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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
12c (12.2.1.2.0)
E82737-01
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52 ポータルへの通知の追加

この章では、通知タスク・フローをポータルに追加する方法を説明します。通知を使用すると、ユーザーはサブスクライブしたポータルのオブジェクトやコンテンツに対する変更について、適時に通知を受け取れるようになります。ユーザーは、注目しているコネクション、ポータル・メンバーシップ、特定のポータル、およびアプリケーション・オブジェクトに加えられた変更を追跡できます。これらは、テキスト・メッセージまたはメールにより通知できます。

この章の内容は次のとおりです。

権限

この章のタスクを実行するには、ポータル・マネージャであるか、ポータル・レベルのBasic Services: Edit Page Access and Structure (標準権限)またはPages: Edit Pages (アドバンスト権限)のいずれかの権限を持つポータル・メンバーである必要があります。

権限の詳細は、「ポータルのロールと権限について」を参照してください。

52.1 サブスクリプションおよび通知について

通知を使用すると、アプリケーション、ポータルおよびオブジェクト・レベルでの変更に関するメッセージを受信できます。ユーザーがサブスクライブしているポータルおよびアプリケーション・オブジェクトが変更されると、メッセージがトリガーされます。

メッセージは、テキストやメールなど、選択したメッセージング・チャネルで送信されます(管理者による「通知」の構成方法に応じて異なります)。たとえば、イベントが追加されたときにはメール・メッセージ、他のユーザーが特定のディスカッション・トピックに応答したときにはテキスト・メッセージを受信できます。メールおよびテキストにはリンクが含まれており、ユーザーは該当の変更に移動できます。

通知をトリガーするオブジェクトは、そのオブジェクトにサブスクライブすることで選択できます。WebCenter Portalには、次の3つのレベルのサブスクリプションがあります。

  • アプリケーション: ポータルのメンバーシップ、メッセージ・ボード、コネクション、およびフィードバックに対する変更についての通知用

    このような通知は、ユーザーが直接関与しているアプリケーション・レベルのアクティビティについてのみ行われます。

  • ポータル: 選択したポータルの範囲内で発生したツール(イベント、ディスカッション、お知らせなど)についての通知用

  • オブジェクト: 特定のディスカッション・トピックなど、ユーザーがサブスクライブしているアプリケーション・オブジェクトに対する変更について

表52-1に、通知をトリガーするアクティビティのタイプと、関連付けられているサブスクリプションのレベルおよび場所を示します。

注意:

オブジェクト(ドキュメント、Wiki、ブログなど)を所有しても、そのオブジェクトに自動的にサブスクライブすることにはなりません。オブジェクトについてのサブスクリプション関連の通知を受け取るには、ユーザーはそのオブジェクトに明示的にサブスクライブする必要があります。ただし、管理者が、企業規模のデフォルトを設定して強制適用している場合を除きます。オブジェクト・レベルのサブスクリプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のアプリケーション、ポータルおよびオブジェクトへのサブスクライブに関する項を参照してください。

表52-1 通知をトリガーできるアクティビティ

サービス アクティビティ レベル サブスクライブする場所

コネクション

別のユーザーがコネクションへの招待を送信した

注意: コネクションへの招待に関する通知を送信するオプションはデフォルトで有効化されていて、エンドユーザーがこのオプションを構成することはできません。

アプリケーション

プリファレンス(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のアプリケーション・レベルのサブスクリプションの設定に関する項を参照)

ポータル管理

ポータルのロールが変更された(例: Portal Managerから別のカスタム・ロール)

アプリケーション

プリファレンス

ポータル管理

ポータルのメンバーとして追加された

アプリケーション

プリファレンス

ポータル管理

ポータル・メンバーシップが削除された

アプリケーション

プリファレンス

ポータル管理

メッセージ・ボードに別のユーザーがメッセージを投稿した

アプリケーション

プリファレンス

メッセージ・ボード

メッセージ・ボードの投稿を別のユーザーがお気に入り登録した(メッセージ・ボードに明示的に設定されたメッセージであり、パブリッシャからアクティビティ・ストリームに追加されたメッセージではありません)

アプリケーション

プリファレンス

メッセージ・ボード

メッセージ・ボードの投稿に別のユーザーがコメントした(メッセージ・ボードに明示的に設定されたメッセージであり、パブリッシャからアクティビティ・ストリームに追加されたメッセージではありません)

アプリケーション

プリファレンス

フィードバック

別のユーザーがフィードバックを投稿した

アプリケーション

プリファレンス

お知らせ

お知らせが作成された

ポータル

対象のポータル。たとえば、「ポータルの参照」でのポータル「アクション」メニュー(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のポータル・レベルのサブスクリプションの設定に関する項を参照)

イベント

新しいイベントが作成された

ポータル

対象のポータル

イベント

イベントが更新された

ポータル

対象のポータル

イベント

イベントが削除された

ポータル

対象のポータル

ディスカッション

新しいディスカッション・トピックが作成された

ポータル

対象のポータル

ディスカッション

新しいディスカッション・フォーラムが作成された

ポータル

対象のポータル

通知では、次のタスク・フローが提供されます。

  • 「サブスクリプション・プリファレンス」では、通知対象のアクティビティのタイプを選択できます。タスク・フローには、それがホーム・ポータルで表示されるか(図52-1)またはポータルで表示されるか(図52-2)に応じて、異なるオプションが表示されます。サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローのホーム・ポータルのビューでは、「サブスクリプション・プリファレンス」ページの「一般サブスクリプション」タブに表示されるのと同じユーザー・インタフェースと情報が表示されます。

    図52-1 サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フロー - ホーム・ポータル

    図52-1の説明が続きます
    「図52-1 サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フロー - ホーム・ポータル」の説明

    図52-2 サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フロー - ポータル

    図52-2の説明が続きます
    「図52-2 「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フロー: ポータル」の説明

    注意:

    WebCenter Portalリリース12.2.1.0.0では、新しいドキュメント・サービス・タスク・フローが導入されました。新しいタスク・フローおよびサブスクリプションおよび通知の統合は、このリリースではサポートされていません。そのため、ドキュメント関連のアクティビティによって通知はトリガーされません。新しいドキュメント・タスク・フローおよびサブスクリプションおよび通知の統合は、今後のリリースで再導入される予定です。

  • 「サブスクリプション・ビューア」には、ユーザーのサブスクリプションが表示され、ユーザーは特定の通知のサブスクライブを解除できます(図52-3)。サブスクリプション・ビューア・タスク・フローには、「サブスクリプション・プリファレンス」ページの「現在のサブスクリプション」タブに表示されるのと同じユーザー・インタフェースと情報が表示されます。

    図52-3 サブスクリプション・ビューア・タスク・フロー

    図52-3の説明が続きます
    「図52-3 サブスクリプション・ビューア・タスク・フロー」の説明

52.2 ページへの通知タスク・フローの追加

ページに通知タスク・フローを追加する手順は、「ページへのコンポーネントの追加」を参照してください。

ヒント:

リソース・カタログでの通知タスク・フローの有無や場所は、リソース・カタログの構成方法によって異なります。たとえば、デフォルトのリソース・カタログでは、サブスクリプション・ビューア・タスク・フローは「アラートと更新」フォルダに含まれます。サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローはデフォルトのリソース・カタログには含まれていないため、ページに追加する前にカスタム・リソース・カタログに追加する必要があります。詳細は、「リソース・カタログへのリソースの追加」を参照してください。

通知タスク・フローの詳細は、「サブスクリプションおよび通知について」を参照してください。

52.3 通知タスク・フローのプロパティの使用

サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローには関連するプロパティがあり、これらのプロパティには、十分な権限を持つユーザーが、タスク・フローの「アクション・メニューの表示」からアクセスできます。たとえば、ページを編集し、タスク・フローをクリックして「アクション・メニューの表示」を表示し、「パラメータ」を選択して「パラメータ」ダイアログを開きます(図52-4)。

注意:

「サブスクリプション・ビューア」タスク・フローには、関連するプロパティはありません。

図52-4 サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローのパラメータ

図52-4の説明が続きます
「図52-4 サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローのパラメータ」の説明

次の各項では、通知のプロパティとパラメータについて説明します。

52.3.1 通知タスク・フローのプロパティの設定

ページ・エディタでコンポーネントを選択すると、「アクション・メニューの表示」が開き(図57-4)、ここから、コンポーネントのプロパティ「パラメータ」、「アクセス」、「表示オプション」、「スタイル」および「コンテンツ・スタイル」にアクセスできます。

図52-5 サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローの「アクション・メニューの表示」

図52-5の説明が続きます
「図52-5 サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローの「アクション・メニューの表示」」の説明

サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローのプロパティを設定するには、次の手順を実行します。

  1. ページ・エディタで、このタスク・フローを含むページを開きます(「ページ・エディタでのページのオープン」を参照)。
  2. タスク・フローを選択して「アクション・メニューの表示」をクリックし、設定するプロパティを選択します。
    • パラメータによって、デフォルトのタスク・フロー・コンテンツが制御されます。各パラメータの詳細は、「通知タスク・フローのパラメータ」を参照してください。パラメータをイベントに結び付けたり、パラメータを使用してタスク・フローとページ・パラメータおよびページ定義変数を簡単に結び付けることができます。詳細は、「ページとコンポーネントの結付け」を参照してください。

    • アクセス設定で、特定のロール、ユーザーまたはグループに対してコンポーネントを表示または非表示にします。詳細は、「コンポーネント・アクセスの設定」を参照してください。

    • 「表示オプション」、「スタイル」および「コンテンツ・スタイル」のプロパティは、すべてのユーザーのタスク・フローの外観および動作に影響を及ぼします。これらのプロパティは、すべてのタスク・フローに共通しています。詳細は、「コンポーネント・プロパティの変更」を参照してください。

    「パラメータ」ダイアログと「表示オプション」ダイアログから式言語(EL)エディタにアクセスできます。ELエディタを使用すると、定数値のかわりに変数値を選択または指定できます。プロパティの横にある式エディタのアイコンアイコンをクリックし、「式ビルダー」を選択してエディタを開きます。

    注意:

    「表示オプション」ダイアログにELを入力する際、閉じ大カッコがないなど無効な構文が検出された場合にのみ、パーサーはエラーを報告します。検証は構文に対してのみ行われ、式の値に対しては行われません。汎用の表示オプションとは、表10-1に掲載されているオプションです。

    ELの検証は、汎用ではない表示オプションに対しては実行されません。

    ELのサポートが必要な場合は、アプリケーション開発者がEL式を指定できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperによるWebCenter Portalアセットとカスタム・コンポーネントの開発』の式言語式に関する項を参照してください。

  3. 変更を保存します。

52.3.2 通知タスク・フローのパラメータ

表52-2では、「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローに固有のパラメータを説明しています。「サブスクリプション・ビューア」タスク・フローには、関連するパラメータはありません。

表52-2 「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローのパラメータ

パラメータ 説明

Hide Actions

「保存」ボタンと「リフレッシュ」アイコンを表示または非表示にするコントロール

  • コントロールを非表示にする場合は、#{true}を入力します。

  • コントロールを表示するには、#{false}を入力します。

このパラメータはデフォルトで#{false}に設定されています。

Scope Name

ポータル・レベルのサブスクリプション・オプションを表示するポータルの名前

ポータルの内部名を使用してください。この名前は、ポータル管理の「一般」ページで得られます。ポータルの内部名は、ポータルURL」フィールドの値の末尾の部分になります。たとえば、次のURLの場合、ポータルの内部名はstandardsになります。

http://myHost[...]/webcenter/spaces/standards

52.3.3 サブスクリプション・プリファレンスの保存アクションとリフレッシュ・アクションの非表示化

「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローには、Hide Actionsという関連パラメータがあります。このパラメータを使用すると、選択したタスク・フロー・インスタンスの「保存」ボタンと「リフレッシュ」アイコンを非表示にできます。

タスク・フロー・インスタンスの「保存」アクションと「リフレッシュ」アクションを非表示にするには、次の手順を実行します。

  1. ページ編集モードで、タスク・フローをクリックし、コンポーネント・ツールバーを表示します。
  2. 「アクション・メニューの表示」を開き、「パラメータ」を選択します。
  3. 「パラメータ」ダイアログで、「Hide Actions」ボックスに#{true}と入力します。

    注意:

    「保存」アクションと「リフレッシュ」アクションを表示するには、「Hide Actions」ボックスに#{false}と入力します。

  4. 「OK」をクリックしてエディタを終了します。
  5. コンポーネント・パラメータの修正が終了したら、「OK」をクリックします。
  6. 変更を保存して、ページ・エディタを終了します。

52.3.4 あるポータルのサブスクリプション・コントロールの別のポータルでの表示

サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローには、Scope Nameという関連パラメータがあります。このパラメータを使用すると、あるポータルのサブスクリプション・オプションを別のポータルに表示できます。

Scope Nameは、いくつかのケースで役立ちます。たとえば、通常、サブスクリプション・プリファレンス・タスク・フローは、ホーム・ポータルに配置すると、アプリケーション・レベルのサブスクリプション・オプションを表示します。そのかわりに、Scope Nameを使用することで、特定のポータルのサブスクリプション・オプションをホーム・ポータルから制御できるようになります。また、いくつかのポータルに対する設定を1つの場所から制御する、コントロール・センターを設定することもできます。

あるポータルに対するサブスクリプションのコントロールを別のポータルに表示するには、次の手順を実行します。

  1. ページ編集モードで、タスク・フローをクリックし、コンポーネント・ツールバーを表示します。
  2. 「アクション・メニューの表示」を開き、「パラメータ」を選択して「パラメータ」ダイアログを開きます。
  3. 「Scope Name」フィールドにポータルの名前を入力して、タスク・フローに表示します。

    注意:

    • ポータルの内部名を使用してください。この名前は、ポータル管理の「一般」ポータルで得られます。ポータルの内部名は、ポータルURL」フィールドの値の末尾の部分になります。たとえば、次のURLの場合、ポータルの内部名はstandardsになります。

      http://myHost[...]/webcenter/spaces/standards
      
    • 現在のスコープのサブスクリプション・コントロールを表示するには、「Scope Name」フィールドの値を削除します。

  4. コンポーネント・パラメータの修正が終了したら、「OK」をクリックします。
  5. 変更を保存して、ページ・エディタを終了します。

52.4 通知タスク・フローの使用

通知タスク・フローをユーザーが使用する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の変更時の通知に関する項を参照してください。