AXFのOracle E-Business Suite部分では、Oracle E-Business Suiteデータベースへのアクティブな接続、一般的なデータベース操作およびOracle E-Business Suite Forms BuilderとOAFページ・パーソナライズに関する知識が必要です。
注意:
アダプタ・ソリューションをOracle PeopleSoftにはインストールしたが、Oracle E-Business Suiteにはインストールしていない場合は、この章はスキップして、Oracle PeopleSoftプラグインの構成で説明している手順を完了してください
この章の構成は、次のとおりです。
アダプタでは、Oracle E-Business Suiteデータベースを使用して、PL/SQLプロシージャおよびOracle E-Business Suite構成情報が格納されます。これらのタスクについては、ローカルのDBAに問い合せてください。この項で説明する手順では、SQL*PLUSの使用が前提となっていますが、Oracle Databaseに問合せを実行できる任意のツールを使用できます。
次の手順に従って、Oracle E-Business Suiteデータベース内でAXFによって使用するためのデータベース・ユーザーを作成します。
注意:
Oracle E-Business Suite 11iおよびOracle Database 9iを使用している場合は、Oracle XML Database XDB パッケージをOracle E-Business Suiteデータベースにインストールする必要があります。(この要件は、Oracle E-Business Suite 11iおよびOracle Database 9iを使用している場合にのみ適用されます。)Oracle XML Database XDBパッケージのインストールの詳細は、Oracle Database 9iのドキュメントを参照してください。
表2-1は、実行するPL/SQLスクリプトを示しています。場合によっては、Oracle E-Business Suiteリリース11とリリース12で、別々のスクリプトが提供されます。名前がOAFで始まるスクリプトは、OAF構成に適用されます。
FormsとOAFアプリケーションのいずれ(あるいはその両方)を構成しているかにかかわらず、PL/SQLの実行で説明しているように、Oracle E-Business Suiteリリースに対してすべてのスクリプトを実行することをお薦めします。
表2-1 Oracle E-Business Suiteプラグインとともに提供されるPL/SQLプロシージャ
PL/SQLプロシージャ | 適用対象 | 説明 |
---|---|---|
AXF_CREATE_TABLES_SYNONYM OAF_AXF_CREATE_TABLES_SYNONYM |
Forms OAF |
これらのスクリプトによって、FormsおよびOAFアプリケーションに対してAXFで使用される表およびシノニムが作成されます。また、OAF_AXF_CREATE_TABLES_SYNONYM.sqlによって、OAF_AXF_PROPERTIES表が移入されます。 |
AXF_EBS_PROPERTIES_DATA |
Forms |
AXFに対する様々なOracle E-Business Suiteコールに関するセキュリティ情報がAXF_PROPERTIES表に移入されます。 |
AXF_APPS_INIT |
Forms |
Formsアプリケーションの場合に、Oracle E-Business Suite添付に必要です。 |
AXF_ADD_EBS_ATTACHMENT_PROC_R11 AXF_ADD_EBS_ATTACHMENT_PROC_R12 |
Forms |
Oracle E-Business Suite Formsアプリケーションで、トランザクションに添付を追加するストアド・プロシージャを作成します。 |
AXF_MANAGED_ATTACHMENT_DATA AXF_MANAGED_ATTACH_AVAIL AXF_MANAGED_ATTACH_VALUES |
Forms |
Formsアプリケーションの場合に、ドキュメント添付に必要です。 |
AXF_SOAP_CALL_PROC |
Forms OAF |
このスクリプトは、PL/SQLからのSOAPコールを行うストアド・プロシージャを作成します。 |
既存のOracle E-Business Suite Formsにカスタム・アクションをシームレスに統合できるように、特定のファイルがOracle E-Business Suiteシステムにアップロードされ、アダプタで使用されます。アダプタでは、ワークフロー・タスク(イメージング・ソリューション)およびビジネス・レコードに関連付けられているドキュメント(両方のソリューション)へのアクセスに、ユーザー・インタフェース.PLL拡張モジュールが使用されます。
Custom.PLLモジュールは、AXFの機能をコールするよう構成時に少しだけ変更されます。このモジュールは、Oracle E-Business Suiteイベントが発生するたびにAXFに通知して、イベントがAXF機能に関連しているかどうかをAXFが判断できるようにします。
AXF_Custom.PLLコンポーネントは、次の機能を実行します。
AXFコマンドを実行するWebサービスのコール
次のAXFレスポンス・コマンドへの応答
ブラウザを開く
対話の終了
Oracle E-Business Suite構成データベースに基づいてAXF機能を公開するためのメニューのレンダリング
次の手順に従い、AXF_CUSTOM.pldファイルをコピーして、AXF_CUSTOM.pllファイルに変換し、変更を行ってからAXF_CUSTOM.plxファイルにコンパイルします。
注意:
別のコマンドライン・メソッド(Oracle E-Business Suite 12 Formsに使用する場合のみ適用可能)を使用してAXF_CUSTOM.pllをコンパイルするときは、コマンドラインを使用したAXF_CUSTOM.pllのコンパイルを参照してください。
注意:
Oracle Forms Builderの使用法は、そのOracle E-Business Suiteドキュメントを参照してください。
この項では、アダプタ使用のOracle E-Business Suite Formsをコンパイルするための、別のコマンドライン・メソッドについて説明します。これはOracle E-Business Suite 12 Formsの使用にのみ適用され、Oracle E-Business Suite 11には適用されません。
次の手順に従い、AXF_CUSTOM.pldファイルをコピーして、AXF_CUSTOM.pllファイルに変換し、変更を行ってからAXF_CUSTOM.plxファイルにコンパイルします。その後で、Oracle E-Business Suite Formsのコンパイルの手順に従って、示されているとおりに別のファイルCUSTOM.pllを変更して、Forms構成を完了します。
OAFページの管理対象添付ファイル機能は、次のように動作します。
OAFパーソナライズを使用して、管理対象添付ファイルのボタンをOAFページに手動で追加します。これには、MDSリポジトリにインポートされたカスタム・フレックス・リージョンにボタンをに配置します。
このボタンは汎用拡張コントローラ・クラスに関連付けられます。このコントローラ・クラスは、Oracle E-Business Suiteからのコールをカスタムの中間OAFページにリダイレクトして、必要なOracle E-Business Suiteマッピング・エントリを渡します。
コントローラ・クラスでは、どのOAFページにコールされたのかが分析されます。OAFページのキー識別子(名前、ビュー・オブジェクト、主キー属性およびラベル)がデータベース表に格納されます。コントローラをコールしたOAFページに基づいて、ソリューションでは、データベース表から該当する行と必要なビジネス・エンティティ値がフェッチされます。これらのビジネス・エンティティ値は、パラメータとしてカスタムの中間OAFページのURLに追加されます。
ユーザーが管理対象添付ファイルのボタンをクリックすると、カスタムの中間OAFページが開き、ProcessRequestメソッドがコールされ、SOAPパケットが作成されます。SOAPコールで、コンテンツ・サーバーのURLがフェッチされ、ロード時にページはこのコンテンツ・サーバーのURLにリダイレクトされます。
注意:
管理対象添付ファイル機能にOAFページを構成することに加えて、OAFページのその他のサービスの構成(オプション)で説明しているように、OAFページにイメージングへのアクセスを提供することもできます。
Oracle E-Business Suite OAFプラグインを構成するには、次の各項の手順に従ってください。
次の手順に従って、Javaファイルをコンパイルし、クラス・ファイルをコピーして、XMLファイルをMDSリポジトリにインポートして、管理対象添付ファイルのボタンをOAFページに追加できるようにします。管理対象添付ファイルを追加するためのOAFページのカスタマイズで、MDSリポジトリからカスタム・フレックス・リージョンにボタンを追加します。
注意:
この手順では、JDeveloperを使用してJavaファイルをコンパイルする作業に精通していることが前提となっています。基本情報は、次のWebページにある、JDeveloper 10gを使用した初めてのプログラムの作成に関する項を参照してください。
http://download.oracle.com/otndocs/tech/ias/portal/files/RG/OBE/FirstStep/FirstStep.htm
管理対象添付ファイルのボタンを表示するOAFページごとに次の手順を実行します。パーソナライズによってフレキシブル・レイアウトを作成し、フレキシブル・コンテンツとしてMDSリポジトリに前にインポートした管理対象添付ファイル・ボタンのファイルを追加します。
注意:
OAFページごとに、管理対象添付ファイルのボタンを1つのみ追加します。複数のボタンを組み込むと、同一のコントローラ・コードが複数回実行されることになってしまいます。
管理対象添付ファイル機能を、OAFページの明細項目の添付ファイルに実装することはできません。
Oracle E-Business SuiteにOPERATIONSユーザーとしてログインします。
管理対象添付ファイルのボタンの追加先のOAFページを表示し、ページの上部にある「ページのパーソナライズ」リンクをクリックします。
「ページのパーソナライズ」ページのパーソナライズ構造で、「完全ビュー」オプションを選択し、「すべて開く」リンクをクリックします。OAFページ上のすべてのリージョンの完全な階層ビューが表示されます。
フレキシブル・レイアウトを作成して、構成します。
OAFページ上でボタンの表示場所となるリージョンまで階層リストをスクロール・ダウンし、「アイテムの作成」アイコンをクリックします。図2-1に示したような「アイテムの作成」ページが表示されます。
「レベル」フィールドで、「サイト」を選択します。
「アイテム・スタイル」フィールドで、フレキシブル・レイアウトを選択します。
「ID」フィールドに、任意の値(たとえば、test
)を入力します。
「適用」をクリックします。
フレキシブル・コンテンツを作成して、構成します。
階層リストで、追加したばかりのフレキシブル・レイアウトを見つけ、その「アイテムの作成」アイコンをクリックします。図2-2に示したような「アイテムの作成」ページが表示されます。
「アイテム・スタイル」フィールドで、フレキシブル・コンテンツを選択します。
「ID」フィールドに、任意の値(たとえば、test1
)を入力します。
「拡張」フィールドに、(Javaファイルのコンパイル、クラス・ファイルのコピーおよびXMLファイルのインポートで)MDSリポジトリにインポートしたフレックス・リージョンのパッケージを入力します。
/oracle/apps/ak/ucm/axf/webui/ManagedAttachmentButtonRN
「適用」ボタンをクリックします。
この項の内容は次のとおりです。
次の手順に従って、SOAPセキュリティを構成します。SOAPセキュリティでは、アプリケーションからSOAPユーザーおよびパスワードが認証用にヘッダーで送信されます。
注意:
SOAPセキュリティの構成が必要です。
次の手順を実行して、AXFのSSL構成にOracle E-Business Suiteシステム設定を指定します。
詳細は、Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理のSSLの構成を参照してください。
Oracle E-Business Suiteデータベースで、次のSQL文を実行します。
Oracle E-Business Suite Formsアプリケーションの場合:
update AXF_PROPERTIES set propvalue='file:walletpath' where propname = 'AXFWalletPath';
update AXF_PROPERTIES set propvalue='ON/OFF' where propname = 'SecureMode';
commit;
Oracle E-Business Suite OAFアプリケーションの場合:
update OAF_AXF_PROPERTIES set propvalue='file:walletpath' where propname = 'AXFWalletPath';
update OAF_AXF_PROPERTIES set propvalue='ON/OFF' where propname = 'SecureMode';
commit;
SecureMode設定およびセキュア・ポートを反映するように表を更新します。SecureModeがオンの場合、統合では、SSL (https)を使用してAXFアプリケーションへの接続が試行されます。
Oracle E-Business Suite AXF_CONFIGS表で、SecureModeがオンの場合はhttps://
で開始するように、またはSecureModeがオフの場合は http://
で開始するようにSOLUTIONENDPOINTを更新します。Oracle WebCenter Content側のセキュア・ポートに一致するようにPort
を変更します。
Oracle E-Business Suite OAF_AXF_CONFIGS表で、SecureModeがオンの場合はhttps://
で開始するように、またはSecureModeがオフの場合は http://
で開始するようにSOLUTIONENDPOINTを更新します。Oracle WebCenter Content側のセキュア・ポートに一致するようにPort
を変更します。
イメージングの構成の場合は、AXF_CONFIGS表(Oracle E-Business Suite)を参照してください。管理対象添付ファイルのFormsの構成の場合は、AXF_CONFIGS表(Oracle E-Business Suite Forms)を参照してください。管理対象添付ファイルのOAFの構成の場合は、OAF_AXF_CONFIGS表(Oracle E-Business Suite OAF)を参照してください。
次のコマンドをAPPSスキーマとして実行して、データベース・ボールトにウォレットのパスワードを格納します。
execute fnd_vault.put('AXF','AXFWalletKey',
'WalletPassword');
ここで、WalletPasswordは、ウォレットのパスワードです。
前述のコマンドを次の文で確認します。
select fnd_vault.get ('AXF','AXFWalletKey') from dual;
AXF証明書をウォレットにインポートします。
Oracle WebCenter Content側で、Oracle WebLogic ServerのSSLを有効にします。
詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のSSLを中間層用に構成する方法に関する項を参照してください。
Webサーバー間でサーバー証明書を交換します。
この手順には、統合のOracle WebCenter Content側でのOracle Walletからの証明書のエクスポートおよびOracle WebLogic Serverキーストアへのその証明書のインポートが含まれます。このキーストアを、管理サーバーおよびImagingサーバーの両方で有効にしておく必要があります。また、Oracle Weblogic Serverからサーバー証明書をエクスポートして、それをOracle Walletにインポートする必要があります。
AXF_CONFIGS表で特定のフォームのロギングを有効にします。イメージング・ソリューションの場合は、AXF_CONFIGS表(Oracle E-Business Suite)を参照してください。管理対象添付ファイルの場合は、AXF_CONFIGS表(Oracle E-Business Suite Forms)を参照してください。
特定のフォーム機能のロギングを有効にするには、LOGENABLEDフィールドを1、
YES
またはTRUE
のいずれかに設定して、UTL_FILE_DIRフォルダにファイルを作成します。DBAに問い合せて、UTL_FILE_DIRフォルダが使用可能かつアクセス可能であることを確認してください。ログ・ファイルにはUsername_MASTER_LOG.txtという名前が付けられ、アイテムが追加されるにつれ、増大していきます。
AXFの起動時に異なるロケールによる問題が生じないように、Oracle E-Business Suiteユーザーは、ユーザー・ロケール・プリファレンスとブラウザのロケールに同一の値を設定する必要があります。管理対象添付ファイル・ソリューションを使用している場合は、コンテンツ・サーバーのロケールに、同じ値を設定します。
各ソリューションを構成するための追加タスクは、次に示した情報を参照してください。
イメージング・ソリューションの場合
BPELイメージング・ソリューションの構成に説明されているようにイメージング・ソリューションを構成します。BPELイメージング・ソリューションのためのOracle E-Business Suite Forms表で示しているようにAXF関連のOracle E-Business Suiteの表を構成するか、AXF表の構成またはソリューション・アクセラレータの適用で示しているようにソリューション・アクセラレータを適用します。
注意:
Oracle E-Business Suiteイメージング・ソリューションは、Formsベースのアプリケーションのみでサポートされます。OAFアプリケーションではサポートされません。
管理対象添付ファイル・ソリューションの場合
管理対象添付ファイル・ソリューションの構成に説明されているように管理対象添付ファイル・ソリューションを構成します。コンテンツ・サーバー・コンポーネントを構成し、AXF_ATTACHMENTS_CONFIG.sqlスクリプトを実行してソリューションやコマンドなどのAXF要素を構成することに加えて、FormsアプリケーションおよびOAFアプリケーションの表に値を移入するスクリプトを実行する必要があります。
Formsアプリケーションの場合、AXF_EBS_ATTACHMENTS_CONFIG.sqlを実行することによって、管理対象添付ファイル・ソリューションを有効にするよう「ズーム」メニューが構成されます。詳細は、Oracle E-Business Suite Formsアプリケーションのための管理対象添付ファイルの有効化を参照してください。
OAFアプリケーションの場合、OAF_AXF_EBS_ATTACHMENTS_CONFIG.sqlスクリプトを実行することによって、選択したOAFページ(使用するOAFページ用に変更可能)に対する管理対象添付ファイル・ソリューションについて管理対象添付ファイルのためのOracle PeopleSoftの表に示されている表に値が移入されます。詳細は、Oracle E-Business Suite OAFアプリケーションのための管理対象添付ファイルの有効化を参照してください。
すでに管理対象添付ファイル・ソリューション11gを管理対象添付ファイル・ソリューション12cにアップグレードしている場合、エンドポイントに接続するには、次の場所で使用可能なスクリプトを使用します。
12c Oracle E-Business Suite Formsの場合:
MW_HOME/wccontent
/ucm/Distribution/EBSIntegration/R12/directory
内のEbsUpdateScript.shおよびEbsUpdateTables.sql
12c Oracle E-Business Suite OAFの場合:
MW_HOME/wccontent
/ucm/Distribution/EBSIntegration/oaf/directory
内のEbsOafUpdateScript.shおよびEbsOafUpdateTables.sql
EBS表には、管理対象添付ファイル・ソリューション11gのエンドポイントとして、Imaging/IPM URLが含まれています。管理対象添付ファイル・ソリューション12cに同じエンドポイントを使用すると、エラーが発生する可能性があります。前述のスクリプトを実行して、管理対象添付ファイル・ソリューションのエンドポイントを、Oracle WebCenter Content 12cを指すように変更できます。