ユーザー・アカウントとパスワードの確認

Oracle Database Configuration Assistantによって作成されたすべてのデータベースには、SYSSYSTEMおよびDBSNMPデータベース・アカウントが含まれています。

また、他の複数の管理アカウントも用意されています。これらの他のアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。

注意:

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、データベース・アカウントの完全なリストを表示します。

管理アカウントの確認

管理ユーザー名を説明します。

表8-1 管理アカウント

ユーザー名 説明 関連項目

ANONYMOUS

HTTPがOracle XML DBにアクセスすることを許可します。

『Oracle XML DB開発者ガイド』

APEX_050000

Oracle Application Expressスキーマおよびメタデータを所有するアカウント。

Oracle Application Express App Builderユーザーズ・ガイド

APEX_PUBLIC_USER

Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用するOracle Application Express構成向けに使用される、最も権限の少ないアカウント。

Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド

APPQOSSYS

Oracle Quality of Service Managementで必要なすべてのデータおよびメタデータの格納または管理に使用されます。

なし

AUDSYS

統合された監査証跡データが存在するアカウント。

『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』

CTXSYS

Oracle Textアカウント。

『Oracle Textリファレンス』

DBSNMP

Oracle Enterprise Managerの管理エージェントによりデータベースの監視および管理に使用。

『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』

DIP

Directory Integration Platform(DIP)で、Oracle Internet Directoryでの変更をデータベース内のアプリケーションと同期化するために使用。

なし

DVF

Database Vaultが所有するアカウントで、Database Vaultのファクタ値を取得するためのパブリック・ファンクションが含まれます。

『Oracle Database Vault管理者ガイド』

DVSYS

このアカウントには2つのロールが関連付けられています。Database Vault所有者ロールは、Database Vaultロールおよび構成を管理します。Database Vaultアカウント・マネージャは、データベース・ユーザー・アカウントの管理に使用されます。

注意: Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェース・テキストの一部は、DVSYSスキーマの中のデータベース表に格納されます。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。DVSYS.DBMS_MACADM.ADD_NLS_DATAプロシージャを使用して、Oracle Database Vaultに別の言語を追加できます。『Oracle Database Vault管理者ガイド』のOracle Database Vaultへの言語の追加に関する項を参照してください。

『Oracle Database Vault管理者ガイド』

EXFSYS

Expression Filterスキーマを所有。

なし

FLOWS_FILES

Oracle Application Expressのアップロードされたファイルを所有するアカウント。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』

GSMADMIN_INTERNAL

Global Data Servicesスキーマを所有する内部アカウント。ロック解除したり、データベース・ログインに使用したりしないでください。

Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド

GSMCATUSER

グローバル・サービス・マネージャがGlobal Data Servicesカタログへの接続に使用するアカウント。

Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド

GSMUSER

グローバル・サービス・マネージャがデータベースへの接続に使用するアカウント。

Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド

HR

Oracleサンプル・スキーマに含まれるHuman Resourcesスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、Sample Schemasをロードした場合のみです。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』

LBACSYS

Oracle Label Securityの管理者アカウント。

Oracle Label Security管理者ガイド

MDDATA

Oracle Spatial and Graphでジオコーダおよびルーター・データの格納に使用されるスキーマ。

『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』

MDSYS

Oracle Spatial and GraphおよびOracle Multimedia Locatorの管理者アカウント。

『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』

ORACLE_OCM

このアカウントには、Oracle Configuration Managerで使用される構成収集向けのインスツルメンテーションが含まれます。

『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』

ORDDATA

このアカウントには、Oracle Multimedia DICOMデータ・モデルが含まれます。

Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド

ORDPLUGINS

Oracle Multimediaユーザー。オラクル社が提供するプラグインとサード・パーティのプラグインは、このスキーマにインストールされます。

Oracle Multimediaユーザーズ・ガイド

ORDSYS

Oracle Multimedia管理者アカウント。

Oracle Multimediaユーザーズ・ガイド

OUTLN

主として、格納されたアウトラインに関連付けられたメタデータを管理。プラン・スタビリティをサポートしており、同じSQL文の同じ実行計画の保守が可能です。

なし

REMOTE_SCHEDULER_AGENT データベースのリモート・ジョブを無効化するアカウント。 Oracle Database管理者ガイド

SI_INFORMTN_SCHEMA

SQL/MM Still Image Standardの情報ビューを格納。

Oracle Multimediaユーザーズ・ガイド

SPATIAL_CSW_ADMIN_USR

Catalog Services for the Web(CSW)アカウント。データベースからすべてのレコード・タイプ・メタデータとレコード・インスタンスを、キャッシュされたレコード・タイプのメイン・メモリーにロードするために、Oracle Spatial and Graph CSWキャッシュ・マネージャで使用されます。

『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』

SPATIAL_WFS_ADMIN_USR

Web Feature Service(WFS)アカウント。データベースからすべてのフィーチャタイプ・メタデータとフィーチャ・インスタンスを、キャッシュされるフィーチャ・タイプのメイン・メモリーにロードする場合に、Oracle Spatial and Graph WFSキャッシュ・マネージャで使用されます。

『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』

SYS

データベース管理タスクの実行に使用。

Oracle Database管理者ガイド

SYSBACKUP

バックアップ・タスクおよびリカバリ・タスクの実行に使用されるアカウント。

『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』

(このガイド)

SYSDG

Oracle Data Guardの管理と監視に使用されるアカウント。

『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』

(このガイド)

SYSKM

暗号化鍵の管理の実行に使用されるアカウント。

『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』

(このガイド)

SYSRAC

オペレーティング・システム・ユーザーの別のグループを作成するための、限られた一連の管理タスクの実行に使用されるアカウント。

『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』

(このガイド)

SYS$UMF リモートAutomatic Workload Repository (AWR)などのRemote Management Frameworkを管理するために使用されるアカウント。 Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド

SYSTEM

データベース管理タスクの実行に使用。

Oracle Database管理者ガイド

WMSYS

Oracle Workspace Manager用のメタデータ情報の格納に使用されるアカウント。

『Oracle Database Workspace Manager開発者ガイド』

XDB

Oracle XML DBのデータおよびメタデータの格納に使用。

『Oracle XML DB開発者ガイド』

ユーザー・パスワードのロック解除およびリセット

SYSSYSTEMおよびDBSNMPを除く、すべてのOracleシステム管理アカウントのパスワードは、インストール後に取り消されます。

ロックされているアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。インストール時に事前構成済データベースを作成しても、データベースの使用に必要なアカウントのロックを解除していない場合は、次の手順を使用してアカウントをロック解除およびリセットする必要があります。

パスワードを指定する前に、次のガイドラインを参照してください。

  • パスワードの長さは8から30文字であること。

  • パスワードの1文字目には数字を使用しないこと。

  • パスワードに無効な文字列である! @ % ^ & * ( ) + = \ | ` ~ [ { ] } ; : ' " , < > ?を含めることはできません。

  • パスワードとユーザー名を同じにしないこと。

  • パスワードにはOracleの予約語を使用しないこと。

  • SYSアカウントのパスワードにはchange_on_installを使用できません。(大/小文字を区別しない)

  • SYSTEMアカウントのパスワードにはmanagerを使用できません。(大/小文字を区別しない)

  • SYSMANアカウントのパスワードにはsysmanを使用できません。(大/小文字を区別しない)

  • DBSNMPアカウントのパスワードにはdbsnmpを使用できません。(大/小文字を区別しない)

  • すべてのアカウントに同じパスワードを使用するように選択した場合は、change_on_installmanagersysmanまたはdbsnmpをパスワードとして使用することはできません。(大/小文字を区別しない)

  • パスワードには、アルファベット、数字、および特殊文字をそれぞれ1文字以上使用すること。

  • パスワードには、welcomeaccountdatabaseuserなど、単純なワードやありふれたワードを使用しないこと。

注意:

データベースをマルチテナント・コンテナ・データベースとして作成するオプションを選択した場合、プラガブル・データベース管理者パスワードを指定する必要があります。

インストール時に初期データベースを作成しても、必要なアカウントのロックを解除していない場合は、次のいずれかの方法を使用して解除します。

Enterprise Manager Database Express 12cを使用したアカウントのロック解除およびパスワードのリセット

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用してロック解除し、ユーザー・アカウント・パスワードをリセットするには、この手順を使用します。

ロック解除して、ユーザー・アカウント・パスワードをリセットする手順は、次のとおりです。

ヒント:

詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Express 12cのウィンドウで、「ヘルプ」をクリックしてください。

SQL*Plusを使用したパスワードのロック解除および変更

ユーザー・アカウント・パスワードをロック解除およびリセットするには、このSQL*Plusプロシージャを使用します。

インストール後にパスワードを変更する手順は、次のとおりです。

  1. SQL*Plusを起動します。
    C:\> sqlplus /nolog
    
  2. SYSDBAとして接続します。
    SQL> CONNECT SYS AS SYSDBA
    Enter password: SYS_password 
    
  3. 次のコマンドを入力します。accountはロックを解除するユーザー・アカウント、passwordは新規パスワードです。
    SQL> ALTER USER account IDENTIFIED BY password ACCOUNT UNLOCK;