この章では、Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを使用してOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)のディスク・グループを管理する方法について説明します。図3-1は、Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクで構成されるOracle ASMディスク・グループを示しています。この図は一般的なもので構成を簡略化していますが、ストレージ・セルとディスクを追加して大規模なOracle Exadata Storage Serverのグリッドを構築する場合のモデルとして使用できます。
このOracle Exadata Storage Serverグリッドの内容は次のとおりです。
グリッド内のストレージ・セルは、InfiniBandネットワークを介して、単一インスタンスのデータベースおよびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースのインストールを含むデータベース・サーバーに接続されます。
各ストレージ・セルは、物理ディスクで構成されます。
各セル・ディスクは、物理ディスクおよびLUNを表します。
各セル・ディスクは、グリッド・ディスクにパーティション化されます。
Oracle ASMディスク・グループは、グリッド・ディスクで構成されるように設定されます。
Oracle ASM障害グループは、1つのストレージ・セルで障害が発生してもフォルト・トレランスを実行できるように、同じストレージ・セルでファイルがミラー化されないように作成されます。障害グループの数はExadataセルの数に一致します。各障害グループは、1つのストレージ・セルに属するOracle ASMディスク・グループのグリッド・ディスクのサブセットで構成されます。
この章のトピックは、次のとおりです:
関連項目:
Oracle Exadata Database Machineメンテナンス・ガイド
Oracle Database 2日でデータベース管理者
Oracle Database管理者ガイド
Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド
この項では、Oracle Exadata Storage Serverを使用するために必要となる基本的なOracle ASMタスクについて説明します。この項では、次の項目について説明します。
関連項目:
次の詳細は、『Oracle Automatic Storage Managementストレージ管理者ガイド』 を参照してください。
- Oracle ASMの機能および動作
- Oracle ASMインスタンスの起動および接続
CREATE DISKGROUP
およびALTER DISKGROUP
などのSQLディスク・グループ・コマンドの詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
この項では、Oracle ASMディスク・グループについて説明し、CREATE DISKGROUP
SQLコマンドを使用してOracle Exadata Storage Server SoftwareのOracle ASMディスク・グループを作成する方法を紹介します。Oracle ASMディスク・グループを作成する前に、Oracle ASMディスク・グループに追加するグリッド・ディスクを決定します。Oracle ASMディスク・グループおよびそのグリッド・ディスクの名前は、可能であれば同様の名前を選択することをお薦めします。
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクは、次のパターンで指定します。
o/cell_IPaddress/griddisk_name
この構文において、cell_IPaddressはOracle Exadata Storage ServerのIPアドレスを示し、griddisk_nameはグリッド・ディスクの名前を示します。
セルの検出文字列はo/
接頭辞で始まります。
グリッド・ディスクをディスク・グループに追加するように指定する場合は、次の点を考慮します。
デフォルトのOracle ASMディスク名はグリッド・ディスク名です。デフォルトの設定を使用することをお薦めします。
デフォルトの障害グループ名はセル名です。デフォルトの設定を使用することをお薦めします。
障害グループが指定されていない場合は、Oracle ASM独自の障害グループ内に各ディスクが追加されます。ただし、ディスクがOracle Exadata Storage Serverに格納されており、障害グループが指定されていない場合は、Oracle ASMによってそのセルの障害グループにディスクが追加されます。障害グループ名はセル名になります。
注意:
セルの名前が変更され、そのセルのディスクが属する既存のディスク・グループにセルのディスクが追加されると、Oracle ASMによって新しいディスクは障害グループに追加され、新しいセル名が使用されます。セルのすべてのディスクが1つの障害グループに含まれるようにするには、ディスクをディスク・グループに追加して、元の障害グループ名を指定します。
スマート・スキャンの条件のオフロード処理を有効にするには、ディスク・グループのすべてのディスクをOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクにする必要があります。Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクには従来型のディスクを含めることはできません。
Oracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.3以上で標準冗長性を使用しており、compatible.asm
値が11.2.0.3
以上の場合は、DATA、RECOおよびDBFS_DGディスク・グループのcontent.type
属性を設定します。
content.type
属性を設定すると、リカバリ時間目標(RTO)およびリカバリ・ポイント目標(RPOまたはデータ損失の許容範囲)が改善します。DATAおよびSPARSEディスク・グループのcontent.type
値はdata
、RECOディスク・グループのcontent.type
値はrecovery
、DBFS_DGのcontent.type
値はsystem
です。
注意:
特定のサービスをサポートするために作成されるディスク・グループなど、異なる目的に使用されるディスク・グループの可用性の特性を区別するには、content.type
属性を使用しないでください。
スパース・グリッド・ディスクを使用する場合は、データベースおよびグリッド・インフラストラクチャはリリース12.1.0.2.0 BP5以上である必要があります。
次の例では、ディスク・グループの作成中にコンテンツ・タイプを追加します。リリース11.2.0.2およびリリース11.2.0.3の両方のデータベースを統合環境でサポートするために、compatible.rdbms
属性は11.2.0.2に設定されます。
CREATE DISKGROUP data NORMAL REDUNDANCY DISK 'o/*/DATA*' ATTRIBUTE 'content.type' = 'DATA', 'content.type' = 'DATA', 'AU_SIZE' = '4M', 'cell.smart_scan_capable'='TRUE', 'compatible.rdbms'='11.2.0.2', 'compatible.asm'='11.2.0.3';
既存のディスク・グループにcontent.type
属性を設定するには、ALTER DISKGROUP
コマンドを使用して、ディスク・グループをリバランスします。次は、コマンドの例です。
ALTER DISKGROUP reco SET ATTRIBUTE 'content.type'='recovery';
ALTER DISKGROUP reco REBALANCE POWER preferred_power_setting ;
リバランス操作には時間がかかる場合がありますが、この操作によりディスク・グループのデータの冗長性が完全になります。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。
content.type
属性をチェックするには、次の問合せを使用します。
SQL> select dg.name,a.value from v$asm_diskgroup dg, \ v$asm_attribute a where dg.group_number=a.group_number \ and a.name='content.type' and (dg.name like 'DATA%' \ or dg.name like 'RECO%' or dg.name like 'DBFS_DG%'); NAME VALUE -------------------- -------------------- DATA data RECO recovery DBFS_DG system
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを使用するためにOracle ASMディスク・グループを作成するには、次の手順を実行します。
関連項目:
次の詳細は、『Oracle Automatic Storage Managementストレージ管理者ガイド』 を参照してください。
- Oracle ASMの機能および動作
- Oracle ASMディスク・グループの管理
CREATE DISKGROUP
、ALTER DISKGROUP
、CREATE TABLESPACE
などのSQLディスク・グループ・コマンドの詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
ディスク・グループ内のファイルにデータベース・インスタンスでアクセスできるようにするには、ディスク・グループをOracle ASMインスタンスでマウントする必要があります。ディスク・グループをマウントするには、全ディスクを検出し、マウントされているディスク・グループのファイルを検索する必要があります。
ディスク・グループをマウントするにはMOUNT
オプションを指定し、ディスマウントするにはDISMOUNT
オプションを指定して、SQL ALTER DISKGROUP
コマンドを使用します。
MOUNT
句を指定したALTER DISKGROUP
コマンドでFORCE
オプションを使用すると、ディスク・グループのコンポーネントが使用できない状態で十分な冗長性が確保できない場合でも、ディスク・グループをマウントできます。
関連項目:
ディスク・グループのマウント方法の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
ディスク・グループからディスクを削除するには、次の手順を実行します。
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクがOracle ASMディスク・グループから削除されたら、セルからグリッド・ディスクを削除できます。
Oracle ASMのappliance.mode
属性は、1つ以上のOracle ASMディスクを削除する際のディスク・リバランスの完了時間を短縮します。これは、障害後に冗長性がより高速にリストアされることを意味します。
属性は、次の要件を満たすディスク・グループのみで有効にできます。
Oracle ASMディスク・グループ属性compatible.asm
がリリース11.2.0.4または12.1.0.2以上に設定されている。
cell.smart_scan_capable
属性がTRUE
に設定されている。
ディスク・グループ内のすべてのディスクが同じタイプである(すべてのディスクがハード・ディスクであるか、すべてのディスクがフラッシュ・ディスクであるなど)。
ディスク・グループのすべてのディスクが同じサイズである。
ディスク・グループのすべての障害グループのディスク数が等しい。
エイス・ラック構成の場合、すべての障害グループに4ディスクが含まれるか、すべての障害グループに6ディスクが含まれる。
それ以外のラック構成の場合、すべての障害グループに10ディスクが含まれるか、すべての障害グループに12ディスクが含まれる。
ディスク・グループに少なくとも3つの障害グループが含まれている。
ディスク・グループにオフラインのディスクがない。
属性は、新しいディスク・グループの作成時に自動的に有効になります。既存のディスク・グループでは、ALTER DISKGROUP
コマンドを使用して明示的に属性を設定する必要があります。このコマンドの例を次に示します。
SQL> ALTER DISKGROUP disk_group
SET ATTRIBUTE 'appliance.mode'='TRUE';
ディスク・グループの作成時にappliance.mode
属性を無効化するには、属性をFALSE
に設定します。次の例では、ディスク・グループの作成時にappliance.mode
属性を無効化しています。
SQL> CREATE DISKGROUP data NORMAL REDUNDANCY DISK 'o/*/DATA*' ATTRIBUTE 'content.type' = 'data', 'au_size' = '4M', 'cell.smart_scan_capable'='TRUE', 'compatible.rdbms'='11.2.0.3', 'compatible.asm'='11.2.0.4', 'appliance.mode'='FALSE';
注意:
既存のディスク・グループに対してappliance.mode
属性を有効化すると、次回のリバランス操作でデータ移動が増える可能性があります。
セル・ディスクに属するグリッド・ディスクを容易に判別できるように、グリッド・ディスクの名前にはセル・ディスク名を含めるようにしてください。また、Oracle ASMディスク・グループに属するグリッド・ディスクを判別できるように、グリッド・ディスクが属するOracle ASMディスク・グループの名前とグリッド・ディスク名のサブセットをすべて同じにするか、一部を同じにしてください。
たとえば、グリッド・ディスクがセル・ディスクCD_03_cell01
上で作成され、そのグリッド・ディスクがdata0
の名前のOracle ASMディスク・グループに属する場合は、グリッド・ディスク名をdata0_CD_03_cell01
にしてください。
CREATE GRIDDISK
でALL PREFIX
オプションを指定すると、接頭辞とセル名を含む一意のグリッド・ディスク名が自動的に生成されます。グリッド・ディスクの作成時にデフォルトの生成名を使用しない場合は、すべてのセルでグリッド・ディスク名を一意にする必要があります。ディスク名が一意でない場合は、グリッド・ディスクをOracle ASMディスク・グループに追加できないことがあります。
Oracle ASMディスク・グループに属するグリッド・ディスクを変更する場合は、変更によりグリッド・ディスクが属するOracle ASMディスク・グループが受ける可能性がある影響を考慮する必要があります。
この項では、次の項目について説明します。
グリッド・ディスクの属性を変更するには、CellCLIのALTER GRIDDISK
コマンドを使用します。変更可能なOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスク属性を特定するには、DESCRIBE GRIDDISK
コマンドを使用します。
注意:
Oracle ASMディスク・グループに属するグリッド・ディスクの名前を変更する前に、対応するOracle ASMディスクがオフラインになっていることを確認します。
例3-1 Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスク名の変更
この例は、グリッド・ディスクの名前を変更する方法を示しています。
CellCLI> ALTER GRIDDISK data011 name='data0_CD_03_cell04'
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを削除するには、CellCLIのDROP GRIDDISK
コマンドを使用します。グリッド・ディスクを削除する前にグリッド・ディスクを非アクティブにし、そのグリッド・ディスクが使用されていないことを確認します。FORCE
オプションを使用すると、使用中のグリッド・ディスクを強制的に削除できます。
注意:
Oracle ASMディスク・グループに属するグリッド・ディスクを削除する前に、対応するOracle ASMディスクがディスク・グループから削除されていることを確認します。
FORCE
オプションを使用してグリッド・ディスクを削除する前に、ディスク・グループからOracle ASMディスクが削除されていることを確認します。
グリッド・ディスクを削除するには、次の手順を実行します。
例3-2 グリッド・ディスクの削除
この例は、指定したグリッド・ディスクまたは複数のグリッド・ディスクを削除する方法を示しています。
CellCLI> ALTER GRIDDISK data0_CD_03_cell04 INACTIVE CellCLI> DROP GRIDDISK data0_CD_03_cell04 CellCLI> ALTER GRIDDISK ALL INACTIVE CellCLI> DROP GRIDDISK ALL PREFIX=data0 CellCLI> DROP GRIDDISK data02_CD_04_cell01 FORCE
関連項目
グリッド・ディスクおよびOracle ASMディスク・グループのサイズを変更して、空き領域があるものを縮小し、いっぱいに近いもののサイズを増やすことができます。
Oracle Exadata Database Machineのディスク・グループ・サイズの初期構成は、Oracleベスト・プラクティスおよびバックアップ・ファイルの場所に基づきます。内部バックアップの場合、割当てられる領域はDATAディスク・グループで40%、RECOディスク・グループで60%です。外部バックアップの場合、割当てられる領域はDATAディスク・グループで80%、RECOディスク・グループで20%です。ディスク・グループの割当ては、デプロイ後に変更できます。たとえば、DATAディスク・グループの割当てが60%では小さすぎるため、80%にサイズ変更する必要が生じる場合があります。
システムのセル・ディスクに使用可能な空き領域が存在せず、1つのディスク・グループ(RECOなど)に十分な空き領域がある場合、RECOディスク・グループのサイズを縮小し、DATAディスク・グループに空き領域を割り当てなおすことができます。RECOディスク・グループの縮小後に使用可能な空き領域は、DATAディスク・グループに割り当てられた既存の領域から離れた場所にあります。グリッド・ディスクはセル・ディスク上の任意の場所にある領域を使用でき、隣接している必要はありません。
セル・ディスクに既存のグリッド・ディスクを拡大する十分な領域がすでに存在している状態で、グリッド・ディスクを拡大する場合、最初に既存のディスク・グループのサイズを変更する必要はありません。RECOディスク・グループとグリッド・ディスクが縮小される次の例の手順2と3を省略してください(ただし、DATAグリッド・ディスクを拡大する前に、セル・ディスクに十分な空き領域があることを確認する必要があります)。管理者が確保する必要がある空き領域の量は、障害時の補償範囲のレベルによって異なります。
グリッド・ディスクのサイズを縮小する場合、ミラー化用の領域がどのように確保されるかを理解する必要があります。データは、標準または高冗長性を使用してOracle ASMによって保護され、ファイル・エクステントとして保存される1つまたは2つのデータのコピーが作成されます。これらのコピーは、個別の障害グループに保存されます。1つの障害グループで障害が発生しても、ミラー・コピーには影響がないため、データにはまだアクセスできます。障害が発生すると、アクセスできないエクステントがOracle ASMによって再ミラー化(リバランスとも呼ばれる)されるため、冗長性が再確立されます。プロセスの再ミラー化を成功するには、新しいファイル・エクステントのミラー・コピーの作成に十分な空き領域がディスク・グループに存在する必要があります。十分な空き領域がないと、一部のエクステントが再ミラー化されず、他のデータ・コピーで後で障害が発生した場合に、ディスク・グループをバックアップからリストアする必要があります。領域の不足により再ミラー化プロセスが失敗すると、Oracle ASMはエラーを送信します。
Oracle Exadata Storage Server Softwareリリース12.1.2.1.0以上を使用するか、パッチ19695225がソフトウェアに適用されている必要があります。
このグリッド・ディスクのサイズ変更手順は、ベア・メタルおよび仮想マシン(VM)のデプロイメントに適用されます。
ディスク・グループ内のディスクのサイズを増やすには、割り当てられていないディスク領域を使用可能にするか、異なるディスク・グループが現在使用している領域を割り当てなおす必要があります。
セル・ディスクに使用可能な空き領域がない場合、1つのディスク・グループが使用する領域を減らして、異なるディスク・グループに追加のディスク領域を提供できます。
関連項目
Oracle ASMディスク・グループのディスクを縮小した後、各セルのグリッド・ディスクのサイズを縮小します。
割り当てられていないディスク領域がすでに使用可能か、異なるOracle ASMディスク・グループが使用する領域を縮小して使用可能にした場合、グリッド・ディスクが使用するサイズを増やすことができます。
この作業は、RECOC1ディスク・グループの領域がDATAC1ディスク・グループに割り当てなおされる例の続きです。既存のディスク・グループを拡大する十分な領域がすでにある場合、異なるディスク・グループの領域を割り当てなおす必要はありません。
DATAディスク・グループのサイズを増やすかわりに、新しく解放された空き領域を使用して新しいディスク・グループを作成したり、将来使用するために確保したりすることができます。一般的には、必要な最小数のディスク・グループ(通常はDATA、RECOおよびDBFS_DG)を使用して、管理の柔軟性と容易さを最大限にすることをお薦めします。ただし、仮想マシンを使用したり、多くのデータベースを統合する場合、将来使用するために追加のディスク・グループまたは使用可能な空き領域が必要になることがあります。
将来使用するためにグリッド・ディスクの空き領域を残しておく場合は、後で空き領域を既存のディスク・グループに割り当てる手順について、My Oracle Supportノート1684112.1を参照してください。
グリッド・ディスク名がOracle ASMディスク名に一致しており、名前にOracle ASMディスク・グループ名が含まれている場合は、グリッド・ディスクが属するOracle ASMディスク・グループを特定できます。Oracle ASMインスタンスでSQLコマンドを使用して、特定のグリッド・ディスク名と部分一致するOracle ASMディスク・グループを検索することもできます。これにより、特定のグリッド・ディスクを含むOracle ASMディスク・グループを特定できます。
例3-3「Oracle ASMディスク・グループのグリッド・ディスクの特定」
この例は、DATA0
で始まるグリッド・ディスク(例: DATA0_CD_03_CELL04
)を含むOracle ASMディスク・グループを見つける方法を示しています。
SQL> SELECT d.label as asmdisk, dg.name as diskgroup
FROM V$ASM_DISK d, V$ASM_DISKGROUP dg
WHERE dg.name LIKE 'DATA0%'
AND d.group_number = dg.group_number;
ASMDISK DISKGROUP
---------------------- -------------
DATA0_CD_00_CELL04 DATA0
DATA0_CD_01_CELL04 DATA0
DATA0_CD_02_CELL04 DATA0
DATA0_CD_03_CELL04 DATA0
グリッド・ディスク名にOracle ASMディスク・グループ名が含まれている場合は、Oracle ASMインスタンスでSQLコマンドを使用してOracle ASMディスク・グループ名を表示し、CellCLIユーティリティを使用して特定のグリッド・ディスク名を検索できます。
例3-4 Oracle ASMディスク・グループ名の表示
この例は、SQLコマンドを使用して、Oracle ASMインスタンス上のOracle ASMディスク・グループ名を表示する方法を示しています。
SQL> SELECT name FROM V$ASM_DISKGROUP; NAME ------------------------------ CONTROL DATA0 DATA1 DATA2 LOG STANDBY
例3-5 名前によるグリッド・ディスクの検索
この例は、dcliユーティリティを使用して、セル上の同様のグリッド・ディスク・グループ名を表示する方法を示しています。
$ ./dcli "cellcli -e list griddisk where -c cell04" data0_CD_01_cell04 data0_CD_02_cell04 data0_CD_03_cell04 ...
物理ディスクが取り外されると、ステータスはnot present
になります。物理ディスクのグリッド・ディスクにアクセスしようとした場合に、I/Oエラーが発生すると、Oracle ASMはグリッド・ディスクをオフラインにすることがあります。物理ディスクが交換されると、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、それぞれのOracle ASMディスク・グループで、その物理ディスクのグリッド・ディスクを自動的にオンラインにします。グリッド・ディスクがdisk_repair_time
属性で指定した時間よりも長い時間オフラインの場合、Oracle ASMはそのグリッド・ディスクを強制的に削除し、リバランスを開始してデータの冗長性をリストアします。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。
次の表は、物理ディスクのステータスと、物理ディスクに問題が発生した場合にOracle ASMがグリッド・ディスクをどのように処理するかをまとめたものです。
表3-1 物理ディスクのステータス
物理ディスクのステータス | Oracle Exadata Storage Server Softwareの処理 |
---|---|
ディスクは正常に動作しています。 |
処理なし。 |
ディスクが削除されています。 |
Oracle Exadata Storage Server Softwareはディスクをオフラインにし、 |
ディスクに問題が発生しており、障害が発生する可能性があります。 |
Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクを すべてのグリッド・ディスクがそれぞれのOracle ASMディスク・グループから正常に削除されたら、管理者はディスク交換に進むことができます。 |
ディスクで障害が発生しました。 |
Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクを 管理者は、ディスク交換にすぐに進むことができます。 このステータスは、リリース11.2.3.1.1以上に対してのみ使用可能です。 |
ディスクのパフォーマンスが低下しています。 |
Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクを
オフライン・パートナにより すべてのグリッド・ディスクがそれぞれのOracle ASMディスク・グループから正常に削除されたら、管理者はディスク交換に進むことができます。 |
物理ディスクが交換されると、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、交換用ディスク上にグリッド・ディスクを自動的に作成し、それぞれのOracle ASMディスク・グループに追加します。Oracle ASMのリバランス操作により、新しく追加されたグリッド・ディスクにデータが移動されます。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時、およびリバランス操作中にエラーが発生した場合に電子メール・メッセージを送信します。
関連項目