Oracle Data Integrator Java EEエージェント環境をOracle Fusion Middleware 11gから12c (12.2.1.2)にアップグレードできます。
Oracle Data Integrator Java EEエージェントのアップグレード・プロセスの概要を示すプロセス・フローチャートを確認します。
表5-1 Oracle Data Integratorをアップグレードするためのタスク
タスク | 説明 |
---|---|
必須 このガイドの概要のトピックをまだ確認していない場合は確認し、必要なアップグレード前のタスクを完了します。 |
次を参照してください。 |
必須 Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle Data Integrator 12c (12.2.1.2)を新しいOracleホームにインストールします。 |
Oracle Data Integrator Java EE環境のインストールを参照してください。 |
必須 リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を起動して、必要な12cデータベース・スキーマを作成します。 |
必要な12cスキーマの作成を参照してください。 |
オプション アップグレード前の準備状況チェックを実行します。 |
「アップグレード前の準備状況チェックの実行」を参照してください。 |
必須 11g環境を停止します(すべての管理サーバーと管理対象サーバーを停止します)。 |
警告: アップグレード中にサーバーを停止しないと、データが破壊される可能性があります。 |
必須 アップグレード・アシスタントを起動して、11gのデータベース・スキーマをアップグレードし、すべてのアクティブ(進行中の)インスタンス・データを移行します。 |
製品スキーマのアップグレードを参照してください。 注意: アクティブ・インスタンス・データのアップグレードは、アップグレード・アシスタントの実行中に自動で開始されます。データが正常に新しい12c (12.2.1.2)環境にアップグレードされたら、アップグレード・アシスタントを終了してもかまいません。クローズされたインスタンスのアップグレードは、バックグランド・プロセスで継続されます。 |
必須 再構成ウィザードを起動してドメインを再構成します。 |
構成ウィザードを実行して、既存のドメインを更新して新しくインストールしたソフトウェアを使用します。 ドメインの再構成を参照してください。 |
JRFコンポーネントのアップグレードが必要な場合は必須 アップグレード・アシスタントを(再度)起動して、ドメイン・コンポーネント構成をアップグレードします。 |
アップグレード・アシスタントを実行して、再構成したドメインのコンポーネント構成をアップグレードします。 ドメイン・コンポーネント構成のアップグレードを参照してください。 |
必須 サーバーおよび12c (12.2.1.2)インスタンスを再起動します。 |
アップグレード・プロセスが完了したら、12c (12.2.1.2)インスタンスを再起動します。 サーバーおよびプロセスの起動を参照してください。 |
必須 アップグレードを確認します。 |
バックアップを削除する前に、アップグレードしたコンポーネントがすべて期待どおりに動作していることを確認します。 |
アップグレードを開始する前に、Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle Data Integrator 12c (12.2.1.2)ディストリビューションをターゲット・システムにダウンロードし、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。
注意:
アップグレードにInfrastructureが必要な場合、他のFusion Middleware製品をインストールする前に、まずOracle Fusion Middleware Infrastructureディストリビューションをインストールする必要があります。11gからアップグレードする場合、アップグレードを開始する前に、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して必要な12cスキーマを作成する必要があります。
ODIスタンドアロン・エージェント(WebLogicドメインなし): STB
ODIスタンドアロン・コロケート・エージェント(WebLogicドメインあり): STB
、OPSS
、IAU
、IAU_VIEWER
およびIAU_APPEND
ODI Java EEエージェント: STB
、OPSS
、IAU
、IAU_VIEWER
およびIAU_APPEND
注意:
Oracle Fusion Middlewareの前の12cリリースからアップグレードする場合、これらのスキーマがすでに存在する場合には再作成する必要はありません。ドメインの既存のスキーマを特定するには、次の手順を参照してください。11gからアップグレードする場合は、「アップグレード前チェックリスト」を参照して、ドメイン内の既存のスキーマを特定します。12cにアップグレードする前に、次のスキーマが存在している必要があります。
サービス表スキーマ(prefix_STB
)。このスキーマは12cで新規のものであり、ドメインベースのアップグレードに必要になります。基本的なスキーマ構成情報(スキーマ接頭辞やパスワードなど)が格納され、他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントはドメイン作成中にこれにアクセスして使用できます。このスキーマはリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行するときに自動的に作成され、ここで他の11gスキーマに使用した既存のスキーマ所有者接頭辞を指定します。注意: サービス表スキーマが存在しない場合、UPGAST-00328: スキーマ・バージョンのレジストリ表はこのデータベースに存在しません。その場合、アップグレード・アシスタントを実行するためにはサービス表スキーマを作成する必要があります。
というエラー・メッセージが表示されることがあります。
Oracle Platform Security Services (OPSS)スキーマ(prefix_OPSS
)。このスキーマは、11gでOIDベースのセキュリティ・ストアを使用している場合に必要です。このスキーマは、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行するときに自動的に作成されます。LDAPベースのOPSSセキュリティ・ストアでサポートされているのは、Oracle Internet Directory (OID)のみです。LDAPベースのポリシー・ストアは、通常、本番環境で使用します。アップグレード前に、OIDベースのセキュリティ・ストアを再関連付けする必要はありません。アップグレード・アシスタントの実行中に、OPSSスキーマを選択できます。アップグレード・アシスタントは、OIDベースのセキュリティ・ストアを自動的にアップグレードします。注意: 12c OPSSデータベース・スキーマが必要なのは、ドメインの再構成時に12cスキーマを参照するためです。ドメインでは、アップグレード完了後にOIDベースのセキュリティ・ストアが引き続き使用されます。
監査スキーマ。監査サービス(_IAU
)をアップグレードする場合、_IAU
に加えて、_IAU_VIEWER
および_IAU_APPEND
を必ず選択します。これらを選択したときに、アップグレード・アシスタントによって自動的に作成されます。
アップグレードの潜在的な問題を特定するために、アップグレード・プロセスを開始する前に準備状況チェックを実行することをお薦めします。準備状況チェックで、アップグレードの潜在的な問題をすべて検出できない場合があることに注意してください。準備状況チェックで成功が報告されても、アップグレードが失敗する場合があります。
-readiness
モードで実行することにより、実際にアップグレードを実行する前に問題を検出できます。準備状況チェックは、アップグレード・アシスタントを使用してGUIモードで実行するか、レスポンス・ファイルを使用してサイレント・モードで実行できます。 -readiness
パラメータを使用して、アップグレード・アシスタントを準備状況モードで起動します。アップグレード・アシスタントを-readiness
モードで実行することにより、実際にアップグレードを実行する前に問題を検出できます。準備状況チェックは、アップグレード・アシスタントを使用してGUIモードで実行するか、レスポンス・ファイルを使用してサイレント・モードで実行できます。
アップグレード・アシスタントの準備状況チェックでは、サポートされる開始点にあるFusion MiddlewareスキーマおよびWebLogicドメイン構成の読取り専用のアップグレード前確認を実行します。確認は読取り専用操作です。
準備状況チェックでは、フォーマットされ、タイムスタンプの付けられた準備状況レポートが生成され、実際のアップグレードを試みる前に潜在的な問題に対処できます。問題が検出されない場合は、アップグレード・プロセスを開始できます。アップグレードを実行する前に、このレポートを詳細に確認することをお薦めします。
準備状況チェックは、既存のOracle Fusion Middlewareドメインがオンライン(他のユーザーがアクティブに使用している間)またはオフラインである間に実行できます。
実際のアップグレードを実行する前に、準備状況チェックを何度でも実行できます。ただし、アップグレードを実行した後は、レポートの結果がアップグレード前の準備状況チェックの結果と異なる可能性があるため、準備状況チェックを実行しないでください。
注意:
パフォーマンスが影響されることを回避するために、オフピーク時に準備状況チェックを実行することをお薦めします。
-readiness
パラメータを使用して、アップグレード・アシスタントを準備状況モードで起動します。
コマンドラインからアップグレード・アシスタントを起動するとき、追加パラメータを指定できます。
表5-6 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 必須またはオプション | 説明 |
---|---|---|
|
準備状況チェックに必須 注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では実行できません。 |
実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。 スキーマおよび構成がチェックされます。
|
|
オプション | スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。 値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。 |
|
サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必須 |
アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されたときに入力されたデータから生成されたレスポンス・ファイルに保存された入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントがサイレント・モードで(アップグレード・アシスタント画面を表示せずに)実行されます。 |
|
オプション |
調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。
|
|
オプション |
次のいずれかの属性を指定してロギング・レベルを設定します。
デフォルトのロギング・レベルは より多くの情報がロギングされるように |
|
オプション |
アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。 デフォルトの場所は次のとおりです。 (UNIX) (Windows) |
|
オプション |
すべてのコマンドライン・オプションを表示します。 |
アップグレード・アシスタントの各画面を移動して、アップグレード前の準備状況チェックを完了します。
ドメインの準備状況チェックを実行した後、レポートを確認して、アップグレードが成功するためにアクションを実行する必要があるかどうかを決定します。
準備状況レポート・ファイルの形式は次のとおりです。
readiness_timestamp.txt
timestamp
は、準備状況チェックが実行された日時を示します。
準備状況レポートには、次の情報が含まれています。
表5-7 準備状況レポートの要素
レポートの情報 | 説明 | 必要なアクション |
---|---|---|
全体的な準備状況ステータス: SUCCESSまたはFAILURE | レポートの上部には、アップグレードの準備状況チェックが成功したか、または1つ以上のエラーが発生して完了したかが示されます。 | 1つ以上のエラーが発生してレポートが完了した場合、アップグレードを試みる前に、FAILを検索し、障害の原因となった問題を修正します。準備状況チェックは、アップグレードする前に必要に応じて何度でも再実行できます。 |
タイムスタンプ |
レポートが生成された日付と時刻。 |
必要なアクションはありません。 |
ログ・ファイルの場所
|
生成されたログ・ファイルのディレクトリの場所。 |
必要なアクションはありません。 |
準備状況レポートの場所
|
生成された準備状況レポートのディレクトリの場所。 |
必要なアクションはありません。 |
チェックされたコンポーネントの名前 |
チェックに含まれるコンポーネントの名前およびバージョンとステータス。 |
このリリースにアップグレードできないコンポーネント(SOAコア拡張など)がドメインに含まれる場合は、アップグレードを試みないでください。 |
チェックされたスキーマの名前 |
チェックに含まれるスキーマの名前および現在のバージョンとステータス。 |
スキーマのバージョン番号をレビューします。このリリースにアップグレードできないスキーマがドメインに含まれる場合は、アップグレードを試みないでください。 |
個別のオブジェクト・テスト・ステータス: FAIL |
準備状況チェック・テストによって、特定のオブジェクトの問題が検出されました。 |
失敗した問題がすべて解決されるまではアップグレードしないでください。 |
個別のオブジェクト・テスト・ステータス: PASS |
準備状況チェック・テストによって、特定のオブジェクトの問題が検出されませんでした。 |
準備状況チェック・レポートにPASSステータスのみが表示されている場合、環境をアップグレードできます。ただし、準備状況チェックでは、ハードウェアやアップグレード時の接続性などの外部環境に関する問題を検出することはできません。アップグレードの進捗を常に監視する必要があります。 |
<オブジェクト>の完了した準備状況チェック・ステータス: FAILURE | 準備状況チェックによって、スキーマ、索引、データ型など、特定のオブジェクトについての解決する必要がある1つ以上のエラーが検出されました。 | FAILED問題がすべて解決されるまではアップグレードしないでください。 |
<オブジェクト>の完了した準備状況チェック・ステータス: SUCCESS | 準備状況チェック・テストによって問題が検出されませんでした。 | 必要なアクションはありません。 |
Upgrade readiness check completed with one or more errors. This readiness check report was created on Tue May 30 11:15:52 EDT 2016 Log file is located at: ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/ua2016-05-30-11-14-06AM.log Readiness Check Report File: ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/readiness2016-05-30-11-15-52AM.txt Starting readiness check of components. Oracle Metadata Services Starting readiness check of Oracle Metadata Services. Schema User Name: DEV11_MDS Database Type: Oracle Database Database Connect String: machinename@yourcompany.com VERSION Schema DEV11_MDS is currently at version 12.1.1.1.0. Readiness checks will now be performed. Starting schema test: TEST_REQUIRED_TABLES Test that the schema contains all the required tables Completed schema test: TEST_REQUIRED_TABLES --> Test that the schema contains all the required tables +++ PASS Starting schema test: TEST_REQUIRED_PROCEDURES Test that the schema contains all the required stored procedures EXCEPTION Schema is missing a required procedure: GETREPOSITORYFEATURES Completed schema test: TEST_REQUIRED_PROCEDURES --> Test that the schema contains all the required stored procedures +++ FAIL Starting schema test: TEST_REQUIRED_VIEWS Test that the schema contains all the required database views Completed schema test: TEST_REQUIRED_VIEWS --> Test that the schema contains all the required database views +++ PASS Starting index test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes Completed index test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes +++ PASS Starting index test for table MDS_COMPONENTS: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes Completed index test for table MDS_TXN_LOCKS: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes +++ PASS Starting schema test: TEST_REQUIRED_TRIGGERS Test that the schema has all the required triggers Completed schema test: TEST_REQUIRED_TRIGGERS --> Test that the schema has all the required triggers +++ PASS Starting schema test: TEST_MISSING_COLUMNS Test that tables and views are not missing any required columns Completed schema test: TEST_MISSING_COLUMNS --> Test that tables and views are not missing any required columns +++ PASS Starting schema test: TEST_UNEXPECTED_TABLES Test that the schema does not contain any unexpected tables Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_TABLES --> Test that the schema does not contain any unexpected tables +++ PASS Starting schema test: TEST_UNEXPECTED_PROCEDURES Test that the schema does not contain any unexpected stored procedures Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_PROCEDURES --> Test that the schema does not contain any unexpected stored procedures +++ PASS Starting schema test: TEST_UNEXPECTED_VIEWS Test that the schema does not contain any unexpected views Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_VIEWS --> Test that the schema does not contain any unexpected views +++ PASS Starting index test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes Completed index test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes +++ PASS Completed index test for table MDS_LABELS: TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes +++ PASS Starting index test for table MDS_LARGE_ATTRIBUTES: TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes Starting schema test: TEST_UNEXPECTED_TRIGGERS Test that the schema does not contain any unexpected triggers Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_TRIGGERS --> Test that the schema does not contain any unexpected triggers +++ PASS Starting schema test: TEST_UNEXPECTED_COLUMNS Test that tables and views do not contain any unexpected columns Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_COLUMNS --> Test that tables and views do not contain any unexpected columns +++ PASS Starting datatype test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes Completed datatype test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS Starting datatype test for table MDS_COMPONENTS: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes Starting permissions test: TEST_DBA_TABLE_GRANTS Test that DBA user has privilege to view all user tables Completed permissions test: TEST_DBA_TABLE_GRANTS --> Test that DBA user has privilege to view all user tables +++ PASS Starting schema test: TEST_ENOUGH_TABLESPACE Test that the schema tablespaces automatically extend if full Completed schema test: TEST_ENOUGH_TABLESPACE --> Test that the schema tablespaces automatically extend if full +++ PASS Starting schema test: TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade Completed schema test: TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA --> Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade +++ PASS Starting schema test: TEST_ONLINE_TABLESPACE Test that schema tablespaces are online Completed schema test: TEST_ONLINE_TABLESPACE --> Test that schema tablespaces are online +++ PASS Starting schema test: TEST_DATABASE_VERSION Test that the database server version number is supported for upgrade INFO Database product version: Oracle Database 11g Enterprise Edition Release 11.2.0.3.0 - 64bit Production With the Partitioning, OLAP, Data Mining and Real Application Testing options Completed schema test: TEST_DATABASE_VERSION --> Test that the database server version number is supported for upgrade +++ PASS Finished readiness check of Oracle Metadata Services with status: FAILURE.
12.1.3.0リリースのOracle Fusion Middleware IAUスキーマを実行しており、それらのスキーマが11gリリース(11.1.1.7以上)または12c (12.1.2.0)からアップグレードされた場合、準備状況チェックは次のエラーで失敗することがあります。
Starting index test for table IAU_COMMON: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes INFO Audit schema index DYN_EVENT_CATEGORY_INDEX in table IAU_COMMON is missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. INFO Audit schema index DYN_EVENT_TYPE_INDEX in table IAU_COMMON is missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. INFO Audit schema index DYN_TENANT_INDEX in table IAU_COMMON is missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. INFO Audit schema index DYN_USER_INDEX in table IAU_COMMON is missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. INFO Audit schema index DYN_COMPONENT_TYPE_INDEX in table IAU_COMMON is missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. INFO Audit schema index DYN_USER_TENANT_INDEX in table IAU_COMMON is missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. Completed index test for table IAU_COMMON: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes +++ FAIL
注意:
準備状況レポートの索引欠落エラーは無視できます。これは既知の問題です。該当の欠落している索引は、スキーマ・アップグレード操作中に追加されます。アップグレードするスキーマがRCUを使用して12cで作成された場合、このエラーは発生しません。アップグレード・アシスタントを実行してスキーマおよび構成をアップグレードする前に、管理サーバーや管理対象サーバーを含め、すべてのプロセスとサーバーを停止する必要があります。
Oracle Fusion Middleware環境は、Oracle WebLogic Serverドメイン、管理サーバー、複数の管理対象サーバー、Javaコンポーネント、アイデンティティ管理コンポーネントなどのシステム・コンポーネント、およびメタデータのリポジトリに使用されるデータベースで構成できます。これらのコンポーネントは相互に依存する場合があるため、正しい順序で停止する必要があります。
注意:
この項の手順では、WLSTコマンドライン・ユーティリティまたはスクリプトを使用してサーバーおよびプロセスを停止する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。Oracle Fusion Middlewareの管理の管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動および停止を参照してください。Fusion Middleware環境を停止するには、次の手順に従います。
手順1: システム・コンポーネントの停止
Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを停止するには、stopComponent
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name
システム・コンポーネントは任意の順序で停止できます。
手順2: 管理対象サーバーの停止
WebLogic Server管理対象サーバーを停止するには、stopManagedWebLogic
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url
プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。
手順3: Oracle Identity Managementコンポーネントの停止
環境を構成しているOracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントがあれば、それをすべて停止します。(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name
ステップ4: 管理サーバーの停止
管理サーバーを停止する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも停止します。
管理サーバーを停止するには、stopWebLogic
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopWebLogic.sh
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopWebLogic.cmd
プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名とパスワードおよびURLを入力します。
注意:
リポジトリ用に外部のパスワード記憶域が設定されている場合は、アップグレード中に作業リポジトリのパスワードを取得できるように、資格証明ストアをホストしているサーバーが稼働している必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorの管理の外部パスワード記憶域の設定を参照してください。手順5: ノード・マネージャの停止
ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。
またはnodemanager.properties
のQuitEnabled
の属性をtrue
に設定した後(デフォルトはfalse
です)、WLSTを使用して、ノード・マネージャに接続して停止できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンスのstopNodeManagerを参照してください。
サーバーおよびプロセスを停止した後、アップグレード・アシスタントを使用して、サポートされている製品スキーマを現在のリリースのOracle Fusion Middlewareにアップグレードします。
アップグレード・アシスタントを使用すると、個別に選択したスキーマまたはドメインに関連付けられているすべてのスキーマをアップグレードできます。選択したオプションによって、表示されるアップグレード・アシスタントの画面は異なります。
schema_version_registry
のスキーマ・バージョンが正しく更新されたことを確認して、アップグレードが成功したことを確認します。アップグレード・アシスタントを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。一度に1つのドメインのアップグレードを完了して、アップグレード・アシスタントを非SYSDBAユーザーとして実行することをお薦めします。
oracle_common/upgrade/bin
ディレクトリに移動します。ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
ロギング・パラメータなど、コマンドラインで指定できるその他のパラメータの詳細は、次を参照してください。
コマンドラインからアップグレード・アシスタントを起動するとき、追加パラメータを指定できます。
表5-8 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 必須またはオプション | 説明 |
---|---|---|
|
準備状況チェックに必須 注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では実行できません。 |
実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。 スキーマおよび構成がチェックされます。
|
|
オプション | スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。 値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。 |
|
サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必須 |
アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されたときに入力されたデータから生成されたレスポンス・ファイルに保存された入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントがサイレント・モードで(アップグレード・アシスタント画面を表示せずに)実行されます。 |
|
オプション |
調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。
|
|
オプション |
次のいずれかの属性を指定してロギング・レベルを設定します。
デフォルトのロギング・レベルは より多くの情報がロギングされるように |
|
オプション |
アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。 デフォルトの場所は次のとおりです。 (UNIX) (Windows) |
|
オプション |
すべてのコマンドライン・オプションを表示します。 |
アップグレード・アシスタントの各画面を移動して、製品スキーマをアップグレードします。
注意
外部認証を使用している場合は、外部認証が内部認証に変更されていることを確認してください。
エディションベースの再定義(EBR)ユーザーのみ: エディション・ベースの再定義(EBR)に対応したスキーマをアップグレードする前に、データベース・サーバーに接続して、12cのデータベース・サーバーにエディションを作成する必要があります。12cの新しいエディションは、既存の11cエディションの子である必要があります。再定義のためのサーバーでのエディション作成の詳細は、エディションベースの再定義のためのサーバー上でのエディションの作成を参照してください。
すべてのアップグレード手順の完了後、schema_version_registry
のスキーマ・バージョンが正しく更新されたことを確認して、アップグレードが成功したことを確認します。
Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBAを持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。
SET LINE 120 COLUMN MRC_NAME FORMAT A14 COLUMN COMP_ID FORMAT A20 COLUMN VERSION FORMAT A12 COLUMN STATUS FORMAT A9 COLUMN UPGRADED FORMAT A8 SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;
問合せ結果:
VERSION
列の数値が、そのスキーマの最新のバージョン番号に一致していることを確認します。たとえば、スキーマ・バージョン番号が12.2.1.2.0
であることを確認します。ただし、すべてのスキーマ・バージョンが更新されるわけではないことに注意してください。一部のスキーマではこのリリースへのアップグレードが必要なく、アップグレード前のバージョン番号が保持されます。
STATUS
フィールドは、スキーマのパッチ適用操作中は「UPGRADING」
または「UPGRADED」
に、操作が完了すると「VALID」
になります。
ステータスが「INVALID」
と表示された場合は、ステータスの更新が失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。
IAU_APPEND
およびIAU_VIEWER
によって所有されるシノニム・オブジェクトは、INVALID
として表示されますが、失敗を示すものではありません。
それらは、シノニムの作成後にターゲット・オブジェクトが変更されるため無効になります。シノニム・オブジェクトはアクセスされると有効になります。これらのINVALID
オブジェクトは無視しても問題ありません。
再構成ウィザードを実行して、ドメイン・コンポーネント構成を12c (12.2.1.2)に再構成します。
WebLogic Serverドメインを再構成する場合は、ドメイン内のアプリケーションに応じて次の項目が自動的に更新されます。
WebLogic Serverコア・インフラストラクチャ
ドメイン・バージョン
注意:
ドメインの再構成を開始する前に、次の制限に注意してください。
再構成ウィザードでは、ドメインに含まれる独自のアプリケーションは更新されません。
アップグレード・プロセス中に非動的クラスタ・ドメインを動的クラスタ・ドメインに変換することはサポートされていません。
動的クラスタ機能は再構成ウィザードの実行中は使用できますが、非動的クラスタをアップグレードしてから動的クラスタを追加することのみがサポートされています。アップグレード・プロセス中に動的クラスタを追加することはできません。
ドメインのconfig.xml
ファイルのドメイン・バージョン番号は、管理サーバーのインストール済WebLogic Serverバージョンに更新されます。
すべてのインストール済Oracle製品の再構成テンプレートは、自動的に選択されてドメインに適用されます。これらのテンプレートは、WebLogicドメインが現在のWebLogic Serverバージョンと互換性を持つために必要な再構成タスクを定義します。
起動スクリプトが更新されます。
変更した起動スクリプトを保持する場合、再構成ウィザードを起動する前にそのスクリプトをバックアップしてください。
注意:
ドメインの再構成プロセスを開始すると、元に戻すことはできません。再構成ウィザードを実行する前に、アップグレード前チェックリストで示されているようにドメインをバックアップしたことを確認してください。再構成ウィザードの実行中にエラーまたは他の割込みが発生した場合、バックアップ場所から元のドメイン・ディレクトリにファイルとディレクトリをコピーすることによって、ドメインをリストアする必要があります。これは、再構成前にドメインを確実に元の状態に戻す唯一の方法です。ドメインの再構成後、アップグレード・アシスタントを使用して、ドメイン内のドメイン・コンポーネント構成を更新済ドメイン構成に一致するようにアップグレードします。
アップグレード・アシスタントを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。一度に1つのドメインのアップグレードを完了して、アップグレード・アシスタントを非SYSDBAユーザーとして実行することをお薦めします。
oracle_common/upgrade/bin
ディレクトリに移動します。ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
ロギング・パラメータなど、コマンドラインで指定できるその他のパラメータの詳細は、次を参照してください。
コマンドラインからアップグレード・アシスタントを起動するとき、追加パラメータを指定できます。
表5-10 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 必須またはオプション | 説明 |
---|---|---|
|
準備状況チェックに必須 注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では実行できません。 |
実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。 スキーマおよび構成がチェックされます。
|
|
オプション | スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。 値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。 |
|
サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必須 |
アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されたときに入力されたデータから生成されたレスポンス・ファイルに保存された入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントがサイレント・モードで(アップグレード・アシスタント画面を表示せずに)実行されます。 |
|
オプション |
調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。
|
|
オプション |
次のいずれかの属性を指定してロギング・レベルを設定します。
デフォルトのロギング・レベルは より多くの情報がロギングされるように |
|
オプション |
アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。 デフォルトの場所は次のとおりです。 (UNIX) (Windows) |
|
オプション |
すべてのコマンドライン・オプションを表示します。 |
アップグレードが成功した後、管理サーバーおよび管理対象サーバーを含め、すべてのプロセスおよびサーバーを再起動します。
これらのコンポーネントは相互に依存する場合があるため、正しい順序で起動する必要があります。
注意:
この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーおよびプロセスを起動する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。Oracle Fusion Middlewareの管理の管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動および停止を参照してください。Fusion Middleware環境を起動するには、次の手順に従います。
ステップ1: 管理サーバーの起動
管理サーバーを起動する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも起動します。
管理サーバーを起動するには、startWebLogic
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd
プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名とパスワードおよびURLを入力します。
手順2: ノード・マネージャの起動
ノード・マネージャを起動するには、startNodeManager
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd
手順3: Oracle Identity Managementコンポーネントの起動
環境を構成しているOracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントがあれば、それをすべて起動します。(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name
手順4: 管理対象サーバーの起動
WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogic
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url
プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。
注意:
通常は、管理対象サーバーの起動により、それにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。手順5: システム・コンポーネントの起動
Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを起動するには、startComponent
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name
システム・コンポーネントは任意の順序で起動できます。