12 通知の構成 - 電子メール、SNMP、SCI、または ASR

ライブラリは、特定のライブラリイベントが発生したときに外部宛先に通知を送信できます。ライブラリは 4 つの宛先タイプ (アウトバウンド StorageTek ライブラリ制御インタフェース (SCI)、Simple Network Management Protocol (SNMP)、電子メール、および自動保守要求 (ASR)) をサポートしています。各宛先タイプでは、特定のプロトコルを使用し、IP アドレス、電子メールアドレス、資格情報などの宛先タイプ固有の情報が必要です。

内容

アラートイベントカテゴリ

ライブラリのイベントはカテゴリに分類されます。各通知の宛先タイプを構成するときに、目的のアラートイベントカテゴリを選択します。イベントが発生すると、ライブラリはそのイベントカテゴリを受信するように構成されているすべての宛先にメッセージを送信します。次の表で、x は宛先タイプがイベントカテゴリをサポートしていることを示します。

イベントカテゴリ
含まれるイベント
電子メール
SNMP SCI ASR
Fault (障害) 障害が検出された。 x x x x
Cartridge_movement (カートリッジの移動) テープがストレージセル間で移動された、テープがマウントされた、テープがマウント解除された。 x - x -
Media_validation (メディア検証) メディア検証パーティションが変更された、検証データの通知 (メディア検証の開始 1 分後とその後 10 分ごとに送信される) x - x -
Device (デバイス) デバイスの状態が変化した、デバイスが取り外された、デバイスに障害が発生した、デバイスの障害が検出された。 x x x x
Door (ドア) ドアが開いた、ドアが閉じた、監査が完了した。 x x x -
Cap CAP の所有権がオーバーライドされた、CAP を開く準備が完了した、CAP が開いた、CAP が閉じた、監査が完了した。 x - x -
Partition (パーティション) パーティションの変更。通常、パーティションを変更するコマンドは、セルやドライブを別のパーティションに移動するため、パーティションの変更には少なくとも 2 つのパーティションが関与します。 x - x -
Cleaning_required (クリーニングが必要) ドライブは、アプリケーションによるクリーニングが必要。ライブラリの自動クリーニングが有効になっている場合、ライブラリはこの呼び出しを送信しません。 x - x -
Library (ライブラリ) ライブラリまたはレールの状態が変更された、容量が変更された、ライブラリの監査が完了した、失われていたカートリッジが見つかった。 x x x x
Heartbeat (ハートビート) ハートビートが停止した。 - - x x
Test (テスト) ライブラリによってテスト通知が送信された (テストイベントアラートの作成を参照)。 x x x x

ライブラリイベントのリストの表示

ライブラリに対してイベントが発生したタイミングと内容のリストを表示できます。

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Activity」をクリックします。

  2. Events」タブをクリックします。

関連項目

電子メール通知の構成

SMTP サーバーの構成

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notifications」をクリックします。

  2. 「Email」タブの下の「Configure「Configure」アイコン をクリックします。

  3. SMTP 情報を入力します。

    • Enabled - ライブラリのすべての電子メールアクティビティー (パスワード回復電子メールを含む) をグローバルに有効または無効にします。

    • SMTP Host Address - 電子メールサーバーのホストアドレスを入力します。

    • From Name および From Email Address - 電子メールクライアントの「差出人」フィールドに表示される情報。短くてもわかりやすい値を設定します。次に例を示します。

      • 名前: STK_Alert_YourLibraryName

      • 電子メールアドレス: STK_Alert@YourLibraryName

      ノート:

      受信者が迷惑メールフィルタを使用している場合は、ライブラリの電子メールアドレスをホワイトリストに登録して、フィルタによって電子メールがブロックされないようにします。
    • SMTP Protocol - TCP は開いており、未認証です。SSL と TLS はセキュアで、ユーザー名とパスワードが必要です。

  4. SMTP 設定に何らかの変更を行なったら、受信者を追加し (下記の電子メール通知の構成を参照)、テスト電子メールを送信 (電子メール通知のテストを参照) してください。

電子メール受信者の構成

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notification」をクリックします。

  2. Email」タブをクリックします。

  3. Add「Add email address」アイコン をクリックするか、または受信者を選択して、「Modify「Edit email address」アイコン または「Delete「Delete email address」アイコン をクリックします。

    • Locale - 通知の言語を設定します。

    • Alerting Event Types - ライブラリが送信すべき通知カテゴリ (アラートイベントカテゴリを参照してください)。管理者の電子メールに「Test」イベントを含めるようにします。次に、「Notifications Test」タブから「Test Notification」をトリガーする (テストイベントアラートの作成 を参照) と、管理者が電子メールを受信します。

電子メール通知のテスト

電子メール通知が正しく定義されていることを検証するために、テストを実行できます。テストでは、構成済みの SMTP サーバーを使用してメッセージを送信します。

  1. Email」タブをクリックし、リストから受信者を選択します。

  2. Test「Test email address」アイコン をクリックして、テストを確認します。

  3. SMTP サーバーが正しく設定されている場合、「Message accepted for delivery」と表示されます。

    試行がタイムアウトするか、エラーが発生した場合、SMTP 構成にほかの問題があるため、問題を解決して、テストを再試行します。電子メールサーバーを ping してみて、ライブラリが到達できることを確認します。

SNMP 通知の構成

SNMP (Simple Network Management Protocol) は、UDP/IP (User Datagram Protocol/Internet Protocol) を使用して Ethernet 上でネットワーク管理操作を実行するアプリケーション層プロトコルです。SNMP を使用して、クライアントは情報 (構成、操作、統計情報) についてライブラリに問い合わせることができ、ライブラリは潜在的な問題をクライアントに通知できます。

SNMP ユーザーの構成

SNMP マネージャーがライブラリに対して GET 要求を実行する場合、SNMP ユーザーを定義する必要があります。

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notification」をクリックします。

  2. SNMP Users」タブをクリックします。

  3. Add「Add SNMP user」アイコン をクリックするか、またはユーザーを選択して、「Modify「Edit SNMP user」アイコン または「Delete「Delete SNMP user」アイコン をクリックします。

    • Authentication Protocol - 最良のセキュリティーを得るには「SHA」、または MD5 を使用するシステムとの互換性を得るには「MD5」を選択します。認証パスワードを入力します。

    • Privacy Protocol - 「NONE」、「AES」、または「DES」を選択します。最良のセキュリティーを得るには「AES」(Advanced Encryption Standard)、DES を使用するシステムとの互換性を得るには「DES」(Data Encryption Standard) を選択します。AES または DES のプライバシパスワードを入力します。

SNMP トラップ受信者の構成

SNMP トラップ受信者は、ライブラリ上の SNMP エージェントから送信されるトラップ通知を受け取るように指定されたネットワーク管理ステーションです。

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notification」をクリックします。

  2. SNMP Trap Recipients」タブをクリックします。

  3. Add「Add SNMP recipient」アイコン をクリックするか、または受信者を選択して、「Modify「Edit SNMP recipient」アイコン または「Delete「Delete SNMP recipient」アイコン をクリックします。

    • Host address - トラップを受信する管理ホストの IP アドレス。

    • Alerting Event Types - ライブラリが送信すべき通知カテゴリ (アラートイベントカテゴリを参照してください)。構成をテストできるように各受信者に「Test」イベントを含めてください。SNMP 受信者のテストを参照してください。

    • Authentication Protocol - 最良のセキュリティーを得るには「SHA」、または MD5 を使用するシステムとの互換性を得るには「MD5」を選択します。認証パスワードを入力します。

    • Privacy Protocol - 「NONE」、「AES」、または「DES」を選択します。最良のセキュリティーを得るには「AES」(Advanced Encryption Standard)、DES を使用するシステムとの互換性を得るには「DES」(Data Encryption Standard) を選択します。AES または DES のプライバシパスワードを入力します。

    • Engine ID - ほとんどの場合、デフォルト値を受け入れます。この値をオーバーライドする必要がある場合は、0x で始まる 16 進値を入力します。ただし、すべてゼロ (0) とすべて 16 (F) は除きます。

SNMP 受信者のテスト

SNMP 受信者が正しく定義されていることを検証するために、テストを実行できます。テストではテストトラップ (レベル 13) を受信者に送信します。

  1. 宛先を選択します。

  2. Test「Test SNMP trap recipient」アイコン をクリックして、テストを確認します。

MIB ファイルのダウンロード

管理情報ベース (MIB) は、管理対象デバイス (ライブラリ) の特性を定義するオブジェクト識別子 (OID) が含まれている ASCII テキストファイルです。マネージャーが情報を要求したり、管理対象デバイスがトラップを生成したりすると、MIB は数値文字列をメッセージ内の各データオブジェクトを識別する読み取り可能なテキストに変換します。

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notification」をクリックします。

  2. SNMP Users」タブをクリックします。

  3. Download MIB File「Download MIB File」アイコン をクリックします。

アウトバウンド SCI 通知の構成

アウトバウンド StorageTek ライブラリ制御インタフェース (SCI) メッセージがリスナーとして登録されているクライアントに送信されます。アウトバウンド SCI メッセージの送信は、SNMP トラップの送信と似ています。

アウトバウンド SCI を送信するライブラリの構成

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notifications」をクリックします。

  2. SCI」タブをクリックします。

  3. Add「Add YAPI destination」アイコン をクリックするか、または宛先を選択して、「Modify「Edit YAPI destination」アイコン または「Delete「Delete YAPI destination」アイコン をクリックします。

    • Username および password - クライアントのセキュリティーポリシーに応じてオプション

    • IP address、port number、URL - クライアント情報を入力します。

    • Retention Time Limit - 宛先が使用できない場合に、ライブラリがアウトバウンドメッセージを保存する時間 (時間単位)。ライブラリは定期的に保留中のメッセージを宛先に送信しようとします。ライブラリは、保持時間制限内に送信できない保留中のすべてのメッセージを削除します。

    • Alerting Event Types - ライブラリが送信すべき通知カテゴリ (アラートイベントカテゴリを参照してください)。SCI 宛先構成をテストできるように各受信者に「Test」イベントを含めてください。

SCI 通知を受信する宛先の構成

最低でも、ライブラリ接続に SSL/TSL を使用するように宛先を構成する必要があります。ライブラリの宛先を構成するときに、ユーザー名とパスワードを追加した場合は、メッセージの SOAP ヘッダーで、ユーザー名/パスワードトークンとして、資格情報を送信します。

WSDL インタフェースの実装

ライブラリは WSDL インタフェースを使用してアウトバウンド SCI メッセージを送信します。アプリケーション開発者は、ライブラリがアウトバウンド SCI 呼び出しに成功できるように、宛先にこのインタフェースを実装する必要があります。

WSDL は次の場所で見つかります。

http://<hostname>:<port>/OutboundWebService/

  • <hostname> は DNS 内のライブラリのホスト名です。

  • <port> は、ライブラリ用に構成したポートです。デフォルトのポート番号は 80 です。

開発者は、呼び出しで送信されたデータを取り込み、呼び出しをすばやく返すことによって、これらの呼び出しがすばやく返されるように、アウトバウンド SCI インタフェース方法を実装する必要があります。アプリケーションは呼び出しが返されるまで、データの処理を待機するようにします。

SCI 宛先のテスト

SCI 宛先が正しく定義されていることを検証するために、テストを実行できます。テストは「test」イベントメッセージを宛先に送信します。

  1. 宛先を選択します。

  2. Test「Test YAPI destination」アイコン をクリックして、テストを確認します。

ASR 通知を受信する SDP2 サーバーの追加

ローカルの Service Delivery Platform (SDP2) サーバーを使用している場合は、ライブラリが Oracle に自動保守要求 (ASR) を送信できます。詳細については、SDP のドキュメントを参照してください。

ASR の宛先の追加

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notifications」をクリックします。

  2. ASR」タブをクリックします。

  3. Configure「Configure ASR Destination」アイコン をクリックします。

  4. Enabled」を選択します。SDP2 サーバー情報を入力します。SDP2 との通信に使用するネットワークインタフェースを選択し、「OK」をクリックします。

ASR 宛先の登録

  1. Register and Test ASR Destination「Test YAPI destination」アイコン をクリックし、クライアントの登録を開始します。ライブラリは、クライアント識別子を自動入力します。

  2. ASR の登録を完了するには SDP2 ドキュメントを参照してください。

ASR 通知アクティビティーの履歴の表示

ライブラリによって ASR 通知が送信されたタイミングと内容のリストを表示できます。

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notifications」をクリックします。

  2. Notification History」タブをクリックします。

テストイベントアラートの作成

構成済みのすべての通知の宛先を検証するためにテストイベントを作成できます。テストイベントの作成では、「テスト」イベントタイプを受信するように構成されている宛先 (電子メール、SNMP、SCI、ASR) のみに通知します。

  1. GUI の左側のナビゲーション領域の「Notifications」をクリックします。

  2. Test」タブをクリックします。

  3. Test Notifications」をクリックします。