プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの使用
12c (12.2.1.1)
E77295-01
目次へ移動
目次

前
前へ
次
次へ

13 ライブラリの操作

ライブラリは、ドキュメントの整理およびドキュメントへのアクセスの制御だけでなく、適切なメタデータのドキュメントへの関連付けに使用されます。この章では、ライブラリの作成、保護、変更および削除方法について説明します。内容は次のとおりです。

13.1 ドキュメント・ライブラリについて

ライブラリおよびフォルダによってドキュメントのコンテキストが提供され、関連付けるメタデータ・フィールドの特定と、一部の場合では、メタデータに値を自動的に割り当てるのに役立ちます。ドキュメントをライブラリにまとめると、ドキュメントのセキュリティが確保され、ドキュメントを共有したり、自分や他のユーザーが簡単にドキュメントを見つけられるようになります。ライブラリおよびフォルダの詳細は、「ライブラリの理解」および「フォルダの理解」を参照してください。

ライブラリには、次の2つのタイプがあります。

  • エンタープライズ・ライブラリ: 組織全体で使用される柔軟なセキュリティと包括的なドキュメント管理を提供するためにユーザーが作成します。

  • システム・ライブラリ: システム・プロセス内の次のいずれかにあるドキュメントを整理するためにOracle WebCenter Contentによって作成および管理されます。

    • チェックアウト済コンテンツ(編集用にロックされたコンテンツ。)

    • 期限切れのコンテンツ(Oracle WebCenter Contentによってこれ以降アクティブに管理されることのないドキュメント。期限切れのコンテンツは、指定した日付範囲内に期限が切れるように設定したドキュメントも表示するようにフィルタ処理できます。)

    • 処理中(変換または索引付け処理中でまだリリースされていないドキュメント。)

    • ワークフローのコンテンツ(1つ以上のワークフローに属するドキュメント)

    システム・ライブラリには、現在リリースされていないドキュメントをすばやく検索する機能があります。システム・ライブラリにはドキュメントをアップロードできません。

注意:

ライブラリに対して所有している権限によって、そのライブラリを操作するときに使用できるオプションが決まります。

13.2 エンタープライズ・ライブラリの作成

エンタープライズ・ライブラリは、組織全体で使用される柔軟なセキュリティと包括的なドキュメント管理を提供します。エンタープライズ・ライブラリを作成するには、次の手順を実行します。

  1. ドキュメントの検索ページの「参照」をクリックすると、すべてのライブラリのリストが表示されます。
  2. 結果リストで「ライブラリの作成」をクリックします。
  3. 「エンタープライズ・ライブラリの作成」ページでエンタープライズ・ライブラリの一意の名前および説明を入力して、「OK」をクリックします。

    注意:

    ほとんどの場合、複数のエンタープライズ・ライブラリを同じ名前で保存できないため、作成するすべてのエンタープライズ・ライブラリには一意の名前を選択することをお薦めします。

    図13-1 「エンタープライズ・ライブラリの作成」ウィンドウ

    「エンタープライズ・ライブラリの作成」画面
  4. ライブラリのセキュリティ・グループを入力します。セキュリティ・グループの詳細は、「ドキュメント・セキュリティの理解」を参照してください。

    注意:

    ライブラリにアップロードしたドキュメントのアクセス制御リストを使用するには、ライブラリで選択したセキュリティ・グループでアクセス制御リストがサポートされている必要があり、そうでない場合は、追加したセキュリティは機能しません。使用しているセキュリティ・グループでアクセス制御リストがサポートされているかどうかが不明な場合は、システム管理者に問い合せてください。

  5. 完了したら「終了」をクリックし、その他のオプションが有効な場合は、設定します。
  6. アカウントを使用するように構成されている場合は、「次」をクリックして追加したセキュリティ用のアカウントをオプションで選択します。Oracle WebCenter Contentでのアカウントの使用はオプションであり、システム管理者が決定します。使用可能なすべてのアカウントのリストをフィルタ処理するために入力を開始できます。アカウントの詳細は、「ドキュメント・セキュリティの理解」を参照してください。
  7. アクセス制御リストを使用するように構成されている場合は、オプションで、「アクセス制御リスト」セクションに追加のセキュリティを設定します。使用可能にするには、ACLがシステム管理者によって有効化されている必要があります。

    アクセス制御リストによって、ライブラリのアイテムに対する非常に特殊なアクセス権を持つユーザーを選択できます。たとえば、認証ロールが「標準注釈」権限を持つ読取りアクセス権に設定されている場合、そのロールを持つすべての人はコンテンツの読取り権限を持ち、そのライブラリにアップロードされたドキュメントの標準注釈を作成または変更する権限も持ちます。しかし、アクセス制御リストを使用して、特定のユーザーに対して、ライブラリ・コンテンツを変更、削除またはライブラリ・プロパティを変更する権利も付与できます。アクセス制御リストの詳細は、「ドキュメント・セキュリティの理解」を参照してください。

  8. すべてのオプションを設定したら、「終了」をクリックします。

図13-2 「エンタープライズ・ライブラリの作成」のオプションのセキュリティ・オプション

「エンタープライズ・ライブラリの作成」のオプションのセキュリティ画面

13.3 ドキュメント・ライブラリのプロパティの表示および編集

ライブラリは作成者が所有しますが、次のような例外があります。

  • エンタープライズ・ライブラリの所有者は所有権を、所有者でなくてもライブラリに対して管理者権限を持つ任意の人に譲渡できます。

  • エンタープライズ・ライブラリのプロパティは通常、そのライブラリに対して削除権限を持つ任意のユーザー、またはライブラリ所有者が読取りまたは書込み権限を持っている場合に編集できます。アクセス制御リストが使用されている場合は、ユーザーはアクセス制御リストで管理者権限を持っている必要があります。権限に関する質問は、システム管理者に問い合せてください。

  • システム・ライブラリはOracle WebCenter Contentによって作成されるため、そのプロパティを編集することはできません。

ライブラリ所有者や説明などの制限されたプロパティ情報は、ライブラリ・リストの横の結果リスト、またはサムネイル・ビューでライブラリの横にある「情報」アイコン(「情報」アイコン)をクリックすると表示されます。

追加のライブラリ・プロパティを表示または編集するには、「ライブラリ・プロパティ」ウィンドウを使用します。

表13-1 「ライブラリ・プロパティ」オプション

タブ ページ・オプション

一般

  • 名前

  • 説明

  • 所有者

セキュリティ

  • セキュリティ・グループの設定

  • アカウントの設定

  • アクセス制御リストにユーザーおよびロールの指定

メタデータ

  • ユーザーに対してメタデータを入力するようにプロンプトを表示

  • デフォルト・メタデータ値の設定

ライブラリ・プロパティのメタデータ・オプションとフォルダ・プロパティのメタデータ・オプションは、次の2つのオプションを除いてよく似ています(次の2つはフォルダでのみ使用できます)。
  • このフォルダでのメタデータ値の伝播禁止

  • このフォルダでのセキュリティ値の伝播禁止

ショートカット

ライブラリを指すショートカットのリストを表示します。この情報は変更できません。

詳細

ライブラリIDや作成日などの変更できないライブラリに関するシステム情報を表示します。

ライブラリ・プロパティを表示および編集するには、次の手順を実行します。

  1. 次のいずれかの方法で、「ライブラリ・プロパティ」ウィンドウを開きます。
    • 結果リストでライブラリを選択し、リストのツールバーで「ライブラリ・プロパティ」アイコン(「プロパティ」アイコン)をクリックします。

    • ライブラリを開いて、ライブラリのドロップダウン・メニューから「ライブラリ・プロパティ」オプションを選択します。

    • 結果リストまたはサイド・バーの「フォルダ」リストでライブラリを右クリックして、コンテキスト・メニューから「プロパティ」を選択します。

  2. 表示および編集する情報の適切なタブを選択します。
  3. ライブラリ・プロパティの編集が終了したら、「保存」をクリックします。

13.4 ライブラリ・メタデータの伝播

ドキュメントまたはフォルダをメタデータに事前定義されている値とともにライブラリから別のエンタープライズ・ライブラリに移動またはコピーする場合に、新しいライブラリのデフォルト値にアイテムに関連付けられているメタデータ値を変更または追加する必要がある場合があります。

注意:

メタデータを伝播する際に、すべてのサブフォルダおよびサブフォルダ内のドキュメントが影響を受けます。ただし、伝播はショートカット、保存された検索およびクラウド・フォルダには影響しません。

ライブラリ内のアイテムにメタデータおよびセキュリティ値を伝播するには、次の手順を実行します。

  1. 次のいずれかの方法で、「伝播」ウィンドウを開きます。
    • 結果リストでライブラリを選択し、リストのツールバーの「その他」メニューで「伝播」を選択します。

    • 結果リストまたはサイド・バーの「フォルダ」リストでライブラリを右クリックして、コンテキスト・メニューから「伝播」を選択します。

  2. オプションで、「フォルダにのみ伝播」を有効化して、フォルダへの伝播を制限し、ライブラリまたはフォルダ内のドキュメントに伝播しないようにします。
  3. オプションで「伝播の強制」を有効化して、ライブラリまたはフォルダの子孫の伝播禁止設定を無視します。
  4. 伝播時に使用するフィールドを選択し、値を指定します。デフォルト値を使用または変更できます。ドキュメントまたはフォルダのメタデータ・フィールドまたはセキュリティ・フィールドは、指定した値とともに伝播されます。伝播の前にフィールドに値が含まれている場合、その値は上書きされます。たとえば、ライブラリ内でデフォルト値が空のフィールドを選択することで上書きされるため、ドキュメントまたはフォルダで値を含むすべてのフィールドがクリアされます。
  5. フィールドの選択が終了したら、「伝播」をクリックします。

図13-3 「伝播」ウィンドウ

「伝播」ウィンドウ

13.5 ドキュメント・ライブラリの共有

エンタープライズ・ライブラリを共有するには、そのライブラリに対して読取り、書込みおよび削除権限を持っているか、読取りおよび書込み権限を持っているライブラリ所有者である必要があります。セキュリティ・グループ、オプションのアカウントおよびアカウント制御リストを使用してアクセスを設定します。これらのアイテムの詳細は、「ドキュメント・セキュリティの理解」を参照してください。

「ライブラリ・プロパティ」ウィンドウを使用してエンタープライズ・ライブラリに対するアクセスを共有するには、次の手順を実行します。

  1. 次のいずれかの方法で、「ライブラリ・プロパティ」ウィンドウを開きます。
    • 結果リストでライブラリを選択し、リストのツールバーで「プロパティ」アイコン(「プロパティ」アイコン)をクリックします。

    • 結果リストまたはサイド・バーの「フォルダ」リストでライブラリを右クリックして、コンテキスト・メニューから「プロパティ」を選択します。

    • ライブラリのルート・レベルの参照時に、ライブラリのドロップダウン・メニューから「ライブラリ・プロパティ」オプションを選択します。

  2. 「セキュリティ」タブを選択します。
  3. 最初にセキュリティ・グループを指定して、アクセス・レベルを設定します。セキュリティ・グループのすべてのメンバーには、グループのロールに基づいて、ライブラリ内のドキュメントに対するアクセスが付与されます。セキュリティ・グループの詳細は、「ドキュメント・セキュリティの理解」を参照してください。
  4. オプションで、アカウントを指定します。アカウントで、セキュリティ・グループ内のユーザーのサブセットに対するアクセスを制限できます。これらはセキュリティのオプションのレベルであり、使用できるようにする前に、システム管理者が有効化する必要があります。アカウントの詳細は、「ドキュメント・セキュリティの理解」を参照してください。
  5. オプションで、「アクセス制御リスト」セクションでユーザーまたはロールを選択します。アクセス制御リストは、ライブラリに対するアクセスを制限するための最も粒度の細かい方法です。アクセス制御リストを使用すると、ロールまたは個人のユーザーに対して割り当てられる権利を指定できます。アクセス制御リストの詳細は、「ドキュメント・セキュリティの理解」を参照してください。
  6. 終了したら、「保存」をクリックします。

13.6 ドキュメント・ライブラリのフォロー

ドキュメント・ライブラリをフォローでき、ライブラリが変更されたときに通知されるようにできます。ドキュメント・ライブラリをフォローするには、次のいずれかを実行します。

  • 結果リストでライブラリを選択し、リストのツールバーの「その他」メニューで「フォロー」を選択します。

  • 結果リストまたはサイド・バーの「フォルダ」リストでライブラリを右クリックして、コンテキスト・メニューから「フォロー」を選択します。

13.7 ライブラリ・ショートカットの作成

Oracle WebCenter Contentのナビゲートを容易にするために、ライブラリへのショートカットを作成します。ライブラリ・ショートカットは、すべてのフォルダまたはその他のライブラリに追加でき、サイド・バーの「フォルダ」セクションに表示されます。

ライブラリ・ショートカットを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 次のいずれかの方法で、「ショートカットの作成」ウィンドウを開きます。
    • 結果リストでライブラリを選択し、リストのツールバーの「その他」メニューで「ショートカットの作成」を選択します。

    • 結果リストまたはサイド・バーの「フォルダ」リストでライブラリを右クリックして、コンテキスト・メニューから「ショートカットの作成」を選択します。

  2. ショートカットに名前を付けるか、デフォルト名をそのまま使用します。
  3. ショートカットを存在させる場所を選択します。ショートカットは、ライブラリまたはフォルダのコンテキスト内に作成する必要があります。未ファイル化にすることはできません。
  4. 終了したら、「保存」をクリックします。

図13-4 「ショートカットの作成」ウィンドウ

「ショートカットの作成」ウィンドウ

13.8 コンテンツを検索するためのシステム・ライブラリの使用

システム・ライブラリには、現在リリースされていないドキュメントまたはチェックアウト済および編集のためにロックされているドキュメントをすばやく検索する機能があります。Oracle WebCenter Contentには、次に示す複数のシステム・ライブラリがあります。

  • チェックアウト済コンテンツ(編集用にロックされたコンテンツ)。

  • 期限切れのコンテンツ(Oracle WebCenter Contentによってこれ以降アクティブに管理されることのないドキュメント。期限切れのコンテンツは、指定した日付範囲内に期限が切れるように設定したドキュメントも表示するようにフィルタ処理できます)。

  • 処理中(変換または索引付け処理中でまだリリースされていないドキュメント)。

  • ワークフローのコンテンツ(ワークフロー・プロセス内のドキュメント。初期状態では、それらのドキュメントのうち自分に割り当てられているものがフィルタを通過します)。

システム・ライブラリ内でドキュメントを検索するには、次の手順を実行します。

  1. サイド・バーで「参照」をクリックします。
  2. 検索ボックスの横にある「フィルタ」アイコンをクリックして、「ライブラリ・タイプ」リストから「システム・ライブラリ」フィルタを選択します。これによって、ライブラリの結果リストがフィルタ処理され、システム・ライブラリのみが表示されます。
  3. 目的のプロセス状態のドキュメントを含むシステム・ライブラリを開きます。たとえば、チェックアウトしたドキュメントを検索する場合は、「チェックアウト・コンテンツ」ライブラリを開きます。
  4. 「フィルタ」メニューを使用して結果をフィルタ処理し、検索を絞り込みます。

注意:

デフォルトでは、「チェックアウト・コンテンツ」ライブラリおよび「処理中コンテンツ」ライブラリでは、ユーザー自身がチェックアウトまたは作成したドキュメントのみが含まれるようにフィルタ処理されます。同様に、「ワークフローのコンテンツ」ライブラリは、デフォルトでは、自分に割り当てられたワークフロー・コンテンツが結果になるフィルタを適用します。権限を持つその他のドキュメントを含むように結果リストを拡大するには、検索ボックスで適切なフィルタ・タグを閉じることでフィルタをクリアします。

「有効期限が切れたコンテンツ」ライブラリでは、すべての期限切れコンテンツがデフォルトでリストされます。「フィルタ」メニューを使用して、期限切れのドキュメントまたは指定した日付範囲内に期限が切れるように設定したドキュメントを表示します。

自分に割り当てられたワークフロー内のコンテンツを検索する場合は、バナーに示された「ワークフローの通知」アイコン(「ワークフローの通知」アイコン)をクリックして、フィルタ処理されたリストに直接移動します。バナーにフィルタ通知アイコンが表示されていない場合は、自分に割り当てられた保留中のワークフローは存在しません。

図13-5 「有効期限が切れたコンテンツ」フィルタ・オプション

「有効期限が切れたコンテンツ」フィルタ