プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Exadata System Softwareユーザーズ・ガイド
18.1.0
E84909-07
目次へ移動
目次

前
次

2 Oracle Exadata System Softwareの構成

この章では、Oracle Exadata System Softwareで小規模なグリッドを構成するための主な手順について説明します。

この手順は、大規模なグリッドでも同じです。グリッドで必要なディスクおよびセルの数は、容量、パフォーマンスおよび冗長性の要件に基づいて決定します。

セルにはハードウェアおよびソフトウェアがすでにインストールされています。この章の手順では、Oracle DatabaseおよびOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)のインスタンスで使用するストレージ・セルの構成方法について説明します。

注意:

Oracle Exadata Storage Serverのハードウェアまたはソフトウェアに対する変更は、サポートされていません。管理およびストレージ・トラフィックを含むすべての接続に、Oracle Exadata Storage Serverの実証済のネットワーク・インタフェースのみを使用する必要があります。それ以外のネットワーク・インタフェースは、使用しないでください。

この章のトピックは、次のとおりです:

関連項目

2.1 Oracle Exadata System Softwareのリリース番号付けの理解

Oracle Exadata System Softwareのリリース番号は、Oracle Databaseのリリース番号に関連しています。

  • Oracle Exadata System Softwareのリリース番号の最初の2桁は、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)のように、Oracle Databaseのメジャー・リリース番号を表します。Oracle Exadata System Softwareリリース12.1は、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)のすべてのリリースと互換性があります。

  • 3番目の桁は、通常はコンポーネント固有のOracle Databaseのリリース番号を表します。この桁は、通常はOracle Databaseの(現在のリリースの12.1.0.1.0のように)完全なリリース番号の4桁目と一致します。

  • 最後の2桁は、Oracle Exadata System Softwareのリリースを表します。

関連項目

  • Oracle Database管理者ガイド

2.2 Oracle Exadata Storage Serverの構成の理解

Oracle Exadata Storage Serverは、すべてのハードウェアおよびソフトウェアがプリインストールされた状態で出荷されますが、自分の環境にあわせてOracle Exadata System Softwareを構成する必要があります。

2.2.1 ストレージ・セルのIPアドレスの割当て

ストレージ・セルのIPアドレスを次のポートに割り当てます。

  • ネットワーク・アクセス・ポート

  • リモート管理ポート

  • InfiniBandポート

2.2.2 使用するロケーションに合せたストレージ・セルの構成

ストレージ・セルの電源をオンにし、タイムゾーンやパスワードの設定など、使用するロケーションに合せてストレージ・セルを構成します。

2.2.3 ストレージ・セルの構成

セルを構成するには、ALTER CELLコマンドを使用します。

例2-1では、ストレージ・セルの管理者に電子メール・メッセージを送信するように電子メール通知が構成されます。ALTER CELLコマンドの各行の最後にあるハイフン(-)により、[Enter]を押す前にコマンドを次の行に続けることができます。テキスト・ファイルを使用してコマンドを実行することもできます。

例2-1 新規セルの構成

CellCLI> ALTER CELL                                                       -
         smtpServer='my_mail.example.com',                                -
         smtpFromAddr='john.doe@example.com',                             -
         smtpPwd=email_address_password,                                  -
         smtpToAddr='jane.smith@example.com',                             -
         notificationPolicy='clear',                                      -
         notificationMethod='mail,snmp'

2.2.4 ストレージ・セル属性の検証

ストレージ・セル属性を検証するには、LIST CELL DETAILコマンドを使用します。

例2-2 ストレージ・セルの詳細表示

この例は、ストレージ・セル属性を表示する方法を示しています。

CellCLI> LIST CELL DETAIL
         name:                   cell01
         accessLevelPerm:        remoteLoginEnabled
         bbuStatus:              normal
         cellVersion:            OSS_18.1.4.0.0_LINUX.X64_180125
         cpuCount:               24/24
         diagHistoryDays:        7
         fanCount:               12/12
         fanStatus:              normal
         flashCacheMode:         WriteBack
         httpsAccess:            ALL
         id:                     1031FMM062
         interconnectCount:      2
         interconnect1:          bondib0
         iormBoost:              0.0
         ipaddress1:             192.168.0.20/23
         kernelVersion:          4.1.12-94.8.4.el6uek.x86_64
         locatorLEDStatus:       off
         makeModel:              Oracle Corporation SUN FIRE X4270 M2 SERVER High Performance
         memoryGB:               24
         metricHistoryDays:      7
         offloadGroupEvents:
         powerCount:             2/2
         powerStatus:            normal
         ramCacheMaxSize:        0
         ramCacheMode:           On
         ramCacheSize:           0
         releaseImageStatus:     success
         releaseVersion:         18.1.4.0.0.180125.3
         rpmVersion:             cell-18.1.4.0.0_LINUX.X64_180125-3.x86_64
         releaseTrackingBug:     27347059
         rollbackVersion:        18.1.1.0.0.171018
         smtpFrom:               "John Doe"
         smtpFromAddr:           john.doe@example.com
         smtpServer:             my_mail.example.com
         smtpToAddr:             jane.smith@example.com
         snmpSubscriber:         host=host1,port=162,community=public,type=asr,asrmPort=16161
         status:                 online
         temperatureReading:     24.0
         temperatureStatus:      normal
         upTime:                 2 days, 13:16
         usbStatus:              normal
         cellsrvStatus:          running
         msStatus:               running
         rsStatus:               running

2.2.5 ストレージ・セル・ディスクの作成

セル・ディスクを作成するには、CREATE CELLDISKコマンドを使用します。

例2-3では、ALLオプションにより、デフォルト名を使用してすべてのセル・ディスクを作成しています。

セル・ディスクは、CD_lunID_cellnameの書式で名前が設定されて作成されます。lunIDおよびセル名の値は、LUNのid属性およびセルの name属性にそれぞれ対応します。単一のセル・ディスクを作成する場合は、他のディスク名を指定できます。

フラッシュ・ディスク付きのOracle Exadata Storage Serverでは、CREATE CELLDISK ALLコマンドによってフラッシュ・ディスクにもセル・ディスクが作成されます。

CellCLI> CREATE CELLDISK ALL
CellDisk FD_01_cell01 successfully created
CellDisk FD_02_cell01 successfully created
CellDisk FD_03_cell01 successfully created
CellDisk FD_04_cell01 successfully created
CellDisk FD_05_cell01 successfully created
CellDisk FD_06_cell01 successfully created
CellDisk FD_07_cell01 successfully created
CellDisk FD_08_cell01 successfully created
CellDisk FD_09_cell01 successfully created
CellDisk FD_10_cell01 successfully created
CellDisk FD_11_cell01 successfully created
CellDisk FD_12_cell01 successfully created
CellDisk FD_13_cell01 successfully created
CellDisk FD_14_cell01 successfully created
CellDisk FD_15_cell01 successfully created

注意:

CREATE CELLDISKコマンドでは、フラッシュ・ディスクにセル・ディスクが作成されます(存在しない場合)。フラッシュ・ディスクにセル・ディスクがある場合は、再度作成されません。

例2-3 セル・ディスクの作成

CellCLI> CREATE CELLDISK ALL
CellDisk CD_00_cell01 successfully created
CellDisk CD_01_cell01 successfully created
CellDisk CD_02_cell01 successfully created
...
CellDisk CD_10_cell01 successfully created
CellDisk CD_11_cell01 successfully created

2.2.6 グリッド・ディスクの作成

グリッド・ディスク名は、単一のデプロイメント内のすべてのセルで一意にする必要があります。グリッド・ディスクおよびセル・ディスクで推奨されるネーミング規則に従うことにより、自動的に一意の名前が生成されます。グリッド・ディスクの作成時にデフォルトの生成名を使用しない場合は、すべてのストレージ・セルでグリッド・ディスク名を一意にする必要があります。ディスク名が一意でない場合は、グリッド・ディスクをOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループに追加できないことがあります。

ALL PREFIXオプションを使用すると、生成されるグリッド・ディスク名はグリッド・ディスクの接頭辞の後にアンダースコア(_)、セル・ディスク名を続ける書式で構成されます。

グリッド・ディスクを作成するには、CREATE GRIDDISKコマンドを使用します。ディスクのサイズは要件によって異なります。

グリッド・ディスクを作成する場合は、次の点に注意してください。

  • size属性を指定する必要はありません。size属性を省略すると、利用可能な最大サイズが自動的に選択されます。

  • オフセットにより、グリッド・ディスクが割り当てられるディスク上の位置が指定されます。最も外側のトラックは、小さいオフセット値を持ちます。これらのトラックは、高速で動作し、帯域幅も広くなっています。オフセットを明示的に指定すると、他のグリッド・ディスクと比較して高速に動作するグリッド・ディスクを作成できます。オフセットを指定しない場合、利用可能な最適な(ウォーム)オフセットは、グリッド・ディスクの作成順に自動的に選択されます。最も頻繁にアクセスされる(ホット)データが含まれることが予想されるグリッド・ディスクを最初に作成し、アクセス頻度が低い(コールド)データを含むグリッド・ディスクを次に作成するようにしてください。

    normal_redundancyインターリーブ・オプションを使用して、オフセット付きでグリッド・ディスクを作成すると、指定したオフセットの最も外側にあるトラックの開始部分にグリッド・ディスクの半分が作成され、最も内側にあるトラックの開始部分から同じだけオフセットした部分にグリッド・ディスクの残りの半分が作成されます。

    high_redundancyインターリーブ・オプションを使用すると、グリッド・ディスクは同じサイズの3つのセクション(最も外側から3つのトラック、次の3つのトラック、最も内側から3つのトラック)に分割されます。

  • スナップショットを使用するときはスパース・グリッド・ディスクのみ作成する必要があります。スナップショットによって生成されるファイルがスパース・ディスクに格納されます。スパース・グリッド・ディスクでは、標準グリッド・ディスク操作すべてがサポートされます。スパース・グリッド・ディスクにはvirtualsizeという追加の属性があります。この属性は、グリッド・ディスクで提供する必要がある最大仮想領域を構成します。構成でスパース・グリッド・ディスク上の仮想領域が不足したときに物理領域が使用可能な場合には、この属性のサイズを変更できます。

    スパース・ディスクに設定できる最大サイズは、セル・ディスクの空き領域のサイズです。最大仮想サイズは100TBです。

    Oracle Exadata System Softwareは、スパース・グリッド・ディスクによって使用される物理領域を監視し、ほとんどの領域が使用されるとアラートを生成します。領域不足エラーを回避するには、ALTER GRIDDISKコマンドを使用してグリッド・ディスクに物理領域を追加するか、Oracle ASMファイルをいくつか削除してグリッド・ディスクの領域を解放します。

例2-4 グリッド・ディスクの作成

この例は、グリッド・ディスクを作成する方法を示しています。この例のALL HARDDISK PREFIXオプションでは、ストレージ・セルの各セル・ディスクにグリッド・ディスクが1つずつ作成されます。Oracle ASMディスク・グループ名には、ディスク・グループに属するグリッド・ディスクを識別するためのPREFIXが使用されます。接頭辞の値のdataおよびrecoが、作成されるOracle ASMディスク・グループの名前になります。

CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK PREFIX=data, size=300G
GridDisk data_CD_00_cell01 successfully created
GridDisk data_CD_01_cell01 successfully created
GridDisk data_CD_02_cell01 successfully created
...
GridDisk data_CD_11_cell01 successfully created

CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK PREFIX=reco, size=600G
GridDisk reco_CD_00_cell01 successfully created
GridDisk reco_CD_01_cell01 successfully created
GridDisk reco_CD_02_cell01 successfully created
...
GridDisk reco_CD_11_cell01 successfully created

LIST GRIDDISKコマンドでは、作成されるグリッド・ディスクが表示されます。

CellCLI> LIST GRIDDISK
         data_CD_00_cell01       active
         data_CD_01_cell01       active
         data_CD_02_cell01       active
         ...
         data_CD_11_cell01       active

         reco_CD_00_cell01      active
         reco_CD_01_cell01      active
         reco_CD_02_cell01      active
         ...
         reco_CD_11_cell01      active

例2-5 スパース・グリッド・ディスクの作成

この例では、スパース・グリッド・ディスクは物理セル・ディスク・サイズから最大で300GBを使用し、Oracle ASMファイル用として20000GBの仮想領域を公開します。

CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK PREFIX=sp, size=300G, virtualsize=20000G
GridDisk sp_CD_00_cell01 successfully created
GridDisk sp_CD_01_cell01 successfully created
GridDisk sp_CD_02_cell01 successfully created
...
GridDisk sp_CD_11_cell01 successfully created

2.2.7 フラッシュ・ディスクおよびフラッシュ・キャッシュの作成

デフォルトでは、CREATE CELLコマンドは、すべてのフラッシュ・ディスク上にフラッシュ・セル・ディスクを作成します。このコマンドは次に、フラッシュ・セル・ディスク上にExadataスマート・フラッシュ・キャッシュを作成します。

  • CREATE GRIDDISK ALL FLASHDISK PREFIX='FLASH'コマンドとCREATE FLASHCACHEコマンドを使用して、フラッシュ・ディスクおよびフラッシュ・キャッシュを作成します。

Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュのサイズ変更や、フラッシュ・グリッド・ディスクの作成を行うには、フラッシュ・キャッシュを一度削除してから、異なるサイズでフラッシュ・キャッシュを作成するか、フラッシュ・グリッド・ディスクを作成する必要があります。

2.2.8 Oracle Auto Service Request (ASR)の構成

Oracle Exadata Database MachineOracle Auto Service Request (ASR)では、一般的なハードウェア障害を検出して、サービス・リクエストを自動的に作成します。

ASRサポートには、Oracle Exadata Storage ServerOracle Exadata Database Serverのディスクやフラッシュ・カードなどの選択したコンポーネントが含まれます。

  • Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)を使用してOracle Exadata Rackを構成する際にOracle Auto Service Request (ASR)を構成することを選択しなかった場合には、構成手順について、『Oracle Auto Service Request Oracle Exadata Database Machineクイック・インストレーション・ガイド』を参照してください。

関連項目

  • Oracle Exadata Database Machineメンテナンス・ガイド
  • Oracle Exadata Database Machine Oracle Auto Service Requestクイック・インストレーション・ガイド

2.3 推奨されるネットワーク構成およびIPアドレス

ネットワーク構成およびIPアドレスの推奨設定は次のとおりです。

  • ネットワークがまだ構成されていない場合は、スイッチがシングル・ポイント障害となるのを回避するために、Oracle Exadata Storage Server、データベース・サーバー・ホストおよび複数のスイッチからなるフォルト・トレラントなプライベート・ネットワーク・サブネットを設定します。Exadataセルのネットワークのすべてのインターコネクトが単一のスイッチで接続されていると、そのスイッチがシングル・ポイント障害になる可能性があります。

    管理スイッチを使用している場合は、スイッチのVLAN構成でExadataセルのネットワーク・トラフィックを他のすべてのネットワーク・トラフィックから分離します。

  • Oracle Exadata Storage Serverの一般管理インタフェースおよびLights Out (LO)リモート管理インタフェース用のIPアドレスのブロックを割り当てます。通常、これらのインタフェースは、同じサブネット上に存在します(他のホストとサブネットを共有することもできます)。たとえば、Oracle Exadata Storage Serverの一般管理インタフェースおよびLOリモート管理インタフェース用として、192.168.200.0/24サブネット上で192.168.200.31から192.168.200.100のIPアドレスのブロックを割り当てることができます。サブネットを共有する他のホストには、ブロックの範囲外のIPアドレスを割り当てます。一般管理インタフェースおよびLOリモート管理インタフェースは、個別のサブネットに配置できますが、その必要はありません。

    .0、.1または.255で終了するアドレスや、選択した特定のネットマスクのブロードキャスト・アドレスとして使用されるアドレスを割り当てないようにします。たとえば、192.168.200.0、192.168.200.1、192.168.200.255などのアドレスは使用しないようにします。

    次のサンプルは、オーバーラップしていない4つのアドレス・ブロックです。最初のアドレス・セットは、セルの通常のギガビット・イーサネット・インタフェース/ポートに割り当てる必要があります。2番目のアドレス・セットは、セルのLOリモート管理ポートに割り当てることができます。3番目のセットはデータベース・サーバーのギガビット・イーサネット・ポート、4番目のセットはデータベース・サーバーのLOリモート管理ポートに使用できます。

    192.168.200.0/21 (netmask 255.255.248.0)
    192.168.208.0/21 (netmask 255.255.248.0)
    192.168.216.0/21 (netmask 255.255.248.0)
    192.168.224.0/21 (netmask 255.255.248.0)
    

    InfiniBandネットワークは、データベース・サーバー・ホストおよびOracle Exadata Storage Serverで使用されるプライベート・ネットワークにし、プライベート・ローカル・ネットワーク・アドレスを持つことができます。また、これらのアドレスは、オーバーラップしていないブロックに割り当てる必要があります。

    次の例は、ローカルInfiniBandアドレスの2つのブロックです。データベース・サーバーのInfiniBandとストレージ・サーバーのInfiniBandは、相互に通信できるように両方とも同じサブネット上にする必要があります。ボンディングを使用すると、InfiniBandアドレスで必要なサブネットが1つで済みます。

    192.168.50.0/24 (netmask 255.255.255.0)
    192.168.51.0/24 (netmask 255.255.255.0)
    

    これらのサブネット・ブロックは互いに競合することはなく、ホストの現在の割当てとも競合しません。サブネット・ブロックが同じネットマスクを持つように割り当てることお薦めします。これにより、ネットワーク管理が簡素化します。

    注意:

    Oracle Exadata System Softwareにおいて、InfiniBandネットワークで許可されるホストの最大数は、4096です。そのため、InfiniBandネットワークのネットワーク接頭辞の値は、20以上である必要があります。つまり、ネットマスクは、255.255.240.0から255.255.255.254(両端の値を含む)である必要があります。

    特定のホストIPアドレスとそのネットマスクのネットワーク接頭辞の値は、任意のLinuxマシンで次のようにipcalcユーティリティを使用して指定できます。

    ipcalc <host ip address such as 192.168.50.10> -m 
           <netmask for the host ip address such as 255.255.240.0>  -p
    

    ネットワークが追加の拡張に対応できることを確認してください。たとえば、255.255.255.254は有効なネットワーク(接頭辞/31)ですが、使用できるのは1つのホストのみです。

  • ドメイン・ネーム・システム(DNS)が必要な場合は、セルおよびインターコネクトを参照できるようにDNSを設定します。Oracle Exadata Storage ServerではDNSは不要です。ただし、DNSが必要な場合は、Oracle Exadata Storage Serverの適切なIPアドレスおよびホスト名でDNSを設定します。

  • InfiniBandネットワークは、Oracle Clusterwareを使用する場合のネットワークおよびストレージの通信に使用してください。Oracle Clusterware通信のプライベート・ネットワークでInfiniBandが使用されていることを確認するには、次のコマンドを使用します。

    oifcfg getif -type cluster_interconnect
    
  • Reliable Data Socket (RDS)プロトコルは、InfiniBandネットワークでデータベース・サーバーとセルおよびOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)の通信に使用してください。Oracle RACのプライベート・ネットワークがInfiniBandネットワークでRDSプロトコルを実行していることを確認するには、アラート・ログをチェックします。次のメッセージがログにあります。

    cluster interconnect IPC version: Oracle RDS/IP (generic)
    

    RDSプロトコルがInfiniBandネットワークで使用されていない場合は、次の手順を実行します。

    1. Oracleバイナリを使用しているすべてのプロセスを停止します。

    2. ORACLE_HOME/rdbms/libディレクトリに変更します。

    3. 次のコマンドを実行します。

      make -f ins_rdbms.mk ipc_rds ioracle

    注意:

    Oracle ASMとデータベースで別のOracleホームが使用されている場合は、RDSを両方のOracleホームで有効にしてください。

2.4 Oracle Exadata System SoftwareのIPアドレスの割当て

このトピックでは、新しいストレージ・セルをインストールする前のOracle Exadata System Softwareネットワーク・プレゼンテーションについてまとめます。

各ストレージ・セルは、次のネットワーク・ポートで構成されます。

  • デュアルポートのInfiniBandカード

    Oracle Exadata Storage Serverは、高可用性を実現するために、2つのInfiniBandスイッチに個別に接続するように設計されています。デュアルポート・カードは、可用性目的でのみ使用されています。InfiniBandカードの各ポートにより、ストレージ・セルで生成される帯域幅での完全なデータ転送が可能になります。ネットワーク接続の1つが失われてもストレージ・セルのパフォーマンスに影響を与えることはありません。

  • 通常のネットワーク・アクセス用のギガビット・イーサネット・ポート(プラットフォームに依存)

    • Oracle Exadata Storage Serverには、4つのギガビット・イーサネット・ポートが付属しています。ただし、スイッチには1つのポートのみを接続して、ネットワーク・アクセス用に構成します。

  • ベースボード管理コントローラ(BMC)またはOracle Exadata Storage Serverの管理コントローラ(MC)によって公開されるギガビット・イーサネット・ポート。このポートは、Lights Out(LO)リモート管理で使用されます。

    • Oracle Exadata Storage Serverでは、リモート管理用としてIntegrated Lights Out Manager (ILOM)を使用します。

    注意:

    ILOMへのアクセス用にWebインタフェースを使用する場合は、有効なSecure Socket Layer (SSL)証明書をインストールできます。

Exadataセルのネットワークを準備するには、次の手順を実行します。

  1. ボンディングされたInfiniBandポートにアドレスを1つ割り当てます。セルを最初に設定すると、BONDIB0構成情報を指定するように求められます。この情報は初期起動時のCREATE CELLコマンド実行中に自動的に使用され、セル・サーバーとデータベース・サーバー間の通信用のデータ・パスが提供されます。

    注意:

    初期構成後にBONDIB0アドレスを変更する場合は、次のコマンドを使用します。

    CREATE CELL interconnect1=BONDIB0
    

    このInfiniBandネットワークをプライベート・ネットワークにすることをお薦めします。

  2. IPアドレスをネットワーク・アクセス用のセルに割り当てます。

  3. IPアドレスをLOリモート管理用のセルに割り当てます。

    Javaを有効にしたWebブラウザを使用して、割り当てられたIPアドレスでリモート管理機能にアクセスできます。

関連項目:

Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)のドキュメント(http://www.oracle.com/goto/ilom/docs)

2.5 使用するロケーションに合せたOracle Exadata System Softwareの構成

この項では、ストレージ・セルの構成について説明します。この項の内容は次のとおりです。

2.5.1 Oracle Exadata Storage Serverの静的IPを使用したLOリモート管理の構成

基本的な停電(LO)リモート管理の構成は、最初の起動時に行われます。

LOリモート管理の構成の詳細は、「サーバーの準備」を参照してください。

注意:

ILOMではサイドバンド管理を有効にしないでください。そのようにすると、そのサーバーのSNMPエージェントのレポートおよび監視機能がすべて無効になります。

2.5.2 サーバーの準備

この手順では、データベース・サーバーおよびOracle Exadata Storage Serverを使用するための準備の方法について説明します。

  1. 停電リモート管理を構成します。
  2. ストレージ・セルの電源をオンにし、オペレーティング・システムを起動します。
  3. ストレージ・セルが起動すると、システム構成を求められるので応答します。

    構成手順でyesまたはnoと応答するように求められたら、確認する場合はyを押し、再試行または終了する場合はnを押します。yesまたはnoのプロンプトのデフォルトの選択は、大カッコ内に表示されます。応答を入力せずに[Enter]を押すと、デフォルトの選択項目が選択されます。

  4. ネットワーク接続をチェックします。

    検出されたすべてのインタフェースのリストが表示され、アクティブなネットワーク・ケーブルが接続されていないインタフェースのケーブルをチェックするように求められます。ケーブルを接続したら構成手順を再試行できますが、接続されていないインタフェースを無視することもできます。構成できるのは接続されているインタフェースのみです。

  5. 必要に応じてDNSサーバーのIPアドレスを入力します。
    スタンドアロンのプライベート・ストレージ環境の場合、DNSは必要ありません。
  6. 時間プリファレンスを入力します。
    • 利用可能なタイム・リージョンのリストが表示されたら、ローカルのタイム・リージョン番号を選択します。
    • 表示されるロケーションのリストから、タイム・リージョン番号内のロケーションを選択します。
  7. ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)サーバーを入力します。

    これらのサーバーは、システムの時間を正しく維持するのに必要で、ローカルの時間ソースと同期されます。

  8. イーサネットのアドレスと、InfiniBandのIPアドレスおよびインタフェースを入力します。

    ネットワーク接続されているすべてのイーサネットおよびInfiniBandのインタフェースは、最も左側にインタフェースの名前とともに表示されます。InfiniBandインタフェースにはBONDIB0という名前が付けられ、物理InfiniBandインタフェースのib0とib1の間でボンディングが使用されます。ボンディングにより、ib0またはib1との接続が失われた場合に、ib0からib1、またはib1からib0に透過的にフェイルオーバーできます。

    構成するイーサネットおよびInfiniBandの各インタフェースに、次の設定を適用するように求められます。

    • IPアドレス

    • ネットマスク

    • ゲートウェイのIPアドレス

    • 完全修飾ドメイン名

    リスト内の各インタフェースを設定しないように選択した場合、そのインタフェースは構成されず、システムの起動時に起動しません。IPアドレスを構成すると、システムの起動プロセスが完了します。プロセスの終了時に、追加のパッケージがインストールされ、Oracle Exadata Storage Serverのインストールが完了します。

  9. リストから正規の完全修飾ドメイン名を選択します。

    このホスト名は、サーバーのプライマリ・パブリック・ホスト名になり、/etc/sysconfig/networkファイルに含まれます。

    ゲートウェイで複数のイーサネット・インタフェースを構成した場合、デフォルト・ゲートウェイの行番号を選択します。このゲートウェイは、/etc/sysconfig/networkファイルに含まれ、デフォルト・ゲートウェイとして使用されます。

  10. 要求されたら、次の情報を入力します。
    • ILOMのドメイン修飾ホスト名

    • ILOMのIPアドレス

    • ILOMのネットマスク

    • ILOMのゲートウェイ

    • ILOM NTPサーバー

    • (オプション) ILOMのDNSサーバー

  11. (Oracle Exadata Storage Serverのみ) rootユーザー、celladminユーザーおよびcellmonitorユーザーの初期パスワードをより安全なパスワードに変更します。

    注意:

    rootユーザーのパスワードがない場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。

    パスワードを変更するには、rootユーザーとしてログインし、passwdコマンドを使用してパスワードを次のように変更します。

    # passwd
    # passwd celladmin
    # passwd cellmonitor
    

    変更したパスワードを確認するには、各ユーザー名でログインおよびログアウトします。

    注意:

    cellmonitorユーザーは、Exadataセルのオブジェクトのみを表示できる権限で設定されます。管理タスクを実行するには、celladminユーザーとしてログインする必要があります。

  12. 最初の起動時の構成後に、/var/log/cellos/vldrun.first_boot.logファイルにレポートされている障害を確認します。

    失敗している検証ごとに、次の手順を実行します。

    1. /var/log/cellos/validations/failed_validation_name.SuggestedRemedyファイルを検索します。

      このファイルは、検証プロセスによってなんらかの修正処理が識別された場合にのみ作成されます。ファイルの推奨事項に従って障害の原因を修正します。

    2. SuggestedRemedyファイルが存在しない場合、/var/log/cellos/validationsにあるログ・ファイルで失敗している検証を確認し、原因を調査して必要であれば修正します。
  13. (Oracle Exadata Storage Serverのみ)次のコマンドを使用して、許容可能なパフォーマンス・レベルを確認します。
    cellcli -e "alter cell shutdown services cellsrv"
    cellcli -e "calibrate"

2.6 CellCLIを使用したセル、セル・ディスクおよびグリッド・ディスクの構成

「サーバーの準備」の説明に従ってタスクを完了したら、新規の各ストレージ・サーバーにセル、セル・ディスクおよびグリッド・ディスクを構成する必要があります。

各手順の実行中に、HELPコマンドを使用してヘルプを表示できます。オブジェクトの属性を表示するには、DESCRIBEコマンドを使用します。例2-6は、Exadataセルのオブジェクトのヘルプおよび属性リストを表示する方法を示しています。

Oracle Exadata Storage Serverのセル、セル・ディスクおよびグリッド・ディスクを作成するには、次の手順を実行します。

  1. celladminユーザーとしてログインします。
  2. cellcliコマンドを使用して、セル・コントロール・コマンドライン・インタフェース(CellCLI)を起動し、ストレージ・セルに接続します。

    バイナリがインストールされると、必要なセル・サービスの再起動サーバー(RS)および管理サーバー(MS)が実行されている状態になります。これらのサービスが実行されていない場合は、CellCLIユーティリティの使用時にエラー・メッセージが表示されます。エラー・メッセージが表示されたら、次のコマンドを実行してOracle Exadata System SoftwareRSおよびMSサービスを起動します。

    CellCLI> ALTER CELL STARTUP SERVICES RS
    CellCLI> ALTER CELL STARTUP SERVICES MS
    
  3. CellCLIALTER CELLコマンドを使用してセルを構成します。最初の起動時に、セルが作成され、フラッシュ・セル・ディスクとフラッシュ・キャッシュが自動的に定義されます。
    CellCLI> ALTER CELL name=cell_name,                                      -
               smtpServer='my_mail.example.com',                             -
               smtpFromAddr='john.doe@example.com',                          -
               smtpPwd=email_address_password,                           -
               smtpToAddr='jane.smith@example.com',                          -
               notificationPolicy='clear',                                   -
               notificationMethod='mail,snmp'
    
  4. 次のコマンドを使用し、ストレージ・セルの属性をチェックして現在の構成を検証します。
    CellCLI> LIST CELL DETAIL
    
  5. CREATE CELLDISKコマンドを使用してセル・ディスクを作成します。ほとんどの場合は、デフォルトのセル・ディスク名とLUN IDを使用できます。デフォルト値でセル・ディスクとLUN IDを作成するには、次のコマンドを使用します。
    CellCLI> CREATE CELLDISK ALL
    
  6. CREATE GRIDDISKコマンドを使用して、ストレージ・セルの各セル・ディスクにグリッド・ディスクを作成します。
  7. ストレージ・セルを設定したら、次のコマンドを使用してCellCLIユーティリティを終了します。
    CellCLI> EXIT
    
  8. 新規の各ストレージ・セルで構成プロセスを繰り返します。この手順は、Exadataセルのレルム、データベース・サーバー・ホスト、またはデータベースおよびOracle ASMインスタンスを構成する前に新規の各セルで実行する必要があります。

例2-6 ヘルプ情報の表示

CellCLI> HELP
CellCLI> HELP CREATE CELL
CellCLI> HELP ALTER CELL
CellCLI> DESCRIBE CELL

セルの構成が完了したら、ストレージ・セルで次のオプションの手順を実行できます。

Oracle Exadata Database Machine以外のデータベース・サーバー・ホストの場合は、リリース・ノートのOracle Exadata Storage Serverでの使用に関する項を参照してください。

2.7 フラッシュ・キャッシュおよびフラッシュ・グリッド・ディスクの作成

Oracle Exadata Storage Serverには、フラッシュ・ディスクが搭載されています。これらのフラッシュ・ディスクを使用して、フラッシュ・グリッド・ディスクを作成し、頻繁にアクセスされるデータを格納できます。

または、フラッシュ・ディスク領域の一部または全部をExadataスマート・フラッシュ・キャッシュに提供できます。この場合、最も頻繁にアクセスされるデータがExadataスマート・フラッシュ・キャッシュにキャッシュされます。

ディスクと同期されないデータ(ダーティ・データ)がグリッド・ディスクのフラッシュ・キャッシュからフラッシュされるようにするには、セル・ディスクをエクスポートする前にALTER CELLDISK ... FLUSHコマンドを実行する必要があります。

  • デフォルトでは、CREATE CELLコマンドによってすべてのフラッシュ・ディスクにフラッシュ・セル・ディスクが作成され、次にそのフラッシュ・セル・ディスクにExadataスマート・フラッシュ・キャッシュが作成されます。

    Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュのサイズ変更や、フラッシュ・グリッド・ディスクの作成を行うには、フラッシュ・キャッシュを一度削除してから、異なるサイズでフラッシュ・キャッシュを作成するか、フラッシュ・グリッド・ディスクを作成する必要があります。

  • 割り当てるフラッシュ・キャッシュの量を変更するには、CREATE CELLコマンドのflashcache属性を使用します。
    flashcache属性を指定しない場合、使用可能なすべてのフラッシュ領域がフラッシュ・キャッシュ用として割り当てられます。
  • 明示的にExadataスマート・フラッシュ・キャッシュを作成するには、CREATE FLASHCACHEコマンドを使用します。celldisk属性を使用して、Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュを含むフラッシュ・セル・ディスクを指定します。

    または、celldiskのかわりにALLを指定して、すべてのフラッシュ・セル・ディスクを使用します。size属性を使用して、割り当てるフラッシュ・キャッシュの合計サイズを指定します。割当ては、すべてのフラッシュ・セル・ディスクで均等に配分されます。

例2-7 CREATE FLASHCACHEコマンドの使用

この例は、Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュを作成する方法を示しています。size属性が設定されているため、フラッシュ・セル・ディスクのすべてのサイズは使用されません。

CellCLI> CREATE FLASHCACHE ALL size=100g 
Flash cache cell01_FLASHCACHE successfully created

例2-8 フラッシュ・グリッド・ディスクを作成するためのCREATE GRIDDISKコマンドの使用

この例は、フラッシュ・セル・ディスクの残りの領域を使用してフラッシュ・グリッド・ディスクを作成する方法を示しています。

CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL FLASHDISK PREFIX='FLASH' 
GridDisk FLASH_FD_00_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_01_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_02_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_03_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_04_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_05_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_06_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_07_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_08_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_09_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_10_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_11_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_12_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_13_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_14_cell01 successfully created
GridDisk FLASH_FD_15_cell01 successfully created
 
CellCLI> LIST GRIDDISK    
         FLASH_FD_00_cell01      active
         FLASH_FD_01_cell01      active
         FLASH_FD_02_cell01      active
         FLASH_FD_03_cell01      active
         FLASH_FD_04_cell01      active
         FLASH_FD_05_cell01      active
         FLASH_FD_06_cell01      active
         FLASH_FD_07_cell01      active
         FLASH_FD_08_cell01      active
         FLASH_FD_09_cell01      active
         FLASH_FD_10_cell01      active
         FLASH_FD_11_cell01      active
         FLASH_FD_12_cell01      active
         FLASH_FD_13_cell01      active
         FLASH_FD_14_cell01      active
         FLASH_FD_15_cell01      active

例2-9 セルのExadataスマート・フラッシュ・キャッシュ構成の表示

LIST FLASHCACHEコマンドを使用すると、この例に示すように、セルのExadataスマート・フラッシュ・キャッシュ構成を表示できます。

CellCLI> LIST FLASHCACHE DETAIL
         name:                   cell01_FLASHCACHE
         cellDisk:               FD_00_cell01, FD_01_cell01,FD_02_cell01, 
                                 FD_03_cell01, FD_04_cell01, FD_05_cell01, 
                                 FD_06_cell01, FD_07_cell01, FD_08_cell01, 
                                 FD_09_cell01, FD_10_cell01, FD_11_cell01, 
                                 FD_12_cell01, FD_13_cell01, FD_14_cell01, 
                                 FD_15_cell01 
         creationTime:           2009-10-19T17:18:35-07:00
         id:                     b79b3376-7b89-4de8-8051-6eefc442c2fa
         size:                   365.25G
         status:                 normal

例2-10 セルからのExadataスマート・フラッシュ・キャッシュの削除

セルからExadataスマート・フラッシュ・キャッシュを削除するには、DROP FLASHCACHEコマンドを使用します。

CellCLI> DROP FLASHCACHE
Flash cache cell01_FLASHCACHE successfully dropped

2.8 データベース・サーバー・ホストの構成ファイルの設定

Oracle Exadata Storage Serverの構成が終了したら、セルを使用するようにcellinit.oraおよびcellip.oraファイルでデータベース・サーバー・ホストを構成する必要があります。ファイルは、/etc/oracle/cell/network-configディレクトリにあります。

  • cellinit.oraファイルには、データベースのIPアドレスが指定されています。

  • cellip.oraファイルには、ストレージ・セルのIPアドレスが指定されています。

両方のファイルはデータベース・サーバー・ホストにあります。これらの構成ファイルには、ホスト名ではなくIPアドレスが指定されています。

cellinit.oraファイルはホスト固有で、Oracle Exadata Storage Serverで使用されるストレージ・ネットワークに接続するすべてのデータベースのIPアドレスが含まれます。このファイルは、Oracle Exadata Storage Serverに接続するデータベースごとに必要です。IPアドレスは、クラスレス・ドメイン間ルーティング(CIDR)形式で指定する必要があります。最初のIPアドレスはipaddress1、次のIPアドレスはipaddress2、というように指定する必要があります。

次のリストに、Oracle Exadata Database Machineでの単一データベース・サーバーのIPアドレス・エントリの例を示します。

  • Oracle Exadata Database Machine X4-2Oracle Exadata Database Server
    • ipaddress1=192.168.10.1/22

    • ipaddress2=192.168.10.2/22

  • Oracle Exadata Database Machine X3-2またはOracle Exadata Database Machine X2-2Oracle Exadata Database Server
    • ipaddress1=192.168.50.23/24

  • Oracle Exadata Database Machine X3-8またはOracle Exadata Database Machine X2-8Oracle Exadata Database Server
    • ipaddress1=192.168.41.111/21

    • ipaddress2=192.168.41.112/21

    • ipaddress3=192.168.41.113/21

    • ipaddress4=192.168.41.114/21

このファイルを作成した後は、これらのIPアドレスは変更しないでください。

注意:

8ソケット・システムのブート時に、各データベース・サーバーではcellaffinity.ora構成ファイルを生成します。cellaffinity.oraファイルが/etc/oracle/cell/network-configディレクトリに存在し、Oracle Databaseによって読込み可能である必要があります。

このファイルには、各サーバーに最も近いネットワーク・インタフェース・カードのIPアドレスとNUMAノード番号とのマッピングが含まれます。Oracle DatabaseOracle Exadata Storage Serverと通信する際、このファイルを使用して最も近いネットワーク・インタフェース・カードを選択し、パフォーマンスを最適化します。

このファイルは、8ソケット・システム上でのみ生成および使用されます。2ソケット・システムでは、この方法で得られる効果はなく、cellaffinity.oraファイルは生成されません。このファイルをテキスト・エディタで直接編集しないでください。

セルで使用するデータベース・サーバー・ホストを構成するには、『Oracle Exadata Database Machineメンテナンス・ガイド』を参照してください。

2.9 自動セル・メンテナンスの理解

管理サーバー(MS)には、日付に基づくファイル削除ポリシーが含まれています。

自動診断リポジトリ(ADR)ディレクトリの領域が不足すると、MSは次のファイルを削除します。

  • 7日より古いADRベース・ディレクトリ内のすべてのファイル。

  • 7日より古いLOG_HOMEディレクトリ内のすべてのファイル。

  • 7日より古いすべてのメトリックの履歴ファイル。

保存期間は7日間がデフォルトです。保存期間を変更するには、metricHistoryDaysおよびdiagHistoryDays属性を使用してALTER CELLコマンドを実行します。diagHistoryDays属性ではADRファイルを制御し、metricHistoryDays属性では、その他のファイルを制御します。

十分なディスク領域がある場合、トレース・ファイルは消去されません。この結果、ADRベース・ディレクトリ内のファイルがdiagHistoryDaysで指定された時間制限を超えて保持される可能性があります。

さらに、alert.logファイルが10MBを超える場合は名前が変更され、7日より古いファイルのバージョンの合計サイズが50MBを超える場合は削除されます。

MSには、ファイル・システムの使用率が高い場合にトリガーされるファイルの削除ポリシーが含まれます。ファイルの使用率が80パーセントに達すると、/ (ルート)ディレクトリおよび/var/log/oracleディレクトリでのファイルの削除がトリガーされます。ファイル使用率が90パーセントに達すると/opt/oracleファイル・システムでのファイルの削除がトリガーされ、使用率が85パーセントを下回るとアラートはクリアされます。削除が開始される前にアラートが送信されます。アラートには、ディレクトリの名前と、サブディレクトリの領域の使用率が含まれます。削除ポリシーは次のとおりです。

  • /var/log/oracleファイル・システムの場合は、ADRベース・ディレクトリ、メトリックの履歴ディレクトリ、LOG_HOMEディレクトリ内のファイルは、ファイル変更タイムスタンプに基づくポリシーを使用して削除されます。

    • metricHistoryDays属性値で設定された日数より古いファイルが最初に削除されます。
    • その後、変更タイムスタンプが10分以前の古いファイル、またはファイル・システムの使用率が75パーセントを下回るファイルが削除されます。
    • 5MBを超え、連続する短い時間間隔より古い、名前が変更されたalert.logファイルおよびms-odl生成ファイルも削除されます。
    • 5MBを超え、1日より古い/var/log/oracle/crashfilesディレクトリ内のクラッシュ・ファイルは削除されます。
  • /opt/oracleファイル・システムの場合、削除ポリシーは前述の設定と似ています。ただし、ファイルのしきい値は90パーセントであり、ファイル・システムの使用率が85パーセントを下回るまでファイルは削除されます。

  • ファイル・システムの使用率が一杯になると、同じパージ・ポリシーを使用してdiagHistoryDaysおよびmetricHistoryDays属性で制御されるファイルが消去されます。

  • /ファイル・システムの場合は、5MBを超え、1日より古いホーム・ディレクトリ(cellmonitorおよびcelladmin)、/tmp/var/crashおよび/var/spoolディレクトリのファイルは削除されます。

1時間ごとに、次の基準を使用してMSが対象のアラートをアラート履歴から削除します。アラートがステートレスになるか、解決済のステートフル・アラートになると、そのアラートは対象とみなされます。

  • アラートが500未満の場合、100日より古いアラートが削除されます。

  • アラートが500から999の場合、7日より古いアラートが削除されます。

  • アラートが1,000を超える場合、対象のすべてのアラートが5分ごとに削除されます。

注意:

名前にSAVEを含むディレクトリまたはファイルは削除されません。