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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control拡張プログラマーズ・リファレンス
13c リリース2
E92082-01
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19 receiveletの使用

この章の構成は、次のとおりです。

19.1 receiveletについて

Receiveletは、サード・パーティのネットワーク要素から送信された外部の通知をEnterprise Managerが受信できるようにするライブラリです。このような通知は、管理エージェントからのリクエストなしで非同期に送信されます。

通常、管理エージェントのデータ取得のメカニズムは、ポーリング・モデル、すなわちfetchletと呼ばれるモジュラー・ライブラリに基づきます。fetchletは、管理対象ターゲットから定期的に様々なメトリックの値を収集します。その後、収集されたデータが管理エージェントによってユーザー定義のしきい値と比較され、しきい値に達している場合はイベントが生成されます。

Receiveletを使用すると、これらのメトリックをより効率的に処理できます。管理対象ターゲットの機能に依存して独自のイベントの状態を検出し、イベントが発生したときにのみEnterprise Managerと通信します。この通信が発生した場合、管理エージェントはreceiveletを使用して情報を受信します。

receiveletを使用すると、最終的にfetchletを介して収集されるデータのアラートをより早く取得することができます。また、アラートとデータの両方を送信したり、実際のデータのグラフがアラートに関連付けられていない場合にアラートのみを送信する手段として、receiveletを使用できます。

fetchletのかわりには使用できませんが、receiveletはデータ収集のもう1つの手段です。fetchletによる定期的なポーリングと比較すると、receiveletの方が通知の即時性が高くなります。このため、データをフェッチできる場合は、fetchletを使用してデータを取得してください。ただし、サーバーがイベントやデータをfetchletよりも低コストで送信できる場合は、receiveletを使用してください。

receiveletは、特定のタイプの管理対象ターゲットと密接に結合している場合や、幅広い潜在的ターゲットに役立つ場合があります。

次の項で説明するように、Enterprise ManagerではSNMP receiveletが提供されています。

19.2 SNMP receivelet

SNMP receiveletを使用すると、サード・パーティのネットワーク要素からSNMPトラップの通知を受信し、Oracle Management Service (OMS)と互換性のある形式に変換できます。

管理対象環境でサード・パーティのエンティティを監視している間に、サード・パーティ・エンティティがEnterprise Managerに通知を送信する場合、サード・パーティ・エンティティのSNMPエージェントは通知を管理エージェントに送信します。これらの通知はSNMPトラップの形式であり、この形式は、管理エージェントからの要求なしに非同期的にトリガーされます。

これらのトラップはSNMPに基づいているため、管理エージェントは、SNMP receiveletを使用して、これらのSNMPトラップを受信し、OMSと互換性のある形式に変換します。

SNMPトラップを受信すると、SNMP receiveletは、ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルの<PushDescriptor>セクションで定義されているオブジェクトID(OID)に関連する情報のみを抽出します。ターゲット・タイプ・メタデータ・ファイルの詳細は、「ターゲット・タイプ・メタデータ・ファイルの作成」を参照してください。

SNMP receiveletを使用してネットワーク要素を管理する場合は、担当する管理エージェントのSNMP receiveletにトラップを送信するように、要素のSNMPエージェントを構成する必要があります。このようなトラップを受信すると、SNMP receiveletはこれらをEnterprise Manager形式(push descriptor情報に基づくイベントやデータ・ポイントなど)に変換し、その情報をアップロード・ディレクトリに(XMLファイルで)格納します。Upload Managerは、アップロード・ディレクトリにあるこのような新しいファイルをチェックし、OMSにアップロードします。その後、Enterprise ManagerはOMSにアクセスして、収集された情報を抽出してユーザーに表示します。

SNMPトラップの受信

SNMPトラップを受信するには、管理エージェント側およびSNMPターゲット・エージェント側で、いくつかの構成設定を行う必要があります。

この設定により、SNMPターゲットは、SNMP receiveletにSNMPトラップを送信できるようになります。SNMPトラップを受信すると、SNMP receiveletはMatchAgentAddrやMatchEnterpriseなどのPush Descriptorプロパティを使用して、トラップが属するターゲットおよびメトリックを識別します。次に、SNMP receiveletはEventmetric-columnまたはEventmetric-columnOID、SeverityCodeなどのPush Descriptorプロパティを使用して、トラップをイベントに変換します。この変換が行われると、変換されたイベントがSNMP receiveletによって管理リポジトリにアップロードされ、Cloud Controlコンソールで使用できるようになります。

管理エージェント側で必要な構成設定

デフォルトでは、SNMP receiveletは管理エージェントと同じポートのUDPでリスニングします。ただし、SNMP receiveletに異なるリスニング・ポートを使用する場合は、emd.propertiesファイル内でSnmpRecvletListenNIC(=8002)エントリを追加してください。

SNMPターゲット・エージェント側で必要な構成設定

SNMPターゲット・エージェントを、トラップをSNMPターゲット・エージェントのホスト名とポートに送信するように構成します。

入力パラメータ

表19-1 SNMP receiveletの入力パラメータ

パラメータ 説明 使用

MatchEnterprise

String

注意: SNMPv1トラップのみと一致するPush Descriptor用。

送信するトラップを定義するためのOID。

注意: MatchEnterpriseが存在する場合、MatchGenericTrapとMatchSpecificTrapも含める必要があります。

必須(SNMPv1)

MatchGenericTrap

String

汎用SNMPトラップのコード。

必須(SNMPv1)

MatchSpecificTrap

String

(汎用トラップのいずれでもない)MIBで定義されたトラップ、そのMIBで割り当てられたID。

必須(SNMPv1)

MatchTrapOID

String

注意: SNMPv2またはSNMPv3トラップと一致するPush Descriptor用。

SNMPv2またはSNMPv3トラップの場合、これはトラップのMIB定義でNOTIFICATION-TYPEに割り当てられているOIDです。

必須(SNMPv2、SNMPv3)

MatchAgentAddr

String

生成するSNMPエージェントの、トラップで送信される際のIPアドレス。

必須

MatchVarBind

String

このパラメータが存在する場合、その値はOIDです。他のMatch*パラメータと一致するトラップを受信した場合も、受信したvarbindリストにこのOIDがある必要があります。そうでない場合、Enterprise Managerイベントまたはデータ・ポイントは生成されません。

オプション

UseCredential

String

資格証明の使用を指定します。TRUEに設定されている場合、receiveletは、receiveletにCredentialRefとして送信された一連のターゲットSNMPv3Credsを使用してSNMPv3トラップを受け入れます。また、UseCredentialが設定されている場合、文字列プロパティ"hostname"と数値プロパティ"PORT"が指定されている必要があります。その値は、エンジンIDの検出に使用されます。

オプション

Eventmetric-column

String

このトラップの受信時に、receiveletによってこのメトリック列で重大度が生成されるように指定します。metric-columnの値は、このパラメータの値である必要があります。(Enterprise Managerメトリックに必要な値がトリガーするSNMP変数と同じでない場合に便利です。)

必須(イベントの生成が必要な場合)。ただし、Eventmetric-columnOIDが指定されている場合は必須ではありません。

Eventmetric-columnOID

String

このトラップの受信時に、receiveletによってこのメトリック列で重大度が生成されるように指定します。メトリック列の値は、このパラメータの値と等しいOIDを使用するトラップのvarbindから取得する必要があります。

必須(イベントの生成が必要な場合)。ただし、Eventmetric-columnが指定されている場合は必須ではありません。

SeverityCode

String

重大度が生成されるレベルを指定します。このパラメータの値は、CRITICAL、WARNINGまたはCLEARにする必要があります。

注意: トラップの受信時にイベントが生成されるようにする場合は、SeverityCodeまたはSeverityCodeOIDが存在する必要があります。ただし、Push Descriptorがメトリック・データ・ポイントを生成(および1つ以上のDatametric-columnOIDプロパティを指定)する場合は、SeverityCodeまたはSeverityCodeOIDプロパティは設定できません

必須。ただし、SeverityCodeOIDが指定されている場合、またはPush Descriptorがメトリック・データ・ポイントを生成している場合は必須ではありません。

SeverityCodeOID

String

重大度が生成されるレベルを指定します。このパラメータの値と等しいOIDを使用するトラップのvarbindが文字列CRITICAL、WARNINGまたはCLEARのいずれかである場合、そのレベルで重大度が生成されます。いずれでもない場合、重大度は生成されません。(このパラメータは、Enterprise Manager専用にトラップを設計する場合のみ使用されますが、この場合は役に立ちます。)

注意: トラップの受信時にイベントが生成されるようにする場合は、SeverityCodeまたはSeverityCodeOIDが存在する必要があります。ただし、Push Descriptorがメトリック・データ・ポイントを生成(および1つ以上のDatametric-columnOIDプロパティを指定)する場合は、SeverityCodeまたはSeverityCodeOIDプロパティは設定できません

必須。ただし、SeverityCodeが指定されている場合、またはPushDescriptorがメトリック・データ・ポイントを生成している場合は必須ではありません。

Datametric-columnOID

String

このトラップの受信時に、メトリック列の値をこのパラメータの値と等しいOIDを使用するトラップのvarbindから取得する必要があるメトリックで、receiveletがデータ・ポイントを生成するように指定します。(SNMP Push Descriptorには多数のData*パラメータがある可能性があります。その場合は、指定されたすべての列がトラップの適切なvarbindから移入されて、単一の行が戻されます。SNMP PushDescriptorには、Data*パラメータとSeverity*パラメータの両方がない場合や、複数のSeverity*パラメータがない場合があります。)

必須(データ・ポイントの生成が必要な場合)。

Keymetric-columnOID

String

このPush Descriptorによって生成された重大度またはデータ・ポイントには、このメトリック列のキー値が含まれている必要があります。キー値は、このパラメータの値と等しいOIDを使用するトラップのvarbindから取得する必要があります。メトリック定義に含まれるそれぞれのキー列に対して、Push DescriptorにKey*パラメータが必要です。

オプション

Contextmetric-columnOID

String

Push Descriptorによって重大度が生成される場合、重大度のイベント・コンテキストにこのメトリック列の値が含まれている必要があります。値は、このパラメータの値と等しいOIDを使用するトラップのvarbindから取得する必要があります。Push Descriptorによってデータ・ポイントが生成される場合、このパラメータは無視されます。

オプション。これは重大度にのみ使用できます。

次の例は、ベンダー固有のルーターからのトラップを示しています。

例: ベンダー固有のルーターからのトラップ

ascendLinkDown    TRAP-TYPE 
   ENTERPRISE     ascend 
   VARIABLES     { ifIndex, ifAdminStatus, ifOperStatus, ifType, 
                   ifName } 
   DESCRIPTION    "This trap is in addition to the generic linkDown 
            trap defined in RFC1215.  This trap provides 
            additional information such as ifAdminStatus, 
            ifOerStatus, ifName, slotIfSlotIndex, slotIfItemIndex. 
            This is an Alarm class trap and it can 
            be enabled/disabled via alarmEnabled and/or 
            ascendLinkDownTrapEnabled in trap profile. 
            This trap is sent only if rfc1215 linkDown trap is generated." 
   ::= 50 

次の例は、管理エージェントによるこのトラップの受信方法を示しています。この例の<x>は、問題のある特定のインタフェースを識別するifIndexの値です。

例: 管理エージェントによって受信されるトラップ

Message: 
    version: 0 
    community: 'public' 
    Trap-PDU: 
        enterprise: enterprises.ascend (1.3.6.1.4.1.529) 
        agent-addr: 138.2.204.10 
        generic-trap: 6 
        specific-trap: 50 
        time-stamp: <timestamp from router's sysUptime> 
        variable-bindings: 
            Name: ifIndex.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.<x>) 
            Type: INTEGER 
            Value: <x> 

            Name: ifAdminStatus.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.<x>) 
            Type: INTEGER 
            Value: up (1) 

            Name: ifOperStatus.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.8.<x>) 
            Type: INTEGER 
            Value: down (2) 

            Name: ifType.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.3.<x>) 
            Type: INTEGER 
            Value: iso88023-csmacd (7) 

            Name: ifName.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.31.<x>) 
            Type: DisplayString 
            Value: 'eth0' 

次の例は、ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルでメトリックを定義する方法を示しています。

例: ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルで定義されたメトリック

<Metric NAME="interfaces" TYPE="TABLE"> 
    <TableDescriptor> 
        <ColumnDescriptor NAME="name" TYPE="STRING" IS_KEY="TRUE"/> 
        <ColumnDescriptor NAME="type" TYPE="NUMBER" IS_KEY="FALSE"/> 
        <ColumnDescriptor NAME="status" TYPE="NUMBER" IS_KEY="FALSE"/> 
        <ColumnDescriptor NAME="configured_status" TYPE="NUMBER" IS_KEY="FALSE"/> 
    </TableDescriptor> 
</Metric> 

SNMPV1トラップを受信するには

次の例は、重大度をトリガーするためにターゲット・タイプのメタデータ・ファイルでpush descriptorを定義する方法を示しています。

例: 重大度をトリガーするためのターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのPush Descriptor

<PushDescriptor RECVLET_ID="SNMPTrap"> 
   <Property NAME="MatchEnterprise" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.4.1.529</Property> 
   <Property NAME="MatchGenericTrap" SCOPE="GLOBAL">6</Property> 
   <Property NAME="MatchSpecificTrap" SCOPE="GLOBAL">50</Property> 
   <Property NAME="MatchAgentAddr" SCOPE="INSTANCE">AdminAddress</Property> 
   <Property NAME="SeverityStatusOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.8</Property> 
   <Property NAME="KeyNameOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.31</Property> 
   <Property NAME="ContextTypeOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.3</Property> 
   <Property NAME="ContextConfigured_statusOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.7</Property> 
   <Property NAME="SeverityCode" SCOPE="GLOBAL">CRITICAL</Property>
   <CredentialRef NAME="monCreds">monCredentials</CredentialRef>
</PushDescriptor>

次の例は、ifNameをキー列および他の3つをデータ列として使用して、同じトラップでのデータのレポートを指定するデータ・ポイントをトリガーするために、ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルでpush descriptorを定義する方法を示しています。

例: データ・ポイントをトリガーするためのターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのPush Descriptor

<PushDescriptor RECVLET_ID="SNMPTrap"> 
   <Property NAME="MatchEnterprise" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.4.1.529</Property> 
   <Property NAME="MatchGenericTrap" SCOPE="GLOBAL">6</Property> 
   <Property NAME="MatchSpecificTrap" SCOPE="GLOBAL">50</Property> 
   <Property NAME="MatchAgentAddr" SCOPE="INSTANCE">AdminAddress</Property> 
   <Property NAME="KeyNameOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.31</Property> 
   <Property NAME="DataStatusOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.8</Property> 
   <Property NAME="DataTypeOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.3</Property> 
   <Property NAME="DataConfigured_statusOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.7</Property>
<CredentialRef NAME="monCreds">monCredentials</CredentialRef> 
</PushDescriptor> 

SNMPV2通知を受信するには

次の例は、重大度をトリガーするためにターゲット・タイプのメタデータ・ファイルでpush descriptorを定義する方法を示しています。

例: 重大度をトリガーするためのターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのPush Descriptor

<PushDescriptor RECVLET_ID="SNMPTrap">
   <Property NAME="MatchTrapOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.4.1.529.50</Property>
   <Property NAME="MatchAgentAddr" SCOPE="INSTANCE">AdminAddress</Property>
   <Property NAME="SeverityStatusOID"
   SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.8</Property>
   <Property NAME="KeyNameOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.31</Property>
   <Property NAME="ContextTypeOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.3</Property>
   <Property NAME="ContextConfigured_statusOID"
   SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.7</Property>
   <Property NAME="SeverityCode" SCOPE="GLOBAL">CRITICAL</Property>
   <CredentialRef NAME="monCreds">monCredentials</CredentialRef>
</PushDescriptor>

次の例は、ifNameをキー列および他の3つをデータ列として使用して、同じトラップでのデータのレポートを指定するデータ・ポイントをトリガーするために、ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルでpush descriptorを定義する方法を示しています。

例: データ・ポイントをトリガーするためのターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのPush Descriptor

<PushDescriptor RECVLET_ID="SNMPTrap">
   <Property NAME="MatchEnterprise" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.4.1.529</Property>
   <Property NAME="MatchGenericTrap" SCOPE="GLOBAL">6</Property>
   <Property NAME="MatchSpecificTrap" SCOPE="GLOBAL">50</Property>
   <Property NAME="MatchAgentAddr" SCOPE="INSTANCE">AdminAddress</Property>
   <Property NAME="KeyNameOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.31</Property>
   <Property NAME="DataStatusOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.8</Property>
   <Property NAME="DataTypeOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.3</Property>
   <Property NAME="DataConfigured_statusOID"
   SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.7</Property>
   <CredentialRef NAME="monCreds">monCredentials</CredentialRef>
</PushDescriptor>

SNMPV3通知を受信するには

次の例は、重大度をトリガーするためにターゲット・タイプのメタデータ・ファイルでpush descriptorを定義する方法を示しています。

例: 重大度をトリガーするためのターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのPush Descriptor

<PushDescriptor RECVLET_ID="SNMPTrap">
   <Property NAME="MatchTrapOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.4.1.529.50</Property>
   <Property NAME="MatchAgentAddr" SCOPE="INSTANCE">AdminAddress</Property>
   <Property NAME="SeverityStatusOID"
   SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.8</Property>
   <Property NAME="KeyNameOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.31</Property>
   <Property NAME="ContextTypeOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.3</Property>
   <Property NAME="ContextConfigured_statusOID"
   SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.7</Property>
   <Property NAME="SeverityCode" SCOPE="GLOBAL">CRITICAL</Property>
   <Property NAME="hostname" SCOPE="INSTANCE">snmpHost</Property>
   <Property NAME="PORT" SCOPE="INSTANCE">snmpPort</Property>
   <CredentialRef NAME="monCreds">monCredentials</CredentialRef>
</PushDescriptor>

次の例は、ifNameをキー列および他の3つをデータ列として使用して、同じトラップでのデータのレポートを指定するデータ・ポイントをトリガーするために、ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルでpush descriptorを定義する方法を示しています。

例: データ・ポイントをトリガーするためのターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのPush Descriptor

<PushDescriptor RECVLET_ID="SNMPTrap">
   <Property NAME="MatchEnterprise" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.4.1.529</Property>
   <Property NAME="MatchGenericTrap" SCOPE="GLOBAL">6</Property>
   <Property NAME="MatchSpecificTrap" SCOPE="GLOBAL">50</Property>
   <Property NAME="MatchAgentAddr" SCOPE="INSTANCE">AdminAddress</Property>
   <Property NAME="KeyNameOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.31</Property>
   <Property NAME="DataStatusOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.8</Property>
   <Property NAME="DataTypeOID" SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.3</Property>
   <Property NAME="DataConfigured_statusOID"
   SCOPE="GLOBAL">1.3.6.1.2.1.2.2.1.7</Property>
   <Property NAME="hostname" SCOPE="INSTANCE">snmpHost</Property>
   <Property NAME="PORT" SCOPE="INSTANCE">snmpPort</Property>
   <CredentialRef NAME="monCreds">monCredentials</CredentialRef>
</PushDescriptor>

次の例は、ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルでmonCredentialsを定義する方法を示しています

例: ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのmonCredentials

<CredentialInfo>
    <CredentialSet NAME="monCredentials" USAGE="MONITORING">
       <AllowedCredType TYPE="SNMPV1Creds" />
       <AllowedCredType TYPE="SNMPV3Creds" />
    </CredentialSet>
</CredentialInfo>

各ターゲットのSNMPV1CredsまたはSNMPV3Creds値は、Cloud Controlコンソールで「設定」「セキュリティ」「監視資格証明」の順に選択して設定します。

SNMPV1トラップまたはSNMPV2通知を受信するには、SNMPV1Credsを選択する必要があります。SNMPV1Credsを選択すると、コミュニティ文字列パラメータ値が求められます。ユーザーは適切なコミュニティ文字列値を設定する必要があります。

SNMPV3通知を受信するには、SNMPV3Credsを選択する必要があります。SNMPV3Credsを選択すると、ユーザー名、認証パスワード、認証プロトコル、プライバシ・パスワードの各パラメータ値が求められます。ユーザーは使用するsecLevelに応じて、必要な値を設定する必要があります。

例: 管理エージェントによって受信されるSNMV1トラップ

Message:
version: 0
community: 'public'
Trap-PDU:
enterprise: enterprises.ascend (1.3.6.1.4.1.529)
agent-addr: 138.2.204.10
generic-trap: 6
specific-trap: 50
time-stamp: <timestamp from router's sysUptime>
variable-bindings:
Name: ifIndex.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.<x>)
Type: INTEGER
Value: <x>
Name: ifAdminStatus.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.<x>)
Type: INTEGER
Value: up (1)
Name: ifOperStatus.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.8.<x>)
Type: INTEGER
Value: down (2)
Name: ifType.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.3.<x>)
Type: INTEGER
Value: iso88023-csmacd (7)
Name: ifName.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.31.<x>)
Type: DisplayString
Value: 'eth0'

例: 管理エージェントによって受信されるSNMV2/SNMPV3通知

Message: Recevied from address 138.2.204.10 (ip address from UDP layer)
version: 1 (or 3 i.e 1 for snmpv2 and 3 for snmpv3 notification)
Security params : (community if SNMPV2, SNMPV3 security params if SNMPV3)
Trap-PDU:
variable-bindings:
Name: sysUpTime.0 (.1.3.6.1.2.1.1.3.0)
Type: INTEGER
Value: 43053404
Name: snmpTrapOID.0 (1.3.6.1.6.3.1.1.4.1.0)
Type: Object Identifier
Value: 1.3.6.1.4.1.529.50
Name: ifAdminStatus.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.<x>)
Type: INTEGER
Value: up (1)
Name: ifOperStatus.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.8.<x>)
Type: INTEGER
Value: down (2)
Name: ifType.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.3.<x>)
Type: INTEGER
Value: iso88023-csmacd (7)
Name: ifName.<x> (1.3.6.1.2.1.2.2.1.31.<x>)
Type: DisplayString
Value: 'eth0'

注意

  • ターゲット・タイプのメタデータ・ファイルにはpush descriptor定義のある複数のメトリックを含めることができます。また、1つのメトリックに複数のpush descriptorを添付することができます。

  • イベント形式の場合、表19-1で説明されているとおりに、push descriptorが1つのメトリック列を示す1つのEvent*パラメータのみを定義していることを確認します。イベントpush descriptorは、AlertContextの一部として送信する追加のメトリック列値を示す、1つ以上のContext*パラメータを持つことができます。

  • データ・ポイント形式の場合、表19-1に説明され、この章の「データ・ポイントをトリガーするためのターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのPush Descriptor」の例および「データ・ポイントをトリガーするためのターゲット・タイプのメタデータ・ファイルのPush Descriptor」の例に示されているとおりに、push descriptorが1つ以上のData*プロパティを定義していることを確認します。