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Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Directorのアップグレード
12c (12.2.1.2)
E82831-01
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4 Oracle Traffic Directorの以前の12cリリースからのアップグレード

Oracle Traffic Directorを、以前の12cリリースから12c (12.2.1.2)にアップグレードできます。

次の各項の手順に従って、アップグレードを実行します。

4.1 Oracle Traffic Directorのアップグレード・プロセスについて

Oracle Traffic Directorのアップグレード・プロセスの概要については、ロードマップを参照してください。

既存のドメインをアップグレードするために実行する手順は、ドメインがどのように構成されているか、およびどのコンポーネントをアップグレードするかによって異なります。各自のデプロイメントに該当する手順にのみ従ってください。

表4-1 Oracle Traffic Directorをアップグレードするためのタスク

タスク 説明

必須

このガイドの概要に関するトピックを再確認して、アップグレード前のタスクを完了します(まだ実行していない場合)。

「アップグレード前チェックリスト」を参照してください

必須

Oracle Fusion Middleware InfrastructureとOracle Traffic Director 12c (12.2.1.2)のディストリビューションをダウンロードして、新しいOracleホームにインストールします。

「製品ディストリビューションのインストール」を参照してください

必須

11g環境を停止します(すべての管理サーバーと管理対象サーバーを停止します)。

警告: アップグレード中にサーバーを停止しないと、データが破壊される可能性があります。

「サーバーとプロセスの停止」を参照

必須

Upgrade Assistantを起動して、ドメイン・コンポーネントの構成をアップグレードします。

Upgrade Assistantは、ドメインのコンポーネント構成を更新するために使用します。

「コンポーネント構成のアップグレード」を参照してください

必須

Upgrade Assistantを起動して、スタンドアロン・システム・コンポーネントの構成をアップグレードします。

Upgrade Assistantは、スタンドアロン・エージェントのコンポーネント構成を更新します。

「Upgrade Assistantの起動」を参照

必須

アップグレードを完了して確認します。

新規の管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動など、アップグレード後に必要な構成タスクを必要に応じて実行して、問題がないことを確認します。

バックアップを削除する前に、アップグレードしたすべてのコンポーネントが期待どおりに動作しているか確認することをお薦めします。

コンポーネント構成の確認を参照してください

4.2 Oracle Traffic Director 12c (12.2.1.2.0)へのアップグレード

Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantでは、12c (12.2.1.2.0)へのアウトオブプレース・アップグレードとインプレース・アップグレードをサポートしています。

Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantでは、次のOracle Traffic Directorリリースについて、12c (12.2.1.2.0)へのインプレース・アップグレードがサポートされています。

  • Oracle Traffic Director FMW 12cリリース 2 (12.2.1)

次のトピックでは、Oracle Traffic Directorを12.2.1.2にアップグレードする方法について説明します。

4.2.1 Upgrade Assistantの起動

Upgrade Assistantを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネントの構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。Upgrade Assistantを非SYSDBAユーザーとして実行し、一度に1つのドメインのアップグレードを完了することをお薦めします。

Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. Upgrade Assistantの起動:
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

ロギング・パラメータなどコマンド・ラインで指定できるパラメータの詳細は、次を参照してください。

4.2.1.1 Upgrade Assistantコマンドライン・パラメータ

コマンド・ラインからUpgrade Assistantを起動すると、他のパラメータも指定できます。

表4-2 Upgrade Assistantコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: スタンドアロン・インストール(WebLogic Serverで管理されていないインストール)では、準備状況チェックを実行できません。

実際のアップグレードを実行せずに、アップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

レスポンス・ファイルに保存された入力を使用して、Upgrade Assistantを実行します。このレスポンス・ファイルは、GUIモードでUpgrade Assistantを実行したときの入力データから生成されます。このパラメータを使用すると、Upgrade Assistantはサイレント・モード(Upgrade Assistantの画面を表示しないモード)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれかの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定して、より多くのログが記録されるようにすることを検討してください。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングする際に役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルと一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。このディレクトリには、Upgrade Assistantによってログ・ファイルと一時ファイルが作成されます。

デフォルトの場所は次のとおりです。

(UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

(Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

すべてのコマンドライン・オプションを表示します。

4.2.2 コンポーネント構成のアップグレード

Oracle Traffic Directorコンポーネント構成をアップグレードするためにアップグレード・アシスタントを実行するとき、Oracle Traffic Directorドメインに基づいて次の点を考慮してください。

スタンドアロン・ドメインのアップグレード:

  • アップグレードされたOracle Traffic Director構成に、ターゲット・ドメインの場所を指定します。

同じ場所に配置されたドメインのアップグレード:

  • アップグレードされたOracle Traffic Director構成に12.2.1.2ターゲット・ドメインの場所を指定します。

  • アップグレードの開始点を指定します。オプションは、「12cソース」および「11gソース」です。

4.2.3 コンポーネント構成のアップグレードの確認

コンポーネント構成のアップグレードの確認

Oracle Traffic Director 12c構成の場合:

  • server.xmlのバージョンが12.2.1.2に変更されています。

  • スクリプト内およびobj.confファイル内のORACLE_HOMEの値が、ローカルのOracle Traffic Directoryインスタンスの新しいORACLE_HOMEとして更新されています。

4.3 アップグレード後のタスク

Oracle Traffic Director 12c (12.2.1.2)にアップグレードした後に実行が必要な可能性のある、次のアップグレード後のタスクのリストを確認します。

  • Oracle Traffic Director構成ファイル内のINSTANCE_HOMEおよびORACLE_HOME以外のパスへの参照は、アップグレード後にアクセスできない可能性があります。これは手動で構成する必要があります。

4.4 サーバーおよびプロセスの起動

アップグレードが正常に完了したら、すべてのプロセスと管理サーバーや管理対象サーバーを含めたすべてのサーバーを再起動します。

コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で起動する必要があります。

注意:

この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーとプロセスを起動する方法について説明します。また、Oracle Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。『Oracle Fusion Middlewareの管理』の管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動と停止に関する項を参照してください。

Fusion Middleware環境を起動するには、次に示す手順を実行します。

ステップ1: 管理サーバーの起動

管理サーバーを起動すると、WebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなど、管理サーバーで実行されているプロセスも起動されます。

管理サーバーを起動するには、startWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd

プロンプトが表示されたら、ユーザー名とパスワードおよび管理サーバーのURLを入力します。

ステップ2: ノード・マネージャの起動

ノード・マネージャを起動するには、startNodeManagerスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd

ステップ3: Oracle Identity Managementコンポーネントの起動

環境の一部を成している、Oracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントを起動します。
  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

ステップ4: 管理対象サーバーの起動

WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

注意:

通常、管理対象サーバーを起動すると、そのサーバーにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。

ステップ5: システム・コンポーネントの起動

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを起動するには、startComponentスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

システム・コンポーネントは任意の順序で起動できます。