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Oracle® Enterprise Manager Cloud管理ガイド
13c リリース2
E78872-08
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14 DBaaSクラウドの有効化

この章では、DBaaSクラウドを有効化するために必要な初期構成について説明します。

内容は次のとおりです。

14.1 はじめに

この項では、プライベート・データベース・クラウドの設定を開始するために実行する必要のある手順のリストを示すことで開始を支援します。データベース・クラウドを設定する前に、「共通設定タスク」で説明した共通設定タスクを完了する必要があります。

表14-1 DBaaSの開始

ステップ タスク ロール

1

管理対象ホストで権限委任設定を構成します。「権限委任設定の構成」を参照してください

スーパー管理者

2

プロビジョニング資格証明の設定「プロビジョニング資格証明の設定」を参照してください

セルフ・サービス管理者

3

セルフ・サービス管理者

4

リスナーを構成します。「Oracleリスナーの構成」を参照してください。

セルフ・サービス管理者

5

スナップ・クローン・プロファイルを使用する場合、ストレージ・サーバーを登録する必要があります。「ストレージ・サーバーの登録および管理」を参照してください。

セルフ・サービス管理者

14.2 プロビジョニング用の資格証明の設定

管理対象サーバーまたはデータベースで操作を実行する前に、Enterprise Managerがターゲットへの接続に使用する資格証明を定義する必要があります。

次のタイプの資格証明を設定する必要があります。

  • 通常の資格証明は、データベース・ソフトウェアのプロビジョニングおよびデータベースの作成に使用されるホスト・オペレーティング・システムの資格証明です。たとえば、oracle/<login password>などです。これらの資格証明は、データベース・プールの作成時に保存され、EM_SSA_USERがデータベースまたはスキーマをリクエストする場合に使用されます。

  • 特権資格証明は、rootスクリプトの実行といった特権的な処理を行うために使用するホスト・オペレーティング・システムの資格証明です。これらの資格証明は、ソフトウェアのデプロイ(デプロイメント中のroot.shを実行するため)、記憶域ボリュームのマウントとアンマウント(スナップショットを使用して作成されたデータベースのため)などに使用されます。プールがスナップショットを使用したデータベースを作成するために使用される場合、これらの資格証明はデータベース・プールとともに保存されます。

  • データベースSYSDBA資格証明は、Schema as a Serviceデータベース・プールに対して使用および保存されます。これらの資格証明は、Schema as a Serviceにのみ必要です。

注意:

ホストでOracleホームを所有する同じOSユーザーがデータベースを作成することが推奨されます。

名前付き資格証明の作成手順:

  1. EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つ管理者でEnterprise Managerにログインします。
  2. 「設定」メニューから、「セキュリティ」「名前付き資格証明」の順に選択します。
  3. 名前付き資格証明ページで、「作成」をクリックします。
  4. 「資格証明名」および「資格証明の説明」を入力します。「認証ターゲット・タイプ」フィールドを「ホスト」に、「有効範囲」フィールドを「グローバル」を設定します。「資格証明プロパティ」セクションで、「ユーザー名」および「パスワード」を入力します。特権資格証明を設定する必要がある場合は、「実行権限」フォールドで、「sudo」または「PowerBroker」を選択し、「別名実行」および「プロファイル」フィールドに値を入力します。
  5. 「テストと保存」をクリックします。
  6. これらの資格証明をホスト・ターゲットで確認し、「OK」をクリックします。

14.3 Database as a Serviceのデータベース・ソフトウェアのプロビジョニング

データベースをサービスとして有効化するためには、その前にデータベース・ソフトウェアがすべてのホストにプロビジョニングされている必要があります。データベース・ソフトウェアは、EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つ管理者により、次の方法でプロビジョニングできます。

  • プロビジョニング・プロファイル

    • プロビジョニング・プロファイルを使用して、既存のデータベースのゴールド・イメージを取得します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

    • プロビジョニング・プロファイルを使用し、クラスタウェア/ASMまたはグリッド・インフラストラクチャ(Real Application Clusterデータベースの場合)およびデータベースのOracleホームをプロビジョニングします。この方法により、データベース・プロビジョニングおよびOracleホームのインストールの一環として、必要なデータベース・プラグイン(データベース・プラグインのモニタリング機能部分)が、管理エージェント上にデプロイされます。

      プロビジョニング・プロファイルを作成するには、「エンタープライズ」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択して、次に「データベースのプロビジョニング」を選択して、使用するデータベース・プロビジョニングのデプロイメント・プロシージャを選択します。「Oracleデータベースのプロビジョニング」またはOracle RACデータベースのプロビジョニングのいずれかのデプロイメント・プロシージャを選択できます。

      注意: 新規データベースをこのデプロイメント・プロシージャの一部として作成しないでください。

  • データベース・インストーラの使用

    • 「設定」メニューで、「拡張性」「プラグイン」の順に選択して、SSA (Enterprise Manager for Oracle Cloud)プラグイン一式をPaaSインフラストラクチャ・ゾーンのすべての管理エージェントにデプロイします。

    • クラスタウェア/ASMまたはグリッド・インフラストラクチャ・インストーラを実行して、クラスタとASM (RACデータベースの場合)を設定します。

    • データベース・インストーラを実行して、すべてのホスト上でデータベース・ソフトウェアのみのインストール・オプションを選択します。

    • クラスタを検出します。「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択し、次に「ガイド付きプロセスを使用して非ホスト・ターゲットを追加(関連ターゲットも追加)」を選択します。

      次のオプションを選択します。
      • クラスタを検出する場合はOracleクラスタおよび高可用性サービス。

      • ASMおよびリスナーを検出する場合はOracleデータベース、リスナーおよび自動ストレージ管理。

    • 「エンタープライズ」メニューから「ジョブ」「ライブラリ」の順に選択して、「Oracleホーム昇格ターゲットの検出」ジョブを送信しても、Oracleホームを追加できます。

データベース・ソフトウェアのプロビジョニングの詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

14.4 Schema as a Serviceのデータベースのプロビジョニング

Schema as a Serviceの場合、単一インスタンスまたはRACデータベースをデプロイする必要があります。データベースをデプロイするには、Oracleデータベースのプロビジョニング・デプロイメント・プロシージャを使用する必要があります。詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

14.5 PDB as a Serviceのコンテナ・データベースのプロビジョニング

注意:

プラガブル・データベース(PDB)をプロビジョニングする必要がある場合には、コンテナ・データベースを作成する必要があります。

Oracle Databaseには、Oracle Netクライアントに個別のデータベースとして表示される、スキーマ、スキーマ・オブジェクト、および非スキーマ・オブジェクトのポータブル・コレクションを含めることができます。この自己完結型コレクションは、プラガブル・データベース(PDB)と呼ばれます。マルチテナントのコンテナ・データベース(CDB)は、1つ以上のPDBを含むデータベースです。

CDBを作成するには、Database Configuration Assistant(DBCA)またはCREATE_DATABASE SQL文のいずれかを使用します。詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。作成したCDBには、ルートとシードが含まれます。ルートにはユーザー・データが最小限含まれているかまったく含まれず、シードにはユーザー・データは含まれていません。

PDBにはユーザー・データが含まれています。CDBを作成したら、次のオプションのいずれかを使用して、PDBをCDBに追加できます。

  • 新規PDBを作成します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

  • 切断されたPDBをCDBに接続します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Lifecycle Managementの管理者ガイドを参照してください。

14.6 Oracleリスナーの構成

Enterprise Managerターゲットに追加する前に、OracleホームおよびOracleリスナーを構成する必要があります。

データベース・ホストにOracleリスナー(リスナー)を設定するには、次の手順に従います。

  1. EM_SSA_ADMINISTRATORロールを持つユーザーでログインし、「ホストの追加」に記載されているように、新規に追加されたホストで、データベース・ホームのマス・デプロイメントを実行します

  2. データベース・インスタンスが生成されているものと同じOracleホームから実行されているリスナーを設定するには、Bashシェルを起動して次のコマンドを入力します。

    1. <AGENT_BASE>/agent_inst/bin/emctl stop agent

    2. export TNS_ADMIN=<DB_HOME_LOCATION>/network/admin

    3. export ORACLE_HOME=<DB_HOME_LOCATION>

    4. $ORACLE_HOME/bin/netcaを実行し、リスナーを作成します。すべてのホストが同じリスナー名とリスナー・ポートであることを確認してください。

  3. 単一インスタンスの高可用性(Single Instance High Availability: SIHA)のOracleホームから実行されているリスナーを設定するには、Bashシェルを起動して次のコマンドを入力します。

    1. export ORACLE_HOME=<SIHA_HOME_LOCATION>

    2. $ORACLE_HOME/bin/netcaを実行し、リスナーを作成します。すべてのホストが同じリスナー名とリスナー・ポートであることを確認してください

  4. DBAAS_ADMIN_ROLEを持つユーザーでログインし、すべてのホストで新規に追加されたリスナー・ターゲットを検出します。「設定」メニューから、「ターゲットの追加」を選択し、「ターゲットの手動追加」を選択します。

  5. 「ガイド付きプロセスを使用して非ホスト・ターゲットを追加(関連ターゲットも追加)」オプションを選択し、「ターゲット・タイプ」に「Oracle Database」、「リスナー」および「自動ストレージ管理」を選択し、ガイドされた検出の追加をクリックし、ウィザードの手順に従います。新しいリスナー・ターゲットを追加するには、リスナーのORACLE_HOMEが正しいORACLE_HOMEの場所を指していることを確認します。このプロセスにより、データベース・プールの作成時に使用されるOracleホーム・ターゲットが追加されます。