プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Upgrade Assistantによるアップグレード
12c (12.2.1.2)
E82838-02
目次へ移動
目次

前
次

3 レスポンス・ファイルを使用したサイレント・アップグレードの実行

サイレントまたはハンズフリー・アップグレードはレスポンス・ファイルを使用して実行できます。レスポンス・ファイルはUpgrade Assistantの画面で情報を入力した後でのみ作成できます。

次のトピックでは、レスポンス・ファイルを使用して、サポートされているOracle Fusion Middlewareコンポーネントをサイレント・モードでアップグレードする方法について説明します。このレスポンス・ファイルは、Upgrade Assistantのグラフィカル・ユーザー・インタフェース画面で入力したすべての情報を収集し、Upgrade Assistantウィザードの機能とまったく同じ機能を実行します。

注意:

最初にUpgrade AssistantをGUIモードで実行して、サイレント・アップグレードを完了するためのレスポンス・ファイルを生成します。

3.1 アップグレード・レスポンス・ファイルの作成

レスポンス・ファイルを生成するには、グラフィカル・モードでOracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを実行する必要があります。

「アップグレード・サマリー」画面の「レスポンス・ファイルの保存」オプションは、Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantの画面ですでに入力した情報を使用するファイルを作成します。レスポンス・ファイルにより、Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantウィザードの各画面を通じてデータを手動で入力するかわりに、保存された情報を使用できます。

「レスポンス・ファイルの保存」オプションを選択すると、このレスポンス・ファイルの名前と作成場所を入力するように求められます。作成されたら、そのファイルをそのまま使用して他のシステムにアップグレード・オプションを複製するか、必要に応じて変更できます。

3.2 レスポンス・ファイルを使用したFusion Middlewareのアップグレード

Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantの各画面を通じて入力した情報はレスポンス・ファイルに記録できるため、その後、同じアクションをコマンドラインから実行できるようになります。このようなOracle Fusion Middleware Upgrade Assistantの起動方法をサイレント・モードと呼ぶことがあります。

注意:

レスポンス・ファイルを生成するには、まず、GUIモードでOracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを実行する必要があります。生成されたファイルを使用すると、サイレント準備状況チェックやサイレント・アップグレードを完了できます。

レスポンス・ファイルを使用してOracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを起動するには:
  1. /upgrade/binディレクトリに移動します。
    (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. 次に示すコマンドを入力して、レスポンス・ファイルを使用するOracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを起動します。
    (UNIX) ./ua -response response_file[-examine] [-logLevel log_level] [-logDir log_directory] [-threads number]
    (Windows) ua.bat -response response_file[-examine] [-logLevel log_level] [-logDir log_directory] [-threads number]

    オプションのコマンドライン・パラメータの詳細は、次を参照してください。

3.2.1 Upgrade Assistantのパラメータ

Upgrade Assistantをコマンドラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表3-1 Upgrade Assistantのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須/省略可能 説明

-readiness

準備状況チェックの場合は必須

注意: 準備状況チェックは、スタンドアロンのインストール(WebLogic Serverで管理されていないインストール)に対して実行できません。

アップグレードの準備状況チェックを実行します(実際のアップグレードは実行しません)。

スキーマと構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを指定しないでください。

-threads

省略可能

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を特定します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックの場合は必須

レスポンス・ファイルに保存した入力を使用して、Upgrade Assistantを実行します。このレスポンス・ファイルは、GUIモードでUpgrade Assistantを実行したときの入力データから生成されます。このパラメータを使用すると、Upgrade Assistantはサイレント・モード (Upgrade Assistantの画面を表示しないモード)で実行されます。

-examine

省略可能

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

省略可能

次のいずれかの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定して、より多くのログが記録されるようにすることを検討してください。これは、アップグレードの失敗をトラブルシューティングする際に役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

省略可能

アップグレード・ログ・ファイルと一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。Upgrade Assistantは、このディレクトリにログ・ファイルと一時ファイルを作成します。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIXの場合:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windowsの場合:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

省略可能

すべてのコマンドライン・オプションを表示します。