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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
12c (12.2.1.2.0)
E82737-01
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36 ドキュメント管理の有効化

この章では、ページにコンテンツ・マネージャ・タスク・フローを追加してカスタマイズし、エンド・ユーザーがポータル・ドキュメントを操作できるようにする方法について説明します。

アプリケーション・スペシャリストまたはポータル・マネージャがコンテンツ・マネージャ・タスク・フローをページに追加した後に、エンド・ユーザーは、ライブラリを使用して管理フォルダおよびファイルを追加できます。

関連項目:

ポータル・コンテンツを使用したり、ポータルにコンテンツを追加する場合にWebCenter Portalで使用できる様々なオプションの概要は、「ポータルでのコンテンツの使用の概要」を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

権限

この章のタスクを実行するには、ポータル・マネージャであるか、次のポータル・レベルの権限を持つポータル・メンバーである必要があります。

  • 標準権限:

    • Basic Services: Edit Page Access, Structure, and ContentまたはBasic Services: Edit Page Access and Structure

    • Basic Services: View Pages and Content

    • Documents: Create and Edit Documents

    • Documents: View Documents

  • アドバンスト権限:

    • Pages: Edit Pages

    • Documents: Create and Edit Documents

    • Documents: View Documents

権限の詳細は、「ポータルのロールと権限について」を参照してください。

36.1 コンテンツ・マネージャ・タスク・フローについて

コンテンツ・マネージャ・タスク・フローを使用すると、コンテンツ・サーバー・リポジトリでライブラリ、フォルダおよびファイルを使用できます。高度な検索機能を備えた簡単で直観的なユーザー・インタフェースが提供されます。「コンテンツ・マネージャ」のインタフェースとその機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のドキュメントの追加と管理に関する項を参照してください。

コンテンツ・マネージャ・タスク・フローはWebCenter ContentからHybrid Enterprise Content Management (HECM)もサポートします。タスク・フローにより、WebCenter PortalユーザーはContent ServerリポジトリおよびOracle Document Cloud Serviceに保存されたコンテンツにシームレスにアクセスすることができます。クラウド・ドキュメントを操作するには、ポータル・メンバーである必要があります。

注意:

WebCenter Portalでの権限はOracle Document Cloud Serviceの権限とは独立しており、WebCenter PortalロールはOracle Document Cloud Serviceロールと組み合わせることはできません。表36-1に、WebCenter Portal Documentの権限で可能なクラウド・ドキュメントおよびフォルダ操作を示します。

表36-1WebCenter Portal Documentの権限でOracle Document Cloud Serviceで可能な操作

WebCenter Portal Documentの権限 Oracle Document Cloud Serviceで実行されるタスク
ドキュメント: 表示

クラウド・ドキュメントに対しては、次のタスクを実行できます。

  • ドキュメントの表示およびダウンロード

  • フォルダの表示

ドキュメント: 表示

ドキュメント: 作成および編集

クラウド・ドキュメントに対しては、次のタスクを実行できます。

  • ドキュメントの表示、ダウンロードおよびアップロード

  • フォルダの表示および作成

  • ドキュメントおよびフォルダの共有

  • ドキュメントおよびフォルダの削除

  • ドキュメントおよびフォルダのコピーおよび移動

ポータルおよびホーム・ポータルの「ドキュメント」ページで、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローが公開されます。「ドキュメント」ページにアクセスするには、構文http://host:port/webcenter/portal_name/page_name/Documentsを使用します。「ドキュメント」ページは、デフォルトではポータルで有効になっていません。「ドキュメント」ページの有効化の詳細は、「ポータル・ナビゲーションへの既存ページの追加」を参照してください。

コンテンツ・マネージャ・タスク・フローの1つ以上のインスタンスを、ポータルのページに追加することもできます。

フォルダとファイルがリストされたデフォルトのビューではなく、カスタマイズされたビューがユーザーに表示されるようにコンテンツ・マネージャ・タスク・フローを構成できます。コンテンツ・マネージャ・タスク・フローのカスタマイズされたビューは、ピンと呼ばれます。ピンは、ページ上のコンテンツ・マネージャ・タスク・フローのインスタンスに固有であり、ページ定義に格納されます。ページがレンダリングされるたびに、デフォルト・ビューではなくピンが表示されます。

コンテンツ・マネージャ・タスク・フローで作業できるようにするには、ポータルの「ドキュメント」ツールが有効になっていることを確認します。ドキュメント・ツールがポータルで有効にされていない場合は、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローをページに追加しても、タスク・フローにフォルダやファイルが自動移入されることはありません。ポータル・テンプレートで「ドキュメント」ツールを有効にし、そのテンプレートに基づいてポータルを作成した場合、「ドキュメント」ツールも作成時に新しいポータルで有効になります。

WebCenter Portalは、ポータルの作成時ではなく最初の使用時にバックエンド・サーバーで必要な構成を処理します。これは「遅延プロビジョニング」と呼ばれ、ツールのプロビジョニングを初回使用時まで延期することにより、新規ポータルの迅速な作成を実現します。あるいは、ポータルでドキュメント・ツールのようなツールを手動で有効にすることができます。この場合、WebCenter Portalは、すぐにバックエンド・サーバーで必要な構成を処理します。

36.1.1 コンテンツ・マネージャ・タスク・フローの使用の前提条件

コンテンツ・マネージャ・タスク・フローを使用可能にするには、次の前提条件が満たされていることを確認します。

  • コンテンツ・サーバーが構成され、必要なコンポーネントがすべて有効になっている(『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』のOracle WebCenter Content Serverへの接続の管理に関する項を参照)。

  • コンテンツ・サーバー接続がWebCenter Portalで使用可能であること。

  • コンテンツ・マネージャ・タスク・フローを追加するポータルで「ドキュメント」ページが有効になっている。詳細は、「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。

36.2 コンテンツ・マネージャ・タスク・フローのページへの追加

コンテンツ・マネージャ・タスク・フローをページに追加するには、次の手順を実行します。

  1. ページ・エディタで、タスク・フローを追加するページを開きます(「ページ・エディタでのページのオープン」を参照)。
  2. 「コンテンツの追加」をクリックして、リソース・カタログを開きます。
  3. 「コンテンツ管理」をクリックします。

    ヒント:

    接続されているコンテンツ・リポジトリのフォルダおよびファイルへのアクセスが提供されるリソース・カタログのセクションのプレゼンスまたは場所は、リソース・カタログの構成によって異なります。デフォルトのリソース・カタログでは、「コンテンツ管理」セクションの下にコンテンツ選択があります。

  4. 「コンテンツ・マネージャ」をクリックして、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローを追加します。
  5. ページを保存します。
    変更を確認するには、「ポータル・ページの公開」の説明に従ってページの下書きを公開します。

ポータルで「ドキュメント」ツールが有効な場合は、デフォルトでコンテンツ・マネージャ・タスク・フローに現在のポータルのルート・フォルダが表示されます。「ドキュメント」ツールが有効ではない場合は、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローがページに追加され、タスク・フローに次のメッセージが表示されます。

ドキュメント・ツールは無効です。

「ツールとサービス」でドキュメント・ツールを有効にするか、ポータル・マネージャに接続します。

「ドキュメント」ツールの有効化の詳細は、「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。

36.3 コンテンツ・マネージャ・タスク・フローの構成

現在のポータルのルート・フォルダのフォルダとファイルがリストされたデフォルトのビューではなく、カスタマイズされたビューがユーザーに表示されるようにコンテンツ・マネージャ・タスク・フローを構成できます。

カスタマイズされ、固定されたコンテンツ・ビューを表示するようにコンテンツ・マネージャ・タスク・フローを構成するには、次の手順を実行します。

  1. ページ・エディタで、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローを含むページを開きます(「ページ・エディタでのページのオープン」を参照)。
  2. タスク・フロー内でクリックして、「構成」をクリックします。
  3. 「コンテンツ・マネージャの構成」ダイアログで、タスク・フローの固定されたビューを設定します(図36-1)。

    検索結果をリスト、サムネイルまたは表で表示するよう選択できます。さらに、タスク・フローをカスタマイズして、「自分に属する」、「自分のお気に入り」または「チェックアウト済」のカテゴリのアイテムを表示できます。構成できるその他のプロパティの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のドキュメントの追加と管理に関する項を参照してください。

    たとえば、ワークフローに割り当てられているファイルのみを表示するようにコンテンツ・マネージャを構成できます。詳細は、「ワークフロー・ファイルを表示するためのコンテンツ・マネージャの構成」を参照してください。

    注意:

    ポータルを作成する場合、ポータルのエンタープライズ・ライブラリはコンテンツ・サーバー接続を作成したユーザーに起因します。コンテンツ・マネージャ・タスク・フローの定義時に、Created By Youフィルタを設定した場合は、ポータル・プロビジョニングまたはポータル作成によってポータル・マネージャとして作成したライブラリが表示されません。このフィルタでは、作成したフォルダまたはファイル、およびポータル・プロビジョニングによって暗示的に作成されたエンタープライズ・ライブラリのかわりに作成したエンタープライズ・ライブラリは引き続き表示されます。
  4. 「保存」をクリックします。

    ページのビュー・モードに移動して、固定されたビューを表示できます。

図36-1 コンテンツ・マネージャのフィルタを使用したカスタマイズされたビューの作成

図36-1の説明が続きます
「図36-1 コンテンツ・マネージャのフィルタを使用したカスタマイズされたビューの作成」の説明

36.4 コンテンツ・マネージャ・タスク・フローのプロパティの使用

コンテンツ・マネージャ・タスク・フローには関連するプロパティがあり、これらのプロパティには、十分な権限を持つユーザーが、タスク・フローの「アクション・メニューの表示」からアクセスできます。たとえば、「アクション・メニューの表示」「パラメータ」を選択して、「パラメータ」ダイアログでパラメータを設定します(図36-2)。

図36-2 「コンテンツ・マネージャ」の「パラメータ」

図36-2の説明が続きます
「図36-2 「コンテンツ・マネージャ」の「パラメータ」」の説明

次の各項では、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローのプロパティおよびパラメータについて説明します。

36.4.1 コンテンツ・マネージャ・タスク・フローのプロパティの設定

ページ・エディタのコンテンツ・マネージャ・タスク・フローのツールバーにある「アクション・メニューの表示」(図36-3)から、「パラメータ」、「アクセス」、「表示オプション」、「スタイル」および「コンテンツ・スタイル」の各プロパティ・ダイアログにアクセスできます。

図36-3 「コンテンツ・マネージャ」のプロパティ

図36-3の説明が続きます
「図36-3 「コンテンツ・マネージャ」のプロパティ」の説明

コンテンツ・マネージャ・タスク・フロー・コンポーネントのプロパティを設定するには、次の手順を実行します。

  1. ページ・エディタで、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローを含むページを開きます(「ページ・エディタでのページのオープン」を参照)。
  2. コンポーネント・ツールバーで、「アクション・メニューの表示」をクリックし、設定するプロパティを選択します。
    • パラメータによって、デフォルトのタスク・フロー・コンテンツが制御されます。各パラメータの詳細は、表36-2を参照してください。パラメータをイベントに結び付けたり、パラメータを使用してタスク・フローとページ・パラメータおよびページ定義変数を簡単に結び付けることができます。詳細は、「ページとコンポーネントの結付け」を参照してください。

      注意:

      ページ・パラメータの結付けを使用する場合は、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローにコンテンツが適切に表示されるように、タスク・フローを含むページのページ定義を編集する必要があります。ページ・ソース・コード(ページのソース・コードの表示および変更)のPageDefタブで、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローのリフレッシュ条件をRefresh="IfNeeded"からRefreshCondition="IfNeeded"に変更します。
    • アクセス設定で、特定のロール、ユーザーまたはグループに対してコンポーネントを表示または非表示にします。詳細は、「コンポーネント・アクセスの設定」を参照してください。

    • 「表示オプション」、「スタイル」および「コンテンツ・スタイル」のプロパティは、すべてのユーザーのタスク・フローの外観および動作に影響を及ぼします。これらのプロパティは、すべてのタスク・フローに共通しています。詳細は、「コンポーネント・プロパティの変更」を参照してください。

      Hybrid Enterprise Content Managementをサポートするには、次のプロパティを編集して、DOCS埋込みUIをストレッチしてください。

      • 表示オプション: StretchContentプロパティをtrueに設定します。

      • コンテンツ・スタイル: 必要に応じてコンテナの高さを設定します。たとえば、800pxです。

        または、「表示オプション」Allow Resizeプロパティを有効にして、タスク・フローの高さを増加することもできます。

      Hybrid Enterprise Content Managementをサポートするために、カスタマイズを上書きするか、またはカスタマイズを設定するには、次を実行します。

      1. 「ツールとサービス」アイコンを選択し、「ドキュメント」サービスを有効にして、「ツール・コンソールのカスタマイズ」をクリックします。

      2. システム・ページで次のドキュメント・プロパティを設定します。

        • 「パラメータ」タブで、dimensionsFromparentに設定します。

          パラメータを設定するには、「リージョンのプロパティの表示」アイコンをクリックします。

          コンポーネント・パラメータを含むシステム・ページ
        • 「表示オプション」タブで、StretchContenttrueに設定します

          「表示オプション」を設定するには、showDetailFrameノードを選択し、showDetailFrameのプロパティの表示アイコンをクリックします。

          表示オプション・パラメータを含むシステム・ページ
        • 「コンテンツ・スタイル」タブで、必要に応じて高さを設定します。たとえば、800pxです。

          「コンテンツ・スタイル」を設定するには、showDetailFrameノードを選択し、showDetailFrameのプロパティの表示アイコンをクリックします。

          コンテンツ・スタイル・パラメータを含むシステム・ページ

      「構造」ビューでのプロパティの更新の詳細は、「「構造」ビューでのコンポーネント・プロパティの設定」を参照してください。

    「パラメータ」ダイアログと「表示オプション」ダイアログから式言語(EL)エディタにアクセスできます。ELエディタを使用すると、定数値のかわりに変数値を選択または指定できます。プロパティの横にある式エディタのアイコンアイコンをクリックし、「式ビルダー」を選択してエディタを開きます。

    注意:

    「表示オプション」ダイアログにELを入力する際、閉じ大カッコがないなど無効な構文が検出された場合にのみ、パーサーはエラーを報告します。検証は構文に対してのみ行われ、式の値に対しては行われません。汎用の表示オプションとは、表10-1に掲載されているオプションです。

    ELの検証は、汎用ではない表示オプションに対しては実行されません。

    ELのサポートが必要な場合は、アプリケーション開発者がEL式を指定できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperによるWebCenter Portalアセットとカスタム・コンポーネントの開発』の式言語式に関する項を参照してください。

    「アクション・メニューの表示」「カタログに追加」アクションではリソース・カタログにタスク・フローを追加し、「コンテンツ・マネージャの削除」アクションではページからタスク・フローを削除します。

  3. 変更を保存します。

36.4.2 コンテンツ・マネージャ・タスク・フローのパラメータ

表36-2に、コンテンツ・マネージャ・タスク・フローに固有のパラメータを示します。

表36-2 コンテンツ・マネージャ・タスク・フローのパラメータ

パラメータ 説明

Authored By Me Flag

現在のユーザーが作成したアイテムを表示するようにフィルタ処理します。サポートされている値は、trueおよびfalseです。

Browse List Filter

フォルダまたはファイルのいずれかをリストするためにフィルタ処理します。サポートされている値は、documentsおよびfoldersです。

Checked Out By Me Flag

現在のユーザーがチェックアウトしたアイテムを表示するようにフィルタ処理します。サポートされている値は、trueおよびfalseです。

Dimensions From

タスクフローの幾何学的寸法を子または親から継承する必要があるかどうかを指定します。

サポートされる値はchildrenおよびparentです。デフォルト値はchildrenです。

Hybrid Enterprise Content Managementのサポートのためにparentを、Hybrid Enterprise Content Management以外のサポートのためにchildrenを使用することをお薦めします。

parentを指定する場合、必ず次のプロパティを編集してください。

  • 表示オプション: StretchContentプロパティをtrueに設定します。

  • コンテンツ・スタイル: 必要に応じてコンテナの高さを設定します。たとえば、800pxです。または、「表示オプション」Allow Resizeプロパティを有効にして、タスク・フローの高さを増加することもできます。

childrenを指定する場合、必ず次のプロパティをデフォルト値に戻してください。

  • 表示オプション: StretchContentプロパティをfalseに設定します。

  • コンテンツ・スタイル: デフォルト値を設定します。

詳細は、「コンポーネント・プロパティの変更」を参照してください

Favorited By Me Flag

現在のユーザーがお気に入りに設定したアイテムを表示するようにフィルタ処理します。サポートされている値は、trueおよびfalseです。

Followed By Me Flag

現在のユーザーがフォローしているアイテムを表示するようにフィルタ処理します。サポートされている値は、trueおよびfalseです。

Pin Data

タスク・フローで表示する必要がある特定のUI状態を定義するJavaScript Object Notation (JSON)文字列を指定します。

Pin Dataパラメータは変更しないことをお薦めします。このパラメータの値は、ピンの構成時に設定されます。

Start Folder Path

タスク・フロー・コンテンツのルート・フォルダとして使用するフォルダ名。デフォルト値は、現在のポータルのコンテンツ・リポジトリのルート・フォルダです。「検索」アイコンを使用して、目的のフォルダを検索します。

Pin DataパラメータのfFolderGUIDがシステム・ライブラリである場合、Start Folder Pathは無視されます。

Start Folder Pathを指定する際にPin Data値がpresentの場合は、このPin Data値を使用して、タスク・フローのビューがレンダリングされます。