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Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Directorの管理
12c (12.2.1.3.0)
E90199-04
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5 構成の管理

Oracle Traffic Directorを使用して、ロード・バランシングされたサービスを作成するための最初の手順は、構成の作成です。構成は、Oracle Traffic Directorサーバーの実行時の特性を定義するメタデータの集合です。構成を作成した後、構成を使用して、1つ以上の管理ノードにOracle Traffic Directorサーバーのインスタンスを作成できます。

この章のトピックは、次のとおりです:

構成管理ノードインスタンスなどの、Oracle Traffic Directorの用語の定義については、「Oracle Traffic Director用語集」を参照してください。構成、ノード・マネージャおよびインスタンス間の関係の詳細は、「管理タスクの概要」を参照してください。

Oracle Traffic Director構成の作成

Oracle Traffic Directorインスタンスを定義する構成を作成できます。構成とは、Oracle Traffic Directorのインスタンス化に使用できるメタデータの集合です。この構成は、サーバー・インスタンスの起動時およびクライアント・リクエストの処理中にOracle Traffic Directorによって読み取られます。

始める前に

構成の作成を開始する前に、次の項目を決定します。
  • 構成の一意の名前。名前は慎重に選択してください。構成の作成後に名前を変更することはできません。

  • 構成の一部として作成するデフォルト仮想サーバー用の一意のリスナーhost:portの組合せ。

  • 構成の一部として作成するオリジン・サーバー・プール内のサーバーのhost:portアドレス。

  • (オプション)構成のインスタンスを作成する必要があるノード・マネージャのホスト名。

    新規構成ウィザードを使用して構成を作成する際、1つ以上のノード・マネージャで構成をインスタンス化することも選択できます。ウィザードでは、サーバーに登録されているノード・マネージャのホスト名が表示されます。

Fusion Middleware Controlを使用した構成の作成

Fusion Middleware Controlを使用して構成を作成するには、次を実行します。

  1. 「グラフィカル・ユーザー・インタフェース - Fusion Middleware Control」の説明に従って、Traffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
  2. ページの左上にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。
  4. 「共通タスク」ペインで、「作成」ボタンを選択します。
    新規構成ウィザードが開きます。
  5. 画面上のプロンプトに従い、事前に決定済の詳細(オリジン・サーバー・タイプなど)を使用して構成の作成を完了します。

    構成が作成された後、新規構成ウィザードの「結果」画面に構成の作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。構成のインスタンスを作成することを選択した場合、インスタンスの作成が成功したことを示すメッセージも表示されます。

  6. 結果画面で、「閉じる」をクリックします。

    新規構成ウィザードで、構成のインスタンスの作成を選択しなかった場合、作成した構成がまだデプロイされていないことを示すメッセージ「アンデプロイ済構成」が表示されます。

WLSTを使用した構成の作成

構成を作成するには、otd_createConfigurationコマンドを実行します。このコマンドは、オンライン・モードまたはオフライン・モードで実行できます。

この例では、soa.example.comという名前の構成がオリジン・サーバーvault.example.com:80で作成されます。

# Online
props = {}
props['name'] = 'soa.example.com'
props['listener-port'] = '12345'
props['server-name'] = 'foo'
props['origin-server'] = 'vault.example.com:80'
otd_createConfiguration(props)

この例では、fooという名前の構成がオリジン・サーバーvault.mycompany.com:80で作成されます。

# Offline
readDomain('/export/domains/otd_domain')
props = {}
props['name'] = 'foo'
props['listener-port'] = '12345'
props['server-name'] = 'foo'
props['origin-server'] = 'vault.mycompany.com:80'
otd_createConfiguration(props)
updateDomain()
closeDomain()

構成のリストの表示

Oracle Traffic Directorの構成を作成した後、使用可能な構成のリストをいつでも表示できます。構成のリストを表示するには、otd_listConfigurationsコマンドを実行します。

内容

次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成のリストを表示できます。

Fusion Middleware Controlを使用した構成のリストの表示

  1. 「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従って、Fusion Middleware Controlにログインします。
  2. ページの左上にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。


    GUID-F296D1D8-CEE2-490E-B137-5C43DA0E5EB5-print.gifの説明が続きます
    図GUID-F296D1D8-CEE2-490E-B137-5C43DA0E5EB5-print.gifの説明

    名前をクリックすると、構成のプロパティを表示できます。

WLSTを使用した構成のリストの表示

使用可能な構成のリストを表示するには、次の例に示すように、otd_listConfigurationsコマンドを実行します。このコマンドは、オンライン・モードまたはオフライン・モードで実行できます。

# Online
otd_listConfigurations()
# Offline
readDomain('/export/2110_12c/iplanet/ias/server/work/TD_Linux2.6_DBG.OBJ/domains/otd_domain')
otd_listConfigurations()
closeDomain() 

オフライン・モードでのWLSTコマンドの使用の詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』オフライン・コマンドに関する項を参照してください。

構成の変更のアクティブ化

activateコマンドを使用して、インスタンスの構成の変更をアクティブ化できます。activateコマンドでは、startEditコマンドの実行により開始された編集セッションの後で行われた変更のみがアクティブ化されます。

Oracle Traffic Directorへの変更をアクティブ化するだけでなく、activateコマンドは、編集セッションの開始後にその他のコンポーネントや管理対象サーバーに行われた変更もアクティブ化します。特定の構成変更は、インスタンスを再起動せずに動的に適用することはできません。

次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成の変更をアクティブ化できます。

Fusion Middleware Controlを使用した構成の変更のアクティブ化

Fusion Middleware Controlを使用して構成の変更をアクティブ化するには、次を実行します。
  1. 「グラフィカル・ユーザー・インタフェース - Fusion Middleware Control」の説明に従って、Fusion Middleware Controlにログインします。
  2. Weblogicドメインのすぐ下のGUID-28CB3784-3AF4-442B-A9E6-789BAEF88797-print.gifの説明が続きます
    図GUID-28CB3784-3AF4-442B-A9E6-789BAEF88797-print.gifの説明ボタンをクリックします。
  3. デフォルトでは、自動コミット・モードは有効になっています。
    • 有効化: 自動コミット・モードを有効にして構成を作成します。アクティブ化されたすべての変更についての情報が表示されます。

    • 無効化: 自動コミット・モードを無効にして構成を作成します。アクティブ化を保留中の変更についての情報が表示されます。保留中の変更をアクティブ化するにはチェンジ・センターを使用します。

WLSTを使用した構成の変更のアクティブ化

WLSTで実行されるすべてのコマンドは、activateコマンドを使用してアクティブ化する必要があります。

たとえば、次のコマンドでは、その構成のすべてのインスタンスが最新の構成設定で更新されます。

wls:/mydomain/edit !> activate(200000, block='true')
Activating all your changes, this may take a while ...
The edit lock associated with this edit session is released once the activation iscompleted.
Action completed.
wls:/mydomain/edit>

注意:

Oracle Traffic Directorインスタンスを再起動せずに再構成できるパラメータの詳細は、「再起動が不要なOracle Traffic Directorインスタンスの更新」を参照してください。

Oracle Traffic Director構成の変更

構成を作成し、そこからインスタンスを作成した後、設定の一部(ログ・プリファレンス、パフォーマンス・パラメータ、仮想サーバー・リスナー、オリジン・サーバー・プールなど)を変更する必要がある場合があります。

内容

次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成を変更できます。

Fusion Middleware Controlを使用した構成の変更

Fusion Middleware Controlを使用して構成を変更するには、次を実行します。
  1. 「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従って、Traffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
  2. ページの左上にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. 変更する構成を選択します。
  5. ナビゲーション・ペインで、次のような、構成設定の追加カテゴリを選択できます。選択したカテゴリに関連するパラメータが、メインのペインに表示されます。
    • SSL

    • ロギング

      • サーバー・ログ・ファイル(ログ・ファイルの名前と場所、ログ・レベル、日付書式など)のパラメータを設定し変更します。

      • アクセス・ログを有効または無効にします。

      • アクセス・ログ・ファイル(ログ・ファイルの名前と場所、ログ形式など)のパラメータを設定し変更します

      • サーバーおよびアクセス・ログ・ファイルをローテーションするイベントをスケジュールし管理します。

      • パフォーマンスをチューニングするアクセス・ログ・バッファ設定を構成します。「ログの管理」を参照してください。

    • 詳細設定

  6. 変更するパラメータを指定します。

    画面上のヘルプおよびプロンプトがすべてのパラメータに提供されています。

    フィールドの値を変更する、または変更したテキスト・フィールドからタブアウトすると、ページの右上隅にある「保存」ボタンが有効になります。

    「リセット」ボタンをクリックすることで、いつでも変更を破棄できます。

  7. 必要な変更を行った後、「保存」をクリックします。
    • 更新された構成が保存されたことを確認するメッセージが、「コンソール・メッセージ」ペインに表示されます。

    • さらに、「デプロイメント保留中」メッセージが、メイン・ペインの上部に表示されます。「構成の変更のアクティブ化」の説明に従い、「変更のデプロイ」をクリックして更新した構成を即時にデプロイすることも、さらに変更を行って、その後でデプロイすることもできます。

    注意:

    • 「詳細設定」ページで「一時ディレクトリ」の値を変更した場合、構成のすべてのインスタンスをまず停止して、変更をデプロイし、次にインスタンスを起動します。

    • 実行中のインスタンスを停止せずに変更をデプロイした場合、インスタンスを後で停止しようとしたときにエラーが発生する場合があります。この問題の解決の詳細は、「一時ディレクトリの変更後にインスタンスを停止できない」を参照してください。

WLSTを使用した構成の変更

WLSTでは、構成の特定のパラメータの変更に使用できるいくつかのコマンドが用意されています。

表5-1 構成変更用のWLSTコマンド

タスク WLSTコマンド

構成プロパティの変更

otd_setConfigurationProperties

アクセス・ログ・バッファ・プロパティの変更

otd_setAccessLogBufferProperties

otd_getAccessLogBufferProperties

キャッシュ・プロパティの変更

otd_setCacheProperties

otd_getCacheProperties

DNSプロパティの変更

otd_setDnsProperties

otd_getDnsProperties

DNSキャッシュ・プロパティの変更

otd_setDnsCacheProperties

otd_getDnsCacheProperties

HTTPリクエスト・プロパティの変更

otd_setHttpProperties

otd_getHttpProperties

クライアント接続のキープ・アライブ設定の変更

otd_setKeepAliveProperties

otd_getKeepAliveProperties

エラー・ログ設定の変更

otd_setLogProperties

otd_getLogProperties

SNMPの有効化

otd_setSnmpProperties

otd_getSnmpProperties

SSL/TLSセッションのキャッシュ・プロパティの変更

otd_setSslSessionCacheProperties

otd_getSslSessionCacheProperties

統計集計プロパティの変更

otd_setStatsProperties

otd_getStatsProperties

TCPスレッド・プール・プロパティの変更

set-tcp-thread-pool-prop

HTTPスレッド・プール・プロパティの変更

otd_setHttpThreadPoolProperties

otd_getHttpThreadPoolProperties

TCPスレッド・プール・プロパティの変更

otd_setTcpThreadPoolProperties

otd_getTcpThreadPoolProperties

たとえば、次のコマンドでは、構成fooのログ・レベルが、最も冗長な(詳細な)設定であるTRACE:32に変更されます。

props = {}
props['configuration'] = 'foo'
otd_getConfigurationProperties(props)

『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照するか、または--helpオプションを指定してコマンドを実行してください。

Oracle Traffic Director構成のコピー

既存の構成に似た構成を作成する場合、既存の構成をコピーし、必要な変更を後から実行できます。

内容

次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成をコピーできます。

Fusion Middleware Controlを使用した構成のコピー

Fusion Middleware Controlを使用して構成をコピーするには、次を実行します。
  1. 「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従って、Traffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
  2. ページの左上にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. コピーする構成を選択します。
  5. 「共通のタスク」ペインで、「構成の複製」をクリックします。
  6. 結果のダイアログ・ボックスで、新規構成の名前を入力し、「OK」をクリックします

    構成がコピーされたことを確認するメッセージが表示されます。

  7. 「OK」をクリックします。

WLSTを使用した構成のコピー

構成をコピーするには、otd_copyConfigurationコマンドを実行します。

たとえば、次のコマンドでは、構成foofoo1という名前の新規構成にコピーされます。

props = {}
props['source-configuration'] = 'foo'
props['dest-configuration'] = 'bar'
otd_copyConfiguration(props)

Oracle Traffic Director構成の削除

不要になった構成を削除できます。Oracle Traffic Directorの構成を削除するには、otd_deleteConfigurationコマンドを実行します。

内容

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、Oracle Traffic Directorの構成を削除できます。

注意:

1つ以上のフェイルオーバー・グループのある構成を削除するには、まずフェイルオーバー・グループを削除する必要があります。「フェイルオーバー・グループの管理」を参照してください。

Fusion Middleware Controlを使用した構成の削除

Fusion Middleware Controlを使用して構成を削除するには、次を実行します。
  1. 「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従って、Fusion Middleware Controlにログインします。
  2. ページの左上にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。
    使用可能な構成のリストが表示されます。
  4. 削除する構成を選択します。
  5. 「共通のタスク」ペインで、「構成の削除」をクリックします。
    • 削除する構成のインスタンスが存在しない場合、構成の削除を確認するプロンプトが表示されます。

      1. 「OK」をクリックします。

        構成が削除されたことを確認するメッセージが表示されます。

      2. 「OK」をクリックします。

    • 削除する構成のインスタンスが存在する場合、構成がデプロイされている管理ノードがリストされたダイアログ・ボックスが表示されます。リストには、インスタンスが実行中であるかどうかも示されます。

      1. 削除を続行する場合、「インスタンス・ログの保存」チェック・ボックスを選択することで、インスタンスのログ・ファイルの保存を選択できます。

        削除を確認するには、「OK」をクリックします。

        構成およびそのインスタンスが削除されたことを確認するメッセージが表示されます。

      2. 「OK」をクリックします。

      注意:

      「インスタンス・ログの保存」チェック・ボックスを選択した場合、削除されたインスタンスのサーバー・アクセスおよびエラー・ログは、INSTANCE_HOME/net-config_name/logsディレクトリに保持されます。

  6. 削除する構成に対応する「削除」ボタンをクリックします。

WLSTを使用した構成の削除

構成を削除するには、次の例に示すように、otd_deleteConfigurationコマンドを実行します。このコマンドは、オンライン・モードまたはオフライン・モードで実行できます。

# Online
props = {}
props['configuration'] = 'foo'
otd_deleteConfiguration(props)
# Offline
readDomain('/export/2110_12c/iplanet/ias/server/work/TD_Linux2.6_DBG.OBJ/domains/otd_domain')
props = {}
props['configuration'] = 'foo'
otd_deleteConfiguration(props)
updateDomain()
closeDomain()