14.3 ALTER PACKAGE文

ALTER PACKAGE文は、パッケージの仕様部、本体、またはその両方を明示的に再コンパイルします。明示的に再コンパイルすることによって、実行時に暗黙的に再コンパイルする必要がなくなり、関連する実行時コンパイル・エラーおよびパフォーマンス・オーバーヘッドが発生しなくなります。

パッケージ内のすべてのオブジェクトは1つの単位として格納されるため、ALTER PACKAGE文によって、すべてのパッケージ・オブジェクトが再コンパイルされます。ALTER PROCEDURE文またはALTER FUNCTION文を使用して、パッケージ中の一部のプロシージャまたはファンクションを再コンパイルすることはできません。

注意:

この文では、既存のパッケージの宣言または定義は変更されません。パッケージを再宣言または再定義するには、CREATE PACKAGE文を使用するか、またはCREATE PACKAGE BODY文OR REPLACE句とともに使用します。

ここでのトピック

前提条件

パッケージがSYSスキーマ内にある場合、SYSDBAとして接続する必要があります。そうでない場合は、パッケージが自分のスキーマ内にあるか、ALTER ANY PROCEDUREシステム権限が必要です。

構文

alter_package ::=

セマンティクス

alter_package

schema

パッケージが含まれているスキーマの名前。デフォルト: 自分のスキーマ。

package_name

再コンパイルするパッケージの名前。

{ EDITIONABLE | NONEDITIONABLE }

schemaでスキーマ・オブジェクト・タイプPACKAGEに対して後からエディションが有効化された場合に、パッケージがエディション・オブジェクトまたは非エディション・オブジェクトのどちらになるかを指定します。デフォルト: EDITIONABLE。エディション・オブジェクトと非エディション・オブジェクトの変更の詳細は、『Oracle Database開発ガイド』を参照してください。

package_compile_clause

パッケージ仕様部、パッケージ本体、またはその両方が再コンパイルされます。

compile_clauseおよびcompiler_parameters_clauseのセマンティクスを参照してください。

例14-3 パッケージの再コンパイル

この文は、hr.emp_mgmtパッケージの仕様部と本体を明示的に再コンパイルします。

このパッケージの作成例は、「CREATE PACKAGE文」を参照してください。

ALTER PACKAGE emp_mgmt COMPILE PACKAGE;

emp_mgmt仕様部および本体の再コンパイル中にデータベースでコンパイル・エラーが発生しなかった場合、emp_mgmtは有効となります。その後、ユーザーhrは、emp_mgmtの仕様部で宣言されたすべてのパッケージ・オブジェクトを実行時に再コンパイルせずに起動または参照できます。emp_mgmtの再コンパイル時にコンパイル・エラーが発生した場合は、データベースによってエラーが戻され、emp_mgmtは無効なままになります。

また、データベースによって、emp_mgmtに依存するオブジェクトもすべて無効にされます。その後、最初に明示的に再コンパイルせずにこれらのオブジェクトのいずれかを参照すると、データベースによって実行時にそのオブジェクトが暗黙的に再コンパイルされます。

スキーマhr内のemp_mgmtパッケージの本体を再コンパイルするには、次の文を発行します。

ALTER PACKAGE hr.emp_mgmt COMPILE BODY;

パッケージ本体の再コンパイル中にデータベースでコンパイル・エラーが発生しなかった場合、本体は有効になります。その後、ユーザーhrは、emp_mgmtの仕様部で宣言されたすべてのパッケージ・オブジェクトを実行時に再コンパイルせずに起動または参照できます。本体の再コンパイル時にコンパイル・エラーが発生した場合は、データベースによってエラー・メッセージが戻され、本体は無効なままになります。

この文はemp_mgmtの仕様部ではなく本体を再コンパイルするため、依存オブジェクトはデータベースによって無効にされません。

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