検出の前に多数の共通の問題領域を自動的に確認するために、検出事前チェック・スクリプトを使用できます。
Oracle Enterprise Manager 13c上でOracle SuperCluster検出を行うと、ソフトウェア設定時の構成の不一致のために問題が発生することがあります。検出事前チェック・スクリプトは、共通する構成上の問題のほとんどを解決するのに役立ちます。Oracle SuperCluster検出の前にこのスクリプトを実行して、出力を確認してから、Oracle Enterprise Managerでの検出を続行します。
最適な検索結果を得るには、スクリプトを実行してすべての問題(無視できるものもあります)を解決し、プロセスを正常に終了します。
スクリプトは、Enterprise Managerエージェントのバンドルに含まれています。
スクリプトを実行するには、次のコマンドを入力します。
$ cd <エージェント・インストール・ディレクトリ>/plugins/oracle.sysman.si.discovery.plugin_13.2.2.0.0/discover
$ perl ./sscDiscoveryPrecheck.pl
オプション・パラメータのヘルプを確認するには、次のコマンドを入力します。
$ perl ./sscDiscoveryPrecheck.pl --help
スクリプトを実行すると、様々な入力を要求されます。スクリプトにより、すべての組込みチェックが実行され、重要なメッセージが標準出力で表示されます。詳細情報はログ・ファイルに格納され、実行エラーをデバッグするために使用できます。
検出事前チェック・スクリプトにより、次のチェックが実行されます。
実行環境およびネットワーク
ネットワーク構成(IP、ホスト名の有効性、ping)
ハードウェアのモニタリング資格証明(オプション)
詳細なハードウェアまたはソフトウェアのチェック(資格証明が必要な場合があります)
モニタリングするtargetsExadataセル管理のILOMバージョン、およびセル・サーバーのバージョンとステータスが適切かどうか
PDUファームウェア・バージョン、トラップおよびNMSテーブル可用性
IPMIツール・バージョン
Oracle SuperClusterの検出に必要な資格証明は、次のとおりです。
表16-1 SSC検出の資格証明
ターゲット・タイプ | 資格証明 |
---|---|
システム・インフラストラクチャ・サーバー |
ILOMモニタリング資格証明、SNMP資格証明 |
システム・インフラストラクチャ・インフィニバンド・スイッチ |
ILOMモニタリング資格証明、SNMP資格証明 |
システム・インフラストラクチャCISCOスイッチ |
CiscoスイッチIOS資格証明、SNMP資格証明 |
システム・インフラストラクチャZFS記憶域アプライアンス・コントローラ |
ZFS SAストレージ・コントローラSSH資格証明 |
システム・インフラストラクチャPDU |
HTTPモニタリング資格証明、SNMP資格証明 |
Oracle Exadata Storage Server |
Exadata権限付きの資格証明、SNMPコミュニティ文字列。これにより、SNMPサブスクリプションを使用できますが、使用できるのは1回のみです。モニタリングには、より低い権限を持つ他の資格証明を使用します。 |
ホスト |
エージェント・ホスト・ユーザー資格証明。この資格証明には、ストレージ・セルへのパスワードなしのアクセスを設定する必要があります。 |
個々のOracle SuperClusterシステムにおけるコンピュート・ノードおよびExadataセルのホスト名に、一意の接頭辞が付いていることを確認してください。
ターゲットの管理には、複数のEnterprise Managerエージェントを使用することをお薦めします。Oracle Supercluster検出プロセスの前にエージェントをデプロイします。Enterprise Managerエージェントは、管理する予定の仮想化プラットフォームごとにデプロイする必要があります。
図16-2は、Oracle SuperCluster検出のワークフローを示したものです。
Oracle SuperClusterシステムを検出するには、次の手順を実行します。
Enterprise Managerにログインします。
「設定」で、「ターゲットの追加」、「ターゲットの手動追加」の順にクリックします。
「概要」セクションで、「ガイド付きプロセスを使用したターゲットの追加」をクリックします。
「ガイド付きプロセスを使用した追加」画面で、「Oracle SuperCluster」までスクロールして、「追加」をクリックします。Oracle SuperCluster検出ウィザードが開きます。
概要ウィザードによって、Oracle Enterprise ManagerでOracle SuperClusterを検出するために必要な手順が示されます。検出プロセスを続行するには、「次」をクリックします。
注意:
ガイド付き検出プロセスでは、Oracle Enterprise Managerエージェントがコンピュート・ノードにすでにデプロイされているとみなします。コンピュート・ノード上の仮想化スタックをモニタリングするには、Enterprise Managerエージェントがデプロイされている必要があります。
注意:
DBドメイン上で実行されるデータベース・インスタンスをモニタリングする場合は、データベースがインストールされているすべてのゾーンおよびゲストLDOM上に、Enterprise Managerエージェントをインストールする必要があります。
「検出入力」画面で、必要な情報を入力します。
「エージェントEMD URL」フィールドで、検索アイコンをクリックして、エージェントを選択します。
注意:
エージェントは、Oracle SuperClusterインフィニバンド・スイッチのいずれかと同じネットワーク上にある必要があります。
「プライマリ・ドメインのホスト名」フィールドで、Oracle SuperClusterシステムの設定時にOneCommand実行に使用されたプライマリ・ドメインのホスト名を指定します。
注意:
このドメインは、システム・ターゲットの検出に使用されます。これは1回かぎりの操作です。検出では、特権ユーザー(root)資格証明を使用して、システムの詳細およびOneCommandディレクトリ(/opt/oracle.SupportTools/onecommand)内のcatalog.xmlファイルまたはdatabasemachine.xmlファイルを検出する必要があります。前述の構成ファイルが最新であるかを確認することをお薦めします。
「資格証明」フィールドで、「新規」を選択して資格証明を作成します。
既存の資格証明をすでに持っている場合は、「名前付き」をクリックします。
「ユーザー名」フィールドに、root権限を持つユーザーの名前を入力します。
「パスワード」フィールドに、コンピュート・ノードのパスワードを入力します。
後で使用するために資格証明を保存するには、「別名で保存」をクリックします。
「インフィニバンド・スイッチ・ホスト名」フィールドに、インフィニバンド・スイッチのDNS名またはIPアドレスを入力します。
「資格証明」フィールドで、「新規」を選択して資格証明を作成します。
既存の資格証明をすでに持っている場合は、「名前付き」をクリックします。
「ユーザー名」フィールドに、インフィニバンド・スイッチのILOMに接続するためのユーザー名を入力します。
「パスワード」フィールドに、インフィニバンド・スイッチILOMのパスワードを入力します。
「実行権限」フィールドで、「なし」を選択します。
後で使用するために資格証明を保存するには、「別名で保存」をクリックします。
(オプション)接続をテストするには、「接続テスト」をクリックします。
「次へ」をクリックして次の手順に進みます。Oracle SuperCluster検出プロセスが開始されます。検出が完了すると、確認ウィンドウに検出されたターゲット数が表示されます。ウィンドウを閉じるには、「閉じる」をクリックします。
検出の前提条件の画面が開きます。検出の基本情報が表示されます。検出プロセスで警告およびエラーが発生したら、それも表示されます。「次へ」をクリックして続行します。
注意:
エラーが発生した場合は、エラーを修正してから次のステップに進むことができます。警告の表示後に続行するには、警告を慎重に読んで理解します。
「検出されたターゲット」画面に、Oracle SuperClusterシステムで検出されたすべてのターゲットがリストされます。すべてのターゲットがデフォルトで選択されます。「管理対象」列は、ターゲットがEnterprise Managerによってすでに検出、管理されているかどうかを示します。検出およびモニタリングの対象としないターゲットの選択を解除します。
検出されたターゲットを既存のSuperClusterシステム・ターゲットに関連付けるには、名前を指定するか、ターゲット・セレクタを使用して既存のシステムを選択することができます。新たに検出されたハードウェアがシステムの既存メンバーであるラックに属している場合は、ラックが更新されます。
「次へ」をクリックします。
「モニタリング・エージェント」画面では、以前の手順で選択したターゲットに、モニタリングおよびバックアップのエージェントを割り当てることができます。検出ウィザードは、最高のパフォーマンスと信頼性を求めて、使用できるエージェントを自動的に割り当てます。Enterprise Managerでまだ管理されていないターゲットについては、必要に応じて、デフォルトのエージェント以外のエージェントを手動で選択できます。すべてのターゲット・グループ内のエージェントがある最初のドロップダウン選択の横にあるボタンを使用して、ターゲットのグループ(コンピュート・ノードなど)のすべてのターゲットに、同じプライマリまたはバックアップ・モニタリング・エージェントを割り当てることができます。自動的に割り当てられたエージェントを、ページの上隅にある「リセット」ボタンを使用してリセットできます。エージェントの選択が終了したら「次」をクリックします。
注意:
エージェントは同じネットワーク上にあり、ターゲットに到達できる必要があります。ターゲットに対して選択されたエージェントは、1つのコンピュート・ノードが停止した場合に障害が発生しないように、別々のコンピュート・ノード上に存在する必要があります。
「モニタリング資格証明」画面に、ターゲットをモニターするために使用される資格証明がリストされます。情報がないターゲットのモニタリング資格証明を変更または指定するには、「編集」をクリックします。「次」をクリックします。
注意:
インフィニバンド・ネットワーク・スイッチを検出するには、rootのユーザー名とパスワードを使用します。
注意:
「モニタリング・エージェント・ホスト」セクションで、指定のホストでEMエージェントを実行しているユーザーのユーザー名とパスワードを入力します。
注意:
同じターゲット・タイプのすべてのターゲットに同じ資格証明を使用するには、すべてに使用オプションを選択します。
注意:
「確認」画面が表示される前に、検証が実行されて、Enterprise Managerでハードウェアに関連するインシデントを表示できるように、Solarisホストが正しく構成されたかどうかがわかります。「確認」画面でこの検証の結果を確認できます。Solarisホストがインシデントの送信に対して適切に構成されていない場合、Enterprise Managerのインシデントとしてのディスク、メモリーおよびその他のハードウェア障害時に、Solaris OSで生成されたFMAアラートが表示されません。この構成はSuperCluster検出を終了するために必須ではありませんが、お薦めします。Solarisホストのインシデントを構成する方法を確認するには、「Solarisホストのインシデントの有効化」を参照してください。
システム・レビューの画面で、システム情報を検討します。「テスト接続」をクリックして、選択されたすべてのターゲットについて指定された資格証明が適切かどうかを確認します。
「ターゲットの昇格」をクリックして、ターゲットを作成および管理します。これが完了するまで数分かかる場合があります。プロセス中に発生したエラーは、すべて通知されます。1つ以上のエラーがある場合、ターゲットは作成されません。すべてのエラーを修正して、検出を再実行します。プロセスがエラーなしで完了すると、ターゲットが管理され、Oracle SuperClusterシステムに、そのターゲットがすべて表示されます。
注意:
Oracle SuperCluster検出ウィザードでは、ハードウェア・ターゲットが検出されなかった場合、任意の画面に戻って入力データを修正したり、問題のあるハードウェアの選択を解除したりした後、検出に戻ることができます。システムの不足しているターゲットを検出するために、後で検出を再実行できます。
この時点で、Oracle SuperClusterはEnterprise Managerによって検出およびモニターされます。システムで実行されているデータベース・クラスタを検出およびモニターする場合、Oracle Exadata Database Machine検出に進む必要があります。