter Sitesプロパティ・ファイル・リファレンスのプロパティ管理ツールの使用に関する項を参照してください。

8.3 WebCenter Sitesデプロイメントによるカスタマイズの管理

変更はパッチ適用プロセス中に上書きされ、再デプロイされるため、Sites WARファイルには実装固有のカスタマイズを含めないことをお薦めします。

WebCenter Sites WebアプリケーションはWARファイルとして出荷されます。Webアプリケーションは、最初に構成ウィザードのプロセス中にデプロイされ、アプリケーション・ライフサイクル中に複数回再デプロイできます。変更はパッチ適用プロセス中に上書きされ、再デプロイされるため、Sites WARファイルには実装固有のカスタマイズを含めないことをお薦めします。

WebLogic Server共有ライブラリ・フレームワークを拡張することで、SitesはORACLE_HOME/wcsites/webcentersites/sites-home/ディレクトリにあるextend.sites.webapp-lib.warを共有ライブラリとして提供します。静的WebリソースやJavaライブラリなどの実装固有のカスタマイズは、このWARファイルに含めることができます。共有ライブラリは、アプリケーション・ライフサイクル中にデプロイされ、サイトと同じコンテキスト・ルートを共有します(/sites/)。この共有ライブラリの内容は、パッチ適用プロセス中に上書きされません。

注意:

一般に、イメージやスタイルシート・ファイルなどの静的アーティファクトをWebサーバーにデプロイすることをお薦めします。

8.4 REST-avisportsサンプル・サイトの構成とデプロイ

REST-avisportsは、WebCenter Sitesの集計のREST APIを使用してクライアント側Webサイトの開発を示すサンプルWebサイトです。

REST-avisportsサンプル・サイトを構成してデプロイする前に、次のタスクが完了していることを確認してください。

  • WebCenter Sitesavisportsサンプル・サイトをインストールします。

  • WebCenter Sites管理対象サーバーを起動し、正常に実行されていることを確認します。

REST-avisportsサンプル・サイトを構成してデプロイするには:
  1. ORACLE_HOME/wcsites/webcentersites/sites-homeディレクトリのsites-restavisports.warファイルを探します。
  2. このWARファイルを展開します。
  3. js/appconfig.jsファイルを編集し、次のWebCenter Sites情報を入力します。
    1. SITES_HOST_NAME = sites-host
    2. SITES_PORT = sites-port (例: 7003)
    3. SITES_CONTEXT = sites context-root (例: sites)
  4. sites-restavisports.warは、次の任意のサーバーにデプロイできます。
    1. WebCenter Sitesと同じドメインで使用可能な個別の管理対象サーバー。
    2. 専用のドメイン・サーバーまたはアプリケーション・サーバー。クライアント側の一般的なWebサイトはこの設定に従います。

WebCenter Sitesが実行中のとき、次のURLでREST-avisportsサンプル・サイトにアクセスできます:

http://<restavisports-host-name>:<restavisports-deployed-port>/<restavisports-app-context-path>