WebLogicドメイン内に構成されていないOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェント環境を前のOracle Fusion Middleware 12cリリースから12c (12.2.1.2)にアップグレードできます。
WebLogicドメイン内に構成されていないOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントのアップグレード・プロセスの概要を示すフローチャートおよびロードマップを確認します。
表6-1 Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントを前の12cリリースからアップグレードするためのタスク
タスク | 説明 |
---|---|
必須 このガイドの概要のトピックをまだ確認していない場合は確認し、必要なアップグレード前のタスクを完了します。 |
次を参照してください。 |
必須 Oracle Data Integratorスタンドアロン12c (12.2.1.2)を新しいOracleホームにインストールします。 |
製品ソフトウェアを新しいOracleホームにインストールします。 |
必須 12c環境を停止します(すべての管理サーバーと管理対象サーバーを停止します)。 |
警告: アップグレード中にサーバーを停止しないと、データが破壊される可能性があります。 |
必須 アップグレード・アシスタントを起動して、データベース・スキーマをアップグレードし、すべてのアクティブ(進行中の)インスタンス・データを移行します。 |
製品スキーマのアップグレードを参照してください。 注意: アクティブ・インスタンス・データのアップグレードは、アップグレード・アシスタントの実行中に自動で開始されます。データが正常に新しい12c (12.2.1.2)環境にアップグレードされたら、アップグレード・アシスタントを終了してもかまいません。クローズされたインスタンスのアップグレードは、バックグランド・プロセスで継続されます。 |
必須 アップグレード・アシスタントを(再度)起動して、スタンドアロン・システム・コンポーネント構成をアップグレードします。 |
アップグレード・アシスタントを実行して、スタンドアロン・エージェントのコンポーネント構成をアップグレードします。 スタンドアロン・システム・コンポーネント構成のアップグレードを参照してください。 |
必須 サーバーおよび12c (12.2.1.2)インスタンスを再起動します。 |
アップグレード・プロセスが完了したら、12c (12.2.1.2)インスタンスを再起動します。 サーバーおよびプロセスの起動を参照してください。 |
必須 アップグレードを確認します。 |
バックアップを削除する前に、アップグレードしたコンポーネントがすべて期待どおりに動作していることを確認します。 |
アップグレードを開始する前に、Oracle Data Integrator 12c (12.2.1.2)ディストリビューションをターゲット・システムにダウンロードし、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。
アップグレード・アシスタントを実行してスキーマおよび構成をアップグレードする前に、管理サーバーや管理対象サーバーを含め、すべてのプロセスとサーバーを停止する必要があります。
Oracle Fusion Middleware環境は、Oracle WebLogic Serverドメイン、管理サーバー、複数の管理対象サーバー、Javaコンポーネント、アイデンティティ管理コンポーネントなどのシステム・コンポーネント、およびメタデータのリポジトリに使用されるデータベースで構成できます。これらのコンポーネントは相互に依存する場合があるため、正しい順序で停止する必要があります。
注意:
この項の手順では、WLSTコマンドライン・ユーティリティまたはスクリプトを使用してサーバーおよびプロセスを停止する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。Oracle Fusion Middlewareの管理の管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動および停止を参照してください。Fusion Middleware環境を停止するには、次の手順に従います。
手順1: システム・コンポーネントの停止
Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを停止するには、stopComponent
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name
システム・コンポーネントは任意の順序で停止できます。
手順2: 管理対象サーバーの停止
WebLogic Server管理対象サーバーを停止するには、stopManagedWebLogic
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url
プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。
手順3: Oracle Identity Managementコンポーネントの停止
環境を構成しているOracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントがあれば、それをすべて停止します。(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name
ステップ4: 管理サーバーの停止
管理サーバーを停止する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも停止します。
管理サーバーを停止するには、stopWebLogic
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopWebLogic.sh
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopWebLogic.cmd
プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名とパスワードおよびURLを入力します。
注意:
リポジトリ用に外部のパスワード記憶域が設定されている場合は、アップグレード中に作業リポジトリのパスワードを取得できるように、資格証明ストアをホストしているサーバーが稼働している必要があります。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorの管理の外部パスワード記憶域の設定を参照してください。手順5: ノード・マネージャの停止
ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。
またはnodemanager.properties
のQuitEnabled
の属性をtrue
に設定した後(デフォルトはfalse
です)、WLSTを使用して、ノード・マネージャに接続して停止できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンスのstopNodeManagerを参照してください。
サーバーおよびプロセスを停止した後、アップグレード・アシスタントを使用して、サポートされている製品スキーマを現在のリリースのOracle Fusion Middlewareにアップグレードします。
アップグレード・アシスタントを使用すると、個別に選択したスキーマまたはドメインに関連付けられているすべてのスキーマをアップグレードできます。選択したオプションによって、表示されるアップグレード・アシスタントの画面は異なります。
schema_version_registry
のスキーマ・バージョンが正しく更新されたことを確認して、アップグレードが成功したことを確認します。アップグレード・アシスタントを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。一度に1つのドメインのアップグレードを完了して、アップグレード・アシスタントを非SYSDBAユーザーとして実行することをお薦めします。
oracle_common/upgrade/bin
ディレクトリに移動します。ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
ロギング・パラメータなど、コマンドラインで指定できるその他のパラメータの詳細は、次を参照してください。
コマンドラインからアップグレード・アシスタントを起動するとき、追加パラメータを指定できます。
表6-2 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 必須またはオプション | 説明 |
---|---|---|
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準備状況チェックに必須 注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では実行できません。 |
実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。 スキーマおよび構成がチェックされます。
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|
オプション | スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。 値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。 |
|
サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必須 |
アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されたときに入力されたデータから生成されたレスポンス・ファイルに保存された入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントがサイレント・モードで(アップグレード・アシスタント画面を表示せずに)実行されます。 |
|
オプション |
調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。
|
|
オプション |
次のいずれかの属性を指定してロギング・レベルを設定します。
デフォルトのロギング・レベルは より多くの情報がロギングされるように |
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オプション |
アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。 デフォルトの場所は次のとおりです。 (UNIX) (Windows) |
|
オプション |
すべてのコマンドライン・オプションを表示します。 |
アップグレード・アシスタントの各画面を移動して、製品スキーマをアップグレードします。
注意
外部認証を使用している場合は、外部認証が内部認証に変更されていることを確認してください。
エディションベースの再定義(EBR)ユーザーのみ: エディション・ベースの再定義(EBR)に対応したスキーマをアップグレードする前に、データベース・サーバーに接続して、12cのデータベース・サーバーにエディションを作成する必要があります。12cの新しいエディションは、既存の12cエディションの子である必要があります。再定義のためのサーバーでのエディション作成の詳細は、エディションベースの再定義のためのサーバー上でのエディションの作成を参照してください。
すべてのアップグレード手順の完了後、schema_version_registry
のスキーマ・バージョンが正しく更新されたことを確認して、アップグレードが成功したことを確認します。
Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBAを持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。
SET LINE 120 COLUMN MRC_NAME FORMAT A14 COLUMN COMP_ID FORMAT A20 COLUMN VERSION FORMAT A12 COLUMN STATUS FORMAT A9 COLUMN UPGRADED FORMAT A8 SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;
問合せ結果:
VERSION
列の数値が、そのスキーマの最新のバージョン番号に一致していることを確認します。たとえば、スキーマ・バージョン番号が12.2.1.2.0
であることを確認します。ただし、すべてのスキーマ・バージョンが更新されるわけではないことに注意してください。一部のスキーマではこのリリースへのアップグレードが必要なく、アップグレード前のバージョン番号が保持されます。
STATUS
フィールドは、スキーマのパッチ適用操作中は「UPGRADING」
または「UPGRADED」
に、操作が完了すると「VALID」
になります。
ステータスが「INVALID」
と表示された場合は、ステータスの更新が失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。
IAU_APPEND
およびIAU_VIEWER
によって所有されるシノニム・オブジェクトは、INVALID
として表示されますが、失敗を示すものではありません。
それらは、シノニムの作成後にターゲット・オブジェクトが変更されるため無効になります。シノニム・オブジェクトはアクセスされると有効になります。これらのINVALID
オブジェクトは無視しても問題ありません。
アップグレード・アシスタントを使用して、スタンドアロン・システム・コンポーネント構成をアップグレードします。
アップグレード・アシスタントを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。一度に1つのドメインのアップグレードを完了して、アップグレード・アシスタントを非SYSDBAユーザーとして実行することをお薦めします。
oracle_common/upgrade/bin
ディレクトリに移動します。ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
ロギング・パラメータなど、コマンドラインで指定できるその他のパラメータの詳細は、次を参照してください。
コマンドラインからアップグレード・アシスタントを起動するとき、追加パラメータを指定できます。
表6-4 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 必須またはオプション | 説明 |
---|---|---|
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準備状況チェックに必須 注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では実行できません。 |
実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。 スキーマおよび構成がチェックされます。
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オプション | スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。 値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。 |
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サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必須 |
アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されたときに入力されたデータから生成されたレスポンス・ファイルに保存された入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントがサイレント・モードで(アップグレード・アシスタント画面を表示せずに)実行されます。 |
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オプション |
調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。
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オプション |
次のいずれかの属性を指定してロギング・レベルを設定します。
デフォルトのロギング・レベルは より多くの情報がロギングされるように |
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オプション |
アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。 デフォルトの場所は次のとおりです。 (UNIX) (Windows) |
|
オプション |
すべてのコマンドライン・オプションを表示します。 |
アップグレードが成功した後、管理サーバーおよび管理対象サーバーを含め、すべてのプロセスおよびサーバーを再起動します。
これらのコンポーネントは相互に依存する場合があるため、正しい順序で起動する必要があります。
注意:
この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーおよびプロセスを起動する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。Oracle Fusion Middlewareの管理の管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動および停止を参照してください。Fusion Middleware環境を起動するには、次の手順に従います。
ステップ1: 管理サーバーの起動
管理サーバーを起動する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも起動します。
管理サーバーを起動するには、startWebLogic
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd
プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名とパスワードおよびURLを入力します。
手順2: ノード・マネージャの起動
ノード・マネージャを起動するには、startNodeManager
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd
手順3: Oracle Identity Managementコンポーネントの起動
環境を構成しているOracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントがあれば、それをすべて起動します。(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name
手順4: 管理対象サーバーの起動
WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogic
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url
プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。
注意:
通常は、管理対象サーバーの起動により、それにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。手順5: システム・コンポーネントの起動
Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを起動するには、startComponent
スクリプトを使用します。
(UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name
(Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name
システム・コンポーネントは任意の順序で起動できます。