この章では、Enterprise Manager Cloud Controlで提供されているMiddlewareプロビジョニング・ソリューションを使用してSOAドメインまたはOracleホームあるいはその両方をプロビジョニングする方法について説明します。
注意:
SOAドメイン/Oracleホームをプロビジョニングする前に、パッチ20046866および20046898をダウンロードして適用する必要があります。
この章では次のトピックについて説明します。
注意:
Enterprise Managerでは、バージョン12.2.1.3.0以上の SOA、OSBドメイン・ターゲットのドメイン・プロファイルの作成はサポートされていません。「ボタンの作成」をクリックしてそのようなプロファイルを作成しようとすると、エラーが発生します。
表25-1 SOAプロビジョニングの概要
手順 | 説明 | 参照リンク |
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手順1 |
ユースケースの選択 この章では、Oracle SOAドメインおよびOracle SOAホームのプロビジョニングに関連するユースケースを示します。ご自身の要件に最適なユースケースを選択してください。 |
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手順2 |
ミドルウェア・プロファイルをプロビジョニングするための前提条件 Fusion Middlewareデプロイメント・プロシージャを実行する前に、満たす必要があるいくつかの前提条件があります。 |
SOAドメインまたはホームをプロビジョニングするための前提条件の詳細は、SOAドメインおよびOracleホームのプロビジョニングを開始する前にを参照してください。 |
手順3 |
Fusion Middlewareデプロイメント・プロシージャの実行 このデプロイメント・プロシージャを実行して、WeblogicドメインまたはOracleホームあるいはその両方を正常にプロビジョニングします。 |
インストール・メディア・プロファイルまたはOracleホーム・プロファイルからのプロビジョニングの詳細は、インストール・メディアに基づくプロファイルまたはOracleホームに基づくプロファイルからの新しいFusion Middlewareドメインのプロビジョニングを参照してください。 WebLogicドメイン・プロファイルのプロビジョニングの詳細は、既存のOracleホームからのFusion Middlewareドメインのプロビジョニングを参照してください。 既存のホームからのプロビジョニングの詳細は、既存のWebLogicドメインに基づくプロファイルからのクローニングを参照してください。 SOAドメインからスケール・アウトするには、Fusion Middlewareドメインのスケール・アップ/スケール・アウトを参照してください。 |
この項では、プロビジョニング前のソース環境に含まれるミドルウェア・コンポーネントおよびFusion Middlewareのプロビジョニング・デプロイメント・プロシージャの実行後にプロビジョニングされるコンポーネントについて説明します。主に、通常のSOAトポロジを使用して、ここでは2つのユースケースを説明します。最初のユースケースは、インストール・メディアに基づくプロファイルまたはOracleホームに基づくプロファイルで開始し、新しいドメインまたはOracleホームあるいはその両方をプロビジョニングする新しいプロビジョニングです。2番目のユースケースは、既存のSOAドメインのクローニング方法を説明します。
この項では、次の項目について説明します。
新しいSOAプロビジョニング・ユースケースの場合、開始する前に、次のトポロジ要件を満たしていることを確認する必要があります。
Oracle HTTP Serverがインストールおよび検出されています。
仮想IPアドレス1および仮想IPアドレス2がすでに予約されています。
APPHOST1およびAPPHOST2をCloud Controlで検出する必要があります。
データベースを検出している必要があります。
注意:
Oracle HTTP Server、APPHOST1、APPHOST2およびRACデータベースをCloud Controlで管理対象ターゲットとしてモニターしていることを確認してください。
Fusion Middlewareデプロイメント・プロシージャの実行後、接続先環境の緑色のボックス内に表示されるすべての製品がプロビジョニングされます。
SOAクローニング・ユースケースの場合、開始する前に次のトポロジ要件を満たしていることを確認してください。
Oracle HTTP Serverがインストールおよび検出されています。
仮想IPアドレス3および仮想IPアドレス4がすでに予約されています。
APPHOST3およびAPPHOST4をCloud Controlで検出する必要があります。
データベースをクローニングおよび検出する必要があります。
ソース環境をOracle IDで構成する場合、OIDをクローニングおよび検出する必要があります。
注意:
Oracle HTTP Server、APPHOST3、APPHOST4およびRACデータベースをCloud Controlで管理対象ターゲットとしてモニターしていることを確認してください。
クローニングの場合、WLS_SOA1およびWLS_SOA2はAPPHOST1およびAPPHOST2の一部であり、それぞれAPPHOST3およびAPPHOST4にクローニングされます。RAC DBは個別にクローニングされます。
次の表にリストされているバージョンは、SOAプロビジョニングをサポートします。
製品 | バージョン |
---|---|
Oracleリポジトリ作成ユーティリティ(RCU) |
11g |
Oracle SOA |
12c、11g |
ミドルウェア・プロファイルの作成およびこれらのプロファイルからのプロビジョニングを実際に開始する前に注意する事項があります。
特に、この項には次のトピックが含まれます:
通常のデータ・センターでは、デプロイメント・プロシージャの主なユーザーはデザイナ(主任管理者)およびオペレータです。デプロイメント・プロシージャの権限では、ユーザーは、設計時アクティビティ(プロファイルの作成、プロファイルのアクセス権の付与、プロファイルのロックダウンの作成など)や実行時アクティビティ(ソフトウェア・アプリケーションのプロビジョニングを行うデプロイメント・プロシージャの実行など)を実行できます。
Middlewareプロビジョニングでは、次のロールを持つ管理者を作成する必要があります。
ロール: EMスーパー管理者
表25-2は、Middlewareプロビジョニングの管理者を作成できるロールを示しています。
表25-2 必要なロールを持つ管理者の作成
Enterprise Managerロール | 説明 |
---|---|
EM_PROVISIONING_DESIGNER |
ロールは、プロビジョニング・デザイナ用の権限を持ちます。 |
EM_PROVISIONING_OPERATOR |
ロールは、プロビジョニング・オペレータ用の権限を持ちます。 |
これらのロールを持つ管理者の作成手順は、Enterprise Managerユーザー・アカウントの作成を参照してください。
通常のオペレーティング・システム・ユーザー・アカウント(Oracle)の名前付き資格証明および特権ユーザー・アカウント(root)の名前付き資格証明を設定してEnterprise Manager Cloud Controlのプロビジョニング・タスクを実行することをお薦めします。
名前付き資格証明の設定手順は、資格証明の設定を参照してください。
このユースケースは、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの初めてのインストールおよびWebLogicドメインの初めてのプロビジョニングを実行する方法を説明します。これはデータ・センターに既存のドメインがない場合または既存のドメインに基づいてプロビジョニング・プロファイルからクローニングしない場合に特に役立ちます。次の手順を実行します。
注意:
Windowsマシンを使用してSOAドメインをプロビジョニングする場合、ソースSOAドメインを検出した後、ノード・マネージャを停止し、その場合のみSOAドメイン・プロファイルの作成を続行する必要があります。
このユースケースは、パッチが適用されている可能性がある既存のOracleホーム(SOA)からゴールド・イメージを作成し、Oracleホーム・プロファイルを使用してこれをプロビジョニングする方法を説明します。これは新しいWebLogicドメインの使用に関係なくOracle Fusion Middlewareソフトウェアをインストールする必要がある場合に特に役立ちます。
EM_PROVISIONING_DESIGNER
ロールでログインして、Oracleホーム(SOA)・プロファイルを作成します。これを行うには、Middlewareプロビジョニング・プロファイルの作成で説明されている手順に従います。このユースケースは、既存のWebLogicドメインに基づいてプロビジョニング・プロファイルからWebLogicドメインをクローニングする方法を説明します。これはOracle Fusion Middlewareソフトウェアをインストールして新しいWebLogicドメインを構成する必要がある場合に特に役立ちます。
EM_PROVISIONING_DESIGNER
ロールでログインして、WebLogicドメイン・プロファイルを作成します。これを行うには、WebLogicドメインに基づくプロビジョニング・プロファイルの作成で説明されている手順に従います。そのままプロビジョニングしたい(プロファイルを作成する必要がない)Oracleホームがある場合、Fusion Middlewareのプロビジョニング・プロシージャのOracleホーム・ソース・ターゲットを選択してこれを実行できます。詳細は、既存のOracleホームからのFusion Middlewareドメインのプロビジョニングを参照してください。
SOAドメインをスケール・アップして1つ以上の管理対象サーバーを含むには、Middlewareプロビジョニング・ページの「デプロイメント・プロシージャ」表からミドルウェアのスケール・アップ/スケール・アウト・プロシージャを実行します。詳細は、Fusion Middlewareドメインのスケール・アップ/スケール・アウトを参照してください。
データベースは、ドメインがクローニングされるのと同時にソース・ドメインからクローニングできます。データベースをクローニングするには、ソース・データベースをEnterprise Manager内の管理対象ターゲットとして検出する必要があります。これは、ソース・データベースのプロファイルの作成とプロファイルのプロビジョニングから構成されます。
データベース・クローニング方法の概要は、従来のクローニング方法の概要を参照してください。
WebLogic Serverドメイン、SOA、Oracle Service Bus、WebCenterのデータベース・クローニングは次の方法で実行できます。
ユーザーは、プロビジョニングの前にソース・ドメインから宛先ドメインにデータベースを手動でクローニングできます。宛先データベースは、元のデータベースからスキーマを継承します。
ユーザーはデータベースのメタデータをプロビジョニングの一部としてエクスポートすることを選択できます。これにより、ドメインのクローニングに必要な製品メタデータがエクスポートされます。ユーザーは、アプリケーション関連のスキーマを後でクローニングできます。メタデータのエクスポートはSOAリリース11g以上でサポートされ、スキーマの作成はSOAリリース12c以上でサポートされています。
注意:
WebLogicドメインをクローニングする場合は、プロビジョニングする前に、データベース全体とスキーマを宛先ドメインにクローニングする必要があります。そうしないと、クローニングが失敗します。
次の表では、それぞれのドメインとリリースについて、サポートされるデータベース・クローニング・プロセスとスキーマのマッピングをリストします。
表25-3 SOAドメインでサポートされるデータベース・クローニング・プロセスとスキーマ
ケース | SOA 12c | SOA 11g |
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ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中にスキーマのない空のデータベースを提供します。スキーマは、リリース12c以上のプロビジョニング・ユーザー・インタフェースを介して作成されます。 |
可 |
不可 |
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中に事前作成された空のスキーマを持つ空のデータベースを作成します。 |
可 |
可 |
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中にクローニングされたデータベースを作成します。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、スキーマのない空のデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、スキーマを持つ空のデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、クローニングされたデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
可 |
可 |
表25-4 Service Busドメインでサポートされるデータベース・クローニング・プロセスとスキーマ
ケース | Service Bus 12c | Service Bus 11g |
---|---|---|
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中にスキーマのない空のデータベースを提供します。スキーマは、リリース12c以上のプロビジョニング・ユーザー・インタフェースを介して作成されます。 |
可 |
不可 |
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中に事前作成された空のスキーマを持つ空のデータベースを作成します。 |
可 |
可 |
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中にクローニングされたデータベースを作成します。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、スキーマのない空のデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、スキーマを持つ空のデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、クローニングされたデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
可 |
可 |
表25-5 WebCenterドメインでサポートされるデータベース・クローニング・プロセスとスキーマ
ケース | WebCenter 12c | WebCenter 11g |
---|---|---|
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中にスキーマのない空のデータベースを提供します。スキーマは、リリース12c以上のプロビジョニング・ユーザー・インタフェースを介して作成されます。 |
可 |
不可 |
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中に事前作成された空のスキーマを持つ空のデータベースを作成します。 |
可 |
可 |
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中にクローニングされたデータベースを作成します。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、スキーマのない空のデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、スキーマを持つ空のデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
不可 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、クローニングされたデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
可 |
可 |
注意:
WebCenterの場合、メタデータのエクスポートではなく、データベースをクローニングすることをお薦めします。
表25-6 JRFドメインでサポートされるデータベース・クローニング・プロセスとスキーマ
ケース | JRF |
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ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中にスキーマのない空のデータベースを提供します。スキーマは、リリース12c以上のプロビジョニング・ユーザー・インタフェースを介して作成されます。 |
不可 |
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中に事前作成された空のスキーマを持つ空のデータベースを作成します。 |
不可 |
ユーザーは、プロファイルの作成中にメタデータをエクスポートし、プロビジョニング中にクローニングされたデータベースを作成します。 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、スキーマのない空のデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、スキーマを持つ空のデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
不可 |
プロファイルの作成中にメタデータはエクスポートされず、クローニングされたデータベースがプロビジョニング中に作成されます。 |
可 |
注意:
メタデータには、MDS (メタデータ・サービス)およびOPSS (Oracle Platform Security Services)データが含まれています。