この章のトピックは、次のとおりです:
構成、管理ノード、インスタンスなどの、Oracle Traffic Directorの用語の定義については、「Oracle Traffic Director用語集」を参照してください。構成、ノード・マネージャおよびインスタンス間の関係の詳細は、「管理タスクの概要」を参照してください。
Oracle Traffic Directorインスタンスを定義する構成を作成できます。構成とは、Oracle Traffic Directorのインスタンス化に使用できるメタデータの集合です。この構成は、サーバー・インスタンスの起動時およびクライアント・リクエストの処理中にOracle Traffic Directorによって読み取られます。
始める前に
構成の作成を開始する前に、次の項目を決定します。構成の一意の名前。名前は慎重に選択してください。構成の作成後に名前を変更することはできません。
構成の一部として作成するデフォルト仮想サーバー用の一意のリスナーhost:port
の組合せ。
構成の一部として作成するオリジン・サーバー・プール内のサーバーのhost:port
アドレス。
(オプション)構成のインスタンスを作成する必要があるノード・マネージャのホスト名。
新規構成ウィザードを使用して構成を作成する際、1つ以上のノード・マネージャで構成をインスタンス化することも選択できます。ウィザードでは、サーバーに登録されているノード・マネージャのホスト名が表示されます。
構成を作成するには、otd_createConfiguration
コマンドを実行します。このコマンドは、オンライン・モードまたはオフライン・モードで実行できます。
この例では、soa.example.com
という名前の構成がオリジン・サーバーvault.example.com:80
で作成されます。
# Online props = {} props['name'] = 'soa.example.com' props['listener-port'] = '12345' props['server-name'] = 'foo' props['origin-server'] = 'vault.example.com:80' otd_createConfiguration(props)
この例では、foo
という名前の構成がオリジン・サーバーvault.mycompany.com:80
で作成されます。
# Offline readDomain('/export/domains/otd_domain') props = {} props['name'] = 'foo' props['listener-port'] = '12345' props['server-name'] = 'foo' props['origin-server'] = 'vault.mycompany.com:80' otd_createConfiguration(props) updateDomain() closeDomain()
Oracle Traffic Directorの構成を作成した後、使用可能な構成のリストをいつでも表示できます。構成のリストを表示するには、otd_listConfigurations
コマンドを実行します。
内容
次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成のリストを表示できます。
使用可能な構成のリストを表示するには、次の例に示すように、otd_listConfigurationsコマンドを実行します。このコマンドは、オンライン・モードまたはオフライン・モードで実行できます。
# Online otd_listConfigurations()
# Offline readDomain('/export/2110_12c/iplanet/ias/server/work/TD_Linux2.6_DBG.OBJ/domains/otd_domain') otd_listConfigurations() closeDomain()
オフライン・モードでのWLSTコマンドの使用の詳細は、『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のオフライン・コマンドに関する項を参照してください。
activate
コマンドを使用して、インスタンスの構成の変更をアクティブ化できます。activate
コマンドでは、startEdit
コマンドの実行により開始された編集セッションの後で行われた変更のみがアクティブ化されます。
activate
コマンドは、編集セッションの開始後にその他のコンポーネントや管理対象サーバーに行われた変更もアクティブ化します。特定の構成変更は、インスタンスを再起動せずに動的に適用することはできません。次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成の変更をアクティブ化できます。
WLSTで実行されるすべてのコマンドは、activate
コマンドを使用してアクティブ化する必要があります。
たとえば、次のコマンドでは、その構成のすべてのインスタンスが最新の構成設定で更新されます。
wls:/mydomain/edit !> activate(200000, block='true') Activating all your changes, this may take a while ... The edit lock associated with this edit session is released once the activation iscompleted. Action completed. wls:/mydomain/edit>
注意:
Oracle Traffic Directorインスタンスを再起動せずに再構成できるパラメータの詳細は、「再起動が不要なOracle Traffic Directorインスタンスの更新」を参照してください。
構成を作成し、そこからインスタンスを作成した後、設定の一部(ログ・プリファレンス、パフォーマンス・パラメータ、仮想サーバー・リスナー、オリジン・サーバー・プールなど)を変更する必要がある場合があります。
内容
次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成を変更できます。
WLSTでは、構成の特定のパラメータの変更に使用できるいくつかのコマンドが用意されています。
表5-1 構成変更用のWLSTコマンド
タスク | WLSTコマンド |
---|---|
構成プロパティの変更 |
|
アクセス・ログ・バッファ・プロパティの変更 |
|
キャッシュ・プロパティの変更 |
|
DNSプロパティの変更 |
|
DNSキャッシュ・プロパティの変更 |
|
HTTPリクエスト・プロパティの変更 |
|
クライアント接続のキープ・アライブ設定の変更 |
|
エラー・ログ設定の変更 |
|
SNMPの有効化 |
|
SSL/TLSセッションのキャッシュ・プロパティの変更 |
|
統計集計プロパティの変更 |
|
TCPスレッド・プール・プロパティの変更 |
|
HTTPスレッド・プール・プロパティの変更 |
|
TCPスレッド・プール・プロパティの変更 |
|
たとえば、次のコマンドでは、構成foo
のログ・レベルが、最も冗長な(詳細な)設定であるTRACE:32
に変更されます。
props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_getConfigurationProperties(props)
『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』を参照するか、または--help
オプションを指定してコマンドを実行してください。
既存の構成に似た構成を作成する場合、既存の構成をコピーし、必要な変更を後から実行できます。
内容
次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、構成をコピーできます。
不要になった構成を削除できます。Oracle Traffic Directorの構成を削除するには、otd_deleteConfiguration
コマンドを実行します。
内容
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、Oracle Traffic Directorの構成を削除できます。
注意:
1つ以上のフェイルオーバー・グループのある構成を削除するには、まずフェイルオーバー・グループを削除する必要があります。「フェイルオーバー・グループの管理」を参照してください。
構成を削除するには、次の例に示すように、otd_deleteConfiguration
コマンドを実行します。このコマンドは、オンライン・モードまたはオフライン・モードで実行できます。
# Online props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_deleteConfiguration(props)
# Offline readDomain('/export/2110_12c/iplanet/ias/server/work/TD_Linux2.6_DBG.OBJ/domains/otd_domain') props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_deleteConfiguration(props) updateDomain() closeDomain()