この章では、VSM コンソールサーバー上で実行されるバージョンの VTCS である、oVTCS のソフトウェアに関する考慮事項について説明します。
oVTCS は、Solaris オペレーティング環境で VSM コンソール上で動作するようにカスタマイズされた StorageTek 仮想テープ制御ソフトウェア (VTCS) Release 7.3 を表します。oVTCS は次の機能を実行します。
仮想テープドライブ (VTD) の割り振りを操作します。
仮想テープストレージサブシステム (VTSS) は、仮想ボリューム (VTV) とトランスポートを含む VSM ディスクバッファーです。VTSS は、32 台または 64 台のトランスポートのエミュレーションを可能にするマイクロコードを備えたディスクデバイスです。デバイスは、「テープ」データのディスクからの読み取りとディスクへの書き込み、そのデータの RTD からの読み取りと RTD への書き込みを実行できます。
仮想テープドライブ (VTD) は、物理テープカートリッジをエミュレートする VSM の仮想テープストレージサブシステム (VTSS) のトランスポートです。VTD に書き込まれるデータは、実際にはディスクに書き込まれます。VTSS には、VTV の仮想マウントを実行する 64 の VTD があります。
仮想テープボリューム (VTV) の使用 (移行やリコールなど) を管理します。
移行は、VTSS から実テープドライブ (RTD) にデータを移動することです。そこで VTV は MVC にスタックされます。
リコールは、VTV を MVC から VTSS に戻すことです。VSM は必要に応じて VTV をリコールできます。
VSM で使用される実テープメディアとトランスポートの使用を管理します。
このセクションでは、oVTCS ポリシーパラメータファイルについて説明し、VSM コンソール構成でこのファイルをアクティブ化する方法について説明します。
VSM コンソール構成では、oVTCS は oVTCS ポリシーパラメータファイルを使用して、oVTCS 構成の管理クラスおよびストレージクラスのポリシーを取り込みます。起動時に、oVTCS は CDS 内の VTV のステータスを調べ、定義されているポリシーをロードし、それらのポリシーを尊重するために必要なアクションを実施します。
oVTCS がクラスタ内で実行されている場合、このパラメータファイルは各ノードに自動的に配布されます。また、ファイルの設定は再起動後も永続します。
このパラメータファイルを最初にロードするための方法は、使用している構成によって異なります。
メインフレーム構成の場合は、oVTCS ポリシーパラメータファイルのロード (メインフレーム構成の場合)を参照してください。
VSM 7 オープンシステム接続構成の場合は、oVTCS ポリシーパラメータファイルのロード (VSM 7 オープンシステム接続構成の場合)を参照してください。
oVTCS ポリシーパラメータファイルには、次の各文のインスタンスが少なくとも 1 つ含まれている必要があります。
注記:
TAPEPLEX
を除き、次の文は ELS の使用法とほぼ一致します。これらの文の詳細は、使用している Oracle StorageTek ELS のドキュメントを参照してください。これらの文は、oVTCS インスタンスのスクラッチプールと MVC プールを記述します。
注記:
共有 CDS モードでは、CDS 内のPOOLPARM
文は使用されません。これらの文は、さまざまな volser 範囲の属性を定義し、それらを POOLPARM
文に割り当てます。これらは ELS でのこの文の使用法とほぼ一致しますが、VOLPARM
文を変更しても oVTCS 構成は更新されない点だけが異なります。
これらの文はストレージクラスを定義します。ストレージクラスは、データセットのパフォーマンス目標と可用性要件を指定するストレージ属性の名前付きリストです。
これらの文は管理クラスを定義します。管理クラスは、データセットによる領域の割り当てと使用を制御するためにストレージ管理者が割り当てる、管理属性の集まりです。
これらの文は、ACSLS、HSC、および VLE のほかのインスタンスに対してネットワーク接続の詳細を定義します。VSM コンソールに移行先となる RTD が存在する場合は、TapePlex のタイプ (ACSLS、HSC、または VLE) に関係なく TAPEPLEX
文が必要です。
VSM コンソールの移行先となり得るシステムが複数ある場合は、システムごとに個別の TAPEPLEX
文が必要です。
TAPEPLEX NAME=
tapeplex_name
SERVer(
server
[,
server
] [,
server
] [,
server
])
[SUBSYS=
subsystem_name
]
ここでは:
NAME
は、TapePlex に割り当てられている名前を指定します。これは ACSLS、HSC、または VLE システムを指定でき、ターゲットの ACSLS、HSC、または VLE によって割り当てられている TapePlex 名と一致する必要があります。
SERVer
は、指定された TapePlex への 1 つ以上のサーバーパスを指定します。ホスト名または IP アドレスを指定できます。
SUBSYS
は HSC MVS サブシステムの名前を指定します。ターゲット TapePlex が HSC であり、同じ MVS ホスト上に複数の HSC サブシステムが存在する場合にのみ必要です。
次に、SERVer
パラメータでホスト名を指定する HSC システムの TAPEPLEX
文の例を示します。
TAPEPLEX NAME=HSCVTCS SERV(
host-name
)
または、SERVer
パラメータで host-name
の代わりに IP アドレスを指定できます。
次に、SERVer
パラメータで各ノードの IP アドレスを指定するマルチノード VLE システムの TAPEPLEX
文の例を示します。
TAPEPLEX NAME=VLE1 SERV(
ip_address1
,
ip_address2
,
ip_address3
)
このタイプの構成で、個々の VLE ノードに対してメンテナンスを実行できます。SMC の SERVer DISable
コマンドは VSM コンソールでサポートされていません。代わりに、次のプロセスを使用します。
oVTCS ポリシーパラメータファイルで、TAPEPLEX
文を更新し、メンテナンスを要求しているノードの IP アドレスを削除します。
更新されたパラメータファイルで oVTCS の MGMTDEF ACTIVATE
コマンドを発行します。
削除されたノードでメンテナンスを実行します。
TAPEPLEX
文を更新し、ノードに IP アドレスをふたたび追加します。
oVTCS の MGMTDEF ACTIVATE
コマンドを発行し、更新されたパラメータファイルをロードします。
oVTCS パラメータファイルには、オプションで次の文を含めることができます。
注記:
次の文は ELS の使用法とほぼ一致します。これらの文の詳細は、使用している Oracle StorageTek ELS のドキュメントを参照してください。この文は、ファイルの識別文字列 (名前) を指定します。
これらの文は、VTSS からストレージクラスへの移行を管理するための移行要求設定を指定します。
これらの文は、即時移行によって処理される個々の VTV コピーの移行要求設定を指定します。
これらの文は、スワップ先 RTD のデバイスタイプを MVC メディア名に割り当てます。RTD の MVC の読み取り中にエラーが発生した場合、VTCS は MVC を別の RTD にスワップして操作を再試行することがあります。
これらの文は、ストレージクラスのリストと各クラスに対応する優先度を指定します。
これらの文は、参照先の STORLST
制御文で指定されたストレージクラスのリストとその優先度に適用される、ストレージクラス使用規則を指定します。
これらの文は、VTSS のリストとそれぞれに対応する優先度を指定します。
これらの文は、参照先の VTSSLST
制御文で指定された VTSS のリストとその優先度に適用される、ストレージクラス使用規則を指定します。
これらの文は、起動時またはパラメータファイルがロードされたときに実行するコマンドを定義します。ELS の起動コマンドファイルと同等の機能を提供します。
メインフレーム構成で oVTCS ポリシーパラメータファイルをアクティブ化するには、SMC SMCUUUI
ユーティリティーを使用して oVTCS MGMTDEF
コマンドを発行します。
oVTCS MGMTDEF
コマンドは、oVTCS ポリシーパラメータファイルをアクティブ化します。
SMCUUUI
ユーティリティーから、UUIIN SDD
文で、oVTCS パラメータファイルの名前、および MGMTDEF
コマンド文と ACTIVATE
パラメータを指定します。例5-1 を参照してください。
完全修飾パスとファイル名を指定するかぎり、oVTCS パラメータファイルはどこにあってもかまいません。
SMCUUUI
ユーティリティーについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
注記:
oVTCSMGMTDEF
コマンドはネイティブな oVTCS コマンドであり、SMC MGMTDEF
コマンドには関連しません。図5-1に示すように、oVTCS MGMTDEF
コマンドには次のパラメータが含まれます。
オプションで、指定した oVTCS パラメータファイル内のパラメータを検証してから、これらのパラメータ設定をアクティブ化します。
注記:
ACTIVATE
パラメータを指定しない場合は、指定した oVTCS パラメータファイル内のパラメータの検証だけが行われます。オプションで、oVTCS パラメータファイルから読み取られたパラメータを一覧表示します。
VSM 7 オープンシステム接続構成で oVTCS ポリシーパラメータファイルをアクティブ化するには、VSM コンソールに用意されている VSM GUI を使用します。
VSM GUI アプリケーションを起動します。
「VSM Console menu」にアクセスします。このメニューには次のオプションがあります。
Command Line Interface (CLI)
Configuration/Policy
Console Log
「VSMc Configuration/Policy」タブを選択します。このページでは、oVTCS ポリシー設定を定義する oVTCS ポリシーファイルをダウンロード、編集、およびアップロードできます。
メニューから TapePlex 名を選択します。
メニューからサーバーアドレスを選択します。選択した TapePlex に構成されているサーバーアドレスのみが一覧表示されます。
「Download」ボタンをクリックし、ポリシーパラメータファイルを指定して VSM GUI にロードます。
「Edit」ボタンをクリックし、必要に応じてファイルを編集します。
「Upload」ボタンをクリックし、指定した oVTCS TapePlex 内でファイルをアクティブ化します。
「VSM Console Menu」を使用して構成設定をロードする方法の詳細については、『VSM GUI ユーザーズガイド』を参照してください。
次のリストに oVTCS コマンドの考慮事項を示します。
CDS ロギングはサポートされていません。したがって、CONFIg GLOBAL
文の LOGPOL
パラメータは無効です。
SMC 7.3 を使用する場合は、SMC HTTP
コマンドの XSECurity
パラメータを OFF
に設定することによって XAPI セキュリティーを無効にする必要があります。これにより、HSC に接続されている RTD がオンラインなることができます。
SMC HTTP
コマンドについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
oVTCS には、メインフレーム構成で oVTCS ポリシーパラメータファイルをアクティブ化できるネイティブな MGMTDEF
コマンドがあります。このコマンドは ELS MGMTDEF
コマンドには関連しません。詳細は、oVTCS ポリシーパラメータファイルのロード (メインフレーム構成の場合)を参照してください。
VTV または MVC を CDS に追加するには、CONFIg VTVVOL
および CONFIg MVCVOL
文を使用する必要があります。POOLPARM
または VOLPARM
の方法を使用することはできません。
POOLPARM
と VOLPARM
は SUBPOOL
名の指定に使用できます。ただし、ボリュームを定義するには、CONFIg VTVVOL
および CONFIg MVCVOL
を使用する必要があります。
POOLPARM
および VOLPARM
制御文については、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
CONFIg VTVVOL
および CONFIg MVCVOL
制御文の詳細については、『ELS レガシーインタフェースリファレンス』を参照してください。
SMCUUUI
ユーティリティーからマウントを発行するときは、次の規則を使用します。
完全な MOUNT
キーワードを指定する必要があります。ELS コマンドとは異なり、このキーワードを省略形にすることはできません。
デバイスアドレスは、N
、NAME
、または DRIVE_NAME=
devaddr
の形式で指定します。ここで、devaddr
はデバイスアドレスです。
volser は、V
、VOL
、または VOLSER=
volser
の形式で指定します。ここで、volser
はボリュームシリアル番号または SCRTCH
です。
サブプールは、P
、POOL
、SUBPOOL
、または SUBPOOL_NAME=
subpool-name
の形式で指定します。
SMCUUUI
ユーティリティーからマウント解除を発行するときは、次の規則を使用します。
完全な DISMOUNT
キーワードまたは省略形の DISM
を指定できます。
デバイスアドレスは、N
、NAME
、または DRIVE_NAME=
devaddr
の形式で指定します。ここで、devaddr
はデバイスアドレスです。
volser は、V
、VOL
、または VOLSER=
volser
の形式で指定します。ここで、volser
はボリュームシリアル番号または SCRTCH
です。
非共有 CDS モードのテープライブラリの処理:
構成が共有 CDS モードで実行されない場合は、次に示すパラメータの制限が適用されます。
oVTCS 構成の RTD
文に STORMNGR
パラメータを含める必要があります。
oVTCS 構成の VTSS
文では、DEFLTACS
パラメータはデフォルトにのみ設定できます。
STORCLAS
文で ACS
パラメータを使用する場合は STORMNGR
パラメータが必要です。
MGMTCLAS
文で ACSLIST
パラメータは使用できません。
構成が共有 CDS モードで実行される場合は、すべてのライブラリが「リモート」とみなされ、したがって独立した TapePlex の一部になります。デフォルトライブラリである TapePlex の名前は、データベース構成の一部として指定されます。通常、この TapePlex は CDS も指定します。したがって、前述の制限は適用されません。
oVTCS TRace
コマンドには、ON
と OFF
の 2 つのオプションだけが含まれます。
TRace ON
は、すべてのトレースファイルを閉じ、実行中のすべてプロセスに対する新しいトレースファイルを開きます。これが推奨される設定です。
TRace OFF
はすべてのトレースを停止します。
ELS の TRace
コマンドとは異なり、トレースする特定のコンポーネントを指定することはできません。
VSM コンソールメッセージを取得するには SMC VMSG
コマンドを使用します。
このコマンドの詳細は、VSM コンソールのメッセージプロセッサの起動/停止を参照してください。
VSM コンソールで HSC CDS を共有できるようにするには、HSC DBSERVER
コマンドを使用します。
このコマンドの詳細は、oVTCS CDS データベースサーバーの実行を参照してください。
SMF タイプのレコードを VSM コンソールサーバーからオフロードするには、SMC SMCUSMF
ユーティリティーを使用します。
このユーティリティーの詳細については、VSM コンソールの SMF レコードのオフロードを参照してください。
アクティブな oVTCS ポリシー文のリストを取得するには、内部の MVS GETMGPOL
コマンドを使用します。
oVTCS MGMTCLAS
および STORCLAS
文を取得するには、GETMGPOL
コマンドをサブパラメータなしで指定します。
oVTCS MGMTCLAS
文を取得するには、GETMGPOL MGMTCLAS
を指定します。
oVTCS STORCLAS
文を取得するには、GETMGPOL STORCLAS
を指定します。
すべての oVTCS ポリシー文を取得するには、GETMPOL FLATDD(
filename)
を指定します。これによって oVTCS パラメータファイルの内容全体が返されます。
マルチノード内
oVTCS には一連のオペレータコマンドと管理者コマンドがあります。これらのコマンドは対応する ELS VTCS コマンドと同じですが、oVTCS コマンドの考慮事項で説明されているとおり、いくつかの例外があります。
これらのコマンドを発行するには、次のいずれかの方法を使用します。
メインフレームのみの構成では、SMC Route コマンドまたは SMCUUUI
ユーティリティーを使用して、SMC クライアントから VSM コンソール上の oVTCS にコマンドを送信します。
SMC Route
コマンドおよび SMCUUUI
ユーティリティーについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
VSM 7 オープンシステム接続 (OSA) 構成では、VSM コンソールに用意されている VSM GUI アプリケーションを起動し、VSMc コマンド行インタフェース (CLI) 機能を使用して、VSM コンソール上の oVTCS にコマンドを送信します。この機能の使用については、『VSM GUI ユーザーズガイド』を参照してください。
VSM GUI アプリケーションを起動します。
「VSM Console menu」にアクセスします。
「VSMc Command Line Interface (CLI)」タブを選択します。このページでは、oVTCS ポリシー設定を定義する oVTCS ポリシーファイルをダウンロード、編集、およびアップロードできます。
TapePlex および該当するノードのサーバーアドレスを選択します。
入力テキストボックスに oVTCS コマンドを入力し、「Submit」をクリックします。
このコマンドは、コマンドログおよびコマンド出力テーブルに記録されます。
oVTCS には次のコマンドがあります。各コマンドについては、『ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。
ARCHive
AUDIT
CANcel
CONSolid
CONFIg
DEComp
DELETSCR
DISMount
Display
CMD
MSG
SERVer
ACTive
CLInk
CLUster
CONFIG
LOCKs
MIGrate
MVC
MVCPool
PATH
Queue
REPlicat
RTD
SCRatch
STORclas
STORMNgr
TASKs
VSCRatch
VTD
VTSS
VTV
DRMONitr
EEXPORT
EXPORT
INVENTRY
MEDVERfy
MERGMFST
METADATA
MIGrate
Mount
MVCDRain
MVCMAINT
MVCPLRPT
MVCRPt
RECall
RECLaim
RECONcil
SCRPT
SET MIGOPT
TRace
Vary
(CLInk
、PATH
、RTD
、VTSS
)
VLEMAINT
VTVMAINT
VTVRPt
VSM コンソールには、VSM コンソール内で動作する XAPI サーバーコンポーネントの管理を可能にする、XAPI サーバーのオペレータコマンドおよび管理者コマンドがいくつかあります。
これらのコマンドを発行するには、次のいずれかの方法を使用します。
xapi_startup_file を使用して XAPI サーバーコマンドを発行する
xapi_start_file
は、XAPI サーバーの起動時に読み取られる、XAPI サーバーコマンドのファイルです。
XCLIENT
と XUDB
の定義、および XSECURITY
と MSGLVL
の指定には、この方法が推奨されます。
このファイルは起動時に読み取られるため、XAPI サーバーコンポーネントが再起動された場合、これらのコマンドを再入力する必要はありません。
VSM コンソールの下の xapi_start_file のデフォルトパスは /data/ovtcs/config/xapi_startup_file
です。
oVTCS_cli XCMD インタフェースを使用して XAPI サーバーコマンドを発行する
oVTCS_cli
インタフェースを使用して、「XCMD
」に続いて XAPI サーバーコマンド文字列を指定することにより、コマンドを XAPI サーバーコンポーネントに送ることができます。
たとえば、oVTCS_cli
を使用して XAPI サーバーの「LOG 0011
」コマンドを入力するには、次のコマンドを入力します。
oVTCS_cli ’ XCMD LOG 0011’
StorageTek ソフトウェアサポートの指示によって XAPI サーバーの LIST
および TRACE
コマンドを入力する場合には、この方法が推奨されます。
VSM GUI を使用して XAPI サーバーコマンドを発行する
VSM 7 オープンシステム接続 (OSA) 構成では、VSM GUI の VSM コンソールコマンド行インタフェースオプションを使用して、VSM コンソールに XAPI サーバーコマンドを発行できます。
VSM コンソールメニューのオプションの使用については、『VSM GUI ユーザーズガイド』を参照してください。
XCMD LIst
コマンドは、XAPI サーバーコンポーネントおよび環境の設定を表示します。XCMD LIst
コマンドは、主に StorageTek ソフトウェアサポートの指示に従って使用するように意図されています。
図に示すように、XCMD LIst
コマンドには次のパラメータが含まれます。
オプションで、すべての XAPI サーバーパラメータおよび環境変数を表示します。LIst
コマンドでパラメータが指定されていないときには、ALl
がデフォルトとなります。
オプションで、指定した (NNNN
) XAPI サーバー制御ブロックを 16 進数文字で表示します。名前 (NNNN
) または名前とインデックス (NNNN-IIII
) の組み合わせは次のとおりです。
HTTPCVT
は、メインの XAPI サーバーの共有セグメントを示します。
HTTPGBL
は、XAPI サーバーのグローバル定義を示します。
HTTPREQ-
nnn
は、XAPI サーバーの要求ブロックを示します。
HTTPAPI-
nnn
は、XAPI サーバーの API
要求ブロックを示します。
XCLIENTTABLE
は、XAPI サーバーの XCLIENT
共有セグメントを示します。
XUDBTABLE
は、XAPI サーバーの XUDB
共有セグメントを示します。
オプションで、XAPI サーバーのファイルパスを一覧表示します。
オプションで、過去 24 時間の XAPI サーバーの受け入れ履歴を一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーの LOG
設定を一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーの MAXCLients
設定を一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーの MSGLvl
設定を一覧表示します。
オプションで、関連する UNIX システムのリリースおよびリソース制限と、XAPI サーバーのリリース、バージョン、および環境設定を一覧表示します。
LIst SERVer
とともに指定された場合、PROcess
キーワードはオプションで、個々の XAPI システムプロセスを一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーの TapePlex 名を一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーのシステムタスクおよび作業タスクを、それぞれの実行統計とともに一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーの TRace
設定を一覧表示します。
オプションで、関連する XAPI サーバーの TCP/IP パラメータを一覧表示します。
LIst XApi
とともに指定された場合、IO
(または I/O
) キーワードはオプションで、XAPI サーバーの TCP/IP 統計を一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーの XCLIent
定義を一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーの XSECurity
設定を一覧表示します。
オプションで、XAPI サーバーの XUDB
定義を一覧表示します。
XCMD LOG
コマンドは、XAPI サーバーのログ設定を表示または変更します。XAPI サーバーのロギングは、オプションで、XAPI サーバーログファイルに対して TCP/IP 要求、TCP/IP 応答、XAPI サーバーのオペレータコマンド、コンソールメッセージ、およびエラーを有効にします。XCMD LOG
コマンドは、主に StorageTek ソフトウェアサポートの指示に従って使用するように意図されています。
図に示すように、XCMD LOG
コマンドには次のパラメータが含まれます。
オプションで、XAPI サーバーのログ設定を表示します。LOG
コマンドでパラメータが指定されていないときには、LIst
がデフォルトとなります。
オプションで、すべての XAPI サーバーログイベントをオフにします。
オプションで、個々の XAPI サーバーログイベントをオフまたはオンにします。最大 16 文字の「0
」と「1
」から成る文字列を入力できます。「1
」はログイベントをオンにし、「0
」はログイベントをオフにします。入力された文字列内の位置によって、個々のログイベントが次のように制御されます。
1000000000
は、XAPI サーバーのエラーメッセージを標準出力に記録します
0100000000
は、XAPI サーバーのメッセージをログファイルに記録します
0010000000
は、XAPI 入力要求エラーをログファイルに記録します
0001000000
は、XAPI recv パケットをログファイルに記録します
0000100000
は、XAPI send パケットをログファイルに記録します
0000010000
は、XCMD コマンドと応答をログファイルに記録します
注記:
現在、文字列の位置 7-16 で制御される XAPI サーバーのログ設定はありません。6 文字を超える (ただし 17 文字未満の) 文字列を入力すると、文字は検証されますが、そのあと無視されます。
LOG 0
は LOG OFF
と同等です。
以前のログ設定は、入力した設定によって完全に置き換えられます。したがって、LOG 010001
に続いて LOG 00011
を入力した場合、この 2 番目の LOG
コマンドのあとは、XAPI メッセージも XCMD
コマンドと応答もログファイルに記録されなくなります。
XAPI サーバーの起動前に環境変数 SMCVLOGFILE
を指定しておけば、XAPI サーバーログファイルのデフォルトパスをオーバーライドできます。
XAPI サーバーログファイルの場所と名前を表示するには、XCMD LIST FILES
コマンドを入力します。
XAPI サーバーの起動前に環境変数 SMCVLOG
を指定しておけば、XAPI サーバーのログ設定を設定できます。
XCMD MAXCLients
コマンドは、一度にアクティブにできる同時要求の数の上限を設定するために使用されます。MAXCLients
の制限に達すると、XAPI サーバーで受信された新しいクライアント要求には「503 Service unavailable
」という応答が返され、クライアントによる再試行が必要になります。
XAPI サーバーの MSGLvl
コマンドは、stdout
に出力するメッセージを決定するために使用されます。各 XAPI サーバーメッセージには、固定の MSGLvl
があります。XAPI サーバーの MSGLvl
がメッセージの MSGLvl
より大きい場合、そのメッセージは出力され、それ以外の場合には抑制されます。XAPI の MSGLvl
が高いほど、XAPI サーバーのメッセージングは冗長になります。
図に示すように、XCMD MSGLvl
コマンドには次のパラメータが含まれます。
オプションで、XAPI サーバーの MSGLvl
設定を表示します。MSGLvl
コマンドでパラメータが指定されていないときには、LIst
がデフォルトとなります。
オプションで、XAPI サーバーの MSGLvl
を指定します。次のように 0 - 32 の数値を入力します。
0
- 起動/停止およびエラーメッセージのみを表示します。
4
- 警告メッセージを表示します
8
- 追加のシステムステータスメッセージを表示します
> 8
- デバッグメッセージを表示します。StorageTek ソフトウェアサポートの指示でのみ使用してください。
XCMD TRace
コマンドは、XAPI サーバーのトレース設定を表示または変更します。XAPI サーバーのトレースは、オプションで、XAPI サーバーコンポーネントのトレースイベントを有効にします。XCMD TRace
コマンドは、必ず StorageTek ソフトウェアサポートの指示に従って使用するように意図されています。
図に示すように、XCMD TRace コマンドには次のパラメータが含まれます。
オプションで、XAPI サーバーのトレース設定を表示します。TRace
コマンドでパラメータが指定されていないときには、LIst
がデフォルトとなります。
オプションで、すべての XAPI サーバートレースイベントをオフにします。
オプションで、個々の XAPI サーバートレースイベントをオフまたはオンにします。最大 16 文字の「0
」と「1
」から成る文字列を入力できます。「1
」はトレースイベントをオンにし、「0
」はトレースイベントをオフにします。入力された文字列内の位置によって、個々のトレースイベントが次のように制御されます。
1000000000
は、XAPI エラーをトレースします
0100000000
は、XAPI TCP/IP コンポーネントのイベントをトレースします
0010000000
は、PGMI API コンポーネントのイベントをトレースします
0001000000
は、XAPI サーバースレッドのイベントをトレースします
0000100000
は、XAPI サーバーの malloc()
および free()
イベントをトレースします
0000010000
は、XAPI サーバーの XML 解析イベントをトレースします
0000001000
は、XAPI サーバーコマンドのイベントをトレースします
0000000100
は、XAPI サーバーのシステムモニターをトレースします
0000000010
は、XAPI サーバーの XML、CSV、およびテキスト出力コンポーネントのイベントをトレースします
0000000001
は、XAPI サーバーの論理ファイルイベントをトレースします
注記:
現在、文字列の位置 11-16 で制御される XAPI サーバーのトレース設定はありません。11 文字を超える (ただし 17 文字未満の) 文字列を入力すると、文字は検証されますが、そのあと無視されます。
TRACE 0
は TRACE OFF
と同等です。
以前のトレース設定は、入力した設定によって完全に置き換えられます。したがって、TRACE 010001
に続いて TRACE 00011
を入力した場合、この 2 番目の TRACE
コマンドのあとは、TCP/IP コンポーネントのイベントも、XAPI サーバーの malloc()
および free()
イベントも、XAPI サーバートレースファイルにトレースされなくなります。
XAPI サーバーの起動前に環境変数 SMCVTRCFILE
を指定しておけば、XAPI サーバートレースファイルのデフォルトパスをオーバーライドできます。
XAPI サーバートレースファイルの場所と名前を表示するには、XCMD LIST FILES
コマンドを入力します。
XAPI サーバーの起動前に環境変数 SMCVTRACE
を指定しておけば、XAPI サーバーのトレース設定を設定できます。
XAPI サーバーの XCLIent
コマンドは、デフォルトのサーバー XAPI プロトコルとは異なるプロトコルバージョンを使用する XAPI クライアントを定義するために使用されます。
注記:
XCLIent
コマンドは、XAPI セキュリティーが有効になっている (XSECurity ON
) 場合に、「セキュアでない」古いプロトコルを使用するクライアントを定義するためにのみ必要です。XSECurity ON
が指定されている場合、XCLIent
コマンドで定義されていないクライアントから発信される XAPI 要求では、新しい XAPI プロトコルを使用するものとみなされます。
XSECurity OFF
が指定されている場合、XCLIent
の定義は必要ありません。
図に示すように、XCMD XCLIent
コマンドには次のパラメータが含まれます。
オプションで、XAPI サーバーの XCLIent
定義を表示します。XCLIent
コマンドでパラメータが指定されていないときには、LIst
がデフォルトとなります。
オプションで、クライアントが存在する IP リゾルバホスト名 (HHHHHHHH
) を指定します。HOst
名は、TCP/IP 名前テーブル内で解決可能な名前である必要があります。次の規則が適用されます。
この値は 1 文字から 255 文字までの長さである必要があります。
最初の文字は、英字または数字のどちらかである必要があります。
最後の文字は、英字または数字のどちらかである必要があります。
最初と最後の間の文字は、アルファベット、数字、ハイフン、またはピリオドにする必要があります。
オプションで、クライアントの IP アドレス (NN.NN.NN.NN
) を指定します。
オプションで、クライアントの名前 (CCCCCCCC
) を指定します。クライアントが SMC/MVS である場合、指定された NAme
は、<client_subsystem_name>
として返された名前にする必要があります。それ以外の場合、指定された NAme
は、<client_name>
として返された名前にする必要があります。NAme
が「*
」と指定されている場合、指定した HOst
または IPaddress
からのすべての要求は、指定したプロトコルバージョンを使用しているものとして定義されます。
オプションで、指定のプロトコルバージョンの使用を許可されている特定の HOst
または IPaddress
で、XAPI 要求が発信されるクライアントポートの範囲 (NN-NN
) を指定します。有効なポートは 1 - 65535 で、範囲には 10 - 1000 個のポートを含むことができます。
オプションで、プロトコルバージョンを指定します。
「0
」は、「セキュアでない」古いプロトコルを示します。
「1
」は、新しい XAPI セキュリティープロトコルバージョンを示します。デフォルトは 0
です。
注記:
HOst
と IPaddress
は相互に排他的です。
NAme
と PORTrange
は相互に排他的です。
SMC/MVS クライアントポートを指定の範囲に制限する SMC/MVS TCPIP PORTrange
コマンドを指定した場合は、PORTrange
を使用するべきです。
XAPI サーバーの XSECurity
コマンドは、XAPI サーバーの XAPI セキュリティープロトコルをグローバルに有効または無効にするために使用されます。
XAPI セキュリティープロトコルが有効になっている場合は、XAPI サーバーで受信されたすべての要求にユーザーパスワードのセキュリティーが適用されます。
注記:
XAPI セキュリティーがグローバルに有効になっている場合は、XCLIent
定義に指定すれば、個々のクライアントを XAPI セキュリティーから「免除」できます。
XAPI セキュリティーがグローバルに有効になっている場合は、クライアントとサーバーの両方に同じユーザーおよびパスワードが定義されている必要があります。XAPI セキュリティーユーザーおよびパスワードは、通常は XUDB
定義を使用して指定されますが、Virtual Storage Manager コンソール (VSMc) での XAPI セキュリティーユーザーに関する XUDB
の注記を参照してください。
XAPI サーバーの XUDB
コマンドは、XAPI セキュリティーユーザーを追加、更新、削除、および一覧表示するために使用されます。XAPI セキュリティーユーザーリストは、クライアントとサーバーの両方によって維持されます。
注記:
クライアントとサーバーの両方で、同じ XUDB USER
を定義する必要があります。
XSECurity OFF
が指定されている場合、XUDB の定義は必要ありません。
図に示すように、XCMD XUDB
コマンドには次のパラメータが含まれます。
オプションで、XAPI サーバーの XUDB 定義を表示します。XUDB
コマンドでパラメータが指定されていないときには、LIst
がデフォルトとなります。
指定したユーザー名およびパスワードを XAPI セキュリティーユーザーリストに追加するように指定します。
追加する名前を指定します。クライアントとサーバーの両方に同じ名前とパスワードが定義されているかぎり、USER
名は定義済みの UNIX ユーザー名でなくてもかまいません。USER
名の長さは最大 20 文字です。
指定した USER
のパスワードを指定します。PASSword
の長さは最大 20 文字です。
XAPI セキュリティーユーザーリスト内の指定したユーザー名を、指定した PASSword
で更新するように指定します。
更新する名前を指定します。
指定した USER
の新しいパスワードを指定します。
XAPI セキュリティーユーザーリスト内の指定したユーザー名を削除するように指定します。
削除する名前を指定します。
XAPI セキュリティーユーザーリスト内の指定したユーザー名を一覧表示するように指定します。
一覧表示する名前を指定します。USER
が指定されていない場合は、すべての名前が一覧表示されます。
注記:
XAPI サーバーが Virtual Storage Manager コンソール (VSMc) のコンポーネントである場合、XAPI サーバーは XAPI セキュリティーユーザーの追加、更新、および削除に VSM コンソールの機能を使用します。VSM コンソール上で XUDB ADD
コマンドを発行することはできますが、XAPI セキュリティーユーザーの保守には VSM コンソールの TUI を使用することをお勧めします。
VSM コンソール上で XUDB ADD
、UPDate
、または DELete
コマンドを発行すると、VSM コンソールユーザーデータベースが更新されます。
VSM コンソールでは、XUDB LIST
コマンドは、ユーザーが VSM コンソールユーザーデータベース内に保持されていることだけを示します。
VSM コンソールに用意されている VSM GUI を使用すると、実行中のシステムログを表示して、各 VSM コンソールサーバー上で実行されている oVTCS インスタンスから生成されたコンソールオペレータメッセージを確認できます。
コンソールログを表示するには:
VSM GUI アプリケーションを起動します。
「VSM Console menu」にアクセスします。
「Console Log」タブを選択します。
「Tapeplex」メニューから TapePlex を選択して、その TapePlex からメッセージを「Console Log」に取り込みます。
次の 3 種類のメッセージが表示されます。
WTO (オペレータ宛メッセージ)
WTOR (要返信 WTO)
HILITE (強調表示 WTO)
「Console Log」ページには次の 2 つのテーブルがあります。
WTOR および HILITE テーブルには、選択された TapePlex の WTOR および HILITE メッセージが一覧表示されます。メッセージはメッセージタイプによってソートされ、最新のものがいちばん下になるように時系列順に表示されます。
一部のフィールドにはコンテキストメニューインジケータがあります。このようなフィールドを右クリックしてコンテキストメニューにアクセスすると、WTOR メッセージへの返信やメッセージの削除といったアクションを実行できます。
ログテーブルには、WTO メッセージ、および返信または削除された WTOR および HILITE メッセージが一覧表示されます。メッセージはメッセージタイプによってソートされ、最新のものがいちばん下になるように時系列順に表示されます。
VSM コンソールのコンソールログの詳細な使用方法については、『VSM GUI ユーザーズガイド』を参照してください。