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Oracle® Database Appliance X6-2S and X6-2Mデプロイメントおよびユーザーズ・ガイド
リリース12.1.2.7.0
E67091-01
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2 Oracle Database Applianceのインストールとデプロイメントの準備

次の各トピックをチェックリストとして使用して、Oracle Database Applianceの到着前に設定タスクを完了してください。

タスク:

My Oracle SupportへのサポートIDの登録

ハードウェア・サポートID (SI)をMy Oracle Supportアカウント・プロファイルに追加します。

ハードウェアSIは、Oracle Database Applianceの購入時に提供されます。新規ソフトウェア・ライセンスを取得した場合は、新規ソフトウェアSIも登録する必要があります。SIの登録プロセスは完了するまで最大24時間かかる場合があります。

注意:

登録したSIがない場合、Oracleからサポートを受けたりソフトウェアを入手することはできません。

Oracle Database Applianceの構成オプションの計画

これらのトピックは、Oracle Database Appliance構成に関する決定を行う際に役立ちます。

これらのトピックは、適切なOracle Database Applianceを選択して、デプロイメントを計画する際に役立ちます。先に進む前に、決定事項および必要な情報を記録してシステム構成チェックリストを完成させてください。

注意:

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してOracle Database Appliance上にデータベースを作成しないでください。データベース構成にはOracle Appliance Managerのみを使用してください。Oracle Appliance Managerを使用してOracle Databaseインスタンスをデプロイすると、これらのデータベースがOracle Database Appliance上で確実に正しく構成、最適化およびサポートされます。

内容は次のとおりです。

Oracle Database Appliance構成の選択

Oracle Database Appliance X6-2SとX6-2Mのハードウェア構成を比較して選択します。

Oracle Database Appliance X6-2Sは小規模な構成で、より規模の小さいまたはエントリレベルのデプロイメント用に設計されています。Oracle Database Appliance X6–2Mは、性能を重視して設計された中規模な構成です。Oracle Database Appliance X6-SをOracle Database Appliance X6-2Mに拡張または再構成することはできません。Oracle Database Appliance X6–2SとX6–2Mの構成の詳細は、Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイドを参照してください。

データベース・デプロイメント・オプションの選択

デプロイメントに使用可能なOracle Databaseエディションを確認します。

Oracle Appliance Managerでは、Oracle Database Applianceの内部にミラー化されたディスク上にOracle Databaseソフトウェアをインストールします。初期デプロイメント中に、Webコンソールでデータベース・エディションを指定します。Oracle Database Enterprise EditionとStandard Editionの両方を同じアプライアンスで使用することはできません。

次のOracle Databaseエディションを使用できます。

  • Oracle Database Enterprise Edition: Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2) Enterprise Edition、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)

    Oracle Database Enterprise Editionは、大量のオンライン・トランザクション処理(OLTP)アプリケーション、問合せ集約型のデータ・ウェアハウスおよび要求の高いインターネット・アプリケーションなどのミッションクリティカル・アプリケーションに必要な、パフォーマンス、可用性、スケーラビリティおよびセキュリティを提供します。

    • シングル・インスタンスのOracle Database Enterprise Editionホーム

    • Oracle Databaseオプションの利用が可能

  • Oracle Database Standard Edition 2: Oracle Database 12cリリース(12.1.0.2) Standard Edition 2

    Oracle Database Standard Edition 2は、ワークグループ、部門レベルおよびWebアプリケーションに、先例のない使いやすさ、処理能力とパフォーマンスを提供します。

    注意:

    サポートされるオプションおよび製品は、Oracle Databaseライセンス・ガイドを確認してください。

Oracle Database Applianceのデータベース・テンプレートの選択

Oracle Database Applianceソフトウェアには、Oracleのベスト・プラクティスが組み込まれた、様々なデータベースのクラス用に最適化された事前構成済のテンプレートが含まれています。

Oracle Database Applianceモデルが異なると、利用可能なCPU数、メモリー容量、その他リソースが異なるため、テンプレートによってはモデルでサポートされない場合があります。

各Oracle Databaseテンプレートには、様々なワークロード・プロファイルおよびパフォーマンス特性があります。

  • メモリー要件(システム・グローバル領域(SGA)とプログラム・グローバル領域(PGA)のサイズから算出)

  • 処理要件(プロセス数から算出)

  • ロギング要件(ログ・バッファ・サイズおよびオンラインREDOログ・サイズに基づく)

Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合わせてチューニングされており、特定のコア数で動作するよう設計されています。

注意:

Oracle Database Applianceテンプレートを使用することをお薦めします。これらのテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されています。

データベース・テンプレートの詳細、テンプレート選択時の考慮事項、および各テンプレートのサイズ設定の詳細は、Oracle Database Applianceのデータベース・テンプレートを参照してください。

システム要件の情報収集

Oracle Database Applianceをデプロイする前に、次のチェックリストを使用して情報を収集します。

内容は次のとおりです。

デプロイメント前に必要な情報のリスト

Oracle Database Applianceをデプロイするために準備する必要があるセキュリティ、ストレージおよびネットワーク情報を収集します。

Oracle Database Applianceハードウェアの到着前に、rootパスワードのセキュリティ要件を確認し、ストレージ要件およびネットワーク管理要件を決定して、必要な構成を完了します。

セキュリティ要件

  • Oracle Database Applianceには、どのルート・パスワードを使用する必要がありますか。ルート・パスワードは、ご使用のシステムのセキュリティ要件に従う必要があります。

  • セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基盤です。オペレーティング・システム・デプロイメントが一般的なセキュリティ・プラクティスに準拠していることを確認します。

ストレージ管理要件

ストレージ管理は、Oracle Database Applianceに統合されています。追加のストレージ構成は必要ありません。

Oracle Database Appliance X6-2SおよびX6-2Mでは、Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)またはOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)が使用され、次が含まれます。

  • 操作ファイル(オペレーティング・システム、Oracle Grid Infrastructureホーム、Oracle Databaseホーム、ツール)用の統合されたストレージ。操作ファイルは、各サーバー内のミラー化された内部システム・ディスクに格納されています。

  • DATA (ユーザー・データおよびデータベース・ファイル)

  • RECO (データベースREDOログ、アーカイブ・ログおよびリカバリ・マネージャ・バックアップ)

  • 操作ファイルは、各サーバー内のミラー化された内部システム・ディスクに格納されています。

外部、内部またはカスタムのバックアップ場所について構成できます。バックアップの場所に応じて、DATAディスクグループとRECOディスクグループ間のストレージ容量を異なる方法で分割できます。

  • 外部: ストレージ容量は、DATA用に80%およびRECO用に20%で分割されます。

  • 内部: ストレージ容量は、DATA用に40%およびRECO用に60%で分割されます。

  • カスタム: ストレージ容量は、DATA用に10%から90%およびRECO用にその残りを構成可能です。

注意:

Oracle Database Appliance X6-2SおよびX6-2Mには、3.2 TBのNon-Volatile Memory Express (NVMe) ドライブが2台、合計で6.4 TBのNVMeストレージが搭載されています。

ネットワーク管理要件

ネットワーク管理要件および推奨事項は次のとおりです。

  • パブリック・ネットワークのネットワーク・インタフェースのタイプを確認し、汎用ネットワークとパブリック・ネットワークの詳細を把握します。

  • ドメイン・ネーム・システム(DNS)サーバーを使用して、アドレスを解決することをお薦めします。

  • すべての名前は、英数字とハイフン("-")は使用できるがアンダースコア("_")は使用できないという、RFC 952標準に準拠している必要があります。

  • パブリック・インタフェースのIPアドレスを指定します。次はパブリック・インタフェースです。

    • Oracle Database Appliance X6-2S: btbond1またはsfpbond1

    • Oracle Database Appliance X6-2M: btbond1btbond2またはsfpbond1

ネットワークの設定によって、使用可能な次のいずれかのボンドを使用できます。

  • btbondは、基板に搭載されているNIC 10GBase-T (銅線)ポートに基づいたボンディング・インタフェースです。

  • sfpbondは、10GbE SFP+ (ファイバー) PCIeカードに基づいたボンディング・インタフェースです。

初期設定時にconfigure-firstコマンドを使用する場合は、パブリック・ネットワーク用のいずれかのボンディング・インタフェースを選択できます。管理、バックアップ、データ保護、その他のネットワークには、残りのいずれかのボンディング・インタフェースを使用します。Oracle Database Applianceのネットワーク接続を構成する際はネットマスクとゲートウェイの両方が必要であるため、各ネットワークにこれらを指定する準備をします。VLANはサポートされていません。

次の質問への回答

次の質問の回答を確定します。

  • ドメイン名は何ですか。

    たとえば、example.comなどです。

  • DNSを使用しますか。

    (オプション)ネットワークの構成に指定する名前とアドレスがドメイン・ネーム・システム(DNS)サーバーで構成されていることを確認してください。DNSはオプションですが、使用することをお薦めします。DNSを使用する場合は、DNSサーバー・アドレスを取得してください。DNSサーバーが使用不可能であっても、指定したアドレスは、IPの名前およびアドレスの解決を提供するために/etc/hostsファイルで構成されます。

  • 各サーバーにネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)サービスが構成されていて、各サーバーのローカル・システム時間が同期されますか。

  • パブリック・ネットワークに使用するネットワーク・インタフェースはどれですか。

    • 10GBase-T (銅線)

    • 10GbE SFP+ (ファイバー)

  • パブリック・ネットワークの詳細はどのようになっていますか。システムに接続するには、次の情報が必要です。

    • ホスト名

      例: myhost

    • IPアドレス

      例: 192.0.2.18

    • パブリック・ネットワーク用のネットマスク

      例: 255.255.252.0

    • パブリック・ネットワーク用のゲートウェイ

      例: 192.0.2.1

  • 追加ネットワークを構成できる必要がありますか。

  • Oracle Database Applianceをオペレーティング・システムとは切り離して管理するために、Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)を使用しますか。

    (オプション)ネットワーク管理者から次のILOM詳細を収集します。

    • Oracle ILOMホスト名

      例: myilom1

    • Oracle ILOM IPアドレス

      例: 10.0.0.3

    • Oracle ILOMネットワークのネットマスク

      例: 255.255.255.0

    • Oracle ILOMネットワークのゲートウェイ

      例: 10.0.0.1

システム詳細のチェックリスト

チェックリストを使用して、Oracle Database Appliance用に取得する必要があるシステム情報を収集します。システムに関する値を記録します。


表2-1 Oracle Database Applianceのシステム構成情報用のチェックリスト

システム情報 説明

ホスト名

Oracle Database Applianceシステムの名前。名前は、英数字とハイフン("-")は使用できるがアンダースコア("_")は使用できないという、RFC 952標準に準拠している必要があります。名前を数字で始めることはできません。

ドメイン名

ドメイン名。たとえば、example.comなどです。

マスター・パスワード

UNIXユーザー、oracleおよびgrid用に設定されたパスワード。パスワードは、データベースのSYSSYSTEMのパスワード、およびシステムのルート・パスワードの設定にも使用されます。提供したパスワードが一般的なセキュリティ・プラクティスに準拠していることを確認してください。

DNSサーバー

(オプション) DNSサーバーの詳細。

NTPサーバー

(オプション)ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)のサービス詳細。

リージョン

Oracle Database Applianceシステムを操作する予定のリージョン。

タイムゾーン

Oracle Database Applianceシステムを操作する予定のタイム・ゾーンを選択します。

データベース・エディション

Oracle Databaseエディション(Enterprise EditionまたはStandard Edition)を選択します。エディションを混在させることはできません。選択したデータベース・エディションによって、アプライアンスで作成するデータベース・エディションが決まります。エディションを変更するには、Oracle Database Applianceを再デプロイする必要があります。

バックアップの場所

希望のバックアップ場所を決定します: 外部、内部またはカスタム。

  • 「External」では、DATA用のストレージに80%、RECO用に20%が確保されます。

  • 「Internal」では、DATA用のストレージに40%、RECO用に60%が確保されます。

  • カスタムでは、DATA用のストレージに10%から90%、およびRECO用にその残りが確保されます。

データ用に確保されるストレージのパーセンテージ

カスタムのバックアップ場所を選択した場合は、DATAストレージ用に確保する量を決定します。パーセンテージは10から90の間の整数である必要があります。

ディスクグループ冗長性

マシンに4台のNVMeがある場合は、「normal」冗長性(双方向ミラー)または「high」冗長性(3方向ミラー)。マシンに2台のNVMeがある場合、冗長性は自動的に「normal」に設定され、このフィールドは表示されません。

ネットワーク情報

ネットワーク情報を取得します。

  • パブリック・ネットワーク(必須)

  • (オプション)追加ネットワーク

  • (オプション) Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)ネットワーク

初期データベースの詳細(デプロイメント時に作成した場合)

  • データベース名

  • 標準またはコンテナ・データベース

  • クラス(データベース・テンプレート)

  • データベース言語

  • DBバージョン

  • シェイプ(例: odb1、odb2またはodb3)

  • ストレージ(Oracle ASMまたはOracle ACFS)

  • EMコンソールの構成


注意:

ホスト名にはすべて小文字を使用することをお薦めします。

カスタム・ネットワーク・アドレス構成のチェックリスト

このトピックのチェックリストを使用して、Oracle Database Applianceに必要なIPアドレスを識別します。

注意:

デフォルトのホスト・プライベート・アドレスの変更はお薦めしません。IPアドレスの競合など、アドレスを変更するビジネス・ニーズがある場合は、Webコンソールでアプライアンスをデプロイする前にodacli update-networkを使用してプライベート・ネットワークを更新するか、odacli create-applianceコマンドを使用してホスト・プライベート・アドレスを変更してください。odacli create-applianceコマンドを使用するには、JSONファイルを作成する必要があります。

表2-2 Oracle Database ApplianceのデフォルトIPアドレス要件

IPの種類 IPアドレスのデフォルト値 自分で指定する値

クライアント・アクセス・ネットワーク

デフォルトなし

デフォルトなし

追加ネットワーク

デフォルトなし

デフォルトなし

Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)

デフォルトなし

デフォルトなし

ホスト・プライベート・アドレス

192.168.16.24

該当しない: プライベート・アドレスはデプロイメント中に定義されるため、変更しないでください。