Oracle Databaseアップグレード・ガイドのこのリリースでの変更

Oracle Databaseの新しいリリースでは、パフォーマンス、自動化およびレポート作成のアップグレードに対する改善が提供されています。

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)での変更点

次に、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)の『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』の変更点を示します。

新機能

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)の新機能

参照:

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)の新機能の詳細は、『Oracle Database新機能ガイド』を参照してください。

  • 適応オプティマイザのパラメータ

    パラメータOPTIMIZER_ADAPTIVE_PLANSおよびOPTIMIZER_ADAPTIVE_STATISTICSがOPTIMIZER_ADAPTIVE_FEATURESに置き換わります。

  • アップグレード時のユーザー表領域の読取り専用への自動設定

    パラレル・アップグレード・ユーティリティ(catctl.pl)の新しい-Tオプションを使用して、アップグレード時にユーザー表領域を自動的に読取り専用に設定できます。アップグレード後に、表領域は、自動的に読取り/書込みに戻されます。

  • Database Upgrade Assistant (DBUA)の機能拡張と変更点

    Database Upgrade Assistantにはこのリリースで多くの新機能とコードの機能拡張が含まれています。

  • Active Data Guardを使用したローリング・アップグレードの拡張機能

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)から、DBMS_ROLLING PL/SQLパッケージを使用してローリング・アップグレードを実行する場合、ブローカを無効にする必要がなくなりました。また、ブローカによって、ローリング・アップグレードの適用時期がレポートされ、そのステータスが追跡されるようになりました。ステータス情報は、DGMGRLコマンドのSHOW CONFIGURATIONおよびSHOW DATABASEの出力に表示されます。

  • 長い識別子

    Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、ほとんどの名前の長さ制限は、30バイトでした。例として、ユーザー、ロール、エディション、表、列、索引、制約、ビュー、シノニム、PL/SQLユニットの名前に加え、PL/SQLソース・テキストのすべてのタイプの名前(変数、仮パラメータ、タイプとサブタイプ、例外など)があげられます。現在、この制限は、ほとんどすべての種類の名前で128バイトに拡大されています。ただし、いくつかの例外があります。たとえば、表領域およびPDBの名前の制限は、30バイトのままです。例外については、個別に記載されています。より長い名前をディクショナリに格納する必要性は、記載されているディクショナリの適切なVARCHAR2列の幅を30バイトから128バイトに変更することによって、すでにリリース12.1で反映されています。

  • ローリング・アップグレードに対するOracle Label Securityのサポート

    Oracle Label Security (OLS)を使用するデータベースは、Oracle Data Guardデータベース・ローリング・アップグレードを使用して新しいOracle Databaseリリースおよびパッチ・セットにアップグレードできます(一時ロジカル・スタンバイ・データベースのみ)。このサポートは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上のローリング・アップグレードが対象です。

    参照:

    • 『Oracle Label Security管理者ガイド』

    • Oracle Data Guard概要および管理

  • アップグレード時のcatuppst.sqlスクリプトの自動実行

    catuppst.sqlスクリプトは、現在、アップグレードの完了後に自動的に実行されます。

  • アップグレード失敗後の自動再開

    アップグレード失敗の原因となった問題を解決した後に、失敗したアップグレードを失敗した段階から再開できます。実行されていないアップグレード・フェーズだけが再実行されるように、-Rパラメータを指定してパラレル・アップグレード・ユーティリティを実行し、失敗した時点からアップグレードを再開します。

  • パラレル・アップグレード・ユーティリティのコマンドラインの変更

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)では、シェル・コマンドdbupgradeを使用して、コマンドラインから直接パラレル・アップグレード・ユーティリティを実行できます。

  • パラレル・アップグレード・ユーティリティによるエラーが発生したデータベースのオープン状態の維持

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上では、アップグレード中にエラーが発生したアップグレード対象の非CDBおよびCDBデータベースは、現在、停止されるかわりにアップグレード・モードでオープン状態のまま維持されます。

  • パラレル・アップグレード・ユーティリティのパラメータ-nおよび-N

    パラレル・アップグレード・ユーティリティのパラメータ-nおよび-Nは、データベースのアップグレード時に使用するパラレルSQLプロセスの数を制御します。

  • パラレル・アップグレード・ユーティリティのアップグレード・エミュレーション・テスト(パラメータ-E)

    パラレル・アップグレード・ユーティリティでアップグレード・エミュレーションを実行して、パラレル・アップグレード・ユーティリティのパラメータ設定をテストできます。

  • アップグレード前情報ツールのスクリプトの変更

    アップグレード前情報ツールのスクリプトpreupgrd.sqlおよびutluppkg.sqlは、12.2リリースの一部として提供されなくなりました。これらのファイルは、両方ともアップグレード前情報ツールのpreupgrade.jarによって置き換えられました。

  • PDBアップグレードの優先度の指定

    CDBをアップグレードするとき、CDB内のPDBの優先順位を設定できます。

  • 高速ホーム・プロビジョニングでは、次の新機能が提供されます。

    • Oracle Grid Infrastructureリリース12.2、12.1.0.2および11.2.0.4のプロビジョニング、パッチ適用およびアップグレード  

    • 様々なクライアント・クラスタでの単一インスタンスのOracle Databaseのプロビジョニング  

    • Oracle Databaseのアップグレード

  • UNIFORM_LOG_TIMESTAMP_FORMATパラメータおよびISO 8601

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)では、タイムスタンプはISO 8601に準拠します。このパラメータをFALSEに設定すると、リリース12.1で使用されるタイムスタンプ形式が使用されます

  • 1回の操作による1つ以上のPDBを含むCDBのアップグレード

    1つ以上のプラガブル・データベース(PDB)が接続されたマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を1回の操作でアップグレードできます。

  • PDBのアップグレード時間の短縮

    プラガブル・データベース(PDB)をアップグレードする際に、それを下位リリースのマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)から切断し、その後上位リリースのCDBに接続することで、時間が大幅に短縮されます。

  • SQL92_SECURITYパラメータのデフォルトはTRUE

    初期化パラメータSQL92_SECURITYのデフォルト値はFALSEからTRUEに変更されています。

非推奨となった機能

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)で非推奨となった機能。

非推奨となった機能の詳細は、第8章「Oracle Database 12cリリース2 (12.2)での動作の変更、非推奨となった機能、およびサポートが終了した機能」を参照してください。

  • O7_DICTIONARY_ACCESSIBILITY初期化パラメータの非推奨

    初期化パラメータO7_DICTIONARY_ACCESSIBILITYは、このリリースでは非推奨です。この初期化パラメータは、Oracle7との下位互換性を提供していました。これは今後必要ありません。このパラメータのFALSE値によって、任意のスキーマのオブジェクトへのアクセスを許可するシステム権限の範囲が、SYSスキーマのオブジェクトに拡張されました。

  • ALTER TYPE句のALTER TYPE REPLACE構文の非推奨

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)以降、ALTER TYPE句のALTER TYPE REPLACE構文は非推奨になりました。

  • ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS初期化パラメータの非推奨

    ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS初期化パラメータはOracle Automatic Storage Management 12cリリース2 (12.2.0.1)では非推奨になりました。Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM) 12cリリース2 (12.2.0.1)から、優先読取り失敗グループの指定が自動的に行われるようになったため、ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS初期化パラメータは不要になりました。優先読取り機能を制御するには、PREFERRED_READ.ENABLEDディスク・グループ属性を使用します。

  • configToolAllCommandsスクリプトの非推奨

    configToolAllCommandsスクリプトは、インストール後のOracle製品を構成するためにレスポンス・ファイル・モードで実行します。別のパスワード・レスポンス・ファイルを使用します。Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上では、configToolAllCommandsは非推奨です。今後のリリースでサポートが終了する予定です。

    インストール・プロセスの一環として、インストール後のチェックを入手できるようになりました。Oracleではオプション-executeConfigToolsを指定して、Oracle DatabaseまたはOracle Grid Infrastructureインストーラを実行することをお薦めしています。インストール時に作成されるものと同じレスポンス・ファイルを使用して、インストール後の構成を実行できます。

  • Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、DBMS_DEBUGパッケージの使用は非推奨。

    DBMS_DEBUG_JDWPの使用をお薦めします。

  • DBMS_JOBSパッケージの非推奨

    DBMS_JOBパッケージは非推奨となり、今後のリリースではサポートされない可能性があります。

    Oracleは、より充実した機能と能力を提供するDBMS_SCHEDULERに、開発者が移行することをお薦めしています。

  • インテリジェント・データ配置の非推奨

    インテリジェント・データ配置(IDP)機能は、Oracle ASM 12cリリース2 (12.2.0.1)で非推奨になりました

  • 非CDBアーキテクチャの非推奨

    非CDBアーキテクチャはOracle Database 12cリリース1 (12.1)では非推奨で、Oracle Database 12c リリース2 (12.2)以降のリリースではサポートされず、使用できない場合があります。

    CDBアーキテクチャの使用をお薦めします。

  • Oracle Administration Assistant for Windowsの非推奨

    Oracle Administration Assistant for Windowsは、Windows上でデータベース管理者、オペレータ、ユーザーおよびロールを作成するツールです。また、データベース・サービス、起動/停止設定、そしてWindowsレジストリ・パラメータの管理もできます。Oracle Database 12cリリース2 (12.2)では、Oracle Administration Assistant for Windowsの使用は非推奨です。Oracle Administration Assistant for Windowsを使用するかわりに、ネイティブのWindows管理ツールを使用してください。

  • Oracle Data Provider for .NETの属性PromotableTransactionの非推奨

    Promotable Transaction属性は非推奨です。この属性の代替機能はありません。昇格可能なモードでトランザクションをオープンするデフォルト値を受け入れることをお薦めします。

  • oracle.jdbc.OracleConnection.unwrap()の非推奨

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上では、Javaパッケージoracle.jdbc.OracleConnection.unwrap()は非推奨となりました。Java標準メソッドのunwrap(class)を使用してこの機能を置き換えることをお薦めします。

  • oracle.jdbc.rowsetパッケージの非推奨

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上では、Javaパッケージoracle.jdbc.rowsetは非推奨となりました。この機能にかわる標準のJDBC RowSetパッケージを使用することをお薦めします。

  • Oracle Multimedia DICOMサポートの非推奨

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降では、Oracle Multimedia DICOM機能が非推奨になっています。Oracle Databaseには、DICOMサポートを代替する機能はありません。

  • Oracle Multimedia Java APIの非推奨

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上では、Oracle Multimedia Java APIは非推奨です。これらのAPIは、Javaコードで埋込みのPL/SQL無名ブロックに置き換えることをお薦めします。

  • Oracle Multimedia SQL/MM Still Image標準サポートの非推奨

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上では、Oracle Multimedia SQL/MM Still Image標準サポートは非推奨です。イメージ処理ではSQL/MM Still ImageをORDImageに置き換えることをお薦めします。Oracle Databaseにイメージ・マッチングのための代替機能はありません。OpenCVなどのイメージ・マッチング用のオープン・ソース・パッケージを使用できます。

  • Oracle SQL (oracle.sql.*)拡張機能の非推奨

    標準のJavaクラスまたはoracle.jdbc拡張機能タイプが優先され、すべてのoracle.sql.*拡張機能は、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)で非推奨となりました。

  • PARALLEL_ADAPTIVE_MULTI_USER初期化パラメータの非推奨

    代替パラメータはありません。非推奨となったことに加え、このリリースでは、このパラメータのデフォルト値がTRUEからFALSEに変更されました。Oracle Database機能のパラレル文キューイングを使用して、SQL文をパラレルに実行することをお薦めします。

  • XML DBオプションの非推奨

    次のXML DBオプションが非推奨になりました。
    • Oracle XQuery関数ora:contains。かわりにXQuery Full Textを使用してください。

    • Oracle SQL関数XMLRoot。かわりに、バージョン番号付きのSQL/XML関数XMLSerialize()を使用してください。

    • 索引構成表(IOT)として格納されたネストした表。これには、ネストした表の列Nを持つ表を作成するときに、オプションDBMS_XMLSCHEMA.REGISTER_NT_AS_IOTと句NESTED TABLE N STORE AS ... (ORGANIZATION INDEX)の両方の使用も推奨されないことが含まれます。かわりに、ネストした表の列はヒープ・ストレージを使用して格納してください(PL/SQLプロシージャDBMS_XMLSCHEMA.registerSchemaのデフォルトの動作)。

    • PL/SQLプロシージャDBMS_XSLPROCESSOR.CLOB2FILE。かわりにDBMS_LOB.CLOB2FILEを使用してください。

    • PL/SQL関数DBMS_XSLPROCESSOR.READ2CLOB。かわりにDBMS_LOB.LOADCLOBFROMFILEを使用してください。

    • Oracle XML DBでのXLinkの使用。

    • Oracle XML DB Content Connector。

  • Unicode照合アルゴリズム(UCA) 6.1照合の非推奨

    Unicode照合アルゴリズム(UCA) 6.1照合(UCA0610_*)は廃止されています。今後のリリースではサポート対象外になり、使用できなくなる可能性があります。

  • UNIFIED_AUDIT_SGA_QUEUE_SIZEの非推奨

    UNIFIED_AUDIT_SGA_QUEUE_SIZEパラメータは、非推奨となりましたが、下位互換性のために保持されています。

  • V$MANAGED_STANDBYの非推奨

    このビューは、Oracle Database 12c リリース2 (12.2.0.1)では非推奨です。かわりにV$DATAGUARD_PROCESSビューの使用をお薦めします。

  • VERIFY_FUNCTIONおよびVERIFY_FUNCTION_11Gの非推奨

    VERIFY_FUNCTIONおよびVERIFY_FUNCTION_11Gは非推奨です。ora12c_verify_functionおよびora12c_strong_verify_functionパスワード検証関数を使用して、新しいパスワードや変更されたパスワードの複雑性が十分であり、パスワードを推測してシステムに侵入しようとする侵入者を防ぐことができるかどうかを確認することをお薦めします。

  • V$MANAGED_STANDBYビューの非推奨

    V$MANAGED_STANDBYビューはOracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)では非推奨です。V$DATAGUARD_PROCESSビューの使用をお薦めします。

  • UTL_FILE_DIR初期化パラメータの非推奨

    かわりにディレクトリ・オブジェクトを使用します。

サポートが終了した機能

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)でサポートが終了した機能

サポートが終了した機能の詳細は、第8章「Oracle Database 12cリリース2 (12.2)での動作の変更、非推奨となった機能、およびサポートが終了した機能」を参照してください。

  • アドバンスト・レプリケーションのサポート終了

    アドバンスト・レプリケーションは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)でサポートが終了しました。

  • Oracle Cluster Registry (OCR)および投票ファイルのダイレクト・ファイル・システム配置のサポート終了

    Oracle Grid Infrastructure 12cリリース2 (12.2)以上では、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)でOracle Clusterwareファイルを管理することが優先され、Oracle Clusterwareファイルを共有ファイル・システムに直接配置することは非推奨となりました。Oracle Clusterwareファイルには、Oracle Cluster Registry (OCR)および投票ファイルが含まれます。

    Oracle Clusterwareファイルは共有ファイル・システムに直接配置できません。サポート対象の共有ファイル・システム(ネットワーク・ファイル・システムまたは共有クラスタ・ファイル・システム)をネイティブ・ディスク・デバイスのかわりに使用する必要がある場合は、Oracle Grid Infrastructureをインストールする前に、Oracle Clusterwareファイルをホストするために使用する予定のサポート対象のネットワーク・ファイル・システム上にOracle ASMディスクを作成する必要があります。これにより、Oracle ASMディスク・グループでOracle ASMディスクを使用して、Oracle Clusterwareファイルを管理できます。Oracleデータベース・ファイルが共有ファイル・システムに格納されている場合、データベース・ファイルをOracle ASMストレージに移動しなくても、引き続きデータベース・ファイルの共有ファイル・システム・ストレージを使用できます。

  • 次の初期化パラメータはサポートが終了しました。

    • GLOBAL_CONTEXT_POOL_SIZE初期化パラメータは削除され、このリリースでサポートが終了しました。

    • MAX_ENABLED_ROLES初期化パラメータは削除され、このリリースでサポートが終了しました。

    • OPTIMIZER_ADAPTIVE_FEATURES初期化パラメータは削除され、このリリースでサポートが終了しました。

    • PARALLEL_AUTOMATIC_TUNING初期化パラメータは削除され、このリリースでサポートが終了しました。

    • PARALLEL_IO_CAP_ENABLED初期化パラメータは削除され、このリリースでサポートが終了しました。

    • PARALLEL_SERVER初期化パラメータは削除され、このリリースでサポートが終了しました。

    • PARALLEL_SERVER_INSTANCES初期化パラメータは削除され、このリリースでサポートが終了しました

    • USE_INDIRECT_DATA_BUFFERS初期化パラメータは削除され、このリリースでサポートが終了しました。

    • サーバー側のSQLJコードはOracle Database 12cリリース2 (12.2)ではサポートされません。これは、データベース環境内で実行中のストアド・プロシージャ、関数、およびトリガーに当てはまります。

  • JPublisherのサポート終了

    Oracle JPublisherのすべての機能は、Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)でサポート対象外となりました。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)の変更内容

次に、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)の『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』の変更点を示します。

新機能

この項でOracle Database 12cリリース1の新機能を参照してください。

Oracle Database 12cには、多くの新しい機能が含まれており、その一部はアップグレードに直接影響します。アップグレード処理の新しい機能を次に示します。

参照:

Oracle Database 12cの新機能の詳細は、『Oracle Database新機能ガイド』を参照してください。

  • アップグレード前情報ツール

    アップグレード前情報ユーティリティによって、アップグレードの前と後の両方に存在する可能性のある問題に対処するための修正スクリプトが提供されます。Database Upgrade Assistant (DBUA)およびアップグレード前情報ツールは、アップグレードするデータベースの詳細なチェックを行い、問題が発見されるとそれを修正するための特別なスクリプトが生成されます。

    アップグレード前フェーズで、修正スクリプトを対話形式で実行して、検出された問題を解決できます。アップグレード後修正スクリプトは、アップグレード処理の結果に応じて生成されます。クリティカルな問題が発見されると、DBUAによって適切なスクリプトの実行が要求されます。

  • データベースのアップグレードでのパラレル処理

    Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、catupgrd.sqlアップグレード・ユーティリティがcatctl.plパラレル・アップグレード・ユーティリティで置き換えられました。パラレル・アップグレード・ユーティリティでは、データベースのアップグレードを、パラレル・モードまたはシリアル・モードで実行することを選択できます。以前のリリースでは、シリアル・モードのみが使用でき、これは、使用可能なCPU性能に関係なく、アップグレード・スクリプトと処理が順番に実行されることを意味します。

    Database Upgrade Assistant (DBUA)は、パラレル・アップグレード・ユーティリティを最大限に利用します。DBUAは、デフォルトで、パラレル・アップグレード・モードで実行されます。パラレル処理では、データベースが存在するシステムのCPU性能の使用が最適化され、データベース・アップグレードの時間が短縮されます。

    Oracle Databaseのパラレル・アップグレード・ユーティリティの概要(CATCTL.PLおよびDBUPGRADE)を参照してください。

  • アップグレード処理中にDBUAのアップグレード・ステップの再起動が可能

    このリリースには、アップグレード中の障害からのリカバリ用や障害が発生した時点のアップグレード・ステップからアップグレードを再開するための、より多くのオプションがあります。

  • 拡張されたアップグレード前およびアップグレード後のサマリー・レポート

    DBUAではアップグレードの前後にHTMLレポートが生成されます。レポートでは、無効なオブジェクトなどのデータベース・オブジェクト・ステータスの詳細を確認でき、問題を修正するための処置ができることがあります。

    「DBUAを使用したLinux、UNIXおよびWindowsシステムでのデータベースのアップグレード」を参照してください

  • Oracle Grid Infrastructureのアップグレードの拡張機能

    Oracle Database 12cでのOracle Grid Infrastructureのアップグレードには、rootスクリプトの自動化プロシージャ、フル・リリース・アップグレードおよびパッチ・アップグレードを実行するための改善された機能および改善された安定性と使い勝手のよさを提供するためのステータス・チェックおよびアップグレード・チェックポイントに対する拡張が含まれています。

    Oracle Grid Infrastructureのアップグレードの詳細は、使用しているオペレーティング・システムの『Oracle Grid Infrastructureインストレーションおよびアップグレード・ガイド』を参照してください。

  • プラガブル・データベース

    プラガブル・データベース(PDB)機能は、Oracle Database 12cリリース1の新機能です。

    Oracle Databaseは、マルチテナント・アーキテクチャを使用します。マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を構成して、1つのPDBを含めることができます。Oracle Multitenantオプションを購入すると、CDB内に複数のPDBを含めることができます。マルチテナント・アーキテクチャの主な利点の1つは、CDBに対してアップグレードまたはパッチを適用でき、そのアップグレードやパッチがそのCDB内のすべてのPDBに実装されることです。これによってアップグレードの管理が非常に容易になります。

    PDBを使用する際の概要およびドキュメント・ロードマップについては、『Oracle Database概要』を参照してください。

  • アップグレード時のOracle XML Databaseのインストール

    Oracle XML DBをアンインストールすることはできず、新しいデータベースの作成時にこれを含まないためのオプションはありません。アップグレード時にOracle XML DBが見つからない場合、Oracle XML DBはSYSAUX表領域に自動的にロードされます。アップグレードされたOracle DatabaseにはOracle XML DBが含まれます。

    Oracle XML DBの新機能の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。

非推奨となった機能

Oracle DatabaseおよびOracleアップグレード処理で非推奨となった機能を確認してください。

アップグレード処理に直接影響する非推奨になった1つ以上の機能に加え、このリリースには、Oracle Databaseの様々な機能の非推奨とそれらの機能に対する代替機能が含まれています。

  • catupgrd.sqlアップグレード・スクリプトはOracle Database 12cでは非推奨です。パラレル・アップグレード・ユーティリティ(catctl.pl)によってcatupgrd.sqlが置き換えられました。

  • 付録A「以前のリリースのOracle Databaseの変更点」で、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)のアップグレード後の動作に影響を与える変更点について説明しています。

  • 非CDBアーキテクチャの非推奨

    非CDBアーキテクチャはOracle Database 12cリリース1では非推奨で、Oracle Database 12c リリース2より後ではサポートされず、使用できない場合があります。

    CDBアーキテクチャの使用をお薦めします。

サポートが終了した機能

Oracle Database 12cリリース1でサポートが終了した機能の包括的なリストは、付録A「以前のリリースのOracle Databaseの変更点」で提供されています。

使用しているデータベース環境に影響する変更に関する章全体を確認することをお薦めします。