次の各トピックでは、パブリッシュ・システムと承認システムについて説明します。
アセットをパブリッシュするには、その前に、次のことを決定しておく必要があります。
WebCenter Sitesが使用するパブリッシュ方法。推奨するパブリッシュ方法はリアルタイム・パブリッシュです。リアルタイム・パブリッシュの使用を参照してください。ディスクへのエクスポート、サーバーへのミラーリングまたはXMLへのアセットのエクスポートなどの代替パブリッシュ方法の詳細は、代替パブリッシュ方法を参照してください。
管理者は、パブリッシュの宛先を構成する際に、宛先に対するパブリッシュ方法を指定します。詳細は、代替パブリッシュ方法についてを参照してください。
特定のセッション中にWebCenter Sitesがパブリッシュする必要があるパブリッシュの宛先。
管理者は、システムに対してパブリッシュの宛先を構成します。詳細は、パブリッシュの宛先を参照してください。
現在の宛先にパブリッシュすることが承認済でその準備ができているアセット。この情報は、承認システムが決定します。
コンテンツ・プロバイダは、パブリケーションの準備ができているアセットに、特定のパブリッシュの宛先に対して承認済というマークを付けます。承認システムは、承認済ラベルを検証して、アセットのパブリッシュによってライブ・サイトに機能しないリンクが作成される可能性があるかどうかを判断します。その可能性がある場合、そのアセットの他のアセットに対する依存性が、ユーザーがそれらのアセットを承認することによって解決されるまで、そのアセットのパブリッシュ・セッションは保留されます。承認済アセットがどのアセットに対しても依存性を持たないか、またはその依存性が十分な場合、承認システムはそのアセットをパブリッシュ・システムにリリースします。
承認システムのプロセスは複雑で、パブリッシュ方法ごとに異なります。承認システムの機能の詳細は、承認システムの理解とディスクへのエクスポートのパブリッシュの用語の詳細を参照してください。
アセットをパブリッシュする必要がある日時。
管理者は、パブリッシュ・スケジュールを設定します。パブリッシュ・プロセスは、一定間隔で実行されるようにスケジュールされたバッチ・プロセスとして実行されます。スケジュールを無視して、オンデマンドでパブリッシュすることもできます。スケジュールのパブリッシュの詳細は、スケジュールされたパブリッシュ・セッションについてを参照してください。
どのユーザーに、WebCenter Sites: Contributorインタフェースから個々のアセットのオンデマンド・パブリッシュを実行する権限を付与するか。
Contributorインタフェース・ユーザーに、Contributorインタフェースからアセットをパブリッシュする権限を付与するには、各ユーザーにパブリッシャ・ロールを割り当てる必要があります。手順は、ユーザーに対するContributorインタフェースからのアセットのパブリッシュの認可を参照してください。
パブリッシュ・セッションでは、セッション情報がログ・ファイルに記録されます。パブリッシュ・コンソールを介してセッションを監視し、パブリッシュ履歴と現在実行中のパブリッシュ・セッションのステータスを判断できます。パブリッシュ・プロセスはバックグラウンドで実行されるため、ブラウザを他のタスクのために使用することもできます。パブリッシュ・セッションで発生するイベントの詳細は、パブリッシュ・セッションの理解を参照してください。パブリッシュ情報を取得する方法の詳細は、パブリッシュ・セッションに関する情報の取得を参照してください。
Contributorインタフェースから起動されたパブリッシュは、Contributorインタフェースのパブリッシュ・コンソールから参照することもできます。
パブリッシュの宛先は、コンテンツのミラーリング先のWebCenter Sitesデータベースか、またはエクスポート先ディレクトリのどちらかです。パブリッシュの宛先は、次のパラメータを定義する名前付きオブジェクトとして表されます。
パブリッシュ方法。
場所:
ディスクへのエクスポートのパブリッシュおよびXMLへのアセットのエクスポートの場合、パブリッシュ・システムは承認済アセットをHTMLファイルまたはXMLファイルに変換します。場所は、ファイルが保存されるルート・ディレクトリです。このディレクトリは、wcs_properties
ファイルのcs.pgexportfolder
プロパティ(「パブリッシュ」カテゴリ)で設定します。
サーバーへのミラーリングのパブリッシュの場合、宛先は、コンテンツの配信元として想定されるサーバーの URL形式によるサーバー名(ポート番号を含む)です。(このサーバー名は「宛先」フォームの「宛先アドレス」フィールドに設定します。)
宛先に対してパブリッシュ可能なアセットが存在するCMサイトの名前。
どのパブリッシュ方法でも、複数のパブリッシュの宛先を構成できます。開発者によるサイトの設計方法によっては、静的コンテンツ(HTMLファイル、ディスクへのエクスポートを使用)および動的コンテンツ(サーバーへのミラーリングまたはXMLへのエクスポートのパブリッシュ方法を使用してすぐに生成されるページ)を両方ともパブリッシュする必要がある場合があります。このような二重の実装を行う場合は、開発者に相談して、パブリッシュの宛先を構成する方法を決定してください。
このドキュメントでは、パブリッシュの宛先および構成について説明する際、次の用語を使用します。
ソース。パブリッシュ・セッションでソースとして機能するWebCenter Sitesデータベース。任意のWebCenter Sitesシステム間でアセットをミラーリングできるので、ソースは必ずしもコンテンツ管理システムではありません。
宛先。ミラーリング先のWebCenter Sitesデータベースか、またはエクスポート先ディレクトリのどちらかです。
パブリッシュの宛先の作成の詳細は、エクスポート先の構成およびミラーリング先の作成を参照してください。
通常、パブリッシュはAdminインタフェースからスケジュールおよび実行されます。ただし、Contributorインタフェースには、適切なロールを付与されたユーザーが使用して個々のアセットをContributorインタフェースから直接パブリッシュできるオンデマンド・パブリッシュ機能があります。
特定の宛先へのパブリケーションに対してアセットが承認されると、WebCenter Sitesは承認システムを起動して、各アセットのパブリッシュの準備ができていることを確認します。承認システムは、機能しないリンクや古いコンテンツが発生しないようにサイトを保護するパブリケーション前プロセスを実行します。このプロセスでは、次の質問に対する回答を決定します。
パブリッシュの準備ができているのはどのアセットか。すなわち、ユーザーが承認済とマークを付けたアセットはどれか。
承認済アセットに依存性があるか。すなわち、承認済アセットに他のアセットが付属する必要があるか。または、サイトのリンクがすべて正常に機能することを保証するために、宛先に他のアセットが存在する必要があるか。
たとえば、イメージ・ファイルを参照する記事アセットが存在するサイトが設定されているとします。非承認のイメージ・ファイルが関連付けられている承認済の記事は、イメージ・ファイルも承認されるまで、パブリッシュできません。
承認システムは、これらの質問に対する回答に応じて、パブリッシュ・システムに次回のパブリッシュ・セッションで承認済アセットをパブリッシュすることを許可するか、または依存性テストに不合格のアセットのパブリケーションを保留します。
注意:
ディスクへのエクスポートのパブリッシュでは、テンプレートを選択することによって、アセットに承認システムをバイパスさせることができます。ディスクへのエクスポートのパブリッシュにおける承認システムの詳細は、ディスクへのエクスポートのパブリッシュの用語の詳細を参照してください。
アセットの承認方法の詳細は、『Oracle WebCenter Sitesでの開発』を参照してください。
承認システムの機能の詳細は、承認システムの理解とディスクへのエクスポートのパブリッシュの用語の詳細を参照してください。
パブリッシュ・セッションは(パブリッシュ方法に関係なく)、パブリッシュ・イベントと呼ばれるバックグラウンドのバッチ・プロセスとして実行されます。管理者は、パブリッシュ・イベントのスケジュールを構成します。
パブリッシュ・イベントは、毎日、毎週、毎時、15分間隔、またはこれらの間隔を様々に組み合せてスケジュールできます。複数のパブリッシュ・セッションをスケジュールする場合は、次のような様々なルールを考慮してください。
特定の宛先に対するパブリッシュは、逐次実行する必要があります。
各パブリッシュ・セッションはバックグラウンド・イベントなので、特定の宛先では同時に1つのパブリッシュ・セッションのみサポートできます。特定の宛先で次のイベントがスケジュールされている時間に、その宛先に対してパブリッシュが実行中の場合は、スケジュールされているイベントは実行しようとして失敗し、その宛先に対して実行中のパブリッシュ・セッションが存在することを報告します。
同様に、複数のソースを同一の宛先に同時にパブリッシュするように構成しないでください。そのような構成は、パブリッシュ・エラーおよびデータ整合性に関する問題の原因になります。
宛先システムが別の宛先へのパブリッシュを実行する可能性がある時間に、その宛先へのパブリッシュ・セッションをスケジュールしないでください。
たとえば、開発システムから管理システムにパブリッシュし、管理システムから配信システムにパブリッシュするとします。この場合、管理システムから配信システムにパブリッシュしている間に、開発システムから管理システムへのパブリッシュ・セッションをスケジュールしないでください。
複数の宛先に対するパブリッシュは、同時に実行できます。複数の宛先に対してイベントを設定してすべて同じ時刻を選択することによって、複数の宛先に同時にパブリッシュできます。
Contributorインタフェースのパブリッシュ機能は、スケジュール済パブリッシュ・セッションの間は無効です。
パブリッシュ・イベントではデータベース・トランザクションを完了するので、パブリッシュ機能にユーザー・アカウントを指定する必要があります。このユーザーはバッチ・ユーザーと呼ばれ、wcs_properties.json
ファイルのxcelerate.batchuser
プロパティおよびxcelerate.batchpass
プロパティ(「パブリッシュ」カテゴリ)を使用して、WebCenter Sitesシステムのバッチ・ユーザー・アカウントを指定します。
注意:
パブリッシュには、バッチ・ユーザーとは別に、ミラー・ユーザーも必要です。詳細は、ユーザーの使用とサーバーへのミラーリングのパブリッシュを参照してください。
パブリッシュ・システムが承認済アセットのパブリッシュを開始すると、WebCenter Sitesは次の処理を実行します。
PubSession
表に行を追加してパブリッシュ・セッションを作成し、PubSession IDという一意なIDをセッションに割り当てます。
問合せを実行して、パブリッシュ・セッションの宛先にパブリッシュされることが承認済で準備ができているすべてのアセットを収集します。
問合せによって返されたアセットをロックし、それらのアセットについてCacheManagerに通知して、パブリッシュ・セッションの実行中は編集できないようにします。
パブリッシュ方法に適したエレメントを起動し、パブリッシュする必要があるアセットのリストを渡します。
リストのアセットは、使用するパブリッシュ方法に応じて、ファイルにレンダリングされるか、または宛先データベースにミラーリングされます。
パブリッシュ・セッションが終了すると、パブリッシュ・システムはどのアセットがパブリッシュされたかを承認システムに通知し、次にそれがページ・キャッシュを更新します。
WebCenter Sitesは、各パブリッシュ・セッションに関する情報をログ・ファイルおよびWebCenter Sitesデータベースの様々な表に書き込みます。この情報の大半は、セッションのパブリッシュ履歴として「パブリッシュ・コンソール」に表示されます。「パブリッシュ・コンソール」を表示するには、メイン・ウィンドウの一番上のボタン・バーにある「パブリッシュ」ボタンをクリックします。「トラブルシューティング」も参照してください。
注意:
「パブリッシュ・コンソール」を表示するには、xcelpublish ACLが必要です。