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Oracle® Fusion Middleware Siebel環境とEnterprise Data Qualityの統合と構成
12c (12.2.1.2.0)
E88279-01
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1 Enterprise Data Quality Siebelコネクタの統合の計画

この章は、Enterprise Data Quality (EDQ) Siebelコネクタのインストールおよび既存のSiebelサーバーへの統合を準備するのに役立ちます。

この章の内容は次のとおりです。

EDQ Siebelコネクタは、Siebelサーバーに常駐し、リアルタイム(レコードをSiebelに挿入および更新)およびバッチ(Siebelのデータで定期的なデータ品質ジョブを実行)データ品質サービスのため、EDQとの通信を有効にするスモール・フットプリント・アプリケーションです。リアルタイム・サービスを有効にするため、EDQ Siebelコネクタは、Siebelファンクション・コールをEDQのWebサービス・リクエストに変換します。バッチ・ジョブでは、EDQジョブがSiebel Data Quality Managerから呼び出され、共有ステージング・データベースを使用して、データがSiebelとEDQの間で渡されます。

1.1 Enterprise Data Quality Siebelコネクタの理解

EDQ Siebelコネクタは、EDQジョブ(バッチの照合およびヘルス・チェック)およびWebサービス(リアルタイムのクレンジングおよび照合)を呼び出します。共有ステージング・データベースを使用して、バッチ・ジョブの実行時にデータをSiebelとEDQ-CDSの間で渡します。

1.1.1 EDQ Siebelコネクタのアーキテクチャの概要

EDQ Siebelコネクタのアーキテクチャを次の図に示します(EDQサーバーが1台と想定)。

図1-1 EDQ Siebelコネクタのアーキテクチャ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 EDQ Siebelコネクタのアーキテクチャ」の説明

インストール前に、Siebelのユニバーサル・データ品質インタフェースについてよく理解することが重要です。詳細は、Siebel Data Quality管理ガイドを参照してください

1.1.2 Siebel CRMでのEDQ-CDSの使用

EDQをデプロイして、Siebel Customer Relationship Management (CRM)環境のデータの品質を保護および監視できます。Siebel CRMに付加されたEDQは、次を行うことができます。

  • すべての新規および更新レコードをシステム内の他のレコードと自動的に照合することにより、重複連絡先、アカウントおよび潜在顧客レコードのシステムへの追加を防止

  • システムに入力または更新されるアカウント、連絡先、潜在顧客および住所データを標準化

  • 重複の特定およびクレンジングのバッチ・タスクを実行

  • 1回限りおよび定期的にアカウント、連絡先、潜在顧客および住所データの品質を評価

Siebel CRMには管理するデータのセットが1つしかないため、EDQのデプロイメントは簡単です。レコードがSiebel CRMに追加または更新された場合、EDQのリアルタイム・インタフェースを使用して、データが標準化され、既存のデータと照合されます。

また、EDQのリアルタイム・インタフェースはクレンジング(標準化)のバッチ・タスクにも使用されます。Siebelは、バッチ処理用に選択された各レコードをEDQクレンジングWebサービスに送信します。

重複の特定およびデータ品質ヘルス・チェックのバッチ・ジョブ(完全バッチまたは増分バッチ)では、EDQバッチ・インタフェースが使用されます。この場合、照合またはヘルス・チェックのドライバおよび候補レコードが共有ステージング・データベースに書き込まれます。次に、EDQはこれらのレコードでバッチ・ジョブを実行し、一致したレコードが共有ステージング・データベースに書き戻され、Siebelがレコードを結合します。

1.1.3 Siebel UCMでのEDQ-CDSの使用

Siebel Universal Customer Master (UCM)でデプロイされたEDQは、ハブの重要な照合エンジンを提供します。レコードがソース・システムに追加または更新された場合、マスター・データの品質およびソース・データ・レコードとのリンクを維持するため、Siebel UCMのマスター・データと自動的に照合されます。

Siebel UCMに提供されるEDQサービスは、追加のUCM機能を介してSiebel CRMで提供されるEDQサービスと同じです。ただし、追加のUCM機能を使用して、レコードのサバイバーシップおよびレコードの生成が管理されます。また、Siebel UCMは、EDQが指定されたしきい値を超える一致スコアを返した場合の自動照合をサポートします。


注意:

UCMのバッチ・ワークフローにより、EDQのリアルタイム・インタフェースが呼び出され、標準化および照合が行われます。これにより、複数のレコードがハブにロードされ、既存のマスター・データと自動的に照合され、リコンサイルされます。EDQのバッチ・インタフェースをSiebel UCMから呼び出すこともできますが、マスター・データ・レコードでしか動作しません。

1.1.3.1 大量のデータの移行

大量のデータ・レコード(1,000万件を超えるレコード)をSiebel UCMに移行する場合、UCMのバッチ・ワークフローとリアルタイム・インタフェースを使用して照合するのではなく、(通常はSiebelのEIMインタフェースから)Siebelにロードする前にEDQのレコードを照合し、マージすることをお薦めします。各レコードをそれまでにハブにロードされたレコードと連続的に照合するのではなく、範囲内のレコードを互いに照合し、すべての一致を1回の操作で見つけることから、照合プロセスの効率が大幅に向上します。

1.2 Siebelサーバーおよびインスタンスの確認

EDQ Siebelコネクタをインストールする前に、Siebelサーバーおよびサーバーに常駐するインスタンスが次の基準に適合していることを確認する必要があります。

  • EDQ-CDS 12c (12.2.1.2)では、リリース12cのEDQ Siebelコネクタ(EDQ 12.2.1に付属)が必要です。

  • Siebel CRMまたはUCMバージョン8.1以降およびSiebel Data Qualityのライセンス。

  • Java Runtime Environment (JRE)バージョン7以降がSiebelサーバーにインストールされている必要があります。

  • デプロイされているJREのバージョンがSiebelがサポートするサーバーのアーキテクチャに適合している必要があります。たとえば、Siebelは32ビット版のWindowsのみをサポートするため、32ビット版のJREがインストールされている必要があります。

1.3 EDQ Siebelコネクタの統合の準備

SiebelインスタンスをOracle Enterprise Data Quality Customer Data Services Pack (EDQ-CDS)と統合する場合、必要なコンポーネントを次の順番でインストールおよび構成することをお薦めします。

  1. EDQ-CDSパックをEDQサーバーにインストールします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Enterprise Data Qualityカスタマ・データ・サービス・パック・ガイド』を参照してください。

  2. EDQ SiebelコネクタをSiebelサーバーにインストールします(第2章「Enterprise Data Quality Siebelコネクタの統合」を参照)。

  3. Integrate Siebel with EDQ-CDS as detailed in 第3章「Enterprise Data Quality Siebelコネクタの構成」に記載されているように、SiebelとEDQ-CDSを統合します。

EDQ Siebelコネクタは、EDQと一緒にEDQ 12c (12.2.1.2) Media Packに収録されています。インストール手順はSiebelサーバーのプラットフォームによって異なります。