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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenterのアップグレード
12c (12.2.1.2)
E82840-02
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6 Oracle WebCenter Sitesの12cへのアップグレード

既存のOracle WebCenter Sitesインストールを12c (12.2.1.2)にアップグレードできます。

11gから12cへのアップグレードは、アウトオブプレース移行です。これには、Upgrade Assistantを使用したデータ表とプラットフォーム構成の移行が含まれます。

以前の12cリリース(12.2.1.0、12.2.1.0パッチ1、12.2.1.0パッチ2、および12.2.1.1)から12.2.1.2へのアップグレードは、インプレース・アップグレードです。

注意:

アップグレードする際に、要件にあわせて検討できる2つの方法があります。

  1. 配信環境をアップグレードし、アップグレード後にそのクローンを作成して、開発環境と管理環境を作成します。

    この方法を検討する場合は、同期化が必要になります。アップグレードの前に、開発環境と管理環境から配信環境にコンテンツを公開する必要があります。その後、アップグレードした配信環境のクローンを作成して、開発環境と管理環境を作成します。

  2. または、各環境を個別にアップグレードします。

    この方法を検討する場合、同期化は必要ありません。

この章の内容は次のとおりです。

6.1 WebCenter Sitesの11gから12cへのアップグレード

WebCenter Sitesを12.2.1.2にアップグレードするための11gの有効な開始ポイントは、WebCenter Sites 11.1.1.8以上です。これは、アウトオブプレース移行です。

注意:

11.1.1.6.xからアップグレードする場合は、『Fusion Middleware WebCenter Sitesアップグレード・ガイド』WebCenter Sitesのアップグレード・プロセスに関する項に記載されているWebCenter Sites 11gのアップグレード手順を使用して、リリース11.1.1.8にアップグレードする必要があります。

WebCenter Sitesを11gから12cにアップグレードするには、次のタスクを実行します。

6.1.1 WebCenter Sitesの11gから12cへのアップグレード・プロセスについて

Oracle WebCenter Sitesのアップグレード・プロセスの概要に関するフローチャートとロードマップを確認します。

図6-1 WebCenter Sitesの11gから12cリリースへのアップグレード・プロセスのフローチャート

図6-1の説明が続きます
「図6-1 WebCenter Sitesの11gから12cリリースへのアップグレード・プロセスのフローチャート」の説明

表6-1に、WebCenter Sitesを11gから12cにアップグレードするために実行する必要がある、タスクのロードマップを示します。

表6-1 WebCenter Sitesの11gから12cリリースへのアップグレードに関するタスク

タスク 説明

必須

まだ実行していない場合は、このガイドの紹介トピックを確認し、必要なアップグレード前タスクを実行します。

アップグレード前タスクには、ご使用の本番環境のクローニング、システム要件および資格証明の確認、未使用データのパージおよび非SYSDBAユーザーの作成が含まれます。

アップグレード前タスクの完全なリストは、「Oracle WebCenterコンポーネントのアップグレード前のタスク」を参照してください。

必須

12c (12.2.1.2) Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle WebCenter Sitesのディストリビューションをダウンロードおよびインストールします。

インフラストラクチャのディストリビューションには、その他のFusion Middleware製品をインストールするための基盤の設定に必要な、WebLogic ServerおよびJava Required Files (JRF)が同梱されています。

このガイドのアップグレード・トポロジに定義されているように、インフラストラクチャは新規のOracleホームにインストールする必要があります。

12.2.1.2Infrastructureをインストールすると作成されるOracleホームにOracle WebCenter Sitesのディストリビューションをインストールする必要があります。製品ディストリビューションをインストールするには、「製品ディストリビューションのインストール」の手順に従います。

必須

必要なスキーマを作成します。

WebCenter Sites 11gからアップグレードする場合は、アップグレードを開始する前に、12cの必要なスキーマを作成する必要があります。 WebCenter Sitesに必要なスキーマは、Oracle Platform Security Services (OPSS)、Audit Services (IAU)およびWebCenter Sitesです。

「RCUを使用した必要な12cスキーマの作成」の説明に従い、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してスキーマを作成します。

必須

WebCenter Sitesドメインを構成します。

11gから12cへのアップグレードは、アウトオブプレース・アップグレードです。そのため、「WebCenter Sitesドメインの構成」の手順に従って、WebCenter Sites 12c (12.2.1.2)ドメインを構成します。

必須

WebCenter Sitesインスタンスを構成します。

「WebCenter Sitesインスタンスの構成」で説明している手順に従って、ブラウザベースのWebCenter Sitesコンフィギュレータを実行し、WebCenter Sitesインスタンスを構成します。

必須

構成後のタスクを実行します。

構成後のタスクには、LDAPベースまたはOAMベースの認証を使用した12c (12.2.1.2)ドメインの構成、ディレクトリ構造の検証、サインインとSitesのUIへのアクセス、管理対象サーバーの再起動などが含まれます。

これらのタスクは、「構成後のタスク」にリストされています。

必須

必要なタスクを実行してから、アップグレード・アシスタントを実行します。

アップグレード前のタスクは、アップグレード・アシスタントを使用してアップグレード・プロセスを開始する前に完了している必要がある、一連のタスクです。

これらのタスクは、「アップグレード・アシスタントを実行する前に」にリストされています。

必須

スキーマをアップグレードします。

「製品スキーマのアップグレード」の手順に従い、アップグレード・アシスタントを使用して、アップグレード可能なスキーマ・コンポーネントをアップグレードします。

必須

Sitesの構成をアップグレードします。

「アップグレード・アシスタントを使用したSitesの構成のアップグレード」の手順に従い、アップグレード・アシスタントを使用して、11g (11.1.1.8)のドメインに含まれるSitesの構成をアップグレードします。

必須

アップグレード後の検証タスクを実行します。

スキーマと構成が正常にアップグレードされた後でデータの整合性を確認するための、新しくアップグレードしたドメインで実行できる検証スクリプトが用意されています。検証の要約レポートをレビューして、スキーマと構成のアップグレード・プロセスの間にデータの不整合が発生していないか確認できます。

検証スクリプトを使用するには、「アップグレード後の検証タスク」を参照してください。

必須

その他のアップグレード後のタスクを実行します。

その他のアップグレード後のタスクには、カスタム設定のリストア、管理サーバーと管理対象サーバーの起動、パスワードの再構成、および「アップグレード後のタスク」にリストされているその他の管理タスクが含まれます。

6.1.2 製品ディストリビューションのインストール

アップグレードを開始する前に、ターゲット・システムに12c (12.2.1.2)Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle WebCenter Sitesのディストリビューションをダウンロードし、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。

注意:

アップグレードにInfrastructureが必要な場合は、最初にOracle Fusion Middleware Infrastructureのディストリビューションをインストールしてから、その他のFusion Middleware製品をインストールする必要があります。

Oracle HTTP Serverなど、ドメインを構成するすべてのOracle製品をダウンロードおよびインストールしたことを確認します。

12c (12.2.1.2)のディストリビューションをインストールするには、次の手順を実行します。
  1. 12c (12.2.1.2)の製品ディストリビューションをインストールするターゲット・システムにサインインします。
  2. Oracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudからターゲット・システムに次をダウンロードします。
    • Oracle Fusion Middleware Infrastructure (fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar)
    • Oracle WebCenter Sites (fmw_12.2.1.2.0_wcsites_generic.jar)
  3. 12c (12.2.1.2)の製品ディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  4. Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール・プログラムを開始します。
    • (UNIX) JDK_HOME/bin/java -jar fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar
    • (Windows) JDK_HOME\bin\java -jar fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar
  5. UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、「インストール・インベントリの設定」画面が表示されます。
    中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名に対して中央インベントリの場所への書込み権限が付与されていることを確認し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    「インストール・インベントリの設定」画面は、Windowsオペレーティング・システムでは表示されません。
  6. 「ようこそ」画面で、情報をレビューしてすべての前提条件を満たしていることを確認します。「次」をクリックします。
  7. 「自動更新」画面で「自動更新をスキップ」を選択します。オプションは次のとおりです。
    • この時点でソフトウェアの更新をシステムで確認しないようにする場合は、「自動更新をスキップ」を選択します。

    • パッチ・ファイルをダウンロードした場合は、「ディレクトリからパッチを選択」を選択して、ローカル・ディレクトリに移動します。

    • My Oracle Supportアカウントを持っている場合にソフトウェアの更新を自動でダウンロードするには、「My Oracle Supportで更新を検索」を選択します。Oracle Supportの資格証明を入力して、「検索」をクリックします。インストーラがMy Oracle Supportにアクセスするようにプロキシ・サーバーを構成するには、「プロキシ設定」をクリックします。「接続のテスト」をクリックして接続をテストします。

    「次へ」をクリックします。
  8. 「インストールの場所」画面でOracleホーム・ディレクトリの場所を指定し、「次へ」をクリックします。
    Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストールおよび構成のためのディレクトリの理解に関する項を参照してください。
  9. 「インストール・タイプ」画面で、次を選択します。
    • Infrastructureの場合は、「Fusion Middlewareインフラストラクチャ」を選択します。
    • Oracle WebCenter Sitesの場合は、「WebCenter Sites」を選択します。
    「次へ」をクリックします。
  10. 「前提条件チェック」画面では、ホスト・コンピュータを分析して、特定のオペレーティング・システムの前提条件を満たしているか確認します。
    確認されたタスクのリストを表示するには、「正常なタスクの表示」を選択します。ログの詳細を表示するには、「ログの表示」を選択します。いずれかの前提条件のチェックが失敗すると、エラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。エラー・メッセージや警告メッセージを無視してインストールを続けるには、「スキップ」をクリックします(非推奨)。
  11. 「インストールの概要」画面で、選択したインストール・オプションを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を入力します。レスポンス・ファイルには、入力したすべての情報が収集して格納され、後で(コマンドラインから)サイレント・インストールを実行するために使用できます。

    「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

  12. 「インストールの進行状況」画面で進行状況バーに100%が表示されたら、「終了」をクリックしてインストーラを閉じるか、「次へ」をクリックしてサマリーを表示します。
  13. 「インストール完了」画面に、インストールの場所とインストールされた機能セットが表示されます。情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを閉じます。
  14. Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール後に、次のコマンドを入力して、製品ディストリビューションのインストーラを起動し、前述の手順を繰り返してインストーラの各画面を移動します。
    (UNIX) JDK_HOME/bin/java -jar fmw_12.2.1.2.0_wcsites_generic.jar
    (Windows) JDK_HOME\bin\java -jar fmw_12.2.1.2.0_wcsites_generic.jar

6.1.3 RCUを使用した必要な12cスキーマの作成

11gからアップグレードする場合、アップグレードを開始する前に、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して必要な12cスキーマを作成する必要があります。

注意:

Oracle Fusion Middlewareの前の12cリリースからアップグレードする場合、これらのスキーマがすでに存在する場合には再作成する必要はありません。ドメインの既存のスキーマを特定するには、次の手順を参照してください。

11gからアップグレードする場合は、アップグレード前のチェックリストを参照してドメインの既存のスキーマを識別します。12cにアップグレードする前に、次のスキーマが存在している必要があります。

  • サービス表スキーマ(prefix_STB)。このスキーマは12cで新規のものであり、ドメインベースのアップグレードに必要になります。基本的なスキーマ構成情報(スキーマ接頭辞やパスワードなど)が格納され、他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントはドメイン作成中にこれにアクセスして使用できます。このスキーマはリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行するときに自動的に作成され、ここで他の11gスキーマに使用した既存のスキーマ所有者接頭辞を指定します。注意: サービス表スキーマが存在しない場合、UPGAST-00328: スキーマ・バージョンのレジストリ表はこのデータベースに存在しません。その場合、アップグレード・アシスタントを実行するためにはサービス表スキーマを作成する必要があります。というエラー・メッセージが表示されることがあります。

  • Oracle Platform Security Services (OPSS)スキーマ(prefix_OPSS)。このスキーマは、11gでOIDベースのセキュリティ・ストアを使用している場合に必要です。このスキーマは、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行するときに自動的に作成されます。LDAPベースのOPSSセキュリティ・ストアでサポートされているのは、Oracle Internet Directory (OID)のみです。LDAPベースのポリシー・ストアは、通常、本番環境で使用します。アップグレード前に、OIDベースのセキュリティ・ストアを再関連付けする必要はありません。アップグレード・アシスタントの実行中に、OPSSスキーマを選択できます。アップグレード・アシスタントは、OIDベースのセキュリティ・ストアを自動的にアップグレードします。注意: 12c OPSSデータベース・スキーマが必要なのは、ドメインの再構成時に12cスキーマを参照するためです。ドメインでは、アップグレード完了後にOIDベースのセキュリティ・ストアが引き続き使用されます。

  • 監査サービス(IAU)

  • WebCenter Sites

RCUを使用して12cスキーマを作成する手順は次のとおりです。
  1. (オプション) 11gからアップグレードし、既存のドメインにどのスキーマが存在しているかを確認するには、DBA権限を持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコードを実行します。
    SET LINE 120
    COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
    COLUMN COMP_ID FORMAT A20
    COLUMN VERSION FORMAT A12
    COLUMN STATUS FORMAT A9
    COLUMN UPGRADED FORMAT A8
    SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;
    
  2. コマンドラインからjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムにあることを確認します。12c (12.2.1.2)では、動作保証されたJDKは1.8.0_101以降です。
    JAVA_HOME環境変数が、動作保証済JDKの場所に設定されていることを確認します。次に例を示します。
    • (UNIX) setenv JAVA_HOME /home/Oracle/Java/jdk1.8.0_101
    • (Windows) set JAVA_HOME=C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_101
    Add $JAVA_HOME/bin to $PATH.
  3. oracle_common/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\bin
  4. RCUを起動します。
    • (UNIX) ./rcu
    • (Windows) rcu.bat
  5. ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
  6. 「リポジトリの作成」画面で、「リポジトリの作成」「システム・ロードおよび製品ロード」の順に選択します。
    DBA権限を持っていない場合は、「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択します。これによって、RCUが選択されたコンポーネントに対してアクションを実行した場合にコールされるSQL文およびブロックと同じものを、すべて含むSQLスクリプトが生成されます。このスクリプトが生成された後は、必要なSYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーが、このスクリプトを実行してシステム・ロード・フェーズを完了できます。

    「次へ」をクリックします。

  7. 「データベース接続の詳細」画面で、「データベース・タイプ」を選択し、11gスキーマをホストするデータベースの接続情報を入力します。次の該当する表を参照してください。

    表6-2 Oracleデータベースと、エディションベースで再定義されるOracleデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    ホスト名

    データベースが稼働しているサーバーの名前を、次の形式で指定します。

    examplehost.exampledomain.com

    Oracle RACデータベースの場合は、このフィールドにVIP名またはいずれかのノード名を指定します。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。Oracleデータベースのデフォルトのポート番号は、1521です。

    サービス名

    データベースのサービス名を指定します。通常、サービス名はグローバル・データベース名と同じです。

    Oracle RACデータベースの場合、このフィールドにいずれかのノードのサービス名を指定します。次に例を示します。

    examplehost.exampledomain.com

    ユーザー名 データベースのユーザー名を入力します。デフォルトのユーザー名はSYSです。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
    ロール

    ドロップダウン・リストからデータベース・ユーザーのロールを選択します。

    「標準」または「SYSDBA」

    表6-3 MySQLデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    ホスト名

    データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 管理者権限を持つユーザーの名前を指定します。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。

    表6-4 Microsoft SQL Serverデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    Unicodeのサポート

    ドロップダウン・リストから「はい」または「いいえ」を選択します。

    サーバー名 データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。

    MSSQL名前付きインスタンス: 名前付きインスタンスは、コンピュータのネットワーク名およびインストール時に指定したインスタンス名によって識別されます。クライアントは、接続時にサーバー名およびインスタンス名の両方を指定する必要があります。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 管理者権限を持つユーザーの名前を指定します。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。

    表6-5 IBM DB2データベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    サーバー名 データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。
    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 DB所有者の権限が付与されているユーザーの名前を指定します。IBM DB2データベースのデフォルトのユーザー名はdb2adminです。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
    前提条件のチェックが成功した場合は、「OK」をクリックして次のページに進みます。チェックが失敗した場合は、入力した詳細を確認して再試行します。
  8. 「コンポーネントの選択」画面で、「既存の接頭辞の選択」を選択し、ドロップダウン・メニューから既存の11gスキーマの作成に使用した接頭辞(たとえば、DEV11G)を選択します。この接頭辞は、スキーマをこのドメインで使用するために論理的にまとめてグループ化するために使用されます。

    次のスキーマを選択します。
    • 監査サービス

    • 監査サービス・アペンド

    • 監査サービス・ビューア

    • WebCenter Sites

    • WebCenter Sites - Visitorサービス

    注意: デフォルトで、Common Infrastructure Services Table (prefix_STB)およびOracle Platform Security Services (prefix_OPSS)スキーマが選択されます(それらがまだ作成されていない場合)。
    インストールするコンポーネントの接頭辞とスキーマ名を書き留めます。インストールの構成時にこの情報が必要になります。「次へ」をクリックします。
  9. 「前提条件チェック」ダイアログで、前提条件チェックが正常であることを確認し、「OK」をクリックします。
  10. 「スキーマ・パスワード」画面で、スキーマ所有者のパスワードを指定します。
    この画面で入力したパスワードを書き留めてください。製品インストールの構成中に必要となります。
  11. 「表領域のマップ」画面で、作成するスキーマの目的の表領域マッピング構成します。
    「次へ」をクリックし、確認ダイアログで「OK」をクリックします。進行状況ダイアログに表領域の作成が完了したことが示されたら、「OK」をクリックします。
    RCUの起動時にTransparent Data Encryption (TDE)がデータベース(OracleまたはOracle EBR)内で有効化されている場合にのみ、「表領域の暗号化」チェック・ボックスが表示されます。  RCUにより作成されるすべての新しい表領域を暗号化するために、「表領域のマップ」画面で「表領域の暗号化」チェック・ボックスを選択します。  
  12. 「サマリー」画面で情報を確認し、「作成」をクリックしてスキーマの作成を開始します。
    この画面には、このRCU操作で作成されたログ・ファイルに関する情報が表示されます。特定のログ・ファイルの名前をクリックして、そのファイルの内容を表示できます。
  13. 「完了サマリー」画面の情報をレビューし、操作が正常に完了したことを確認します。「閉じる」をクリックして、スキーマの作成を完了します。

6.1.4 WebCenter Sitesドメインの構成

WebCenter Sites 11gから12cにアップグレードする場合は、構成ウィザードを使用してWebCenter Sitesドメインを構成する必要があります。

WebCenter Sitesドメインを構成するには、次の手順を実行します。
  1. 次のディレクトリに移動します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    ORACLE_HOME\oracle_common\common\bin
  2. 次のコマンドを入力して、構成ウィザードを起動します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    ./config.sh
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    config.cmd
  3. 「構成タイプ」画面で「新規ドメインの作成」を選択し、「次へ」をクリックします。
    「ドメインの場所」フィールドでドメインのホーム・ディレクトリを指定し、「次へ」をクリックします。
    ドメイン・ディレクトリの場所には、Fusion Middleware製品がインストールされているOracleホーム・ディレクトリ以外の場所を選択することをお薦めします。推奨されるディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解』のOracle Fusion Middlewareの主要なディレクトリに関する項を参照してください。
  4. 「テンプレート」画面で、「製品テンプレートを使用してドメインを作成」を選択します。
    「テンプレート・カテゴリ」ドロップダウン・リストから、次を選択します。
    • Oracle WebCenter Sites - 12.2.1.2.0 [wcsites]
    • Oracle JRF - 12.2.1.2.0 [oracle_common]
    • Oracle Enterprise Manager - 12.2.1.2.0 [em]
    • WebLogic Coherence Cluster Extension - 12.2.1.2.0 [wlserver]
    「次へ」をクリックします。
  5. 「アプリケーションの場所」画面で、「アプリケーションの場所」にパスを入力するか、ナビゲーション・ツリーを使用するための「参照」をクリックして、ドメインに関連付けられたアプリケーションの格納場所を指定します。アプリケーションの場所は、アプリケーション・ホーム・ディレクトリとも呼ばれます。
    アプリケーションの場所には、Fusion Middleware製品がインストールされているOracleホーム・ディレクトリ以外の場所を選択することをお薦めします。推奨されるディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解』のOracle Fusion Middlewareの主要なディレクトリに関する項を参照してください。
    「次へ」をクリックします。
  6. 「管理者アカウント」画面で、11.1.1.8 WebCenter Sitesドメイン用のユーザー名とパスワードを指定し、「次へ」をクリックします。
    これらのアカウント詳細は、WebCenter Sitesドメインの管理サーバーを起動し、これに接続するために使用されます。
  7. 「ドメイン・モードおよびJDK」画面で、「本番」Oracle HotSpot JDKを、ドメイン・モードとJDKのセクションでそれぞれ選択して、「次へ」をクリックします。
  8. 「データベース構成タイプ」画面で、データベースおよびデータベース・スキーマの詳細について指定します。
    「RCUデータ」を選択します。このオプションでは、構成ウィザードに対して、データベースおよびサービス表(STB)スキーマに接続し、ドメインの構成に必要なスキーマのスキーマ情報を自動的に取得するように指示します。
    この画面で「手動構成」を選択した場合は、「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面でスキーマのパラメータを手動で入力する必要があります。
    次のフィールドに接続の詳細を指定します。

    注意:

    11gスキーマと12cスキーマが同じデータベースの同じ場所に配置されていることを確認してください。

    表6-6 「データベース構成タイプ」画面のフィールドの説明

    フィールド 説明
    DBMS/サービス

    データベースのDBMS名(サービス・タイプ・ドライバを選択している場合はサービス名)を入力します。

    例: orcl.exampledomain.com

    ホスト名

    データベースをホストするサーバーの名前を入力します。

    例: examplehost.exampledomain.com

    ポート

    データベースがリスニングするポート番号を入力します。

    例: 1521

    スキーマ所有者およびスキーマ・パスワード

    RCUを使用してスキーマを作成したときに指定した、データベースのサービス表スキーマに接続するためのユーザー名とパスワードを入力します。

    デフォルトのユーザー名はprefix_STBです。prefixは、RCUで定義したカスタム接頭辞です。

    「RCU構成の取得」をクリックします。
    「接続結果ログ」の次の出力は、操作が成功したことを示します。「OK」をクリックして、次の画面に進みます。
    Connecting to the database server...OK
    Retrieving schema data from database server...OK
    Binding local schema components with retrieved data...OK
    
    Successfully Done.
  9. 「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面で、データベース・スキーマの詳細を確認または指定します。
    すべてのスキーマの値が正しいことを確認します。「データベース構成タイプ」画面で「RCUデータ」を選択した場合、スキーマ表はすでに正しく入力されています。
    「次へ」をクリックします。
  10. 「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面を使用して、データ・ソース接続をテストします。
    「ステータス」列に示される緑色のチェック・マークは、テストが成功したことを表します。問題が発生した場合は、この画面の「接続結果ログ」セクションに示されるエラー・メッセージを確認し、問題を修正してから、「選択された接続のテスト」をクリックして接続テストを再試行してください。
    デフォルトでは、スキーマの作成時に指定したパスワードが、各スキーマ・コンポーネントのスキーマ・パスワードです。スキーマ・コンポーネントに応じて異なるパスワードを使用する場合は、前の画面(「JDBCコンポーネント・スキーマ」)で各行の「スキーマ・パスワード」列に使用するパスワードを入力して手動で編集します。パスワードを指定した後、パスワードを変更したスキーマに対応するチェック・ボックスを選択し、再度接続をテストします。
    「次へ」をクリックします。
  11. 「拡張構成」画面を使用して、ドメイン構成を完了します。拡張構成を実行するオプションを選択して、「次へ」をクリックします。

    表6-7 「拡張構成」画面のオプション

    オプション 説明
    管理サーバー 管理サーバーのリスニング・アドレスを適切に構成するために必要です。
    ノード・マネージャ ノード・マネージャを構成するために必要です。
    トポロジ WebCenter Sites管理対象サーバーを構成するために必要です。
  12. 「管理サーバー」画面で、「サーバー名」フィールドにサーバー名を指定します。
    「リスニング・アドレス」ドロップダウン・リストから、管理サーバーを配置するホストのIPアドレスを選択します。「すべてのローカル・アドレス」は選択しないでください。
    「リスニング・ポート」フィールドでは、デフォルト値を保持することも、1から65535の範囲の数値を指定することもできます。カスタム値は、SSLリスニング・ポートおよびCoherenceポートと同じにしないでください。
    管理サーバーに「サーバー・グループ」は指定しないでください。
    「次へ」をクリックします。
  13. 「ノード・マネージャ」画面を使用して、構成するノード・マネージャのタイプおよびノード・マネージャ資格証明を選択します。
    「ノード・マネージャ・タイプ」には、「ドメインごとのデフォルトの場所」を選択します。
    「ノード・マネージャ資格証明」フィールドに、ユーザー名とパスワードを指定します。
  14. 「管理対象サーバー」画面では、管理対象サーバーの追加、クローン作成または削除を行ったり、管理対象サーバーにサーバー・グループ(使用可能な場合)を割り当てたりできます。
    1. 「リスニング・アドレス」ドロップダウン・リストで、管理対象サーバーを配置するホストのIPアドレスを選択します。単一のIPアドレスにマップされるシステム名またはDNS名を指定することもできます。「すべてのローカル・アドレス」は選択しないでください。
    2. セキュリティを有効にするには、「SSLの有効化」をクリックします。
    デフォルトで追加される各管理対象サーバーのデフォルトのサーバー・グループは、構成ウィザードによって自動的に入力されます。サーバーをさらに追加する場合は、「サーバー・グループ」ドロップダウン・リストから「WCSITES-MGD-SERVER」を選択します。
    サーバー・グループは、定義されたアプリケーション・サービス・グループを、定義された各サーバー・グループにマップすることにより、Fusion Middlewareのアプリケーションおよびサービスを1つ以上のサーバーにターゲット指定します。必要に応じて、特定のアプリケーション・サービス・グループを複数のサーバー・グループにマップすることができます。アプリケーション・サービスを特定のサーバー・グループにマップすると、そのグループに割り当てられているすべてのサーバーが自動的にサービスのターゲットに設定されます。
    管理対象サーバーの追加、クローン作成、または削除の詳細を参照するには、「ヘルプ」をクリックしてください。
    終了したら、「次へ」をクリックします。
  15. 「クラスタ」画面で、「追加」をクリックして新規クラスタを作成します。
    クラスタはWebLogic Serverインスタンスのグループであり、それらが連携して動作することにより、アプリケーションに拡張性と高可用性を提供します。クラスタを作成すると、管理対象サーバーをグループ化し、アプリケーションおよびリソースをホストするシングル・ホストとして動作するようにできます。
    「クラスタ名」フィールドに、クラスタの名前(wcs_cluster_1など)を指定します。「クラスタ・アドレス」フィールドは空白のままにします。
    これを繰り返し、クラスタをもう1つ(wcs_cluster_2など)追加して、「次へ」をクリックします。
    詳細は、「ヘルプ」をクリックします。

    注意:

    Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してクラスタを作成することもできます。
  16. 「サーバーのクラスタへの割当」画面を使用して、管理対象サーバーを新しいクラスタに割り当てます。
    1. 「クラスタ」ペインで、管理対象サーバーを割り当てるクラスタを選択します。たとえば、wcs_cluster_1などです。
    2. 「サーバー」次のいずれかの手順を実行して、サーバーをクラスタに割り当てます。
      • 「サーバー」ペインでサーバーを1回クリックし、右矢印ボタン(>)をクリックして、選択したクラスタの下に移動させます。

      • 「サーバー」ペインでサーバーをダブルクリックし、選択したクラスタの下に移動させます。

    3. この手順を繰り返して、すべてのサーバーをクラスタに割り当てます。

    注意:

    「サーバー」ペインの下には、管理対象サーバーのみが表示されます。管理サーバーはクラスタに割り当てることができないため、リストされません。
    「次へ」をクリックします。
  17. 「Coherenceクラスタ」画面は、インフラストラクチャのインストール時にCoherenceを含めた場合にのみ表示されます。
    Coherenceクラスタの名前を「クラスタ名」フィールドに指定します。デフォルト名を保持することもできます。
    「クラスタ・リスニング・ポート」をデフォルトのポート番号0のままにして、「次へ」をクリックします。構成後、Coherenceクラスタがドメインに自動的に追加されます。
  18. 「マシン」画面で、ドメイン内に新規マシンを作成します。サーバーを起動および停止するためにノード・マネージャを使用するには、マシンが必要です。
    「マシン」タブ(Windows)または「UNIXマシン」タブ(UNIX)を選択し、「追加」をクリックして新しいマシンを作成します。
    名前フィールドにマシンの名前を指定します。たとえば、wcs_machine_1などです。
    「ノード・マネージャ・リスニング・アドレス」フィールドで、管理対象サーバーを構成したマシンのIPアドレスを選択します。
    localhostではなく、特定のインタフェースを選択する必要があります。これにより、Coherenceクラスタのアドレスが動的に計算されます。

    注意:

    既存のドメインを拡張している場合は、既存のマシンにサーバーを割り当てることもできます。新しいマシンが不要な場合は、マシンを作成する必要はありません。
    「次へ」をクリックします。
  19. 「サーバーのマシンへの割当」画面で、管理サーバーと管理対象サーバーを、「マシン」画面で作成した新規マシンに割り当てます。
    1. 「マシン」ペインで、管理サーバーと管理対象サーバーを割り当てるマシンを選択します。たとえば、wcs_machine_1などです。
    2. 「サーバー」ペインで、次のいずれかの手順を実行して、各サーバーをマシンに割り当てます。
      • 「サーバー」ペインでサーバーを1回クリックし、右矢印ボタン(>)をクリックして、選択したマシンの下に移動させます。

      • 「サーバー」ペインでサーバーをダブルクリックし、選択したマシンの下に移動させます。

    3. この手順を繰り返して、すべてのサーバーをマシンに割り当てます。
    「次へ」をクリックします。
  20. 「仮想ターゲット」画面で、「次へ」をクリックします。
  21. 「パーティション」画面で、「次へ」をクリックします。
  22. 「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。
    画面上の各項目をレビューし、情報が正しいことを確認し、「作成」をクリックしてドメインを作成します。
    「表示」ドロップダウン・リストからフィルタ・オプションを選択すると、サマリー・ペインに表示される項目を制限することができます。
    変更を行うには、「戻る」をクリックするか、ナビゲーション・ペインで画面を選択して、前の画面に戻ります。ドメイン作成は、「作成」をクリックするまで開始されません。
  23. 「構成の進行状況」画面には、ドメイン作成プロセスの進行状況が表示されます。
    ドメイン作成が成功した場合は、「次へ」をクリックします。
    ドメイン作成が失敗した場合は、エラーをレビューして再試行します。エラーをトラブルシューティングできない場合は、My Oracle Supportに連絡してください。
  24. 「構成の終了」画面には、作成したドメインの管理サーバーURLとドメインの場所が表示されます。
    以後の操作のために値をメモしておきます。

注意:

IBM DB2, WebCenter Sitesでは、Fusion Middleware構成ウィザードによって作成されるデフォルトのデータ・ソースをサポートしません。DB2がサポートするドライバを使用して新しいデータ・ソースを作成する手順:
  1. WebCenter Sitesドメインのクラス・パスに、IBM DB2ドライバJARファイルを追加します。

    1. WebLogic Server管理サーバーを停止します。

    2. ドメインのクラス・パスに追加できる場所に、DB2のdb2jcc.jarおよびdb2jcc_license_cu.jarファイルをコピーします。

    3. DOMAIN_HOME//bin/setDomainEnv.shを編集し、# ADD EXTENSIONS TO CLASSPATHSの後に次の行を追加します。

      PRE_CLASSPATH="path_to_db2jcc.jar:path_to_db2jcc_license_cu.jar:${PRE_CLASSPATH}"

    4. 管理サーバーを起動します。

  2. 前述のDB2ドライバを使用して新しいデータ・ソースを作成します。

6.1.5 WebCenter Sitesインスタンスの構成

Oracle WebCenter Sitesドメインを構成した後に、ブラウザベースのWebCenter Sitesコンフィギュレータを実行して、WebCenter Sitesインスタンスを構成できます。 WebCenter Sitesランタイムは、WebCenter Sites、CAS Webアプリケーション(WARファイル)およびクラスタ・メンバー間の共有コンポーネント(configディレクトリ、dataディレクトリおよびデータベース・インスタンス)で構成されています。

次のトピックでは、WebCenter Sitesの構成方法を説明します。

6.1.5.1 WebCenter Sitesインスタンスの構成の前提条件

WebCenter Sitesコンフィギュレータを使用する前に、いくつかの前提条件タスクを実行する必要があります。これらのタスクには、OPSSのアクセス権限の付与、キャッシュ・ファイルの変更、および環境のプロパティ値の設定が含まれます。

WebCenter Sitesを構成する前に、これらの前提条件タスクが完了していることを確認してください。
  1. 次のスクリプトを実行して、ORACLE_HOME/wcsites/wcsites_common/lib/sites-security.jarOracle Platform Security Services資格証明ストアの読取り、書込みおよび削除のアクセス権限を付与します。
    (UNIX) DOMAIN_HOME/wcsites/bin/grant-opss-permission.sh
    (Windows) DOMAIN_HOME\wcsites\bin\grant-opss-permission.bat

    スクリプトから入力を要求されたら、WebLogic Server管理者のユーザー名とパスワードを使用します。

    Fusion Middleware構成ウィザードでデフォルト(ORACLE_HOME/user_projects/domains/domain_name)以外のドメイン・ホームを指定した場合は、grant-opss-permission.shまたはgrant-opss-permission.batを実行する前に、指定したドメイン名が含まれていることを確認してください。必要に応じて、ファイルを編集してドメイン名を更新します。

  2. WebCenter Sitesのconfigディレクトリのcs-cache.xmlss-cache.xmllinked-cache.xmlおよびcas-cache.xmlファイルを次のように変更します。
    1. 次のセクションを見つけます。
      <cacheManagerPeerProviderFactory class="net.sf.ehcache.distribution.RMICacheManagerPeerProviderFactory" properties="peerDiscovery=automatic, multicastGroupAddress=230.0.0.0, multicastGroupPort=4444, timeToLive=0" />
    2. peerDiscoveryプロパティの値を手動に変更します。
    3. ファイルを保存して閉じます。
    4. WebCenter Sites管理対象サーバーを起動します。

6.1.5.2 コンフィギュレータによるWebCenter Sitesの構成

WebCenter Sitesコンフィギュレータは、WebCenter Sitesが機能するために必要な表およびデータをデータベースに移入します。コンフィギュレータは、必要なユーザー・アカウントを設定し、データベース・オブジェクトの必要な権限も設定します。

注意:

低速ネットワーク上でWebCenter Sitesを構成する場合は、WebCenter Sitesコンフィギュレータを起動する前に、StuckThreadMaxTimeプロパティの設定をスレッドごとに1000秒に増加します。デフォルト値は600秒です。

ネットワーク関連の問題が発生する可能性のある特定の環境では、WebCenter Sites構成の設定プロセスで、サンプル・サイトのインポート・プロセスの1スレッド当たりの所要時間が600秒を超える可能性があります。これによって、インポート・プロセスまたはインストールが失敗し、ログ・ファイルに複数の例外が記録される可能性があります。サンプル・サイトのインストールが正常に完了するために、設定を1000秒に増加することをお薦めします。

StuckThreadMaxTimeの値を変更するには、ドメインのWebLogic Server管理コンソールで、「サーバー」、「wcsites_server1」、「構成」、「チューニング」の順に移動します。

対応するWebLogicドメインが正常に設定された後、ブラウザ・ベースのWebCenter Sitesコンフィギュレータを実行する手順:
  1. (オプション)コンフィギュレータをサイレント・モードで実行するには:
    1. DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/wcs_properties_bootstrap.iniファイルを編集し、インラインの指示を完了します。
    2. WebCenter Sites管理対象サーバーを起動します。
    3. 次のコマンドを使用してWebCenter Sitesの構成プロセスを開始します。
      • UNIXオペレーティング・システム: xdg-open http://sites-host:sites-port/sites/sitesconfig

      • Windowsオペレーティング・システム: start http://sites-host:sites-port/sites/sitesconfig

  2. Webサーバー上でWebCenter Sitesを構成するには、WebCenter Sitesの構成を開始する前に、Webサーバーのtimeout値を300 secに増加します。
  3. (オプション) 管理インタフェースのプロパティ管理ツールを使用して、環境に応じて次のプロパティの値を設定します。これらのプロパティは、NIOデータベース・ベースのファイル・システムを使用するクラスタに設定します。ファイルをデフォルトの場所(DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config下の個別フォルダ)以外に保存する場合は、WebCenter Sitesが稼働中になるとそれを変更できなくなるため、その場所をプロパティ値として指定します。
    プロパティ 説明
    xcelerate.transformpath

    WebCenter Sitesのアセットに変換される前に、Microsoft Wordのファイルが保存されているディレクトリ。

    cs.pgcachefolder

    非推奨。Oracleサポートから指示された場合にのみ設定します。

    cs.xmlfolder

    HTMLレンダリングのための作業ディレクトリ。

    cs.pgexportfolder

    ディスクへのエクスポートの配信タイプによりアセットを公開するときに作成されるHTMLファイルのベース・エクスポート・ディレクトリ。

    vis.path

    WebCenter Sitesがインストールされているディレクトリ。末尾のスラッシュを含める必要があります。

    mwb.path

    WebCenter Sitesがインストールされているディレクトリ。末尾のスラッシュを含める必要があります。

    contentserver.installation.folder

    WebCenter Sitesがインストールされているディレクトリ。末尾のスラッシュを含める必要があります。Satellite ServerとWebCenter Sitesが同じWebアプリケーションで実行するため、ユーザーのセッションを共有する必要がある場合のインストールに適用されます。これを指定すると、Satellite ServerがWebCenter Sitesのリソースにアクセスできます。

    cs.csdtfolder

    WebCenter Sitesの開発者ツールのインポートが格納されるディレクトリ。

    前述のプロパティの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesプロパティ・ファイル・リファレンス』を参照してください。

  4. WebCenter Sitesプライマリ・クラスタ・ノードの管理対象サーバーを起動します。
  5. Webブラウザで、このURLにアクセスします: http://sites-host:sites-port/sites/sitesconfigsetup
  6. 表示されるWebCenter Sitesコンフィギュレータの画面で、「開始」をクリックします。
  7. 「データベース・パラメータ」画面で、WebCenter Sitesデータベース・リポジトリの「JNDI DataSource名」を指定します。これは、WebLogicドメインの設定時にリポジトリ作成ユーティリティを使用して作成したリポジトリです。
  8. 「Webアプリケーション・パラメータ」画面で、安全な接続を介してインストールしている場合は「はい」を選択し、すべてのパラメータをデフォルトの(事前に移入された)値のままにし、「次」をクリックします。
  9. 「CASデプロイメント情報」画面で、すべてのパラメータをデフォルトの(事前に移入された)値のままにし、「次」をクリックします。ロード・バランシングのためにクラスタとフロントエンドWebサーバーを使用している場合は、環境に応じてこれらの値を調整します。
  10. 「WebCenter Sites管理者アカウント」画面で、必要な資格証明を指定し、「次」をクリックします。
  11. (オプション) WebCenter Sitesのインストール時に「WebCenter Sites - 例」インストール・オプションを選択した場合、「サンプル・サイト」画面が表示されます。この画面で、目的のサンプル・サイトを選択し、「次」をクリックします。
  12. 「構成サマリー」画面で「テスト」をクリックし、すべてのテストが成功しているかどうかを確認します。「開始」をクリックし、構成プロセスが完了するのを待ちます。
  13. WebCenter Sitesアプリケーションの管理対象サーバーを再起動します。
  14. Webブラウザで次のURLにアクセスしてログインし、WebCenter Sitesが稼働中かどうかを確認します: http://sites-host:sites-port/sites

注意:

cas.logのデフォルトの場所は、DOMAIN_HOME/servers/wcsites_server1/logs/です。
XMLPostとBulkloaderが稼働するためには、CLASSPATH環境変数に次のディレクトリを設定します。
ORACLE_HOME\wcsites\webcentersites\sites-home\lib\*
ORACLE_HOME\oracle_common\modules\clients\*

追加のクラスタ・ノードを構成する方法の詳細は、「クラスタの設定」を参照してください。

外部LDAP認証プロバイダの構成方法の詳細は、「LDAPディレクトリに対する認証への切替え」を参照してください。

Oracle Access Managerの統合を構成する方法の詳細は、「Oracle Access Managerに対する認証への切替え」を参照してください。

WebCenter Sites構成のインポート/エクスポート・ユーティリティの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesプロパティ・ファイル・リファレンス』のプロパティ管理ツールの使用に関する項を参照してください。

6.1.6 構成後のタスク

WebCenter Sites 12cを構成した後に、このトピックにリストされているタスクを実行します。

  1. 既存のSites 11.1.1.8環境がLDAPベースまたはOAMベースの認証を使用して構成されている場合は、12.2.1.2環境も同じように構成します。

    LDAPベースの認証に切り替えるには、「LDAPディレクトリに対する認証への切替え」を参照してください。
    LDAPベースの認証に切り替えるには、「Oracle Access Managerに対する認証への切替え」を参照してください。

  2. ディレクトリ構造を確認します。Oracleホーム(製品のバイナリが含まれる)、Sitesホーム(ドメインおよび構成データ)、およびSites共有ディレクトリが、WebCenter Sitesの構成後に作成されている必要があります。
  3. 管理者の資格証明を使用してSites UIにサインインします。
  4. 管理対象サーバーを再起動してWebCenter Sitesにアクセスします。

6.1.6.1 LDAPディレクトリに対する認証への切替え

このトピックでは、WebCenter Sitesを外部LDAP認証プロバイダ・ディレクトリに対する認証に切り替える方法について説明します。Oracle Access Managementとの統合を実行できない場合、これは本番環境のための推奨のソリューションです。

認証プロバイダを変更する前に、WebCenter Sitesをインストールし構成してください。
WebCenter Sitesを外部LDAPディレクトリに対する認証に切り替える手順:
  1. (オプション) LDAPディレクトリが大/小文字を区別する場合は、DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/wcs_properties.jsonファイルのldap.caseAwareプロパティをtrueに設定します。
  2. LDAPコンフィギュレータにアクセスし(http://sites-host:sites-port/sites-context/ldapconfig)、画面に表示される指示に従って、使用する環境に応じて値を入力します。
  3. LDAPのロールバックの場合は、WebCenter Sites管理対象サーバーを再起動し、同じLDAPコンフィギュレータURLにアクセスします。

    現在は、手動によるLDAP統合のみがあります。LDAPサーバーへの書込みはなく、DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/ldapフォルダ下にLDIFファイルのみが作成されます。peopleparentgroupparentusernameおよびその他のフィールドは、以前のリリースのように事前移入されません。

  4. 使用する環境に応じて、DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/にあるLDIFファイルの値を変更します。

    フィールドが事前移入されていないので、次のORACLEDIRの例に従ってください:

    ldap server type -- ORACLEDIR
    ldap DSN -- dc=oracle,dc=com
    ldap host -- localhost
    ldap port -- 389
    ldap username -- cn=orcladmin
    ldap password -- password
    ldap peopleParent -- cn=Users,dc=oracle,dc=com
    ldap groupparent -- cn=Groups,dc=oracle,dc=com
  5. 使用しているLDAPサーバーが大/小文字を区別する場合は、DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/wcs_properties.jsonプロパティ・ファイルを編集してldap.caseAwareプロパティの値をtrueに変更します。

    デフォルトでは、ldap.caseAwareの値はfalseに設定されています。大/小文字を区別するLDAPサーバーを使用しているとき、このプロパティがfalseに設定されている場合、ログインに失敗します。

    注意:

    SitesとLDAPを統合する際、LDAP内のユーザー・データがカンマで区切られている場合(例: test,user)、そのデータはフェッチされません。このデータを取得するには、..sites/installディレクトリにあるdir.iniファイルの構文を、"syntax.escape=\\からsyntax.escape=\#"に変更する必要があります。
  6. Oracle Virtual DirectoryをLDAP認証プロバイダとして選択すると、WebCenter Sitesに生成されるLDIFファイルをOracle Internet Directoryサーバーにインポートし、Oracle Virtual Directoryにアダプタを作成してOracle Internet Directoryサーバーに接続できます。

    Oracle Virtual DirectoryのLDAPサーバーにはそれ独自の記憶域がないので、LDIFファイルを直接にOracle Virtual Directoryにインポートすることはできません。

  7. 外部LDAP認証プロバイダにLDIFファイルをインポートします。
  8. このWebCenter Sitesインスタンスを実行しているWebLogic管理対象サーバーを再起動します。

6.1.6.2 Oracle Access Managerに対する認証への切替え

Oracle Access Managerに対する認証を行うようにWebCenter Sitesを構成できます。これは本番環境のための推奨のソリューションです。

WebCenter Sitesとの統合は、Oracle Access Manager 11.1.2.2.0および11.1.2.3.0でサポートされます。
WebCenter SitesOracle Access Managerに対する認証に切り替える手順:
  1. ターゲットWebCenter Sitesインスタンスが含まれているWebLogicドメインに、ORACLE_HOME/wcsites/webcentersites/sites-homeにあるoamlogin.warおよびoamtoken.warアプリケーション・ファイルをデプロイします。
  2. 次のプロパティ・ファイルを作成します: DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/wemsites_settings.properties
  3. wemsites_settings.propertiesファイルに、次のように入力します。
    要素 プロパティ
    oamredirect http://oam_server_host:oam_port/oam/server/auth_cred_submit
    oamlogout oamlogout=http://oam_server_host:oam_port/oam/server/logout
    forgotpassword helpdesk-email-address
  4. DOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/SSOConfig.xmlに次のプロパティを設定します。
    要素 プロパティ
    serviceUrl http://{ohs_server_host}:{ohs_port}/{sites_context_root}/REST
    ticketUrl http://{oamtoken_server_host}:{oamtoken_port}/oamtoken
    signoutURL

    http://{oam_server_host}:{oam_port}/oam/server/logout?end_url={end_url}

    このURLを使用して、WebCenter Sitesのログアウトを呼び出します。これには、Oracle Access Managerによるすべてのログアウト処理が完了した後にブラウザから戻される、エンコードされたURLが含まれます。
    end_url

    テスト(ステージング)環境: http%3A%2F%2F{ohs_server_host}%3A{ohs_port}%2F{sites_context_root}%2Fwem%2Ffatwire%2Fwem%2FWelcome

    本番(デリバリ)環境: http%3A%2F%2F{ohs_server_host}%3A{ohs_port}%2F{sites_context_root}%2FXcelerate%2FLoginPage.html
    dbUsername WebCenter Sitesの一般管理者のユーザー・アカウント名。
    dbPassword WebCenter Sitesの一般管理者のユーザー・アカウントのパスワード。
    trustConfigured WebCenter Sites管理対象サーバーとOracle Access ManagementのOracle HTTP ServerのWebゲートとの間に信頼関係が確立されているかどうかをWebCenter Sitesに指定します。この2つの間に信頼関係が存在する場合、すべてのリクエストにIDアサーションを含める必要がなくなります。信頼関係が存在する場合はtrue、そうでない場合はfalseに設定します。
  5. Oracle Access ManagerインスタンスのobAccsessClient.xmlおよびcwallet.ssoファイルを、ターゲットWebCenter Sitesインスタンス上のDOMAIN_HOME/wcsites/wcsites/config/oblix/lib/ディレクトリにコピーします。
  6. 互換性モードとoblixパスを設定するために、sites-configディレクトリのoamtoken.xmlファイルを編集します。互換性モードは11Gに設定し、oblixパスはoblix/libフォルダが含まれているsites-configフォルダに設定します。
  7. WebCenter SitesのためのOracle Access Managerの構成で、保護リソース、パブリック・リソースおよび除外リソースを次のように更新します。
    ###########################
    protected_uris
    ###########################
    /oamlogin/test
    /sites/Xcelerate/LoginPage.html
    /sites/Satellite/.../*
    /sites/faces/jspx/.../*
    /sites/wem/fatwire/.../*
    /sites/ContentServer/.../*
    /sites/wem/fatwire/wem/Welcome
    /console
    
    ###########################
    Exclusion Scheme	OraDefaultExclusionAuthNScheme
    /sites/REST
    /index.html
    /oamlogin/oamsso/.../*
    /sites/wem/fatwire/home
    /sites/**
    
    詳細は、エンタープライズ・デプロイメントの保護、パブリックおよび除外リソースの更新に関する項を参照してください。
  8. Weblogic ServerにOAMSDKクライアントをoamtoken.warアプリケーションとして統合するために、WebCenter Sitesドメインのjps-config.xmlファイルを編集します。このファイルは、WebLogic Server 12 cの起動スクリプトの一部であり、デフォルトでは、WebLogicドメインはこのファイルを使用して実行されます。

    -Doracle.security.jps.config=ORACLE_HOME/user_projects/domains/DOMAIN_NAME/config/fmwconfig/jps-config.xml

    1. 次の例に示すように、既存のjsp-config.xmlファイル内の既存のサービス・インスタンスの隣に、サービス・インスタンスを追加します。
      <serviceInstance name="credstore.oamtoken" provider="credstoressp" location="./oamtoken">
      <description>File Based Credential Store Service Instance</description>
      <property name="location" value="./oamtoken"/>
      </serviceInstance>
      locationは、cwallet.ssoファイルを含むディレクトリのパスです。前述の例では、このパスは、現在のjsp-config.xmlファイルへの参照に設定されています。omtokenフォルダが、現在のディレクトリを基準にして作成され、そこにcwallet.ssoファイルが配置されていることを確認してください。locationの値は、cwallet.ssoファイルが配置されている場所への絶対パスにすることもできます。
    2. <jpsContext name="default">の下に、<serviceInstanceRef ref="credstore.oamtoken"/>を追加します。
    3. <jpsContexts default="default">の下に、次の<jpsContext>要素を追加します。
      <jpsContext name="OAMASDK">
      <serviceInstanceRef ref="credstore.oamtoken"/>
      </jpsContext>
  9. oamtoken.warのコードを使用できるように権限を追加します。
    クライアントは、Oracle Access Managerに作成されたWebゲートにアクセスします。セキュリティの制約に対処するために、WebCenter Sitesドメインに資格証明を追加する必要があります。
    1. wlst.shスクリプトでWebLogic Scripting Toolを起動します。
      cd ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/./wlst.sh
    2. WebCenter Sitesドメインの管理サーバーに接続します。
      connect('user-name','password','sites-host:admin-port')
    3. 権限を付与します。
      grantPermission(codeBaseURL="file:/scratch/idc/newoam/rend/Oracle_Home/user_projects/domains/renddomain/servers/wcsites_server1/tmp/_WL_user/oamtoken/-", permClass="oracle.security.jps.service.credstore.CredentialAccessPermission",permTarget="context=SYSTEM,mapName=OAMAgent,keyName=*",permActions="*")
      基本的に、前述のパスは、WebLogic Serverのoamtoken.warアプリケーションが展開されている場所へのパスです。
    4. ターゲットWebCenter Sites管理対象サーバーを再起動します。
  10. (オプション) WebCenter SitesOracle Access Managerの間の信頼が確立していない場合は、WebCenter SitesのWeb層の設定を次のように変更します。
    1. Oracle Access Managerコンソールにログインします。
    2. Webゲートの認可ポリシー(保護されたリソースのポリシーの下)の「レスポンス」タブに移動します。
    3. 「IDアサーション」チェック・ボックスを有効化(選択)します。
    4. 「適用」をクリックして、変更を保存します。
  11. (オプション) WebCenterSitesがOAM統合を使用するクラスタにデプロイされている場合。次の手順がoamticketcacheキャッシュにレプリケートされている必要があります。
    1. configディレクトリにあるcas-cache.xmlには、oamticketcacheがデフォルトで構成されています。
    2. oamticketcacheという名前のキャッシュ内で、次のように表示されるコメント化されたセクションのコメントを解除します。
      <cacheEventListenerFactory
      class="net.sf.ehcache.distribution.RMICacheReplicatorFactory"  
      properties="replicateAsynchronously=true, replicatePuts=true,
      replicateUpdates=true,
      	replicateUpdatesViaCopy=false, replicateRemovals=true"/>
      <bootstrapCacheLoaderFactory 
      class="net.sf.ehcache.distribution.RMIBootstrapCacheLoaderFactory"
      		properties="bootstrapAsynchronously=false,
      			maximumChunkSizeBytes=5000000"
      		propertySeparator="," />
    3. cacheManagerPeerProviderFactoryを次のように修正し、ポートが一意であることを確認してください。 
      <cacheManagerPeerProviderFactory
      class="net.sf.ehcache.distribution.RMICacheManagerPeerProviderFactory"
      	properties="peerDiscovery=automatic,
      multicastGroupAddress=230.0.0.8,
      		multicastGroupPort=40002, timeToLive=1" />
    4. 前の手順で指定したように、cacheManagerPeerProviderFactorycacheManagerPeerListenerFactoryのポートは異なるものである必要があります。
    5. 両方のプロパティについて、すべてのクラスタ・ノードのポートが同じである必要があります。
  12. このWebCenter SitesインスタンスをホストしているWebLogic管理対象サーバーを再起動します。
6.1.6.2.1 サイト・キャプチャとOracle Access Managerの統合

サイト・キャプチャとOAMを統合するには、次の手順を実行します。

  1. Protected Resource Policyの構成:
    1. 「アプリケーション・ドメイン」「開く」の順にクリックします。
    2. 「検索」WCSitesWebGateおよび「認証ポリシー」タブをクリックします。
    3. 「保護されたリソース・ポリシー」をクリックします。
      「認証スキーム」にLDAPWemSchemeを選択します。以前に認証スキームが作成されていることを確認してください。
    4. 「レスポンス」タブをクリックします。
    5. 「IDアサーション」オプションを選択します。
    6. 認証ポリシーが承認されると、レスポンスが作成されます。レスポンスは、WebCenter SitesのHTTPフィルタでLDAP属性を識別し、認証済ユーザーについての情報を提供するために必要です。レスポンスを作成するには、次の手順を実行します。
    1. 「追加」をクリックします。
    2. 「名前」フィールドに「FATGATE_CSTIMEOUT」を入力します。
    3. 「タイプ」でHeaderを選択します。
    4. 「ヘッダー値」として30を入力します。
  2. 次の手順に従ってリソースを追加します。
    1. 「アプリケーション・ドメイン」をクリックします。
    2. 「開く」をクリックします。
    3. 「検索」をクリックします。
    4. WCSitesWebGate「リソース」「検索」および「作成」を選択します。
    5. 「タイプ」にHTTPホストを入力します。
    6. 「ホスト識別子」WCSitesWebGateを入力します。
    7. 「リソースURL」「/__admin/**」を入力します。
    8. 「保護レベル」「保護」に設定します。
    9. 「認証ポリシー」および「認可ポリシー」に保護されているリソース・ポリシーを設定します。

6.1.7 アップグレード・アシスタントを実行する前に

アップグレード・アシスタントを実行して11.1.1.8からアップグレードする前に、このトピックにリストされているタスクを実行します。

アップグレード・アシスタントを実行する前に、次のことを実行します。
  1. 既存のSites 11.1.1.8環境がクラスタ化構成である場合は、プライマリ・ノードを12.2.1.2にアップグレードしてターゲットのクラスタ設定を再構成するか、すべてのクラスタ・メンバーをアップグレードします。
    すべてのクラスタ・メンバーをアップグレードするには、次の手順を実行してクラスタ・ノードを登録します。
    1. Sitesの管理サーバーURLにサインインします。
    2. 「管理」に移動し、「システム・ツール」の下の「クラスタ・ノード管理」をクリックします。
    3. 各クラスタのノード名をソース環境に従って構成します。
      この手順で構成したノードは、アップグレード・プロセスでの処理中に、最終的には対応する11.1.1.8のノードにマップされます。
  2. ソース(11.1.1.8)およびターゲット(12.2.1.2)の、管理サーバーと管理対象サーバーのインスタンスを停止します。
  3. ソース(11.1.1.8)とターゲット(12.2.1.2)が異なる物理マシン上にある場合は、アップグレード・プロセスを開始する前に、次のソース・インストール・ディレクトリをターゲットに移行しておくことをお薦めします。
    ソースのインストール・ディレクトリをターゲット・マシンに移行しておくと、アップグレードの処理時間を短縮できます。
    • Sites 11.1.1.8.0のSitesインストール/ホーム
    • Sites 11.1.1.8.0のSites共有
    • Sites 11.1.1.8.0のデプロイ済Sites warのWebアプリケーション・パス
  4. 既存のSites 11.1.1.8環境がクラスタ環境である場合は、ソース・マシンからターゲット・マシンにノードを移行します。
    ソース・インスタンス・ディレクトリは、どのような順序で移行してもかまいません。次に例を示します。
    ソース環境が2つのノードのクラスタ設定である場合は、「クラスタ・ノード管理」の処理中にノードの登録で指定した名前の、2つのディレクトリを作成します。 たとえば、ノードの登録で指定したノード名がNodeAとNodeBである場合は、ターゲット・マシンにNodeAとNodeBの2つのディレクトリを作成します。
    ソース・データをターゲット・マシンに次の形式でコピーします。
    NodeA (Primary node)
    		Sites-install/Home
    		Sites-Shared
    		Location of deployed sites war
    NodeB (Secondary node)
    		Sites-install/Home
    		Location of deployed sites war

    注意:

    Sites-Sharedをノードごとにコピーする必要はありません。
  5.  ソース・スキーマ(11g)とターゲット・スキーマ(12c)が同じデータベース・サーバーに配置されていることを確認してください。
    Oracle
    <Single DB Instance>
    11g schema
    12c schema
    MS SQL Server
    <Single DB Instance>
    11g schema
    12c schema
    DB2
    <Single DB Instance>
    11g schema
    12c schema
  6. Oracleユーザーである場合は、アップグレードを実行するために、非SYSDBAユーザーを作成する必要があります。非SYSDBAユーザーを作成するには、「アップグレード・アシスタントを実行するための非SYSDBAユーザーの作成」を参照してください。
  7. DB2ユーザーである場合は、アップグレードを開始する前に、次の事項を考慮してください。
    • スキーマのアップグレードを開始する前に、Sites 11.1.1.8.0のスキーマをソース・データベースからターゲット・データベース(12.2.1.2のSitesスキーマが設定されている)にインポートします。手順の詳細は、DB2ソースから新規ターゲット・データベースへの11.1.1.8スキーマのコピーを参照してください。

    • アップグレード・プロセスでの処理中に既存のSites 11.1.1.8ランタイムへの影響が生じないように、DB2データベースを同じマシンにインポートします。

    • ソース・スキーマとターゲット・スキーマが単一のDBインスタンスに存在するため、スキーマのアップグレード・プロセスでの処理中は、ターゲット・データベースのインスタンス詳細とスキーマ詳細を指定します。

  8. 11gのソース・スキーマからのデータ移行が正常に完了するように、12.2.1.2のターゲット・スキーマの表領域サイズに十分な容量があることを確認してください。デフォルトのターゲット・スキーマ・サイズは、RCUによって5 GBに設定されます。ソース・スキーマのサイズにあわせて表領域を調整できます。

6.1.7.1 アップグレード・アシスタントを実行するための非SYSDBAユーザーの作成

アップグレード・アシスタントを実行するには、FMWと呼ばれる非SYSDBAユーザーを作成することをお薦めします。このユーザーはスキーマの変更に必要な権限は持っていますが、完全な管理者権限は持っていません。

SYSDBAはデータベースの作成、起動、停止、バックアップまたはリカバリなどの高度な管理操作を実行するために必要な管理権限です。SYSDBAシステム権限は、完全な権限を持つデータベース管理者が使用します。SYSDBA権限で接続すると、通常はユーザー名に関連付けられているスキーマではなく、デフォルトのスキーマで接続が確立されます。SYSDBAの場合、このスキーマはSYSです。デフォルト・スキーマへのアクセスは非常に強力な権限となる場合があります。たとえば、ユーザーSYSとして接続する場合、データ・ディクショナリの表における権限は無制限となります。このため、SYSDBA以外のユーザーを作成してスキーマをアップグレードすることをお薦めします。アップグレード・アシスタントを起動する前に、次に示した権限をユーザーFMWに付与する必要があります。

注意:

以前のリリースで非SYSDBAユーザーFMWを作成した場合は、このユーザーを削除して再作成してからアップグレードを開始する必要があります。古いFMWユーザーでアップグレード・アシスタントを実行すると、新しい権限が追加されている場合があるため、アップグレードが失敗する可能性があります。既存のFMWユーザーを変更するのではなく、このユーザーを削除して再作成することをお薦めします。
デフォルトでは、v$xatrans$表は存在しません。ユーザーを作成する前に、XAVIEW.SQLスクリプトを実行して、この表を作成する必要があります。さらに、v$xatrans$表に対するgrant select権限は、Oracle Identity Managerのみに必要です。構成にOracle Identity Managerが必要ない場合、またはv$xatrans$表が存在しない場合は、次の行をスクリプトから削除します。
   grant select on v$xatrans$ to FMW with grant option;
次の例では、welcome1がパスワードです。権限を付与する際は、必ず実際のパスワードを指定してください。
create user FMW identified by welcome1;
grant dba to FMW;
grant execute on DBMS_LOB to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_OUTPUT to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_STATS to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_aqadm to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_aqin to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_aqjms to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_aq to FMW with grant option;
grant execute on utl_file to FMW with grant option;
grant execute on dbms_lock to FMW with grant option;
grant select on sys.V_$INSTANCE to FMW with grant option;
grant select on sys.GV_$INSTANCE to FMW with grant option;
grant select on sys.V_$SESSION to FMW with grant option;
grant select on sys.GV_$SESSION to FMW with grant option;
grant select on dba_scheduler_jobs to FMW with grant option;
grant select on dba_scheduler_job_run_details to FMW with grant option;
grant select on dba_scheduler_running_jobs to FMW with grant option;
grant select on dba_aq_agents to FMW with grant option;
grant execute on sys.DBMS_SHARED_POOL to FMW with grant option;
grant select on dba_2pc_pending to FMW with grant option;
grant select on dba_pending_transactions to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_FLASHBACK to FMW with grant option;
grant execute on dbms_crypto to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_REPUTIL to FMW with grant option;
grant execute on dbms_job to FMW with grant option;
grant select on pending_trans$ to FMW with grant option;
grant select on dba_scheduler_job_classes to fmw with grant option;
grant select on SYS.DBA_DATA_FILES to FMW with grant option;
grant select on SYS.V_$ASM_DISKGROUP to FMW with grant option;
grant select on v$xatrans$ to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_system to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_SCHEDULER to FMW with grant option;
grant select on dba_data_files to FMW with grant option;
grant execute on UTL_RAW to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_XMLDOM to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_APPLICATION_INFO to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_UTILITY to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_SESSION to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_METADATA to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_XMLGEN to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_DATAPUMP to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_MVIEW to FMW with grant option;
grant select on ALL_ENCRYPTED_COLUMNS to FMW with grant option;
grant select on dba_queue_subscribers to FMW with grant option; 
grant execute on SYS.DBMS_ASSERT to FMW with grant option;
grant select on dba_subscr_registrations to FMW with grant option;
grant manage scheduler to FMW;

注意:

Oracle Database 11.2.0.3データベース・ユーザーのみ: アップグレードを開始する前に、Oracleパッチ13036331を適用する必要があります。My Oracle Supportにアクセスしてパッチをダウンロードします。

このパッチを適用しない場合、一部のスキーマ用に追加の権限を付与する必要があります。

6.1.7.2 DB2ソースから新規ターゲット・データベースへの11.1.1.8スキーマのコピー

スキーマをアップグレードする前に、Sites 11.1.1.8のスキーマをソースDB2データベースからターゲット・データベース(12.2.1.2のSitesスキーマが設定されている)にインポートする必要があります。

インポート操作が正常に実行されるように、次の基準を考慮してください。
  • データベースのインポートを実行するユーザーに、ターゲット・データベースに対する必要な権限が付与されていることを確認します。
  • ターゲット・データベースのAPPLHEAPSZを、スキーマ・サイズに対応した適切な値に設定します。
Sites 11.1.1.8のスキーマをソース・データベースからターゲット・データベースにコピーするには、次の手順を実行します。
  1. データベース・ディレクトリを作成した場所から、次のコマンドを入力します。
    db2move <old_db> COPY -sn <schemaname> -co TARGET_DB <targetDB> user <username> using <password>

    表6-8 DatabaseMovementコマンドのパラメータ

    パラメータ 説明
    db2move データベース移動ツール・コマンド。DB2データベース内の表をソース・システムからターゲット・システムに移動するために使用します。
    old_db ソース・システムの既存のデータベースの名前を指定します。
    COPY データベース移動ツールがコピー操作を実行することを示します。
    schemaname ソース・システムの既存のデータベースのスキーマ名を指定します。
    targetDB ターゲット・データベースの名前を指定します。
    username ユーザー名を指定します。
    password パスワードを指定します。
    次に例を示します。
    db2move dot8db COPY -sn dot8schema -co TARGET_DB 12cdb user dot8user using test1234
  2. 次の手順を実行して、コピー操作が成功したことを確認します。
    1. DB2コンソールにサインインします。
    2. 新規(ターゲット)データベースに接続します。
    3. データが正しくコピーされたことを確認するために、表のリストと問合せを行います。
  3. アップグレードの前に、DB_SITE (RCU 12c Sitesユーザー)に必要な権限を付与します。

6.1.8 製品スキーマのアップグレード

サーバーとプロセスの停止後に、Upgrade Assistantを使用して、サポートされている製品スキーマをOracle Fusion Middlewareの現在のリリースにアップグレードします。

アップグレード・アシスタントを使用すると、個別に選択したスキーマまたはドメインに関連付けられているすべてのスキーマをアップグレードできます。選択したオプションによって、表示されるアップグレード・アシスタントの画面は異なります。

6.1.8.1 Upgrade Assistantの起動

アップグレード・アシスタントを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。アップグレード・アシスタントを非SYSDBAユーザーとして実行し、一度に1つのドメインのアップグレードを完了することをお薦めします。

Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. アップグレード・アシスタントを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

ロギング・パラメータなど、コマンドラインで指定できるその他のパラメータは、次を参照してください。

6.1.8.1.1 アップグレード・アシスタントのパラメータ

アップグレード・アシスタントをコマンドラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表6-9 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されているときに入力したデータから生成されるレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれか1つの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定すると、より多くの情報がロギングされます。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIX:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windows:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

コマンドライン・オプションをすべて表示します。

6.1.8.2 アップグレード・アシスタントを使用した製品スキーマのアップグレード

アップグレード・アシスタントの各画面を移動して、製品スキーマをアップグレードします。

11g のスキーマをアップグレードするには、次の手順を実行します。
  1. 「ようこそ」画面には、アップグレード・アシスタントの概要と、重要なアップグレード前のタスクに関する情報が表示されます。「次」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントの画面の詳細を参照するには、画面で「ヘルプ」をクリックします。
  2. 「選択したスキーマ」画面で「個別に選択されたスキーマ」を選択し、「次」をクリックします。
    スキーマのアップグレード対象になるコンポーネントはアップグレード・アシスタントによって識別され、ユーザーがアップグレードに含めるスキーマを選択できるようになります。
  3. 「個別に選択されたスキーマ」を選択した場合: 「使用可能なコンポーネント」画面で、スキーマをアップグレードするコンポーネントを選択します。コンポーネントを選択すると、スキーマとすべての依存関係が自動的に選択されます。
  4. 「前提条件」画面ですべてのチェック・ボックスを選択し、前提条件を満たしていることを確認します。「次」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントでは前提条件が満たされているかどうかを確認できません。
  5. 「WebCenter Sitesソース・バージョン」画面で11.1.1.8.0を選択し、「次」をクリックします。これはアップグレードの開始ポイントです。
  6. 「WebCenter Sitesの場所」画面で、既存のSitesホームおよびSites共有ディレクトリの完全な場所と、12cの構成ファイル(wcs_properties.json)の場所を指定します。
    「次へ」をクリックします。
  7. 「WebCenter Sitesソース・スキーマ」画面で、「データベース・タイプ」ドロップダウン・リストからデータベース・タイプを選択します。
    データベース接続文字列を次の書式で「データベース接続文字列」フィールドに指定します。
    • (Oracle Database) host:port/serviceまたはhost:port:SIDまたはTNS connect string
    • (Microsoft SQL Server) //host:port;DatabaseName=dbname
    • (IBM DB2) //host:port;DatabaseName=dbname
    「DBAユーザー名」フィールドに、ユーザー名とDBA権限を指定します。たとえば、sys as SYSDBAなどです。「DBAパスワード」フィールドに、DBAパスワードを指定します。
    「スキーマ・ユーザー名」フィールドと「スキーマ・パスワード」フィールドに、スキーマのユーザー名とパスワードをそれぞれ指定します。
    Oracle Databaseを使用している場合:
    1. WCSITESスキーマ・ページに、12cのスキーマの詳細を入力します。
    2. ドロップダウン・リストからスキーマ・ユーザー名を選択します。
    3. パスワードを入力して次に進みます。
    4. WCSITES_SOURCEスキーマ・ページに、Sites 11.1.1.8.0のスキーマの詳細を入力します。
    5. 11.1.1.8.0の表を持つスキーマのスキーマ・ユーザー名とパスワードを更新します。
    SQL Serverを使用している場合:
    1. WCSITESスキーマ・ページに、12cのスキーマの詳細を入力します。
    2. ドロップダウン・リストからスキーマ・ユーザー名を選択します。ドロップダウン・リストには、RCUによって作成されたWebCenter Sitesスキーマのみがリストされます。
    3. パスワードを入力して次に進みます。
    4. WCSITES_SOURCEスキーマ・ページに、Sites 11.1.1.8.0のスキーマの詳細を入力します。dbaユーザーとSitesユーザーを指定する必要があります。
    5. WCSITES SourceSchema接頭辞ページに、Sites 11.1.1.8.0のスキーマで使用していたデフォルト接頭辞を入力します。たとえば、接頭辞が"dbo"である場合は、これを使用します。
  8. 「調査」画面には、各スキーマを調査し、スキーマのアップグレード準備が整っていることを確認するアップグレード・アシスタントのステータスが表示されます。ステータスが「調査が終了しました。」である場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログで「いいえ」をクリックして、アップグレードを取り消すことをお薦めします。「ログの表示」をクリックして、エラーの原因を調査し、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントを使用したアップグレードのアップグレード・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項で一般的なアップグレード・エラーの解決方法を参照してください。

    注意:

    • 調査フェーズの間に、アップグレードを続行せずに検出された問題を解決した場合は、バックアップからリストアすることなしに、アップグレード・アシスタントを再起動できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックして続行した場合は、アップグレード・アシスタントを再起動する前に、アップグレード前の環境をバックアップからリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消してもスキーマまたは構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報を再収集する必要があります。

  9. 「アップグレード・サマリー」画面で、スキーマのアップグレードで選択したオプションのサマリーをレビューします。
    正しいソース・バージョンとターゲット・バージョンが、アップグレード対象の各スキーマにリストされていることを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存して、後でアップグレード・アシスタントをレスポンス(またはサイレント)モードで再度実行する場合、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの名前と場所を指定します。サイレント・アップグレードは、アップグレード・アシスタントとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  10. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないスキーマがある場合は、アップグレード・アシスタントのログ・ファイルで情報を確認します。

    注意:

    この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  11. スキーマのアップグレードが成功した場合は、次の場所にサマリー・ファイルが生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/wcsites_upgrade/schema/Source Version/Database Type/summary.txt
    この場合、Source Versionは11.1.1.8.0であり、Database Typeは使用しているデータベースです。
    スキーマのアップグレードが失敗した場合は、考えられるエラーをログでレビューします。ログ・ファイルは次の場所に生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
    「閉じる」をクリックしてアップグレード・アシスタントを閉じます。

6.1.8.3 スキーマのアップグレードの確認

すべてのアップグレード手順の完了後に、schema_version_registryのスキーマ・バージョンが適切に更新されていることをチェックして、アップグレードが成功したことを確認します。  

Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBAを持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。

SET LINE 120
COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
COLUMN COMP_ID FORMAT A20
COLUMN VERSION FORMAT A12
COLUMN STATUS FORMAT A9
COLUMN UPGRADED FORMAT A8
SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;

問合せ結果で次を行います。

  • VERSION列の数値が、そのスキーマの最新のバージョン番号に一致していることを確認します。たとえば、スキーマ・バージョン番号が12.2.1.2.0であることを確認します。ただし、すべてのスキーマ・バージョンが更新されるわけではありません。一部のスキーマはこのリリースにアップグレードする必要がなく、アップグレード前のバージョン番号が保持されます。

  • STATUSフィールドは、スキーマへのパッチ適用処理中はUPGRADINGまたはUPGRADEDになり、処理が終了するとVALIDになります。

  • ステータスが「INVALID」と表示された場合は、ステータスの更新が失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。

  • IAU_APPENDおよびIAU_VIEWERによって所有されるシノニム・オブジェクトは、INVALIDとして表示されますが、これは失敗を意味するわけではありません。

    ターゲット・オブジェクトがシノニムの作成後に変更されたため、これらのオブジェクトは無効になります。シノニム・オブジェクトは、アクセスされると有効になります。これらのINVALIDオブジェクトは無視しても問題ありません。

6.1.9 ドメイン・コンポーネント構成のアップグレード

ドメインの再構成後に、アップグレード・アシスタントを使用して、ドメイン内のドメイン・コンポーネント構成を、更新されたドメイン構成に一致するようにアップグレードします。

6.1.9.1 Upgrade Assistantの起動

アップグレード・アシスタントを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。アップグレード・アシスタントを非SYSDBAユーザーとして実行し、一度に1つのドメインのアップグレードを完了することをお薦めします。

Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. アップグレード・アシスタントを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

ロギング・パラメータなど、コマンドラインで指定できるその他のパラメータは、次を参照してください。

6.1.9.1.1 アップグレード・アシスタントのパラメータ

アップグレード・アシスタントをコマンドラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表6-10 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されているときに入力したデータから生成されるレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれか1つの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定すると、より多くの情報がロギングされます。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIX:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windows:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

コマンドライン・オプションをすべて表示します。

6.1.9.2 アップグレード・アシスタントを使用したSites構成のアップグレード

アップグレード・アシスタントを使用して、Sitesの構成をアップグレードする必要があります。

構成のアップグレードは、11gの開始ポイントと同様にApache TomcatおよびIBM WebSphereサーバーでサポートされます。

次に、11gの開始ポイントでサポートされるデータベースを示します。
  • Oracle

  • Microsoft SQL

  • DB2

次に、11gの開始ポイントでサポートされるアプリケーション・サーバーを示します。
  • Oracle WebLogic Server

  • Apache Tomcat

  • IBM WebSphere

注意:

構成のアップグレードの準備状況チェックは、11gの開始ポイントでは使用できません。
11g のドメインをアップグレードするには、次の手順を実行します。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. アップグレード・アシスタントを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat
  3. 「ようこそ」画面には、アップグレード・アシスタントの概要と、重要なアップグレード前のタスクに関する情報が表示されます。「次」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントの画面の詳細を参照するには、画面で「ヘルプ」をクリックします。
  4. 「すべての構成」画面で「ドメインによって使用されるすべての構成」を選択し、12.2.1.2のドメインの場所を「ドメイン・ディレクトリ」フィールドに直接入力するか、「参照」をクリックしてナビゲーション・ツリーを使用し、有効なドメイン・ディレクトリを選択することで指定します。「次」をクリックします。
  5. 「コンポーネント・リスト」画面で、リストに構成をアップグレードするすべてのコンポーネントが含まれていることを確認し、「次」をクリックします。
    アップグレード対象のコンポーネントが表示されていない場合は、「戻る」をクリックして前の画面に戻り、別のドメインを指定します。
  6. 「前提条件」画面ですべてのチェック・ボックスを選択し、前提条件を満たしていることを確認します。「次」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントでは前提条件が満たされているかどうかを確認できません。
  7. 「WebCenter Sitesソース・バージョン」画面で11.1.1.8.0を選択し、「次」をクリックします。これはアップグレードの開始ポイントです。
  8. (単一サーバー環境)ソースが単一サーバー環境である場合は、「WebCenter Sitesソースの詳細」画面が表示されます。
    「WebCenter Sitesソース・クラスタの詳細」画面で、ソース11.1.1.8.0 Sitesインストール・ディレクトリとソース11.1.1.8.0 Sitesデプロイメント・ディレクトリの場所の完全パスを指定し、「アップグレード」をクリックします。
    Sitesデプロイメント・ディレクトリの例を次に示します。
    • (Tomcat) TOMCAT_HOME/webapps/sites

    • (WebSphere) WAS_HOME/installableApps/sites

    • (WebLogic) DOMAIN_HOME/manual/sites

    「参照」をクリックして、ナビゲーション・ツリーを使用して特定のディレクトリを選択することもできます。
  9. (クラスタ環境)ソースがクラスタ環境である場合は、「WebCenter Sitesソースの詳細」画面が表示されます。
    各ノードのSitesインストール・ディレクトリおよびSitesデプロイメント・ディレクトリを、「ソース11.1.1.8.0 Sitesインストール・ディレクトリ」フィールドと「ソース11.1.1.8.0 Sitesデプロイメント・ディレクトリ」フィールドにそれぞれ指定します。
    「参照」をクリックして、ナビゲーション・ツリーを使用して特定のディレクトリを選択することもできます。
    11.1.1.8.0のディレクトリを指定したら、「アップグレード」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにリストされるノード名は、「クラスタ・ノード管理」画面でノードを登録した際に指定した名前です。
  10. 「調査」画面で、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証する、アップグレード・アシスタントのステータスを確認します。ステータスが「調査が終了しました。」である場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログで「いいえ」をクリックして、アップグレードを取り消すことをお薦めします。「ログの表示」をクリックして、エラーの原因を調査し、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントを使用したアップグレードのアップグレード・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項で一般的なアップグレード・エラーの解決方法を参照してください。

    注意:

    • 調査フェーズの間に、アップグレードを続行せずに検出された問題を解決した場合は、バックアップからリストアすることなしに、アップグレード・アシスタントを再起動できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックして続行した場合は、アップグレード・アシスタントを再起動する前に、アップグレード前の環境をバックアップからリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消しても構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、アップグレード・アシスタントが収集した情報を再収集する必要があります。

  11. 「アップグレード・サマリー」画面で、コンポーネント構成のアップグレードで選択したオプションのサマリーをレビューします。
    レスポンス・ファイルには入力したすべての情報が収集して格納され、後でサイレント・アップグレードを実行できます。サイレント・アップグレードは、アップグレード・アシスタントとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  12. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないコンポーネントがある場合は、Upgrade Assistantのログ・ファイルで情報を確認します。

    注意:

    この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  13. 構成のアップグレードが成功した場合は、次の場所にサマリー・ファイルが生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/wcsites_upgrade/config/Source Version/
    この場合のSource Versionは、11.1.1.8.0です。
    ソース(11.1.1.8.0)がクラスタ環境である場合、サマリー詳細は次のようにクラスタごとに生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/wcsites_upgrade/config/Source Version/nodename
    ソース(11.1.1.8.0)が単一サーバー環境である場合は、次の3つのサマリー・ファイルが生成されます。
    • PropertyMigration_Summary.txt (プロパティの移行サマリー)
    • HomeMigration_Summary.txt (Siteホームの移行サマリー)
    • SharedMigration_Summary.txt (Sites共有の移行サマリー)
    スキーマのアップグレードが失敗した場合は、考えられるエラーをログでレビューします。ログ・ファイルは次の場所に生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
    「閉じる」をクリックしてアップグレード・アシスタントを閉じます。

6.1.9.3 ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードの確認

ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードが成功したことを確認するには、管理コンソールおよびFusion Middleware Controlにログインし、各コンポーネントのバージョン番号が12.2.1.2であることを確認します。

管理コンソールにログインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/console

Fusion Middleware Controlにログインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/em

注意:

アップグレード後、管理ツールは、前のOracleホームではなく新しい12cのOracleホームから必ず実行してください。

アップグレード・プロセス時に、一部のOWSMドキュメント(ポリシー・セット、ポリシーおよびアサーション・テンプレートなどの事前定義ドキュメント)のアップグレードが必要な場合があります。ポリシー・セットまたは事前定義ドキュメントがアップグレードされると、バージョン番号が1増分されます。

6.1.10 アップグレード後の検証タスク

スキーマと構成が正常にアップグレードされた後でデータの整合性を確認するための、新しくアップグレードしたドメインで実行できる検証スクリプトが用意されています。検証の要約レポートをレビューして、スキーマと構成のアップグレード・プロセスの間にデータの不整合が発生していないか確認できます。

検証スクリプトを実行するには、次の手順を実行します。
  1. 検証スクリプトは次の場所にあります。
    (UNIX)Oracle_Home/wcsites/plugins/upgrade/
    (UNIX) ./validation.sh
    (Windows)Oracle_Home\wcsites\plugins\upgrade\
    (Windows) validation.bat
  2. 検証チェックが完了すると、検証サマリー・レポート(Validation.txt)が生成されます。これをシステム上の任意の場所に保存します。
  3. 検証サマリー・レポートをレビューして、既存のドメインと新しく構成した12.2.1.2のドメインの間にデータの不整合がないかチェックします。

    注意:

     ソース(11.1.1.8)環境でパッチ12以上を使用している場合、web.xmlの比較レポートには、ターゲット(12.2.1.2)環境に存在する差異が表示されます。ターゲット(12.2.1.2)環境で利用可能なサマリー・レポートに示されている変更は無視できます。

6.1.11 アップグレード後のタスク

アップグレード後のタスクには、カスタム設定のリストア、管理サーバーと管理対象サーバーの起動、パスワードの再構成、およびこのトピックにリストされているその他の管理タスクが含まれます。

WebCenter Sites 12.2.1.2にアップグレードした後に、次の手順を実行します。
  1. カスタム設定を既存の環境から12.2.1.2環境にリストアまたは再デプロイします。
    これには、Javaライブラリや静的Webリソースに対するカスタム変更、または要素の変更が含まれます。
    Javaライブラリまたは静的Webページに加えた変更をリストアするには、「カスタムJavaライブラリまたは静的Webリソースの移行」を参照してください。

    注意:

    • WebCenter Sites 12cではODLロギング・フレームワークを使用しており、11g環境で設定されているカスタムLog4jログ・レベルはODLロギングに移行されません。これらのレベルはアップグレード後にリセットできます。

    • 11g MobilityService.xmlで行われたカスタマイゼーション(例: WURLFサービス)は、12.2.1.2 xmlに手動でポートする必要があります。

  2. 管理サーバーと管理対象サーバーを起動します。「サーバーとプロセスの起動」を参照してください。
  3. パブリッシュ・プロセスのパスワードを再構成します。
    1. 管理サーバーURLに管理者としてサインインします。
    2. 「管理」メニューに移動し、「パブリッシュ」の下の「宛先」をクリックします。
    3. パブリッシュの宛先URL、ポート、ユーザー名、パスワードを更新します。
  4. 11gデプロイメントからアップグレードしている場合は、ユーザーをSitesアプリケーションに割り当てます。
    1. AdminSiteに管理者としてサインインします。
    2. AdminSiteの下のWEB管理に移動します。
      「アプリケーション」をクリックします。次に、管理アプリケーションの下の「アプリケーションの管理」をクリックします。
      「サイトへの割当て」をクリックします。「サイトの選択」「続行」の順にクリックします。
      上級ユーザー・ロールを選択し、変更を保存します。
    3. AdminSiteの下のWEB管理に移動します。
      「アプリケーション」をクリックします。次に、管理アプリケーションの下の「アプリケーションの管理」をクリックします。
      「サイトへの割当て」をクリックします。「サイトの選択」「続行」の順にクリックします。
      Sitesユーザー・ロールを選択し、変更を保存します。
    4. この手順を繰り返して、その他のアプリケーションをユーザーに追加し、そのユーザーにロールを割り当てます。
  5. 外部WebRootが構成されている場合は、Sites管理ユーザー・インタフェースからWebRootを更新します。
  6. ソースがクラスタ環境であった場合は、configディレクトリのxmlファイル設定を、アップグレード・アシスタントを実行したソース環境から、アップグレード後の環境にあるその他のすべてのノードにコピーします。
    次のような要因があります。
    • cs-cahe.xml
    • cas-cache.xml
    • ss-cache.xml
    • linked-cache.xml
    • MobilityServices.xml
    • Custom/RestResources.xml
    • wcs_properties_bootstrap.ini

      注意:

      Lucene検索索引は、アップグレード・プロセスでの処理中に再度有効になります。アップグレード後のプロセスで索引が完全に再構築されるまで、コントリビュータUIの検索結果が遅延する可能性があります。
  7. Fusion Middlewareインフラストラクチャのリリース12cでは、SQL Serverデータベースが大/小文字区別モードで構成されていることが必要になります。結果として、WebCenter Sitesによって提供されるics:sql jspタグでは、表値がデータベースで使用されているのと同じ大/小文字であることが必要になります。
    ics:sql文の構文を次に示します。
    <ics:sql
          sql="sql commands"
          listname="list name"
          table="name of table"
          [limit="max number of results"]/>

    SQL Serverデータベースで指定されているのと同じ大/小文字で表の名前を指定する必要があります。

  8. 次のプロパティは、Sites構成設定プロセスでの処理中に指定した、アプリケーション管理者ユーザー・アカウント値にリセットされます。
    • xcelerate.batchuserおよびパスワード
    • cs.emailpassword
    プロパティ管理ツールを使用して、これらのプロパティを適切な値に更新する必要があります。
  9. WCCの統合後に、WCC構成のwcc.server.passwordをリセットして、マップされたすべてのルールを表示します。
  10. インスタンスが配信であり、サンプル・サイトが公開されている場合は、アップグレードされた開発インスタンスからサンプル・サイトを配信インスタンスに再公開する必要があります。
  11. (以前の12cリリースのみからアップグレードしている場合およびSitesがRSSおよびサイト・キャプチャとともに同じドメインにインストールされている場合)
    1. RSSおよびサイト・キャプチャを含むSitesを12.2.1.0以降のリリースから12c (12.2.1.2)にアップグレードしている場合は、新しいドメインを作成し、RSSおよびサイト・キャプチャを再度インストールする必要があります。
    2. 同じポートにサイト・キャプチャをインストールしていない場合は、次の手順を実行します。
      1. Sites内のサイト・キャプチャのFW_View表およびFW_Application表のサイト・キャプチャ・ポートを変更します。

      2. valid.urlsプロパティのポート番号を変更します。

      3. SiteCaptureカテゴリのその他のプロパティのポート番号を変更します。

    3. RSSのインストール後に、RSSがSystemSatellite表のRSSポートにインストールされていない場合は、このポートを変更します。

6.1.11.1 サーバーおよびプロセスの起動

正常なアップグレードの後に、管理サーバーや管理対象サーバーなど、すべてのプロセスおよびサーバーを再起動します。

これらのコンポーネントは相互に依存する場合があるため、正しい順序で起動する必要があります。

注意:

この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーおよびプロセスを起動する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。『Oracle Fusion Middlewareの管理』の管理サーバーと管理対象サーバー、およびノード・マネージャの起動および停止に関する項を参照してください。

Fusion Middleware環境を起動するには、次の手順に従います。

ステップ1: 管理サーバーの起動

管理サーバーを起動する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも起動します。

管理サーバーを起動するには、startWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd

プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名、パスワードおよびURLを入力します。

ステップ2: ノード・マネージャの起動

ノード・マネージャを起動するには、startNodeManagerスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd

ステップ3: Oracle Identity Managementコンポーネントの起動

環境を構成しているOracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントがあれば、それをすべて起動します。
  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

ステップ4: 管理対象サーバーの起動

WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

注意:

通常は、管理対象サーバーの起動により、それにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。

ステップ5: システム・コンポーネントの起動

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを起動するには、startComponentスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

システム・コンポーネントは任意の順序で起動できます。

6.1.11.2 既存のインスタンスが配信インスタンスの場合...

11gから最新の12cリリースにアップグレードしている場合および既存のインスタンスが配信インスタンスである場合は、ユーザーが公開したSitesのアプリケーションを手動で再度割り当てる必要があります。

ユーザー公開サイトのアプリケーションを再度割り当てるには、次の手順を実行します。
  1. AdminSiteに管理者としてサインインします。
  2. ユーザー公開サイトに管理アプリケーションを追加するには、次の手順を実行します。
    1. AdminSiteの下のWEB管理に移動します。
    2. 「アプリケーション」をクリックします。次に、管理アプリケーションの下の「アプリケーションの管理」をクリックします。
    3. 「サイトへの割当て」をクリックします。「サイトの選択」「続行」の順にクリックします。
    4. 上級ユーザー・ロールを選択し、変更を保存します。
  3. ユーザー公開サイトにコントリビュータ・アプリケーションを追加するには、次の手順を実行します。
    1. AdminSiteの下のWEB管理に移動します。
    2. 「アプリケーション」をクリックします。次に、管理アプリケーションの下の「アプリケーションの管理」をクリックします。
    3. 「サイトへの割当て」をクリックします。「サイトの選択」「続行」の順にクリックします。
    4. Sitesユーザー・ロールを選択し、変更を保存します。
  4. その他のアプリケーションを追加するには、同様の手順を実行し、必要なロールを割り当てます。

6.2 WebCenter Sitesの以前の12cリリースからのアップグレード

WebCenter Sitesを12.2.1.2にアップグレードするための12cの有効な開始ポイントは、WebCenter Sitesリリース12.2.1.0、12.2.1.0パッチ1、12.2.1.0パッチ2および12.2.1.1です。これは、インプレース・アップグレードです。

注意:

既存のSites環境がデータベースへのNIOベースの共有ファイル・システムで構成されている場合は、アップグレード・プロセスを開始する前に、これをディスク・ストレージに戻します。

次の各項の手順に従って、アップグレードを実行します。

6.2.1 WebCenter Sitesの以前の12cリリースからのアップグレード・プロセスについて

WebCenter Sitesのアップグレード・プロセスの概要に関するフローチャートとロードマップを確認します。

図6-2 WebCenter Sitesの以前の12cリリースからのアップグレード・プロセスのフローチャート

図6-2の説明が続きます
「図6-2 WebCenter Sitesの以前の12cリリースからのアップグレード・プロセスのフローチャート」の説明

表6-11に、WebCenter Sitesを以前の12cリリースからアップグレードするために実行する必要がある、タスクのロードマップを示します。

表6-11 WebCenter Sitesの以前の12cリリースからのアップグレードに関するタスク

タスク 説明

必須

まだ実行していない場合は、このガイドの紹介トピックを確認し、必要なアップグレード前タスクを実行します。

アップグレード前タスクには、ご使用の本番環境のクローニング、システム要件および資格証明の確認、未使用データのパージおよび非SYSDBAユーザーの作成が含まれます。

アップグレード前タスクの完全なリストは、「Oracle WebCenterコンポーネントのアップグレード前のタスク」を参照してください。

重要:

アップグレード・プロセスを開始する前に、WebLogicドメイン、Sites構成ディレクトリ、Sites共有ディレクトリ、およびSitesスキーマをバックアップする必要があります。

必須

12c (12.2.1.2) Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle WebCenter Sitesのディストリビューションをダウンロードおよびインストールします。

インフラストラクチャのディストリビューションには、その他のFusion Middleware製品をインストールするための基盤の設定に必要な、WebLogic ServerおよびJava Required Files (JRF)が同梱されています。

このガイドのアップグレード・トポロジに定義されているように、インフラストラクチャは新規のOracleホームにインストールする必要があります。

12.2.1.2Infrastructureをインストールすると作成されるOracleホームにOracle WebCenter Sitesのディストリビューションをインストールする必要があります。製品ディストリビューションをインストールするには、「製品ディストリビューションのインストール」の手順に従います。

WebCenter SitesをInsightsとともにインストールした場合は必要

拡張テンプレートを削除し、Insights、アプリケーション・サーバーinsights_server1、およびその依存関係へのコンポーネント参照をインストールします。

Oracle WebCenter Sites Insightsは、12.2.1.1から非推奨になっています。その結果、アップグレード時に再構成テンプレートを使用できません。既存のデプロイメントにSites Insightsが含まれている場合は、トピック「InsightsとともにSitesをインストールした場合...」の手順を実行する必要があります。

オプション

アップグレード前の準備状況チェックを実行します。

「アップグレード前の準備状況チェックの実行」を参照してください。

必須

既存の環境を停止します(すべての管理サーバーと管理対象サーバーを停止します)。

警告:

アップグレード中にサーバーを停止しないと、データが破壊される可能性があります。

「サーバーとプロセスの停止」を参照

必須

既存の12cドメインを再構成します。

既存のドメインで再構成ウィザードを実行した場合、再構成テンプレートを選択および適用することで、ドメインのアップグレード準備が行われます。

「ドメインの再構成」で説明している手順に従って、ドメインを再構成します。

必須

必要なタスクを実行してから、アップグレード・アシスタントを実行します。

アップグレード前のタスクは、アップグレード・アシスタントを使用してアップグレード・プロセスを開始する前に完了している必要がある、一連のタスクです。

これらのタスクは、「アップグレード・アシスタントを実行する前に」にリストされています。

必須

アップグレード・アシスタントを使用して製品スキーマをアップグレードします。

「製品スキーマのアップグレード」の手順に従い、アップグレード・アシスタントを使用して、アップグレード可能なスキーマ・コンポーネントをアップグレードします。

必須

ドメイン構成をアップグレードします。

「ドメイン・コンポーネント構成のアップグレード」で説明している手順に従い、アップグレード・アシスタントを使用して、12.2.1.0のドメインに含まれるすべての構成をアップグレードします。

必須

アップグレード後の検証タスクを実行します。

スキーマと構成が正常にアップグレードされた後でデータの整合性を確認するための、新しくアップグレードしたドメインで実行できる検証スクリプトが用意されています。検証の要約レポートをレビューして、スキーマと構成のアップグレード・プロセスの間にデータの不整合が発生していないか確認できます。

検証スクリプトを使用するには、「アップグレード後の検証タスク」を参照してください。

必須

その他のアップグレード後のタスクを実行します。

その他のアップグレード後のタスクには、カスタム設定のリストア、管理サーバーと管理対象サーバーの起動、パスワードの再構成、および「アップグレード後のタスク」にリストされているその他の管理タスクが含まれます。

必須

サーバーおよびプロセスを再起動します。

「サーバーとプロセスの起動」を参照してください。

6.2.2 製品ディストリビューションのインストール

アップグレードを開始する前に、ターゲット・システムに12c (12.2.1.2)Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle WebCenter Sitesのディストリビューションをダウンロードし、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。

注意:

アップグレードにInfrastructureが必要な場合は、最初にOracle Fusion Middleware Infrastructureのディストリビューションをインストールしてから、その他のFusion Middleware製品をインストールする必要があります。

Oracle HTTP Serverなど、ドメインを構成するすべてのOracle製品をダウンロードおよびインストールしたことを確認します。

12c (12.2.1.2)のディストリビューションをインストールするには、次の手順を実行します。
  1. 12c (12.2.1.2)の製品ディストリビューションをインストールするターゲット・システムにサインインします。
  2. Oracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudからターゲット・システムに次をダウンロードします。
    • Oracle Fusion Middleware Infrastructure (fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar)
    • Oracle WebCenter Sites (fmw_12.2.1.2.0_wcsites_generic.jar)
  3. 12c (12.2.1.2)の製品ディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  4. Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール・プログラムを開始します。
    • (UNIX) JDK_HOME/bin/java -jar fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar
    • (Windows) JDK_HOME\bin\java -jar fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar
  5. UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、「インストール・インベントリの設定」画面が表示されます。
    中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名に対して中央インベントリの場所への書込み権限が付与されていることを確認し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    「インストール・インベントリの設定」画面は、Windowsオペレーティング・システムでは表示されません。
  6. 「ようこそ」画面で、情報をレビューしてすべての前提条件を満たしていることを確認します。「次」をクリックします。
  7. 「自動更新」画面で「自動更新をスキップ」を選択します。オプションは次のとおりです。
    • この時点でソフトウェアの更新をシステムで確認しないようにする場合は、「自動更新をスキップ」を選択します。

    • パッチ・ファイルをダウンロードした場合は、「ディレクトリからパッチを選択」を選択して、ローカル・ディレクトリに移動します。

    • My Oracle Supportアカウントを持っている場合にソフトウェアの更新を自動でダウンロードするには、「My Oracle Supportで更新を検索」を選択します。Oracle Supportの資格証明を入力して、「検索」をクリックします。インストーラがMy Oracle Supportにアクセスするようにプロキシ・サーバーを構成するには、「プロキシ設定」をクリックします。「接続のテスト」をクリックして接続をテストします。

    「次へ」をクリックします。
  8. 「インストールの場所」画面でOracleホーム・ディレクトリの場所を指定し、「次へ」をクリックします。
    Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストールおよび構成のためのディレクトリの理解に関する項を参照してください。
  9. 「インストール・タイプ」画面で、次を選択します。
    • Infrastructureの場合は、「Fusion Middlewareインフラストラクチャ」を選択します。
    • Oracle WebCenter Sitesの場合は、「WebCenter Sites」を選択します。
    「次へ」をクリックします。
  10. 「前提条件チェック」画面では、ホスト・コンピュータを分析して、特定のオペレーティング・システムの前提条件を満たしているか確認します。
    確認されたタスクのリストを表示するには、「正常なタスクの表示」を選択します。ログの詳細を表示するには、「ログの表示」を選択します。いずれかの前提条件のチェックが失敗すると、エラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。エラー・メッセージや警告メッセージを無視してインストールを続けるには、「スキップ」をクリックします(非推奨)。
  11. 「インストールの概要」画面で、選択したインストール・オプションを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を入力します。レスポンス・ファイルには、入力したすべての情報が収集して格納され、後で(コマンドラインから)サイレント・インストールを実行するために使用できます。

    「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

  12. 「インストールの進行状況」画面で進行状況バーに100%が表示されたら、「終了」をクリックしてインストーラを閉じるか、「次へ」をクリックしてサマリーを表示します。
  13. 「インストール完了」画面に、インストールの場所とインストールされた機能セットが表示されます。情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを閉じます。
  14. Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール後に、次のコマンドを入力して、製品ディストリビューションのインストーラを起動し、前述の手順を繰り返してインストーラの各画面を移動します。
    (UNIX) JDK_HOME/bin/java -jar fmw_12.2.1.2.0_wcsites_generic.jar
    (Windows) JDK_HOME\bin\java -jar fmw_12.2.1.2.0_wcsites_generic.jar

6.2.3 InsightsとともにSitesをインストールした場合...

Oracle WebCenter Sites Insightsは、12.2.1.1から非推奨になっています。その結果、アップグレード時に再構成テンプレートを使用できません。既存のデプロイメントにSites Insightsが含まれている場合は、このトピックの手順を実行する必要があります。

注意:

12.2.1.0からアップグレードしており、Oracle WebCenter SitesをInsightsとともにインストールした場合にのみ、この手順を実行します。
アップグレード前の準備状況チェックの前または再構成ウィザードの実行前に次の手順を実行します。
  1. Insightsをインストールしたホストにサインインします。既存のドメインの完全なバックアップを作成します。
  2. domain-info.xmlファイルから、Insightsへの拡張テンプレート参照を削除します。
    1. 次のディレクトリを変更します。
      (UNIX) ORACLE_HOME/user_projects/domains/DOMAIN_NAME/init-info/domain-info.xml
      (Windows) ORACLE_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAME\init-info\domain-info.xml
    2. domain-info.xmlファイルを編集のために開きます。
    3. name "Oracle WebCenter Sites - Insights"を含む<extention-template-ref>を削除します。
    4. ファイルを保存して閉じます。
  3. domain-info.xmlファイルから、Insightsへのインストール・コンポーネント参照を削除します。
    1. 次のディレクトリを変更します。
      (UNIX) ORACLE_HOME/user_projects/domains/DOMAIN_NAME/init-info/domain-info.xml
      (Windows) ORACLE_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAME\init-info\domain-info.xml
    2. domain-info.xmlファイルを編集のために開きます。
    3. name="oracle.wcsites.insights"を含む<install-comp-ref>を削除します。
    4. ファイルを保存して閉じます。
  4. config.xmlファイルから、アプリケーション・サーバーinsights_server1とその依存関係を削除します。
    1. 次のディレクトリを変更します。
      (UNIX) ORACLE_HOME/user_projects/domains/DOMAIN_NAME/config/config.xml
      (Windows) ORACLE_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAME\config\config.xml
    2. config.xmlファイルを開いて編集します。
    3. アプリケーション・サーバーinsights_server1とその依存関係を削除します。
    4. ファイルを保存して閉じます。

6.2.4 アップグレード前の準備状況チェックの実行

アップグレードの潜在的な問題を識別するには、準備状況チェックを実行してからアップグレード・プロセスを開始することをお薦めします。準備状況チェックでは、アップグレードの潜在的な問題をすべて発見できるわけではないことに注意してください。準備状況チェック・レポートが成功しても、アップグレードが失敗する場合があります。

6.2.4.1 アップグレード前の準備状況チェックの実行について

アップグレード・アシスタントを-readinessモードで実行することにより、実際にアップグレードを実行する前に問題を検出できます。準備状況チェックは、アップグレード・アシスタントを使用してGUIモードで実行するか、またはレスポンス・ファイルを使用してサイレント・モードで実行できます。 

アップグレード・アシスタントの準備状況チェックでは、サポートされている開始ポイントのFusion MiddlewareスキーマおよびWebLogicドメインの読取り専用のアップグレード前確認を行います。この確認は読取り専用操作です。

準備状況チェックでは、フォーマットされ、タイムスタンプの付けられた準備状況レポートが生成され、実際のアップグレードを試みる前に潜在的な問題に対処できます。問題が検出されない場合は、アップグレード・プロセスを開始できます。アップグレードを実行する前に、このレポートを詳細に確認することをお薦めします。

準備状況チェックは、既存のOracle Fusion Middlewareドメインがオンライン(他のユーザーがアクティブに使用している間)またはオフラインである間に実行できます。

実際のアップグレードを実行する前に、準備状況チェックを何回でも実行できます。ただし、アップグレード後はレポートの結果がアップグレード前の準備状況チェックの結果と異なる場合があるため、準備状況チェックを実行しないでください。

注意:

パフォーマンスが影響を受けないようにするには、準備状況チェックをオフピーク時に実行することをお薦めします。

6.2.4.2 準備状況モードでのUpgrade Assistantの起動

-readinessパラメータを使用して、アップグレード・アシスタントを準備状況モードで起動します。

アップグレード・アシスタントを使用して、アップグレード前の環境に対して準備状況チェックを実行するには、次の手順を実行します。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. アップグレード・アシスタントを起動します。
    • (UNIX) ./ua -readiness
    • (Windows) ua.bat -readiness

    注意:

    DISPLAY環境変数がGUIモードを使用できるように適切に設定されていない場合、次のエラーが表示される場合があります。
    Xlib: connection to ":1.0" refused by server
    Xlib: No protocol specified 

    この問題を解決するには、使用するローカル・ワークステーションのシステム名またはIPアドレスにDISPLAY環境変数を設定して、アップグレード・アシスタントを再実行します。

    DISPLAY変数を設定してもこれらのエラーが発生し続ける場合は、vncconfigなどの他のGUIツールの起動を試みてください。同じエラーが表示される場合は、DISPLAY環境変数が正しく設定されていない場合があります。

    コマンドラインで指定できるその他のパラメータは、次を参照してください。

6.2.4.2.1 アップグレード・アシスタントのパラメータ

アップグレード・アシスタントをコマンドラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表6-12 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されているときに入力したデータから生成されるレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれか1つの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定すると、より多くの情報がロギングされます。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIX:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windows:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

コマンドライン・オプションをすべて表示します。

6.2.4.3 アップグレード・アシスタントを使用した準備状況チェックの実行

アップグレード・アシスタントの各画面を移動して、アップグレード前の準備状況チェックを実行します。

準備状況チェックは、サポートされるアップグレードの開始ポイントにあるスキーマまたはコンポーネント構成に対してのみ実行されます。
準備状況チェックを実行するには、次の手順を実行します。
  1. 「ようこそ」画面で、準備状況チェックに関する情報を確認します。「次」をクリックします。
  2. 「準備状況チェック・タイプ」画面で、実行する準備状況チェックを選択します。
    • 「個別に選択されたスキーマ」を使用すると、アップグレード前の確認のために個別のスキーマを選択できます。準備状況チェックにより、スキーマがアップグレードに対してサポートされているか、またはアップグレードが必要かどうかがレポートされます。

      このオプションを選択すると、画面名が「選択したスキーマ」に変更されます。

    • 「ドメイン・ベース」を使用すると、アップグレード・アシスタントで、「ドメイン・ディレクトリ」フィールドで指定されているドメイン内のアップグレード可能なスキーマまたはコンポーネント構成をすべて検出し、選択できます。

      このオプションを選択すると、画面名が「スキーマおよび構成」に変更されます。

      アップグレード・アシスタントですべてのスキーマおよびコンポーネントを同時にチェックする場合は、デフォルトの選択のままにします。それ以外の場合は特定のオプションを選択します。
      • すべてのスキーマのチェックを含める。アップグレード可能なスキーマを持つすべてのコンポーネントを検出および確認します。

      • すべての構成のチェックを含める。管理対象WebLogic Serverドメインのコンポーネント構成を確認します。

    「次へ」をクリックします。

  3. 「個別に選択されたスキーマ」を選択した場合: 「使用可能なコンポーネント」画面で、準備状況チェックを実行するアップグレードに利用可能なスキーマを含むコンポーネントを選択します。

    依存コンポーネントを持つコンポーネントを選択した場合は、依存コンポーネントが自動的に選択されます。たとえば、Oracle Platform Security Servicesを選択すると、Oracle Audit Servicesが自動的に選択されます。

    選択したコンポーネントに応じて、追加の画面が表示される場合があります。たとえば、次のような作業が必要になることがあります。

    • ドメイン・ディレクトリを指定します。

    • 次のスキーマ資格証明を指定して、選択したスキーマに接続します。「データベース・タイプ」「DBAユーザー名」および「DBAパスワード」。次に、「接続」をクリックします。

      注意:

      Oracleデータベースはデフォルトのデータベース・タイプです。継続前に適切なデータベース・タイプを選択していることを確認します。誤ったデータベース・タイプを選択したことがわかった場合は、適切なタイプに変更するためにこの画面に戻らないでください。かわりに、アップグレード・アシスタントを閉じて、選択した適切なデータベース・タイプを使用して準備状況チェックを再起動し、適切なデータベース・タイプがすべてのスキーマに適用されるようにします。
    • 「スキーマ・ユーザー名」を選択し、「スキーマ・パスワード」を指定します。

    「次」をクリックして、準備状況チェックを開始します。
  4. 「準備状況サマリー」画面で、選択内容に基づいて実行される準備状況チェックのサマリーを確認します。
    選択をレスポンス・ファイルに保存して、後でアップグレード・アシスタントをレスポンス(またはサイレント)モードで再度実行する場合、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの名前と場所を指定します。サイレント・アップグレードは、アップグレード・アシスタントとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。
    詳細レポートを表示するには、「ログの表示」をクリックします。
    「次へ」をクリックします。
  5. 「準備状況チェック」画面で、準備状況チェックのステータスを確認します。 このプロセスが完了するまで数分かかることがあります。
    複数のコンポーネントをチェックしている場合、コンポーネントごとの進捗が並行する独自の進捗バーに表示されます。
    準備状況チェックが完了したら、「続行」をクリックします。
  6. 「準備状況の終了」画面で、準備状況チェックの結果を確認します(「準備状況成功」または「準備状況失敗」)。
    • 準備状況チェックが成功した場合は、「準備状況レポートの表示」をクリックして、完了レポートを確認します。準備状況チェックが成功した場合でも、準備状況レポートを確認してから実際のアップグレードを実行することをお薦めします。「検索」オプションを使用して、レポート内の特定の単語またはフレーズを検索します。また、このレポートには、完成した準備状況チェック・レポート・ファイルが格納されている場所も示されます。

    • 準備状況チェックで問題またはエラーが発生した場合、「ログの表示」をクリックして、ログ・ファイルを確認して問題を特定し、問題を修正してから、準備状況チェックを再開してください。ログ・ファイルは、設定したコマンドライン・オプションにより管理されます。

6.2.4.4 準備状況レポートの理解

ドメインの準備状況チェックを実行した後、レポートを確認してアップグレードを成功させるためのアクションをとる必要があるかどうかを判断します。

準備状況レポート・ファイルの書式は次のとおりです。

readiness_timestamp.txt

timestampは、準備状況チェックが実行された日時を示します。

準備状況レポートには、次の情報が含まれています。

表6-13 準備状況レポートの要素

レポートの情報 説明 必要なアクション
全体的な準備状況ステータス: SUCCESSまたはFAILURE レポートの上部に、準備状況チェックが合格したか1つ以上のエラーで完了したかが示されます。 1つ以上のエラーが発生してレポートが完了した場合、アップグレードを試みる前に、FAILを検索し、障害の原因となった問題を修正します。準備状況チェックは、アップグレードする前に必要に応じて何度でも再実行できます。

タイムスタンプ

レポートが生成された日付と時刻。

アクションは必要ありません。

ログ・ファイルの場所

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs

生成されたログ・ファイルのディレクトリの場所。

アクションは必要ありません。

準備状況レポートの場所

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs

生成された準備状況レポートのディレクトリの場所。

アクションは必要ありません。

チェックされたコンポーネントの名前

チェックに含まれるコンポーネントの名前およびバージョンとステータス。

ドメインに、このリリースにアップグレードできないSOAコア拡張機能などのコンポーネントが含まれる場合は、アップグレードを試行しないでください。

チェックされたスキーマの名前

チェックに含まれるスキーマの名前および現在のバージョンとステータス。

スキーマのバージョン番号をレビューします。ドメインに、このリリースにアップグレードできないスキーマが含まれる場合は、アップグレードを試行しないでください。

個別のオブジェクト・テスト・ステータス: FAIL

準備状況チェック・テストによって、特定のオブジェクトの問題が検出されました。

失敗した問題がすべて解決されるまではアップグレードしないでください。

個別のオブジェクト・テスト・ステータス: PASS

準備状況チェック・テストによって、特定のオブジェクトの問題が検出されませんでした。

準備状況チェック・レポートに「成功」ステータスのみが表示されている場合は、環境をアップグレードできます。ただし、準備状況チェックでは、ハードウェアやアップグレード時の接続性などの外部環境に関する問題を検出することはできません。アップグレードの進捗を常に監視する必要があります。

<Object>の完了した準備状況チェックのステータス: FAILURE 準備状況チェックで、スキーマ、索引またはデータ型などの特定のオブジェクトに対して解決する必要がある1つ以上のエラーが検出されました。 失敗した問題がすべて解決されるまではアップグレードしないでください。
<Object>の完了した準備状況チェックのステータス: SUCCESS 準備状況チェック・テストによって問題が検出されませんでした。 アクションは必要ありません。
準備状況レポート・ファイルのサンプルを次に示します。レポートにはこれらのチェックのすべてが含まれない場合があります。
Upgrade readiness check completed with one or more errors.

This readiness check report was created on Tue May 30 11:15:52 EDT 2016
Log file is located at: ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/ua2016-05-30-11-14-06AM.log
Readiness Check Report File: ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/readiness2016-05-30-11-15-52AM.txt

Starting readiness check of components.

Oracle Metadata Services
   Starting readiness check of Oracle Metadata Services.
     Schema User Name: DEV11_MDS
     Database Type: Oracle Database
     Database Connect String: machinename@yourcompany.com
     VERSION Schema DEV11_MDS is currently at version 12.1.1.1.0.  Readiness checks will now be performed.
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_TABLES  Test that the schema contains all the required tables
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_TABLES --> Test that the schema contains all the required tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_PROCEDURES  Test that the schema contains all the required stored procedures
     EXCEPTION     Schema is missing a required procedure: GETREPOSITORYFEATURES
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_PROCEDURES --> Test that the schema contains all the required stored procedures +++ FAIL
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_VIEWS  Test that the schema contains all the required database views
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_VIEWS --> Test that the schema contains all the required database views +++ PASS
   Starting index test for table MDS_ATTRIBUTES:  TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes
   Completed index test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes +++ PASS
   Starting index test for table MDS_COMPONENTS:  TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes
   Completed index test for table MDS_TXN_LOCKS: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_TRIGGERS  Test that the schema has all the required triggers
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_TRIGGERS --> Test that the schema has all the required triggers +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_MISSING_COLUMNS  Test that tables and views are not missing any required columns
   Completed schema test: TEST_MISSING_COLUMNS --> Test that tables and views are not missing any required columns +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_TABLES  Test that the schema does not contain any unexpected tables
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_TABLES --> Test that the schema does not contain any unexpected tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_PROCEDURES  Test that the schema does not contain any unexpected stored procedures
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_PROCEDURES --> Test that the schema does not contain any unexpected stored procedures +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_VIEWS  Test that the schema does not contain any unexpected views
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_VIEWS --> Test that the schema does not contain any unexpected views +++ PASS
   Starting index test for table MDS_ATTRIBUTES:  TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes
   Completed index test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes +++ PASS
   Completed index test for table MDS_LABELS: TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes +++ PASS
   Starting index test for table MDS_LARGE_ATTRIBUTES:  TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_TRIGGERS  Test that the schema does not contain any unexpected triggers
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_TRIGGERS --> Test that the schema does not contain any unexpected triggers +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_COLUMNS  Test that tables and views do not contain any unexpected columns
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_COLUMNS --> Test that tables and views do not contain any unexpected columns +++ PASS
   Starting datatype test for table MDS_ATTRIBUTES:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting datatype test for table MDS_COMPONENTS:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Starting permissions test:  TEST_DBA_TABLE_GRANTS  Test that DBA user has privilege to view all user tables
   Completed permissions test: TEST_DBA_TABLE_GRANTS --> Test that DBA user has privilege to view all user tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_ENOUGH_TABLESPACE  Test that the schema tablespaces automatically extend if full
   Completed schema test: TEST_ENOUGH_TABLESPACE --> Test that the schema tablespaces automatically extend if full +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA  Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade
   Completed schema test: TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA --> Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_ONLINE_TABLESPACE  Test that schema tablespaces are online
   Completed schema test: TEST_ONLINE_TABLESPACE --> Test that schema tablespaces are online +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_DATABASE_VERSION  Test that the database server version number is supported for upgrade
     INFO   Database product version: Oracle Database 11g Enterprise Edition Release 11.2.0.3.0 - 64bit Production
With the Partitioning, OLAP, Data Mining and Real Application Testing options
   Completed schema test: TEST_DATABASE_VERSION --> Test that the database server version number is supported for upgrade +++ PASS
   Finished readiness check of Oracle Metadata Services with status: FAILURE.

12.1.3.0バージョンのOracle Fusion Middleware IAU Schemasを実行しており、それらのスキーマが11g (11.1.1.7以上)または12c (12.1.2.0)からアップグレードされた場合、準備状況チェックが次のエラーで失敗する場合があります。

Starting index test for table IAU_COMMON:  TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test 
that the table contains all the required indexes 
     INFO Audit schema index DYN_EVENT_CATEGORY_INDEX in table IAU_COMMON is 
missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by 
a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_EVENT_TYPE_INDEX in table IAU_COMMON is 
missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by 
a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_TENANT_INDEX in table IAU_COMMON is missing 
the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known 
issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_USER_INDEX in table IAU_COMMON is missing 
the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known 
issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_COMPONENT_TYPE_INDEX in table IAU_COMMON is 
missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by 
a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_USER_TENANT_INDEX in table IAU_COMMON is 
missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by 
a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
   Completed index test for table IAU_COMMON: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test 
that the table contains all the required indexes +++ FAIL

注意:

準備状況レポートの欠落索引エラーは無視できます。これは既知の問題です。スキーマのアップグレード操作時に、対応する欠落索引が追加されます。アップグレードされるスキーマがRCUを使用して12cで作成された場合、このエラーは発生しません。

6.2.5 サーバーとプロセスの停止

アップグレード・アシスタントを実行してスキーマと構成をアップグレードする前に、管理サーバーおよび管理対象サーバーを含むすべてのプロセスとサーバーを停止する必要があります。

Oracle Fusion Middleware環境は、Oracle WebLogic Serverドメイン、管理サーバー、複数の管理対象サーバー、Javaコンポーネント、アイデンティティ管理コンポーネントなどのシステム・コンポーネント、およびメタデータのリポジトリに使用されるデータベースで構成できます。コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で停止する必要があります。

注意:

この項の手順では、WLSTコマンドライン・ユーティリティまたはスクリプトを使用してサーバーおよびプロセスを停止する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。Oracle Fusion Middlewareの管理の管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動と停止を参照してください。

Fusion Middleware環境を停止するには、次の手順を実行します。

ステップ1: システム・コンポーネントの停止

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを停止するには、stopComponentスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name

システム・コンポーネントは任意の順序で停止できます。

ステップ2: 管理対象サーバーの停止

WebLogic Server管理対象サーバーを停止するには、stopManagedWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

ステップ3: Oracle Identity Managementコンポーネントの停止

Oracle Identity Managementのコンポーネント(Oracle Internet Directoryなど)を停止します。
  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name

ステップ4: 管理サーバーの停止

管理サーバーを停止する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも停止します。

管理サーバーを停止するには、stopWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopWebLogic.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopWebLogic.cmd

プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名、パスワードおよびURLを入力します。

ステップ5: ノード・マネージャの停止

ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。

またはnodemanager.propertiesQuitEnabledの属性をtrueに設定した後(デフォルトはfalseです)、WLSTを使用して、ノード・マネージャに接続して停止できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』のstopNodeManagerに関する項を参照してください。

6.2.6 ドメインの再構成

再構成ウィザードを実行して、ドメイン・コンポーネント構成を12c (12.2.1.2)に再構成します。

WebLogic Serverドメインを再構成する場合は、ドメインのアプリケーションによって、次の項目が自動的に更新されます。

  • WebLogic Serverコア・インフラストラクチャ

  • ドメイン・バージョン

注意:

ドメインの再構成を開始する前に、次の制限事項を確認します。

  • 再構成ウィザードでは、ドメインに含まれる独自のアプリケーションは更新されません。

  • アップグレード・プロセス時の非動的クラスタ・ドメインから動的クラスタ・ドメインへの変換はサポートされていません。

    再構成ウィザードの実行時に動的クラスタ機能を使用できますが、非動的クラスタ・アップグレードのアップグレードおよび動的クラスタの追加のみがサポートされます。アップグレード・プロセス中に動的クラスタを追加することはできません。

具体的には、ドメインを再構成する場合、次のことが発生します。
  • ドメインのconfig.xmlファイルのドメイン・バージョン番号は、管理サーバーのインストール済WebLogic Serverバージョンに更新されます。

  • すべてのインストール済Oracle製品の再構成テンプレートは、自動的に選択されてドメインに適用されます。これらのテンプレートは、WebLogicドメインが現在のWebLogic Serverバージョンと互換性を持つために必要な再構成タスクを定義します。

  • 起動スクリプトが更新されます。

    変更した起動スクリプトを保存する場合は、起動スクリプトのバックアップを作成してから再構成ウィザードを起動してください。

注意:

ドメインの再構成プロセスを開始すると、元に戻すことはできません。再構成ウィザードを実行する前に、アップグレード前のチェックリストに示されているようにドメインのバックアップを作成したことを確認します。再構成ウィザードの実行中にエラーまたは他の割込みが発生した場合、バックアップ場所から元のドメイン・ディレクトリにファイルとディレクトリをコピーすることによって、ドメインをリストアする必要があります。これは、再構成前にドメインを確実に元の状態に戻す唯一の方法です。

再構成ウィザードを使用して既存のドメインを再構成する手順に従います。ドメインの再構成についての一般情報は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverのアップグレード』のWebLogicドメインの再構成に関する項を参照してください。

6.2.6.1 ドメインのバックアップ

再構成ウィザードを実行する前に、ドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。

ドメイン・ディレクトリのバックアップを作成するには、次の手順を実行します。

  1. コンテンツを保持するには、ソース・ドメインを別の場所にコピーします。
    たとえば、C:\domains\mydomainをC:\domains\mydomain_backupにコピーします。
  2. 各リモート管理対象サーバーのドメインを更新する前に、各リモート・マシンのドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。
  3. ドメインのバックアップしたバージョンが完全であることを確認します。
ドメインの再構成がなんらかの理由で失敗した場合は、再構成を実行する前に、すべてのファイルおよびディレクトリをバックアップ・ディレクトリから元のドメイン・ディレクトリにコピーしてドメインを完全に元の状態に戻す必要があります。

6.2.6.2 再構成ウィザードの起動

再構成ウィザードをグラフィカル・モードで起動する手順は次のとおりです。

  1. ドメインが存在するシステムにサインインします。
  2. コマンド・シェル(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはコマンド・プロンプト・ウィンドウ(Windowsオペレーティング・システムの場合)を開きます。
  3. エディション・ベースのデータベース・ユーザーのみ: スキーマがEBRデータベースを使用して構成されている場合、再構成ウィザードを実行する前に、手動でデフォルトのエディション名を設定する必要があります。
    次のSQLコマンドを実行して、デフォルト・エディションを設定します。

    ALTER DATABASE DEFAULT EDITION = edition_name;

    ここで、edition_nameは、子エディションの名前です。

  4. oracle_common/common/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\commom\bin
  5. 再構成ウィザードを次のロギング・オプションとともに起動します。
    • (UNIX) ./reconfig.sh -log=log_file -log_priority=ALL
    • (Windows) reconfig.cmd -log=log_file -log_priority=ALL

    log_fileは、ドメイン再構成セッション用に作成するログ・ファイルの絶対パスです。これは、再構成処理をトラブルシューティングする必要がある場合に役立つことがあります。

    パラメータ-log_priority=ALLは、ログを詳細モードで出力します。

    注意:

    このコマンドを実行すると、デフォルトのキャッシュ・ディレクトリが無効であることを示す次のエラー・メッセージが表示される場合があります。

    *sys-package-mgr*: can't create package cache dir
    

    環境変数CONFIG_JVM_ARGSを設定することでキャッシュ・ディレクトリを変更できます。次に例を示します。

    CONFIG_JVM_ARGS=-Dpython.cachedir=valid_directory

6.2.6.3 再構成ウィザードを使用したWebCenter Sitesドメインの再構成

再構成ウィザードの各画面を移動して、既存のドメインを再構成します。

注意:

すべてのインストール済Oracle製品の再構成テンプレートは、自動的に選択されてドメインに適用されます。これらのテンプレートは、WebLogicドメインが現在のWebLogic Serverバージョンと互換性を持つために必要な再構成タスクを定義します。欠落としてレポートされたテンプレートが表示されている場合、ドメインに該当するOracle製品をインストールしたかどうかを確認します。たとえば、既存のドメインにOracle HTTP Serverが含まれている場合は、12c (12.2.1.2)のOracle HTTP Server製品ディストリビューションをインストールしていることを確認します。

注意:

ソースがクラスタ環境である場合は、再構成ウィザードをプライマリ・ノードでのみ実行します。圧縮/解凍ユーティリティを使用して、ドメイン内の他のクラスタ・メンバーに変更を適用します。
再構成ウィザードを使用してドメインを再構成するには、次の手順を実行します。
  1. 「ドメインの選択」画面で、アップグレードするドメインの場所を指定するか、「参照」をクリックしてナビゲートし、ドメインのディレクトリを選択します。「次へ」をクリックします。
  2. 「再構成セットアップの進行状況」画面には、設定プロセスの進行状況が表示されます。完了したら、「次へ」をクリックします。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • Fusion Middleware製品を含む、インストール済製品の再構成テンプレートが自動的に適用されます。これにより、config.xmlconfig-groups.xmlsecurity.xmlなどの様々なドメイン構成ファイルが更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    • ドメイン・アップグレードが検証されます。

  3. 「ドメイン・モードおよびJDK」画面で、ドメインで使用するJDKを選択するか、「参照」をクリックして、使用するJDKにナビゲートします。12c (12.2.1.2)に対してサポートされているJDKバージョンは、1.8.0_101以降です。「次」をクリックします。

    注意:

    このステージでは、「ドメイン・モード」を変更することはできません。
    特定のプラットフォームでサポートされているJDKのリストは、Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成の説明を参照してください。
  4. 「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択して、サーバー表(_STB)スキーマに接続します。
    RCUサービス表(_STB)スキーマ資格証明を使用してデータベース接続の詳細を入力し、「RCU構成の取得」をクリックします。
    再構成ウィザードは、この接続を使用して、ドメインのコンポーネントに必要なデータソースを自動的に構成します。

    注意: 既存の11gデータソースの場合、再構成では既存の値が保存されます。スキーマがRCUによって12c向けに作成された新しいデータソースの場合、デフォルトの接続データは_STBスキーマから取得されます。特定のスキーマの接続データが_STBスキーマにない場合は、デフォルトの接続データが使用されます。

    チェックが成功した場合は、「次へ」をクリックします。チェックが失敗した場合は、接続の正しい詳細を再入力し、再試行します。
  5. 「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面で、各コンポーネント・スキーマのDBMS/サービスおよびホスト名が正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。
  6.  DB2の場合は、再構成のために、「コンポーネント・データソース」画面でWCSITESコンポーネント・スキーマのDBMS/サービスおよびホスト名を入力します。
  7. 「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面で、すべてのコンポーネント・スキーマを選択して「選択された接続のテスト」をクリックし、各スキーマの接続をテストします。テストの結果は、「ステータス」列に表示されます。
    チェックが完了したら、「次へ」をクリックします。
  8. 「拡張構成」画面で、拡張構成を実行するすべてのカテゴリを選択できます。選択したカテゴリごとに、詳細構成を行うことができる適切な構成画面が表示されます。

    注意:

    「拡張構成」画面にリストされるカテゴリは、ドメインに選択したテンプレートに定義されているリソースによって異なります。
    このアップグレードではオプションを選択せずに、「次へ」をクリックします。
  9. 「構成のサマリー」画面で、ドメインの詳細な構成設定を確認してから続行します。
    「表示」ドロップダウン・リストからフィルタ・オプションを選択すると、右側のパネルに表示される項目を制限できます。
    構成を変更するには、「戻る」をクリックして適切な画面に戻ります。ドメインを再構成するには、「再構成」をクリックします。

    注意:

    ドメインを再構成しても、その場所は変更されません。
  10. 「再構成の進行状況」画面には、再構成プロセスの進行状況が表示されます。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • ドメイン情報が抽出、保存および更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    進捗バーが100%になったら、「次へ」をクリックします。
  11. 「構成の終了」画面には、再構成プロセスが正常に完了したか失敗したかが示されます。管理サーバーURL(リスニング・ポートを含む)とともに再構成されたドメインの場所も表示します。再構成が成功した場合は、Oracle Weblogic Serverの再構成に成功しましたと表示されます
    再構成プロセスが正常に完了しなかった場合は、その理由を示すエラー・メッセージが表示されます。問題を解決するための適切な措置を講じます。問題を解決できない場合は、My Oracle Supportに連絡してください。
    以後の操作のためにドメインの場所と管理サーバーURLをメモします。

6.2.7 アップグレード・アシスタントを実行する前に

アップグレード・アシスタントを実行して12.2.1.xのドメインをアップグレードする前に、このトピックにリストされているタスクを実行します。

アップグレード・アシスタントを実行する前に、次のことを実行します。
  1. ソースがクラスタ環境である場合は、プライマリ・ノードからドメインを圧縮し、それをセカンダリ・クラスタ・メンバー上に解凍します。
  2. セカンダリ・ノードのSitesのconfigフォルダを、プライマリ・ノードのもので置換します。
  3. DOMAIN_HOME/wcsires/config/にある次のxmlファイルを更新します。
    1. jbossTicketCacheReplicationConfig.xml:
      bind_addrプロパティを、このクラスタ・ノードの有効なホストまたはIPアドレスで正しく更新します。

      注意:

      multicastGroupPortの値を、2048より大きい一意の値に変更することをお薦めします。jbossTicketCacheReplicationConfig.xmlで使用するマルチキャスト・ポートは、クラスタ内の各ノードで同じであるが、同じネットワーク上で実行されている他のクラスタでは異なることを確認してください。

    2. cas-cache.xml:
      IPv6アドレスを使用している場合は、multicastGroupAddressの値を有効なIPv6マルチキャスト・アドレスに設定します。この値は、クラスタ内の各ノードで同一にする必要があります。たとえば、[ff0x:0:0:0:0:0:0:301]などです。
      timeToLiveパラメータに、環境に適した値を設定します(通常は1)。クラスタ・メンバーがすべて同じマシン上に配置されていない場合は、timeToLiveフィールドをデフォルト値の0から変更する必要があります。このフィールドは、次の表に示すように、クラスタ化マシンの分布に基づいて設定する必要があります。

      表6-14 timeToLiveの値の説明

      timeToLiveの値 説明
      1 同じサブネットに限定されるマルチキャスト・パケット。
      32 同じサイトに限定されるマルチキャスト・パケット。
      64 同じ地理的領域に限定されるマルチキャスト・パケット。
      128 同じ大陸に限定されるマルチキャスト・パケット。
      256 制限なし。
      この手順を、cs-cache.xmllinked-cache.xmlおよびss-cache.xmlの各ファイルで繰り返します。
  4. 次のコマンドを入力して、新規Sitesのセキュリティjarに対する権限を付与します。
    DOMAIN_HOME/wcsites/bin/grant-opss-permission
  5. xml構成ファイルに対するカスタム設定をリストアします。DB2の場合:
    1. ドメイン・クラスパスに、db2jcc.jarおよびdb2jcc_license_cu.jarの各ファイルを元どおり追加します。
    2. テキスト・エディタを使用して、次の場所にあるsetDomainEnv.shファイルを編集します。
      DOMAIN_HOME/bin
      次のテキストを探します。
      # ADD EXTENSIONS TO CLASSPATHS
      # ADD EXTENSIONS TO CLASSPATHSの後に次の行を追加します。
      PRE_CLASSPATH="path_to_db2jcc.jar:path_to_db2jcc_license_cu.jar:${PRE_CLASSPATH}
  6. setDomainEnv.shファイルを保存します。
  7. 再構成プロセスの後にxml構成ファイル(例: MobilityService.xmlなどのxmlファイル)に対して実行されたカスタマイズをリストアします。  

6.2.8 製品スキーマのアップグレード

サーバーとプロセスの停止後に、Upgrade Assistantを使用して、サポートされている製品スキーマをOracle Fusion Middlewareの現在のリリースにアップグレードします。

アップグレード・アシスタントを使用すると、個別に選択したスキーマまたはドメインに関連付けられているすべてのスキーマをアップグレードできます。選択したオプションによって、表示されるアップグレード・アシスタントの画面は異なります。

6.2.8.1 Upgrade Assistantの起動

アップグレード・アシスタントを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。アップグレード・アシスタントを非SYSDBAユーザーとして実行し、一度に1つのドメインのアップグレードを完了することをお薦めします。

Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. アップグレード・アシスタントを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

ロギング・パラメータなど、コマンドラインで指定できるその他のパラメータは、次を参照してください。

6.2.8.1.1 アップグレード・アシスタントのパラメータ

アップグレード・アシスタントをコマンドラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表6-15 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されているときに入力したデータから生成されるレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれか1つの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定すると、より多くの情報がロギングされます。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIX:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windows:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

コマンドライン・オプションをすべて表示します。

6.2.8.2 アップグレード・アシスタントを使用した製品スキーマのアップグレード

アップグレード・アシスタントの各画面を移動して、製品スキーマをアップグレードします。

アップグレード・アシスタントを使用して製品スキーマをアップグレードするには、次の手順を実行します。
  1. 「ようこそ」画面には、アップグレード・アシスタントの概要と、重要なアップグレード前のタスクに関する情報が表示されます。「次」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントの画面の詳細を参照するには、画面で「ヘルプ」をクリックします。
  2. 「選択したスキーマ」画面で「個別に選択されたスキーマ」を選択し、「次」をクリックします。
    スキーマのアップグレード対象になるコンポーネントはアップグレード・アシスタントによって識別され、ユーザーがアップグレードに含めるスキーマを選択できるようになります。
  3. 「個別に選択されたスキーマ」を選択した場合: 「使用可能なコンポーネント」画面で、スキーマをアップグレードするコンポーネントを選択します。コンポーネントを選択すると、スキーマとすべての依存関係が自動的に選択されます。
  4. 「前提条件」画面ですべてのチェック・ボックスを選択し、前提条件を満たしていることを確認します。「次」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントでは前提条件が満たされているかどうかを確認できません。
  5. 「WebCenter Sitesソース・バージョン」画面で12.2.1.0.0以降を選択し、「次」をクリックします。これはアップグレードの開始ポイントです。
  6. 「WebCenter Sitesの場所」画面で、既存のSitesホームおよびSites共有ディレクトリの完全な場所と、12cの構成ファイル(wcs_properties.json)の場所を指定します。
    「次へ」をクリックします。
  7. 「WebCenter Sitesソース・スキーマ」画面で、「データベース・タイプ」ドロップダウン・リストからデータベース・タイプを選択します。
    データベース接続文字列を次の書式で「データベース接続文字列」フィールドに指定します。
    • (Oracle Database) host:port/serviceまたはhost:port:SIDまたはTNS connect string
    • (Microsoft SQL Server) //host:port;DatabaseName=dbname
    • (IBM DB2) //host:port;DatabaseName=dbname
    「DBAユーザー名」フィールドに、ユーザー名とDBA権限を指定します。「DBAパスワード」フィールドに、DBAパスワードを指定します。
    「スキーマ・ユーザー名」フィールドと「スキーマ・パスワード」フィールドに、スキーマのユーザー名とパスワードをそれぞれ指定します。
  8. 「調査」画面には、各スキーマを調査し、スキーマのアップグレード準備が整っていることを確認するアップグレード・アシスタントのステータスが表示されます。ステータスが「調査が終了しました。」である場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログで「いいえ」をクリックして、アップグレードを取り消すことをお薦めします。「ログの表示」をクリックして、エラーの原因を調査し、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントを使用したアップグレードのアップグレード・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項で一般的なアップグレード・エラーの解決方法を参照してください。

    注意:

    • 調査フェーズの間に、アップグレードを続行せずに検出された問題を解決した場合は、バックアップからリストアすることなしに、アップグレード・アシスタントを再起動できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックして続行した場合は、アップグレード・アシスタントを再起動する前に、アップグレード前の環境をバックアップからリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消してもスキーマまたは構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報を再収集する必要があります。

  9. 「アップグレード・サマリー」画面で、スキーマのアップグレードで選択したオプションのサマリーをレビューします。
    正しいソース・バージョンとターゲット・バージョンが、アップグレード対象の各スキーマにリストされていることを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存して、後でアップグレード・アシスタントをレスポンス(またはサイレント)モードで再度実行する場合、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの名前と場所を指定します。サイレント・アップグレードは、アップグレード・アシスタントとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  10. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないスキーマがある場合は、アップグレード・アシスタントのログ・ファイルで情報を確認します。

    注意:

    この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  11. スキーマのアップグレードが成功した場合は、次の場所にサマリー・ファイルが生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/wcsites_upgrade/schema/Source Version/Database Type/summary.txt
    この場合、「ソース・バージョン」12.2.1.2であり、「データベース・タイプ」は使用しているデータベースです。
    スキーマのアップグレードが失敗した場合は、考えられるエラーをログでレビューします。ログ・ファイルは次の場所に生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
    「閉じる」をクリックしてアップグレード・アシスタントを閉じます。

6.2.8.3 スキーマのアップグレードの確認

すべてのアップグレード手順の完了後に、schema_version_registryのスキーマ・バージョンが適切に更新されていることをチェックして、アップグレードが成功したことを確認します。  

Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBAを持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。

SET LINE 120
COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
COLUMN COMP_ID FORMAT A20
COLUMN VERSION FORMAT A12
COLUMN STATUS FORMAT A9
COLUMN UPGRADED FORMAT A8
SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;

問合せ結果で次を行います。

  • VERSION列の数値が、そのスキーマの最新のバージョン番号に一致していることを確認します。たとえば、スキーマ・バージョン番号が12.2.1.2.0であることを確認します。ただし、すべてのスキーマ・バージョンが更新されるわけではありません。一部のスキーマはこのリリースにアップグレードする必要がなく、アップグレード前のバージョン番号が保持されます。

  • STATUSフィールドは、スキーマへのパッチ適用処理中はUPGRADINGまたはUPGRADEDになり、処理が終了するとVALIDになります。

  • ステータスが「INVALID」と表示された場合は、ステータスの更新が失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。

  • IAU_APPENDおよびIAU_VIEWERによって所有されるシノニム・オブジェクトは、INVALIDとして表示されますが、これは失敗を意味するわけではありません。

    ターゲット・オブジェクトがシノニムの作成後に変更されたため、これらのオブジェクトは無効になります。シノニム・オブジェクトは、アクセスされると有効になります。これらのINVALIDオブジェクトは無視しても問題ありません。

6.2.9 ドメイン・コンポーネント構成のアップグレード

ドメインの再構成後に、アップグレード・アシスタントを使用して、ドメイン内のドメイン・コンポーネント構成を、更新されたドメイン構成に一致するようにアップグレードします。

6.2.9.1 Upgrade Assistantの起動

アップグレード・アシスタントを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。アップグレード・アシスタントを非SYSDBAユーザーとして実行し、一度に1つのドメインのアップグレードを完了することをお薦めします。

Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. アップグレード・アシスタントを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

ロギング・パラメータなど、コマンドラインで指定できるその他のパラメータは、次を参照してください。

6.2.9.1.1 アップグレード・アシスタントのパラメータ

アップグレード・アシスタントをコマンドラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表6-16 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されているときに入力したデータから生成されるレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれか1つの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定すると、より多くの情報がロギングされます。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。アップグレード・アシスタントによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIX:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windows:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

コマンドライン・オプションをすべて表示します。

6.2.9.2 アップグレード・アシスタントを使用したドメイン・コンポーネントのアップグレード

アップグレード・アシスタントの各画面を移動して、WebLogicドメインのコンポーネント構成をアップグレードします。

再構成ウィザードを実行してWebLogicドメインを12c (12.2.1.2)に再構成した後に、アップグレード・アシスタントを実行して、ドメイン・コンポーネント構成を、更新されたドメイン構成に一致するようにアップグレードする必要があります。

アップグレード・アシスタントを使用してドメイン・コンポーネント構成をアップグレードするには、次の手順を実行します。
  1. 「ようこそ」画面には、アップグレード・アシスタントの概要と、重要なアップグレード前のタスクに関する情報が表示されます。「次」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントの画面の詳細を参照するには、画面で「ヘルプ」をクリックします。
  2. 次の画面で、次を実行します。
    • 「ドメインによって使用されるすべての構成」を選択します。画面名が「WebLogicコンポーネント」に変更されます。

    • 「ドメイン・ディレクトリ」フィールドに、WebLogicドメイン・ディレクトリのパスを入力します。

    「次へ」をクリックします。

  3. 「コンポーネント・リスト」画面で、リストに構成をアップグレードするすべてのコンポーネントが含まれていることを確認し、「次」をクリックします。
    アップグレード対象のコンポーネントが表示されていない場合は、「戻る」をクリックして前の画面に戻り、別のドメインを指定します。
  4. 「前提条件」画面ですべてのチェック・ボックスを選択し、前提条件を満たしていることを確認します。「次」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントでは前提条件が満たされているかどうかを確認できません。
  5. 「WebCenter Sitesソース・バージョン」画面で12.2.1.0.0以降を選択し、「次」をクリックします。これはアップグレードの開始ポイントです。
  6. (単一サーバー環境)ソースが単一サーバー環境である場合は、「WebCenter Sitesソースの詳細」画面が表示されます。
    「WebCenter Sitesソース・クラスタの詳細」画面で、Source_Version (12.2.1.0 or 12.2.1.1) Sitesインストール・ディレクトリとSource_Version Sitesデプロイメント・ディレクトリの完全パスを指定し、「アップグレード」をクリックします。
    「参照」をクリックして、ナビゲーション・ツリーを使用して特定のディレクトリを選択することもできます。
  7. (クラスタ環境)ソースがクラスタ環境である場合は、「WebCenter Sitesソースの詳細」画面が表示されます。
    各ノードのSource_Version Sitesインストール・ディレクトリおよびSource_Version Sitesデプロイメント・ディレクトリを、ソースSource_Version Sitesインストール・ディレクトリ・フィールドとソースSource_Version Sitesデプロイメント・ディレクトリ・フィールドにそれぞれ指定します。
    Sitesデプロイメント・ディレクトリの例を次に示します。
    • (Tomcat) TOMCAT_HOME/webapps/sites

    • (WebSphere) WAS_HOME/installableApps/sites

    • (WebLogic) DOMAIN_HOME/manual/sites

    「参照」をクリックして、ナビゲーション・ツリーを使用して特定のディレクトリを選択することもできます。
    Source_Versionのディレクトリを指定したら、「アップグレード」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにリストされるノード名は、「クラスタ・ノード管理」画面でノードを登録した際に指定した名前です。
  8. 「調査」画面で、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証する、アップグレード・アシスタントのステータスを確認します。ステータスが「調査が終了しました。」である場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログで「いいえ」をクリックして、アップグレードを取り消すことをお薦めします。「ログの表示」をクリックして、エラーの原因を調査し、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントを使用したアップグレードのアップグレード・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項で一般的なアップグレード・エラーの解決方法を参照してください。

    注意:

    • 調査フェーズの間に、アップグレードを続行せずに検出された問題を解決した場合は、バックアップからリストアすることなしに、アップグレード・アシスタントを再起動できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックして続行した場合は、アップグレード・アシスタントを再起動する前に、アップグレード前の環境をバックアップからリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消しても構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、アップグレード・アシスタントが収集した情報を再収集する必要があります。

  9. 「アップグレード・サマリー」画面で、コンポーネント構成のアップグレードで選択したオプションのサマリーをレビューします。
    レスポンス・ファイルには入力したすべての情報が収集して格納され、後でサイレント・アップグレードを実行できます。サイレント・アップグレードは、アップグレード・アシスタントとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  10. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないコンポーネントがある場合は、Upgrade Assistantのログ・ファイルで情報を確認します。

    注意:

    この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  11. 構成のアップグレードが成功した場合は、次の場所にサマリー・ファイルが生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/wcsites_upgrade/config/Source Version/
    ここで、Source Versionは12.2.1.0または12.2.1.1です。
    ソース(12.2.1.0または12.2.1.1)がクラスタ環境である場合、サマリー詳細は次のようにクラスタごとに生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/wcsites_upgrade/config/Source Version/nodename
    ソース(12.2.1.0または12.2.1.1)が単一サーバー環境である場合は、次の3つのサマリー・ファイルが生成されます。
    • PropertyMigration_Summary.txt (プロパティの移行サマリー)
    • HomeMigration_Summary.txt (Siteホームの移行サマリー)
    • SharedMigration_Summary.txt (Sites共有の移行サマリー)
    スキーマのアップグレードが失敗した場合は、考えられるエラーをログでレビューします。ログ・ファイルは次の場所に生成されます。
    ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
    「閉じる」をクリックしてアップグレード・アシスタントを閉じます。

6.2.9.3 ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードの確認

ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードが成功したことを確認するには、管理コンソールおよびFusion Middleware Controlにログインし、各コンポーネントのバージョン番号が12.2.1.2であることを確認します。

管理コンソールにログインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/console

Fusion Middleware Controlにログインするには、次に移動します: http://administration_server_host:administration_server_port/em

注意:

アップグレード後、管理ツールは、前のOracleホームではなく新しい12cのOracleホームから必ず実行してください。

アップグレード・プロセス時に、一部のOWSMドキュメント(ポリシー・セット、ポリシーおよびアサーション・テンプレートなどの事前定義ドキュメント)のアップグレードが必要な場合があります。ポリシー・セットまたは事前定義ドキュメントがアップグレードされると、バージョン番号が1増分されます。

6.2.10 アップグレード後の検証タスク

スキーマと構成が正常にアップグレードされた後でデータの整合性を確認するための、新しくアップグレードしたドメインで実行できる検証スクリプトが用意されています。検証の要約レポートをレビューして、スキーマと構成のアップグレード・プロセスの間にデータの不整合が発生していないか確認できます。

検証スクリプトを実行するには、次の手順を実行します。
  1. 検証スクリプトは次の場所にあります。
    (UNIX)Oracle_Home/wcsites/plugins/upgrade/
    (UNIX) ./validation.sh
    (Windows)Oracle_Home\wcsites\plugins\upgrade\
    (Windows) validation.bat
  2. 検証チェックが完了すると、検証サマリー・レポート(Validation.txt)が生成されます。これをシステム上の任意の場所に保存します。
  3. 検証サマリー・レポートをレビューして、既存のドメインと新しく構成した12.2.1.2のドメインの間にデータの不整合がないかチェックします。

    注意:

     ソース(11.1.1.8)環境でパッチ12以上を使用している場合、web.xmlの比較レポートには、ターゲット(12.2.1.2)環境に存在する差異が表示されます。ターゲット(12.2.1.2)環境で利用可能なサマリー・レポートに示されている変更は無視できます。

6.2.11 アップグレード後のタスク

アップグレード後のタスクには、カスタム設定のリストア、管理サーバーと管理対象サーバーの起動、パスワードの再構成、およびこのトピックにリストされているその他の管理タスクが含まれます。

WebCenter Sites 12.2.1.2にアップグレードした後に、次の手順を実行します。
  1. カスタム設定を既存の環境から12.2.1.2環境にリストアまたは再デプロイします。
    これには、Javaライブラリや静的Webリソースに対するカスタム変更、または要素の変更が含まれます。
    Javaライブラリまたは静的Webページに加えた変更をリストアするには、「カスタムJavaライブラリまたは静的Webリソースの移行」を参照してください。

    注意:

    • WebCenter Sites 12cではODLロギング・フレームワークを使用しており、11g環境で設定されているカスタムLog4jログ・レベルはODLロギングに移行されません。これらのレベルはアップグレード後にリセットできます。

    • 11g MobilityService.xmlで行われたカスタマイゼーション(例: WURLFサービス)は、12.2.1.2 xmlに手動でポートする必要があります。

  2. 管理サーバーと管理対象サーバーを起動します。「サーバーとプロセスの起動」を参照してください。
  3. パブリッシュ・プロセスのパスワードを再構成します。
    1. 管理サーバーURLに管理者としてサインインします。
    2. 「管理」メニューに移動し、「パブリッシュ」の下の「宛先」をクリックします。
    3. パブリッシュの宛先URL、ポート、ユーザー名、パスワードを更新します。
  4. 11gデプロイメントからアップグレードしている場合は、ユーザーをSitesアプリケーションに割り当てます。
    1. AdminSiteに管理者としてサインインします。
    2. AdminSiteの下のWEB管理に移動します。
      「アプリケーション」をクリックします。次に、管理アプリケーションの下の「アプリケーションの管理」をクリックします。
      「サイトへの割当て」をクリックします。「サイトの選択」「続行」の順にクリックします。
      上級ユーザー・ロールを選択し、変更を保存します。
    3. AdminSiteの下のWEB管理に移動します。
      「アプリケーション」をクリックします。次に、管理アプリケーションの下の「アプリケーションの管理」をクリックします。
      「サイトへの割当て」をクリックします。「サイトの選択」「続行」の順にクリックします。
      Sitesユーザー・ロールを選択し、変更を保存します。
    4. この手順を繰り返して、その他のアプリケーションをユーザーに追加し、そのユーザーにロールを割り当てます。
  5. 外部WebRootが構成されている場合は、Sites管理ユーザー・インタフェースからWebRootを更新します。
  6. ソースがクラスタ環境であった場合は、configディレクトリのxmlファイル設定を、アップグレード・アシスタントを実行したソース環境から、アップグレード後の環境にあるその他のすべてのノードにコピーします。
    次のような要因があります。
    • cs-cahe.xml
    • cas-cache.xml
    • ss-cache.xml
    • linked-cache.xml
    • MobilityServices.xml
    • Custom/RestResources.xml
    • wcs_properties_bootstrap.ini

      注意:

      Lucene検索索引は、アップグレード・プロセスでの処理中に再度有効になります。アップグレード後のプロセスで索引が完全に再構築されるまで、コントリビュータUIの検索結果が遅延する可能性があります。
  7. Fusion Middlewareインフラストラクチャのリリース12cでは、SQL Serverデータベースが大/小文字区別モードで構成されていることが必要になります。結果として、WebCenter Sitesによって提供されるics:sql jspタグでは、表値がデータベースで使用されているのと同じ大/小文字であることが必要になります。
    ics:sql文の構文を次に示します。
    <ics:sql
          sql="sql commands"
          listname="list name"
          table="name of table"
          [limit="max number of results"]/>

    SQL Serverデータベースで指定されているのと同じ大/小文字で表の名前を指定する必要があります。

  8. 次のプロパティは、Sites構成設定プロセスでの処理中に指定した、アプリケーション管理者ユーザー・アカウント値にリセットされます。
    • xcelerate.batchuserおよびパスワード
    • cs.emailpassword
    プロパティ管理ツールを使用して、これらのプロパティを適切な値に更新する必要があります。
  9. WCCの統合後に、WCC構成のwcc.server.passwordをリセットして、マップされたすべてのルールを表示します。
  10. インスタンスが配信であり、サンプル・サイトが公開されている場合は、アップグレードされた開発インスタンスからサンプル・サイトを配信インスタンスに再公開する必要があります。
  11. (以前の12cリリースのみからアップグレードしている場合およびSitesがRSSおよびサイト・キャプチャとともに同じドメインにインストールされている場合)
    1. RSSおよびサイト・キャプチャを含むSitesを12.2.1.0以降のリリースから12c (12.2.1.2)にアップグレードしている場合は、新しいドメインを作成し、RSSおよびサイト・キャプチャを再度インストールする必要があります。
    2. 同じポートにサイト・キャプチャをインストールしていない場合は、次の手順を実行します。
      1. Sites内のサイト・キャプチャのFW_View表およびFW_Application表のサイト・キャプチャ・ポートを変更します。

      2. valid.urlsプロパティのポート番号を変更します。

      3. SiteCaptureカテゴリのその他のプロパティのポート番号を変更します。

    3. RSSのインストール後に、RSSがSystemSatellite表のRSSポートにインストールされていない場合は、このポートを変更します。

6.2.11.1 サーバーおよびプロセスの起動

正常なアップグレードの後に、管理サーバーや管理対象サーバーなど、すべてのプロセスおよびサーバーを再起動します。

これらのコンポーネントは相互に依存する場合があるため、正しい順序で起動する必要があります。

注意:

この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーおよびプロセスを起動する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。『Oracle Fusion Middlewareの管理』の管理サーバーと管理対象サーバー、およびノード・マネージャの起動および停止に関する項を参照してください。

Fusion Middleware環境を起動するには、次の手順に従います。

ステップ1: 管理サーバーの起動

管理サーバーを起動する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも起動します。

管理サーバーを起動するには、startWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd

プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名、パスワードおよびURLを入力します。

ステップ2: ノード・マネージャの起動

ノード・マネージャを起動するには、startNodeManagerスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd

ステップ3: Oracle Identity Managementコンポーネントの起動

環境を構成しているOracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントがあれば、それをすべて起動します。
  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

ステップ4: 管理対象サーバーの起動

WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

注意:

通常は、管理対象サーバーの起動により、それにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。

ステップ5: システム・コンポーネントの起動

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを起動するには、startComponentスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

システム・コンポーネントは任意の順序で起動できます。

6.3 カスタムJavaライブラリまたは静的Webリソースの移行

アップグレード前の環境でWebアプリケーションにカスタムJavaライブラリまたは静的Webリソースが追加されており、アップグレード後の環境でこれらを引き続き使用する場合にのみ、このオプション手順を実行します。

WebアプリケーションにカスタムJavaライブラリ(jarファイル)またはカスタムWebリソース(css、js、イメージなど)が含まれている場合は、アップグレード後に、それらをアップグレード後の環境に手動で移行する必要があります。これらのリソースを移行しないと、アップグレード後の環境でその機能にアクセスできなくなります。

WebCenter SitesのWebアプリケーションは、WARファイルとして出荷されます。Webアプリケーションは、最初に構成ウィザードの処理中にデプロイされ、アプリケーション・ライフサイクルでの処理中に何度でも再デプロイすることができます。変更はアップグレード・プロセスでの処理中に上書きされるため、実装固有のカスタマイズをSites WARファイルに含めないことをお薦めします。

 

WebLogic Server共有ライブラリ・フレームワークを拡張する場合、Sitesではextend.sites.webapp-lib.warが共有ライブラリとして提供されます。このファイルはORACLE_HOME/wcsites/webcentersites/sites-home/ディレクトリにあります。静的Webリソースなどの実装固有のカスタマイズやJavaライブラリを、このWARファイルに含めることができます。この共有ライブラリは、アプリケーションのライフサイクルの進行中にデプロイされ、Sitesと同じコンテキスト・ルーツ(/sites/)を共有します。この共有ライブラリのコンテンツは、パッチ適用プロセスでの処理中に上書きされることはありません。

また、Sites UIがカスタマイズされている場合は、コードの変更もアップグレード後の環境に移行する必要があります。