7 クラシック・モードでのキャプチャの構成

この章では、クラシック・モードでOracle GoldenGateキャプチャ・プロセスを構成する手順について説明します。

注意:

アクティブなExtract構成を統合モードからクラシック・モードに切り替えるには、次の構成手順を実行し、『Oracle GoldenGateの管理』を参照してください。

内容は次のとおりです。

クラシック・キャプチャの構成の前提条件

Extractをクラシック・モードで構成する前に、この項のガイドラインに従う必要があります。

クラシック・モードでExtractを構成するためのガイドラインは次のとおりです。

  1. Oracle GoldenGateのためのデータベースの準備

  2. Oracle GoldenGate資格証明の確立

  3. 「キャプチャおよび適用モードの選択」

  4. Managerプロセスを構成して、ソース・システムにOracle GoldenGateインスタンスを作成します。『Oracle GoldenGateの管理』を参照してください。

  5. また、『Oracle GoldenGateの管理』のガイドラインも確認してください。

この手順でできること

次の手順では、プライマリExtract(データ・ソースからトランザクション・データをキャプチャ)、およびデータ・ポンプExtract (trailにローカルに格納されているキャプチャ済データをソース・システムからターゲット・システムに伝播)の基本的なExtractパラメータ(構成)ファイルの構成方法について説明します。

ビジネス要件によってはより複雑なトポロジが必要ですが、この手順がその他の構成手順の基礎となります。

手順を実行することで、次のことが可能です。

  • 基本的な構成ファイルが作成されます。

  • 後で環境に適用する機能や要件について決定を下してパラメータを追加し、それらを拡張します。

  • コピーを使用して、一から作成するよりも短時間で追加パラメータ・ファイルを作成します。

注意:

これらの手順では、DDLキャプチャまたはレプリケーションを実行するようにOracle GoldenGateを構成しません。DDLをサポートするには、パラメータ・ファイルを作成し、次の章を参照してください。

「トリガーベースのDDLキャプチャのインストール」

DDLサポートの構成

クラシック・キャプチャ・モードでのプライマリExtractの構成

ソース・データの初期ロードおよびレプリケートのためのクラシックExtractプロセスを設定できます。

次の手順では、クラシック・モードでトランザクション・データをキャプチャするようにExtractを構成します。

  1. ソース・システムのGGSCIで、Extractパラメータ・ファイルを作成します。
    EDIT PARAMS name
    

    説明: nameは、プライマリExtractの名前です。

  2. 次に示す順序でExtractパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。詳細およびパラメータの説明は、表7-*を参照してください。

    クラシック・キャプチャ・モードでのプライマリExtractの基本的なパラメータ

    EXTRACT finance
    USERIDALIAS tiger1 
    LOGALLSUPCOLS
    ENCRYPTTRAIL AES192
    EXTTRAIL /ggs/dirdat/lt
    SEQUENCE hr.employees_seq;
    TABLE hr.*;
    
    パラメータ 説明
    EXTRACT group

    groupは、Extractグループの名前です。詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

    USERIDALIAS alias

    Extractに割り当てられるユーザーのデータベース・ログイン資格証明の別名を指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります(「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照)。

    LOGALLSUPCOLS

    競合検出および解決に必要な列、統合Replicatのサポートに必要なスケジューリング列を含む、証跡に補足的にログに記録されるすべての列を書き込みます。(スケジューリング列は、主キー、一意索引および外部キー列です。)これらの列をGGSCIコマンドでログに記録するようにデータベースを構成します。「ロギング・プロパティの構成」を参照してください。

    UPDATERECORDFORMAT COMPACT

    UPDATE操作の変更前および変更後のイメージを証跡の単一レコードに結合します。このパラメータは、Oracle Databaseバージョン12c以上で有効で、統合モードのReplicatをサポートします。必須パラメータではありませんが、UPDATERECORDFORMAT COMPACTがベスト・プラクティスで、Replicatパフォーマンスを大幅に改善します。詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

    ENCRYPTTRAIL algorithm

    ローカル証跡を暗号化します。Oracle GoldenGateの証跡暗号化オプションの詳細は、『Oracle GoldenGateの管理』を参照してください。

    EXTTRAIL pathname

    プライマリExtractによってキャプチャされたデータが書き込まれるローカル証跡のパス名を指定します。詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください

    {TABLE | SEQUENCE} schema.object;
    

    データをキャプチャするデータベース・オブジェクトを指定します。

    • TABLEは、表または表のワイルドカード・セットを指定します。

    • SEQUENCEは、順序または順序のワイルドカード・セットを指定します。

    • schemaは、スキーマ名またはスキーマのワイルドカード・セットです。

    • objectは、表または順序名、またはこれらのオブジェクトのワイルドカード・セットです。

    ワイルドカードを使用して、または使用せずにオブジェクト名を指定する方法の詳細は、『Oracle GoldenGateの管理』を参照してください。

    パラメータ文はセミコロンで終了します。

    ワイルドカードの指定から表を除外するには、TABLEEXCLUDEパラメータを使用します。使用および構文の詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

    詳細およびデータのフィルタリング、マッピングおよび操作を制御するその他のTABLEオプションについては、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

  3. 構成に推奨されるオプションのExtractパラメータを入力します。このファイルは、GGSCIのEDIT PARAMSコマンドを使用して、処理を開始する前の任意の時点で編集できます。詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。
  4. ファイルを保存して閉じます。

データ・ポンプExtractの構成

次の手順では、ローカル証跡を読み取り、データをネットワーク経由でリモート証跡に送信するデータ・ポンプを構成します。データ・ポンプはオプションですが、使用することをお薦めします。

データ・ポンプを設定する手順は、次のとおりです。
  1. ソース・システムのGGSCIで、データ・ポンプ・パラメータ・ファイルを作成します。
    EDIT PARAMS name
    

    説明:: nameは、データ・ポンプExtractの名前です。

  2. 次に示す順序でデータ・ポンプ・パラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。入力変数は異なるものになります。説明については、表7-*を参照してください。

    2つの部分からなるオブジェクト名を使用したデータ・ポンプExtractグループの基本的なパラメータ:

    EXTRACT extpump
    USERIDALIAS tiger1
    RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2
    RMTTRAIL /ggs/dirdat/rt
    SEQUENCE hr.employees_seq;
    TABLE hr.*;
    

    3つの部分からなるオブジェクト名を使用したデータ・ポンプExtractグループの基本的なパラメータ(プラガブル・データベースを含む):

    EXTRACT extpump
    USERIDALIAS tiger1
    RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2
    RMTTRAIL /ggs/dirdat/rt
    TABLE test.ogg.tab1;
    SOURCECATALOG pdb1
    SEQUENCE hr.employees_seq;
    TABLE hr.*;
    SOURCECATALOG pdb2
    TABLE sales.*;
    TABLE acct.*;
    
    パラメータ 説明
    EXTRACT group

    groupは、データ・ポンプExtractの名前です。詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

    USERIDALIAS alias

    Extractに割り当てられるユーザーのデータベース・ログイン資格証明の別名を指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります(「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照)。

    RMTHOST hostname,
    MGRPORT portnumber,
    [, ENCRYPT algorithm
    KEYNAME keyname]
    • RMTHOSTでは、ターゲット・システムの名前またはIPアドレスを指定します。

    • MGRPORTでは、ターゲットでManagerが実行されるポートの番号を指定します。

    • ENCRYPTでは、TCP/IPでのデータの暗号化(オプション)を指定します。

    その他のオプションおよび暗号化の詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

    RMTTRAIL pathname

    リモート証跡のパス名を指定します。詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

    SOURCECATALOG container

    このパラメータは、ソース・データベースがマルチテナント・コンテナ・データベースの場合に使用します。2つの部分からなる名前を含む後続のすべてのTABLEおよびSEQUENCEパラメータで、デフォルトのコンテナとして使用されるプラガブル・データベースの名前を指定します。このパラメータでは、3つの部分からなる名前(container.schema.object)ではなく、2つの部分からなるオブジェクト名(schema.object)を使用できます。別のSOURCECATALOGパラメータが発生するか、3つの部分からなる完全なTABLEまたはSEQUENCE指定が発生するまで実質的に保持されます。このパラメータは、ソース・データベースがマルチテナント・コンテナ・データベースの場合に使用します。SOURCECATALOGの詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

    {TABLE | SEQUENCE} [container.]schema.object;

    表または順序、またはワイルドカードで指定された複数のオブジェクトを指定します。ほとんどの場合、このリストはプライマリExtractパラメータ・ファイルのリストと同じです。

    • TABLEは、表または表のワイルドカード・セットを指定します。

    • SEQUENCEは、順序または順序のワイルドカード・セットを指定します。

    • containerは、表または順序を格納するルート・コンテナまたはプラガブル・データベースの名前です(このソース・データベースがマルチテナント・コンテナ・データベースの場合)。この表のSOURCECATALOGの説明を参照してください。

    • schemaは、スキーマ名またはスキーマのワイルドカード・セットです。

    • objectは、表または順序の名前、またはこれらのオブジェクトのワイルドカード・セットです。

    ワイルドカードを使用して、または使用せずにオブジェクト名を指定する方法の詳細は、『Oracle GoldenGateの管理』を参照してください。

    このパラメータ文はセミコロンで終了します。

    表または順序をワイルドカード指定から除外するには、TABLE文の後にTABLEEXCLUDEまたはSEQUENCEEXCLUDEパラメータを使用します。

    詳細およびデータのフィルタリング、マッピングおよび操作を制御するその他のTABLEオプションについては、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。

  3. 構成に推奨されるオプションのExtractパラメータを入力します。このファイルは、GGSCIのEDIT PARAMSコマンドを使用して、処理を開始する前の任意の時点で編集できます。詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』を参照してください。また、その他の構成の考慮事項は、「統合モード用のオプションのパラメータ」を参照してください。
  4. ファイルを保存して閉じます。

次のステップ

パラメータ・ファイルは、製品機能を制御するために関連するOracle GoldenGateプロセスにより読み取られるプレーン・テキスト・ファイルです。

クラシック・キャプチャの基本的なパラメータ・ファイルを作成したら、次の関連の構成手順を参照してください。

Oracle GoldenGateの適用の構成

「Oracle GoldenGate構成のその他の考慮事項」

「クラシック・キャプチャを使用する場合の追加構成手順」

「トリガーベースのDDLキャプチャのインストール」 (Oracle GoldenGate DDLサポートを使用する場合)

「DDLサポートの構成」(Oracle GoldenGate DDLサポートを使用する場合)

プロセス・グループの作成

「Oracle GoldenGateレプリケーションのインスタンス化」

XMLスキーマの変更のサポート