Oracle SOA Cloud Serviceのコンポーネントの多くは、使用している環境によって若干異なります。 この章では、これらの相違点について説明します。
この表に、Oracle SOAをクラウド環境とオンプレミス環境で実行する場合の大まかな相違点を示します。
Oracle SOA Cloud Service | Oracle SOA Suiteオンプレミス |
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サブスクリプションで使用可能になります。 |
自分のハードウェアにOracle SOA Suiteをインストールします。 |
Oracle SOA Cloud Serviceのプロビジョニングには、自動的にOracle Java Cloud Serviceが含まれ、それによりOracle WebLogic Serverドメインが提供されます。 |
完全なドメインを作成します。 |
Oracle SOA Cloud Serviceにより、OPCベースのバックアップ・サービスが提供されます。 |
自分用のアーカイブ・インフラストラクチャを開発する必要があります。 |
テナントの既存のデータベース(Oracle Database Cloud Service)を選択するか、オンプレミス・データベースの接続文字列を入力できます。 |
データベースをインストールする必要があります。 |
高可用性機能は、仮想マシンの再起動を使用して、デフォルトで提供されます。 |
高可用性の要件に基づいて環境を設定する必要があります。 |
ロード・バランシングは、組込みのOracle Traffic Directorによって提供されます。 |
Oracle HTTPサーバーがロード・バランサとして働きます。 |
Oracle JDeveloperからクラウドへの直接のアプリケーションのデプロイメントはサポートされていません。 Oracle SOA Cloud Serviceインスタンスのアプリケーションのデプロイおよびデプロイ解除で説明したデプロイメント・メカニズムのいずれかを使用する必要があります。 |
アプリケーションは、Oracle JDeveloperから直接デプロイできます。 |
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オンプレミス・ネットワークのネットワーク・アクセスは、サイトごとに異なり、ロジック・プロセスによって異なります。 通常は、正しい資格証明を持っているかぎり、従業員に対して完全に開放されています。 |
Oracle Business Process Management Suiteは、Oracle SOA Cloud Serviceと併用できません。 かわりに、Oracle Process Cloud Serviceにサブスクライブするか、Oracle Java Cloud ServiceでOracle Business Process Management Suiteを実行できます。 |
Oracle SOA Suite Cloud Serviceをインストールした後、その上にOracle Business Process Management Suiteをインストールすることができます。 |
次のようなOracle Integration Continuous Availability機能はサポートされていません。
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Oracle Integration Continuous Availability機能はサポートされます。 |
Oracle SOA、Oracle Service Busクラウド、オンプレミス環境での特定の機能に関する相違点の詳細は、「クラウドでのOracle SOAの動作の相違点」を参照してください。
Oracle Cloud Machineでは、Oracle SOA Suiteの一部の機能がOracle Public Cloudでの動作と異なります。 相違点の一部を次に示します。
Oracle Cloud Machineでのプロビジョニング中は、データベース接続を指定しません。 かわりに、データベースへのアクセスを提供するネットワークへの接続を指定します。
Oracle Cloud Machineは、外部データベースへの直接接続をサポートします。 Oracle Database Cloud Serviceは必要ありません。
Oracle Cloud Machineは格納用にNFSディレクトリを使用します。
Oracle Cloud Machineでは、Oracle API Managerはサポートされません。
Oracle Cloud Machineでは、データベース・バックアップは提供されません。 Oracle Cloud Machineはドメイン・バックアップを提供しています。ユーザーは、通常の手順を使用してデータベースをバックアップします。
Oracle SOAの一部の機能は、クラウドではオンプレミス環境とは異なる動作となります。
現在、共有ディスクは使用できないため、クラスタ内で実行されている複数の管理対象サーバーからの共有ファイルへの書き込みはできません。 クラウドでこの作業を行うためには、管理対象サーバーでそのローカル・ディスクにファイルを書き込み、追加の処理で仮想マシンのいずれかにファイルを統合する必要があります。
ファイル・アダプタの読取りアクション - 各管理対象サーバーは、そのローカルのディレクトリからのみ読み取ります。
JMSストアおよびJTAトランザクション・ログは、ファイルに格納するのではなく、Oracleデータベースを使用する必要があります。
Oracle B2Bの大きいファイルの処理 - ファイルがメッセージを処理する管理対象サーバーのローカル・ファイル・システムに書き込まれます。 同じ管理対象サーバーで実行されていないかぎり、Oracle B2Bコンソールでファイルを読み取ることはできません(ランダムな動作が表示されます)。
Oracle SOA Cloud Serviceアダプタとオンプレミスのアプリケーション間の接続は、企業のファイアウォールによってブロックされる可能性があります。 接続は、アダプタが接続するアプリケーション・サーバーからSSHトンネルを使用して確立できます。
Oracle JDeveloperのSOAデバッガおよび自動SOAコンポジット・アプリケーション・テスター(ユニット・テスター)は、SOA Cloud Serviceサーバーへの接続時にはサポートされていません。
レポートは、Integration Analyticsクラスタ・サービス・タイプの一部としてインストールされるOracle Real-Time Integration Business Insightではサポートされていません。
Oracleクラウド・アダプタ・ドキュメントの「アプリケーション・アダプタ(iWay)」にリストされているiWayアプリケーション・アダプタは、Oracle SOA Cloud Serviceでサポートされていません。
Oracle Traffic Directorの高可用性機能12.2.1.2/12.1.3はOracle SOA Cloud Serviceでサポートされていません。
デハイドレーションは、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』 12.2.1.2/12.1.3で説明されているように、クラウドではオンプレミス環境と同様に機能しません。