サイトの構成方法をより深く理解していると、要求に合わせてワークフローを変更できます。1つの考えられる順序を、構成前の決定から始まる手順で示しています。
また、次の手順をコピーして、サイトの構成時にすぐに参照できるようにすることをお薦めします。各手順は、このガイド(または『Oracle WebCenter Sitesでの開発』のWebサイトの開発に関する項)の項を参照しているため、ここで特定の手順について詳細情報を確認できます。
次の各トピックでは、すべてのWebCenter Sitesシステムを構成する場合に管理者が従う必要があるある手順に関する情報を提供します。
サイト構成プロセスのいずれかのタスクの処理を開始する前に、最初に複数の決定を行う必要があります。どのデータ・モデルを使用するか。ユーザーは誰か。作成する必要のあるアセットは何か。セキュリティはどうするか。サイト構成プロセスを開始しようと考えている場合に最初に回答する必要があるすべての質問のリストを提供しています。
ここでは、管理者と開発者が、開発システムでデータ・モデルをコード化し、テストが正常に終了した後に、データ・モデルを管理システムに移行する予定であることを前提としています。管理システムでは、サイトの構成タスクを完了し、管理システムをテストし、最後にシステムをデプロイします。
構成を始める前の決定は、特定の順序で処理することをお薦めします。
コンテンツ管理モデルを決定します。
どのモデル(1:1、n:1およびx:n)が処理に最も適しているかを決定します。
どのコンテンツ・アセットを共有し、どのコンテンツ・アセットをコピーする必要があるかを決定します。テンプレート・アセットに対しても同じように決定します。
構成するサイトをレプリケートするかどうかを決定します。
構成するサイトをレプリケートする予定がある場合、ソース・サイト(現在構成中のサイト)のテンプレート・コーディングおよびその他の要件を満足しているか確認してください。「コンテンツ管理サイトのレプリケート」を参照してください。
データ・モデリングを決定します。
作成する必要のあるアセットのタイプ
リビジョン追跡を使用する必要があるアセット・タイプ
どのユーザーがどのサイトのどのアセット・タイプへのアクセス権を持つ必要があるか
開発者が作成する必要のあるテンプレートのタイプ
ユーザー管理方法の決定:
WebCenter Sitesのネイティブ・ユーザー・マネージャ、LDAPプラグインまたは外部のマネージャから選択できます。
このガイドは、ネイティブのWebCenter Sitesユーザー・マネージャに基づきつつ、LDAP統合されたシステムのシステム動作について説明しています。「LDAP統合Sitesシステムでのユーザー、サイト、およびロール」を参照してください。LDAPでのユーザーの構成の詳細は、LDAP製品のドキュメントを参照してください。
ユーザー管理モデルを決定します。
必要なユーザー数。
ユーザーはだれか
データベース表に対するどの権限をユーザーに付与する必要があるか。
実装しているユーザー管理方法に関係なく、WebCenter SitesでACLを定義しておく必要があります。システムACL(作成した場合はカスタムACLも)のリストを調べて、どのACLをユーザーに割り当てるかと、追加のACLを作成する必要があるかどうかを判断します。通常は、システムACLで十分です。ACLに関する一般的な情報は、ACLおよびロールの使用を参照してください。仕様の詳細は、システム・デフォルトを参照してください。
ユーザーにはどのシステムACLを割り当てる必要があるか(ACLがない場合、ユーザー・アカウントは作成できません)。
カスタムACLを作成する必要があるかどうか。
(特定のデータベース表へのアクセスを制限するため、Webサイトの訪問者に割り当てるACLを作成する必要がある場合もあることに注意してください。)
必要なロール数:
WebCenter Sitesでは、いくつかのシステム・ロールとサンプル・サイト用の追加ロールが定義されています。これらのロールを実際に使用するサイトで再利用するか、独自のロールを作成できます。通常は、特定のサイトに対するユーザーの役割をすべて包含するロールを作成する必要があります。
ロールの詳細は、「コンテンツ管理の概念について」と「ロールの操作」の一般情報を参照してください。
必要なロールのタイプ(ライター、エディタ、イラストレータ)。ロールはユーザーのACLと互換性があるようにしてください。
そのロールを割り当てる必要のあるユーザー。
追加のシステム設定を決定します。
開発者がオンライン・サイトの設計や管理システムのユーザー・インタフェースの変更の検討を開始する前に、管理者はセキュリティ・プロトコルを決定し、実装する必要があります。セキュリティに関する決定は、開発者によるオンライン・サイトのコード化や実装の方法に影響します。「外部セキュリティの設定」を参照してください。
ワークフロー・プロセスを決定します。
新しく作成されたそのタイプのアセットが自動的にワークフローに加わるように、オプションで、ワークフロー・プロセスをアセット・タイプに添付できます。
ワークフローを実装する必要があるかどうか
実装する必要がある場合、どのアセット・タイプがワークフロー・プロセスを必要とするか
どのようにワークフロー・プロセスを設計する必要があるか
ワークフロー・プロセスに参加する必要のあるユーザーおよびロール
パブリッシュ・システムのオプションを決定します。
構成する必要のあるパブリッシュのタイプ
パブリッシュ・スケジュールを承認する必要があるかどうか
ユーザー・インタフェース・オプション。ユーザーに必要なインタフェースを決定します。
Contributor (フォーム・モードおよびWebモード)
Admin
WEM Admin
構成タスクを始める前に、WebCenter Sitesの概念、コンポーネントおよびコンテンツの管理モデルの基本概念を理解するために、コンテンツ管理の概念についてを通読してください。
構成前の決定がすべて確立されたので、サイトの構成を開始する準備が整いました。管理者として、4つのシステム(開発、管理、配信およびテスト)すべてで特定のジョブ・セットを完了する必要がありますが、大半の時間は管理システムに費やされることに気付くでしょう。
Webサイトとコンテンツ管理サイトの仕様が確立されたら、作業を開始できます。開発者がデータ・モデルとその他のコードベースのコンポーネントを担当する一方で、管理者はその他すべての面を担当します。
管理者は、開発ステージにおいて、WebCenter Sites環境内のすべてのシステムを扱います。ただし、Webサイトが運営されると、管理者はほとんどの時間を管理システムおよび、配信システムの一部に費やし、開発システムに費やす時間はありません。
次の各トピックで、WebCenter Sites システム上で実行するジョブについて説明します。
開発システムでは、コーディングが行われます。開発システムにおける構成手順は、『Oracle WebCenter Sitesでの開発』のDeveloper Toolsによるコーディングに関する項でも詳しく説明されています。
開発システムでのコーディングが完了すると、データ・モデルは管理システムに移行され、そこでサイト構成が完了します。
管理者の業務は、開発者に管理システムの仕様を提供し、サイトの作成など、コンテンツ管理処理を支援することです。
開発者の業務は次のとおりです。
管理システムで使用される名前と同じ名前でサイトを作成する。「コンテンツ管理サイトのアセンブル」を参照してください。
データ・モデル(アセット・タイプとその定義):を作成する
開発者が、データ・モデルまたは管理システム上で使用されるなんらかのサイトを作成するには、開発者を(望ましくは開発システムの管理ユーザーとして)作成して構成する必要があります。この詳細は、管理システムの構成を参照した上で、開発者のシステム上に管理者を作成してください。
コンテンツのアセット・タイプを作成する:
まず、再利用性を最大限にするために、最も広い用途のアセットを作成します。
デザイン・アセット・タイプ(テンプレート)を作成します。サイト・レプリケーション要件がある場合はそれらに留意します。
管理アセット・タイプを作成します。
各タイプのサンプル・アセットを作成します。
アセット・タイプの作成の詳細は、『Oracle WebCenter Sitesでの開発』のコレクション・アセット、問合せアセットおよびページ・アセットの作成の関する項を参照してください。
企業のQA要件に従ってデータ・モデルをテストします。
データ・モデルが完成し、テストしてすべてのコラボレータの満足が得られると、開発者はこのコードを管理システムに移行します。
注意:
WebCenter Sites環境で、開発者はデータ・モデルを移行するのではなく、管理システムでデータ・モデルを再作成することを選択する場合もあります。
一度開発が完了すると、開発システムは処理を継続します。継続される機能の1つは、サイト訪問者、コンテンツ・プロバイダ、マーケティング担当者および管理者からの変化する要求に応じたデータ・モデルの修正です。
開発システムの環境を整えた後は、管理システムを構成できます。コーディングを必要としない構成タスクは、一般的に管理システムで行われます。ここでは、管理作業は意図的に協調しないかぎり協調的ではありません。たとえば、管理システムではデータ・モデリングやコーディングが行われないため、開発者からの支援が必要ありません。ただし、システムの特定のサイトまたはワークフロー・プロセスを管理するため、開発者(またはその他ユーザー)をサイト管理者またはワークフロー管理者に指名できます。
管理システム上で、次の順序で構成を完了します。
サイトを作成する
注意:
このリリースのWebCenter Sitesでは、サイト・ランチャ機能を使用してソース・サイトをレプリケートすることにより、新しいサイトを迅速にスピンオフできます。その後、必要に応じてそのレプリケートを変更できます。「コンテンツ管理サイトのレプリケート」を参照してください。
ユーザー(コンテンツ・プロバイダとマーケティング担当者)をする:
必要に応じて、ACLを作成します。ACLの作成手順は、ACLおよびロールの使用を参照してください。
注意:
システムACLはどのような状況でも、変更または削除しないでください。
データベース表。データ・モデルを管理システムに移行するときは、必要に応じてカスタム・データベース表(アセット・タイプ)にACLを割り当てます。
WebCenter Sitesか、LDAPプラグインなどの外部ユーザー・マネージャにより、ユーザー・アカウントを作成します。「Adminインタフェースでのユーザーの作成」を参照してください。
必要に応じてWebCenter Sitesでロールを作成します。
ユーザー・プロファイルを作成する(必要時):
次を使用するユーザーにはユーザー・プロファイルが必要です。
WebCenter Sitesコンテンツ・アプリケーション(Oracle WebCenter Sites: Engage)。
言語パックとデフォルトの言語の設定
ワークフロー参加者に割当てを通知するために電子メール・メッセージを送信するワークフロー・プロセス。ユーザー・プロファイルは、電子メール・アドレスにユーザー名をマップすることで、ワークフロー・アクションをサポートします。
ユーザー・プロファイルは、WebCenter Sitesで作成する必要があります。「ユーザー・プロファイルの作成および編集」を参照してください。
ユーザー属性を設定する(必要時):
ユーザーの属性として、ユーザー・プロファイルに指定されているロケールや電子メール属性以外のものが必要な場合、属性を作成できます。手順は、ユーザー属性の修正、追加および削除を参照してください。
アセット・タイプのワークフロー・プロセスを作成する(必要時):
ワークフロー・プロセスの実装は、業務上の判断であり、WebCenter Sitesの要件ではありません。ワークフロー・プロセスを作成する必要がある場合は、次の手順を実行します。
表4-1 アセット・タイプのワークフロー
ワークフローのプロセス | プロセスの詳細 |
---|---|
サイトの「ワークフロー」ツリー・ノードが存在しない場合、作成します。 | ツリー・タブの作成 |
ワークフロー・プロセスを図に描いて計画します。描いた図やメモは、この項を通して参照してください。 | ワークフロー・プロセスの作成と管理 |
そうしない場合は、ワークフロー・プロセスに必要なロールを作成します。 | Adminインタフェースからのロールの作成 |
ユーザーがワークフローに効果的に参加できるように設定します。
|
ロールと参加者の決定 |
アクションに必要な電子メール・オブジェクトを作成し、wcs_properties.json ファイルのxcelerate.emailnotification プロパティを有効化します。 |
コンテンツ管理の概念について |
必要なステップ・アクション、時間指定アクション、デッドロック・アクション、グループ・デッドロック・アクションおよび委任アクションを作成します。 | アクションと条件の設定 |
状態に期限がある場合は、アセットの期限を定期的に計算して、適切な時間指定アクションがあれば、これをタイムリに起動するように、時間指定アクション・イベントを構成します。 | 時間指定アクション・イベントの設定 |
状態を作成します。 | 状態の設定 |
プロセスを作成します。ワークフロー・プロセスを作成しながら、そのプロセスの手順を作成します。状態が適切な順序で発生するように、手順でこれらの状態を結合します。さらに、プロセスの作成の際、必要な機能の権限も構成します。 | ワークフロー・プロセスの設定 |
ワークフロー・プロセスをテストします。 | ワークフロー・プロセスのテスト |
作成したワークフロー・プロセスが自動的にアセットに割り当てられるように、スタート・メニュー・ショートカットを設定します。スタート・メニュー・アイテムの詳細は、スタート・メニュー・アイテムの管理を参照してください。
開発システムで作成されたサイトを再作成する:
サイト作成の情報と手順は、コンテンツ管理サイトのアセンブルを参照してください。
データ・モデルを移行する(行っていない場合):
ここで、残りの大半の手順を完了するためにデータ・モデルが必要です。リアルタイム・パブリッシュに関する章の手順を使用して、リアルタイムにデータ・モデルを開発システムから管理システムへとパブリッシュします。
サイトをアセンブルする:
サイトへのアクセス権限をユーザーへ付与します。手順については、ユーザーへのサイトのアクセス権限の付与(ユーザーへのロールの割当て)を参照してください。
アセット・タイプをサイトに関連付けることにより、サイトでアセット・タイプを有効化します。手順については、サイトに対するアセット・タイプの有効化を参照してください。
注意:
この手順によって、有効化するアセット・タイプのスタート・メニュー・アイテムをWebCenter Sitesが自動的に作成できるようにするオプションを選択できます。サイト・ユーザーは、「新規」および「検索」のスタート・メニュー・アイテムを使用して、該当するタイプのアセットを作成および検索できます。独自のスタート・メニュー・アイテムを作成することもできます。
サイト・コンポーネントをユーザーに対して使用可能にする:
各種アセット・タイプに対して独自のスタート・メニュー・アイテムを作成する場合は、スタート・メニューを使用したアセット・タイプへのアクセスの管理の手順を参照してください。
アセットにアクセス権限を設定します。手順については、アセットへのアクセス権限の設定方法を参照してください。
WebCenter Sitesのツリー内のタブへのアクセス権限をユーザーに付与します。詳細は、ツリーへのアクセスを管理するためのオプション(Adminインタフェースのみ)を参照してください。
WebCenter Sitesのパブリッシュ・プロセスを構成する:
管理システムで実行するパブリッシュのタイプを決定します。
RealTime
ディスクへのエクスポート
サーバーへのミラーリング
XMLへのアセットのエクスポート
コンテンツ・プロバイダが作成する情報が配信システムで利用できるように、パブリッシュ・プロセスを構成します。
パブリッシュ・プロセスの構成に関する一般的な情報と手順は、エクスポートおよびミラーリングのパブリッシュに関する章を参照してください。リアルタイム・パブリッシュ・プロセスの詳細は、リアルタイム・パブリッシュに関する章を参照してください。
ユーザー・インタフェースを構成する:
ユーザー・インタフェース・オプションは、Oracle WebCenter Sites: Contributor、AdminおよびWEM Adminです。これらのインタフェースをコンテンツ・プロバイダが利用できるようにする手順は、ユーザー・インタフェースの構成を参照してください。
検索エンジンのアセット・タイプを有効化する:
アップグレードなど、特定のケースでは、アセット・タイプを検索するように構成し、正しく索引付けして、使用している検索エンジンから検出可能にすることが必要になる場合があります。アセット・タイプの構成手順は、Lucene検索エンジンの構成を参照してください。
リビジョン追跡を設定する:
リビジョン追跡は、アセットが複数のユーザーから一度に編集されることを防止します。データベース表のリビジョン追跡を有効化すると、WebCenter Sitesではその表の複数のバージョンのアセットが維持されます。リビジョン追跡の設定手順は、リビジョン追跡の管理を参照してください。
配信システムを設定する詳細は、『Oracle WebCenter Sitesでの開発』の配信システムの設定に関する項を参照してください。
企業のQA要件に従ってすべてのシステムをテストします。
WebCenter SitesインストールのURLとログイン情報をユーザーに提供します。ユーザーはログインすると、管理者による構成に従ってコンテンツを制御および管理できます。
配信システムは開発者によって構成され、一般的にはシステムが使用できるようになるまで管理者は関与しません。サーバーへのミラーリングおよびリアルタイムの配信の場合、配信システムはWebCenter Sitesインストール全体となります。ディスクへのエクスポートおよびXMLへのエクスポートの配信の場合、配信システムはWebCenter SitesインストールのWebサーバー・コンポーネントのみとなります。
組織に複数の環境がある場合は、WebCenter Sitesの1つ以上のインスタンスまたはそのコンポーネント・アプリケーション(Visitor Services、Satellite Serverまたはサイト・キャプチャ)をソース環境からターゲット環境(テスト環境から本番環境など)に切り替えることができます。