Oracle R Enterpriseでは、サーバー・コンピュータおよびサーバーと対話する各クライアント・コンピュータにRがインストールされている必要があります。Rは、サード・パーティのオープン・ソース・ソフトウェアです。オープン・ソースRは、OracleライセンスではなくGNU General Public License (GPL)で管理されています。
関連項目:
Oracle R EnterpriseでサポートされているバージョンのRについては、「Oracle R Enterpriseシステム要件」の構成要件およびサーバーのサポートの表を参照してください
http://www.r-project.org
の「R Project for Statistical Computing」
ROracleは、RとOracle Databaseとの相互作用を可能にするオープン・ソースRパッケージです。ROracleはオラクル社が保守およびサポートしています。
ROracleは、Oracle R Enterpriseで使用されるオープン・ソースのSupporting Packagesの1つです。Supporting Packagesの概要はOracle R Enterpriseのクライアントおよびサーバー・コンポーネントを、説明は表6-2を参照してください。
Oracle R Enterpriseは、Oracleの無償版ディストリビューションであるOracle R Distributionと組み合せて使用することをお薦めします。Oracle R EnterpriseでOracle R Distributionを使用すると、大きな利点があります。
Oracle R Distributionを使用するメリット
Oracle R Distributionは、Oracle R Enterprise向けのRのインストールを簡略化します。
Oracle R Distributionは、Oracle Advanced Analytics、Oracle LinuxおよびOracle Big Data Applianceのユーザーに対してサポートされています。
WindowsおよびLinuxでは、Oracle R DistributionはIntel Math Kernel Library (MKL)との統合を簡略化します。MKLによってRの数学的計算の多く(高度にベクトル化およびスレッド化された線形代数、高速フーリエ変換(FFT)、ベクトル演算関数、統計関数)のパフォーマンスが大幅に向上します。(クライアントでMKLを使用するためのOracle R Distributionの構成を参照。)
Oracle Solarisでは、Oracle R Distributionは自動的にSun Performance Libraryを使用します。LinuxおよびWindows用のMKLと同様に、Sun Performance Libraryは多くの数学的計算のパフォーマンスを向上します。Sun Performance LibraryはOracle Solaris Studioの一部です。
Oracle R Enterpriseでは、できる限りOracle R Distributionを使用することをお薦めしますが、オープン・ソースRを使用することもできます。オープン・ソースRを使用する場合は、ソースから構築する必要があります。次の構成パラメータを使用してください。
./configure --with-lapack --with-ICU=no --enable-R-shlib
関連項目:
ソースからのRのビルドの詳細は、次の場所にあるRのインストレーションおよび管理ガイドのマニュアルを参照してください。
『Oracle R Enterpriseユーザーズ・ガイド』のクライアントでのサード・パーティのパッケージの使用に関する項
『Oracle R Enterpriseユーザーズ・ガイド』の埋込みRの実行で使用するためのサード・パーティのパッケージのインストールに関する項