クラスタ・ドメイン内のOracle ACFS用のOracle ACFSコマンドライン・ツール
このトピックでは、クラスタ・ドメイン内のOracle ACFSの管理用コマンドの概要を示します。
表16-103に、クラスタ・ドメイン内のOracle ACFSを管理するためのコマンドをリストし、簡単な説明を提供します。クラスタ・ドメイン内のOracle ACFSおよびOracle ACFSリモート・サービスの詳細は、「クラスタ・ドメイン内のOracle ACFSについて」を参照してください。
Oracle ACFSコマンドの実行の詳細は、「Oracle ACFSコマンドライン・ツールの使用について」を参照してください。
表16-103 クラスタ・ドメイン内のOracle ACFS用のコマンドの概要
コマンド | 説明 |
---|---|
現在のノードに、Oracle ACFSリモート・サービスのドライバおよび適用可能なシステム・トランスポートがインストールされているかどうかを確認します。 |
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システム・リソースのステータスをチェックして、Oracle ACFSリモート・サービスがロードされているかどうかを判断します。 |
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現在のノードがOracle ACFSリモート・サービスでサポートされていることを確認します。 |
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Oracle ACFSリモート・サービスの資格証明を生成、更新、およびインポートします。 |
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クラスタのタイプに関する情報および稼働中のクラスタの内部情報を表示します。 |
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クラスタのエクスポートを作成し、それらの初期ストレージを割り当てます。 |
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エクスポート管理の情報を問い合せます。 |
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すべてのリポジトリのアクティブ・ファイル、または単一リポジトリ内のアクティブ・ファイルを表示します。 |
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すべてのエクスポート、または特定のクラスタのエクスポートのみを再エクスポートします。 |
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エクスポートの構成メタデータを削除します。 |
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エクスポートの基礎となるバッキング・ファイルに合わせてストレージをサイズ変更します。 |
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Oracle Databaseメンバー・クラスタでのOracle ACFSリモート・サービス・セッションの現在の状態と説明をリストします。 |
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ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にトランスポートを作成します。 |
|
システム上に構成されているトランスポートを表示します。 |
|
トランスポートを削除します。 |
acfsremote installed
目的
現在のノードに、Oracle ACFSリモート・サービスのドライバがインストールされているかどうかを確認します。
構文および説明
acfsremote installed -h
acfsremote installed [-trace trace_level] [-member] [-domain]
次の表に、acfsremote
installed
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-104 acfsremote installedコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
トレース・レベルを指定します。 |
|
メンバー・クラスタを確認することを指定します。 |
|
ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)を確認することを指定します。 |
acfsremote
installed
は、現在のノードにOracle ACFSリモート・サービスのドライバおよび適用可能なシステム・トランスポートがインストールされているかどうかを確認します。
このコマンドは、メンバー・クラスタとドメイン・サービス・クラスタ(DSC)の両方で適用されます。
例16-99 acfsremote installedの使用方法
この例では、Oracle ACFSリモート・サービスのドライバおよびiSCSIトランスポートがインストールされています。
#acfsremote installed ACFS-9843: ACFS Remote installed: True ACFS-9844: iSCSI installed: True
acfsremote loaded
目的
システム・リソースのステータスをチェックして、Oracle ACFSリモート・サービスがロードされているかどうかを判断します。
構文および説明
acfsremote loaded -h
acfsremote loaded [-trace trace_level] [-member] [-domain]
次の表に、acfsremote
loaded
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-105 acfsremote loadedコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
トレース・レベルを指定します。 |
|
メンバー・クラスタを確認することを指定します。 |
|
ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)を確認することを指定します。 |
acfsremote
loaded
は、システム・リソースのステータスを確認して、Oracle ACFSリモート・サービスがロードされているかどうかを判断します。すべてのサービスがロードされていれば、Oracle ACFSリモート・サービスは正しくロードされ、実行されています。トランスポートが使用および構成されていない場合、False
と表示される可能性があります。
このコマンドは、メンバー・クラスタとドメイン・サービス・クラスタ(DSC)の両方で適用されます。
例16-100 acfsremote loadedの使用方法
次の例では、Oracle ACFSリモート・サービスのドライバと構成は、正常であり実行中であると判断されます。ただし、iSCSIトランスポートは現在構成されていないため、iSCSIは開始されていません。
#acfsremote loaded ACFS-9846: ACFS Remote loaded: True ACFS-9847: iSCSI loaded: False
acfsremote supported
目的
現在のノードがOracle ACFSリモート・サービスでサポートされていることを確認します。
構文および説明
acfsremote supported -h
acfsremote supported [-trace trace_level] [-member] [-domain]
次の表に、acfsremote
supported
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-106 acfsremote supportedコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
トレース・レベルを指定します。 |
|
メンバー・クラスタを確認することを指定します。 |
|
ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)を確認することを指定します。 |
acfsremote
supported
は、現在のノードがOracle ACFSリモート・サービスでサポートされていることを確認します。
このコマンドは、メンバー・クラスタとドメイン・サービス・クラスタ(DSC)の両方で適用されます。
例16-101 acfsremote supportedの使用方法
この例で、ノードは、正しいカーネルとパッケージの要件を満たすOracle ACFSリモート・サービスでサポートされており、また、iSCSIトランスポートでもサポートされています。
#acfsremote supported ACFS-9840: ACFS Remote supported: True ACFS-9841: iSCSI supported: True
acfsutil cluster credential
目的
Oracle ACFSリモート・サービスの資格証明を生成、更新、またはインポートします。
構文および説明
acfsutil cluster credential -h acfsutil cluster credential { [-n] | -l [cluster_name] [-n] | -g cluster_name -o cluster_manifest_file [-c version] | -r cluster_name [-f] | -s user_name:group_name | -i cluster_manifest_file }
次の表に、acfsutil
cluster
credential
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-107 acfsutil cluster credentialコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
登録されているメンバー・クラスタをリストするときにヘッダーを非表示にします。 |
|
登録されているメンバー・クラスタをリストします。オプションで、特定のクラスタのみをリストするにはクラスタ名を指定し、出力でヘッダーを非表示にするには |
|
指定した名前でメンバー・クラスタの資格証明を生成し、その資格証明を、指定したファイルにエクスポートします。オプションで、 |
|
指定したクラスタの資格証明を削除します。オプションで、 |
|
user_nameとgroup_nameを資格証明ファイルに追加して、Oracle ACFSリモート・サービスへのアクセス権限を有効にします。user_nameとgroup_nameには、オペレーティング・システムの既存のユーザーおよびグループを指定する必要があります。 |
|
cluster_manifest_fileに格納されている資格証明をインポートします。 |
acfsutil
cluster
credential
は、Oracle ACFSリモート・サービスの資格証明を生成またはインポートします。ほとんどの場合、このコマンドがエンド・ユーザーによって直接呼び出されることはありません。
このコマンドはすべてのクラスタ・タイプに適用されます。
例16-102 acfsutil cluster credentialの使用方法
次の例で、acfsutil
cluster
credential
は、Oracle ACFSリモート・サービス用のOCRを設定し、既存の資格証明ファイルをそこにインポートします。
#/sbin/acfsutil cluster credential -s grid_user:asm_group #/sbin/acfsutil cluster credential –s grid2:oinstall #/sbin/acfsutil cluster credential -i my_credential_file
acfsutil cluster info
目的
クラスタのタイプに関する情報および稼働中のクラスタの内部情報を表示します。
構文および説明
acfsutil cluster info -h acfsutil cluster info
acfsutil
cluster
info
は、クラスタのタイプに関する情報および実行中のクラスタの内部情報を表示するために使用されます。これは、カーネルOracle ACFSクラスタがOracle ASMと同期していることを確認するために使用できます。このコマンドはすべてのクラスタ・タイプに適用されます。
例16-103 acfsutil cluster infoの使用方法
# /sbin/acfsutil cluster info Node Count: 2 Rebuild Master: 2 Local Node: 1 Current Incarnation: 10 ACFS DLM Interfaces: ENABLED OKS DLM Interfaces: ENABLED Cluster State: [ NORMAL_OPERATION ] ACFS Remote mode: [DOMAIN SERVICES] ASM Storage mode: [LOCAL] Oracle Appliance: [NONAPP] Nodes: Node 1 - IP 10.0.0.2 – node1 Node 2 - IP 10.0.0.3 - node2
acfsutil
cluster
info
コマンドの出力には、現在のクラスタに関する次の情報が含まれます。
-
Node Count: クラスタ内のノード数。
この例では、2ノードのクラスタです。
-
Rebuild Master: 再構築マスター・ノード。
この例では、ノード2がクラスタの再構築を担当します。
-
Current Incarnation: インカネーションとは、クラスタ内の重要なメンバーシップ変更です。
この例では、クラスタの10個のインカネーションがありました。
-
Cluster State: NORMAL_OPERATION、MIGRATION、UNKNOWN
この例では、クラスタは正常に動作しています。
-
ACFS Remote mode:
-
MEMBER: メンバー・クラスタ
-
DOMAIN SERVICES: ドメイン・サービス・クラスタ
この例では、ACFSリモート・モードはドメイン・サービス・クラスタに設定されています。
-
OFF: スタンドアロン・クラスタ
-
-
ASM Storage Mode:
-
LOCAL: クラスタには、ローカルに接続されたストレージがあります
この例で、ASM Storage Modeは、ローカルに接続されたストレージに設定されています。
-
REMOTE: クラスタは、リモート・ドメイン・サービス・クラスタから提供されるストレージを使用しています。REMOTEは、ACFS Remote ModeがMEMBERのときにのみ表示されます。
-
advmutil export create
目的
エクスポートを作成し、初期ストレージを割り当てます。
構文および説明
advmutil export create -h advmutil export create -n export_name -c cluster_name -p storage_repos {-s file_size | -f}
次の表に、advmutil
export
create
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-108 advmutil export createコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
エクスポート名を指定します。 |
|
メンバー・クラスタ名を指定します。 |
|
バッキング・ファイルが格納されているリポジトリの場所を指定します。 |
|
ファイル・サイズをn{K|M|G|T|P|E}の形式で指定します。単位は、K (KB)、M (MB)、G (GB)、T (TB)、P (PB)、またはE (EB)です。 |
|
既存のストレージ・リポジトリを再利用することを指定します。 |
advmutil
export
create
は、クラスタのエクスポートを管理します。エクスポートの作成と、その初期ストレージの割当てを実行します。エクスポートの作成時に、パフォーマンス上の理由により、フルに割り当てられた(非スパースの)ファイルが割り当てられます。
エクスポートの作成時に、-n
オプションを使用して指定された名前は、メンバー・クラスタ上のボリュームの名前にもなります。-n
expvol1
が指定されると、その結果として、メンバー・クラスタ上にデバイス/dev/asm/expvol1-000
が作成されます。
-p
オプションでは、ストレージ・リポジトリにOracle ACFSファイル・システムを指定する必要があります。Oracle ACFSクラスタウェア(CRS)のリソースが存在する場合は、クラスタに登録されている任意のトランスポートVIPリソースに依存するように変更されます。
バッキング・ファイルがリポジトリにすでに存在する場合は、-f
オプションを指定する必要があります。バッキング・ファイルが作成されると、Oracle ACFSは、Oracle ACFSリモート・サービス(Remote
フラグ付き)で使用中としてそのファイルをリストし、そのファイルに対する様々なアクションを防止します。
エクスポートのスナップショットがあるのはDSC上のみになります。メンバー・クラスタにマウントされたOracle ACFSファイル・システムのメンバー・クラスタ上に作成されたスナップショットは、メンバー・クラスタ上でのみアクセスできます。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にのみ適用されます。
例16-104 advmutil export createの使用方法
次の例では、export1
はcluster1
に作成され、リポジトリは/repository1
にあり、割り当てられているサイズは512 Mです。
#/sbin/advmutil export create -n export1 -c cluster1 -p /repository1 -s 512M Creating File Backed Volume. Export and backing store for volume 'export1' for cluster 'cluster1' created.
DSCリポジトリのOracle ACFSスナップショットでOracle ACFSリモート・サービス・リポジトリを使用するには、DSCでいくつかの手動ステップを実行する必要があります。DSCリポジトリのスナップショットの作成時に、リポジトリ内のすべてのバッキング・ファイルのスナップショットが作成されます。
次の例では、スナップショットは同じメンバー・クラスタにエクスポートされます。
-
バッキング・ファイルを作成します。
#/sbin/advmutil export create -c mc1 -p /repo -n vol1 -s 2G
-
バッキング・ファイルのスナップショットを作成します。
$/sbin/acfsutil snap create -w snap1 /repo
-
リポジトリのルートにスナップショット・リンクを作成します。
$/sbin/acfsutil snap link -s snap1 /repo/snap1_link
-
-fオプションを使用してスナップショットをエクスポートします。
#/sbin/advmutil export create -f -n vol1 -p /repo/snap1_link -c mc1
次の例では、スナップショットは異なるメンバー・クラスタにエクスポートされます。
-
バッキング・ファイルを作成します。
#/sbin/advmutil export create -c mc1 -p /repo -n vol1 -s 2G
-
バッキング・ファイルのスナップショットを作成します。
$/sbin/acfsutil snap create -w snap3 /repo
-
リポジトリのルートにスナップショット・リンクを作成します。
$/sbin/acfsutil snap link -s snap3 /repo/snap3_link
-
ln
を使用して、新規メンバー・クラスタ・リポジトリのファイルにリンクします。f903…は古いメンバー・クラスタのGUIDであり、54633…は新しいメンバー・クラスタのGUIDである点に注意してください。
$ln -sf /repo/54633dd2059d6f2cbff1217a6054564b/vol1 /repo/snap3_link/f9038b6ff0d64f36fff4d345803dfacd/vol1
-
新規メンバー・クラスタに新規スナップショットを追加します。
#/sbin/advmutil export create -f -n vol1 -p //repo/ -c mc2
advmutil export list
目的
エクスポートおよびメンバー・クラスタに関する情報を表示します。
構文および説明
advmutil export list -h advmutil export list [-c cluster_name] [-o options] [-g group_type] [-a] [-n]
次の表に、advmutil
export
list
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-109 advmutil export listコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
メンバー・クラスタの名前を指定します。 |
|
カンマ区切りで空白を挿入せずに、オプション・リストを指定します。オプションは、clientDev、clusterGUID、clusterName、storageRepo、exportName、filePath、state、exportSize、active、domainNode、およびminorです。 |
|
clusterName、clusterGUID、またはstorageRepoでグループ・タイプを指定します。 |
|
アクティブなエクスポートのみを表示します。 |
|
列ヘッダーを出力しないことを指定します。 |
advmutil
export
list
は、エクスポート管理用の強力な問合せコマンドです。これには、基本情報を表示するデフォルト・ビューが含まれていますが、様々なグループでのソート、および様々なクラスタの様々な情報の表示にも使用できます。
デフォルトでは、advmutil
export
list
は、クラスタ名(clusterNameグループ・ソート・オプション)でソートします。エクスポートは、ストレージ・リポジトリ(storageRepo)またはクラスタGUID (clusterGUID)でもソートできます。
エクスポートのデフォルト・ビューは、適切なヘッダーと情報キューを使用して容易に判読できるよう意図されています。情報をスクリプトで使用できるように、-n
オプションを使用して、すべての出力をヘッダーなしで単一行に表示できます。
デフォルト・ビューには、メンバー・クラスタ・システム上のデバイスへのパス名を表示するclientDevオプションが含まれています。このデフォルト・ビューは、メンバー・クラスタの管理者がシステムを管理するために必要な情報を記述するために、管理者に対して提供できます。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にのみ適用されます。
例16-105 advmutil export listの使用方法
次の例は、メンバー・クラスタcluster1
のエクスポート名、ストレージ・サイズ、エクスポート・マイナー、ストレージ・リポジトリ、およびクライアントADVMボリューム・デバイスをリストします。クライアントのADVMボリューム・デバイスがデフォルトで表示されることに注意してください。
#/sbin/advmutil export list -c cluster1 -o exportSize,minor,storageRepo clusterName: cluster1 exportName storageSize exportMinor storageRepository (client ADVM device) ------------------------------------------------------------------------- exporta 512.00M 0 /repo (/dev/asm/exporta-000) exportb 512.00M 1 /repo (/dev/asm/exportb-001) exportc 512.00M 2 /repo (/dev/asm/exportc-002)
advmutil export lsof
目的
リポジトリ内のアクティブなファイルをリストします。
構文および説明
advmutil export lsof -h
advmutil export lsof [-p path] [-a]
次の表に、advmutil
export
lsof
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-110 advmutil export lsofコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディレクトリまたはファイルの場所を指定します。 |
|
アクティブなエクスポートのみを表示します。 |
advmutil
export
lsof
は、すべてのリポジトリのアクティブなファイル、または単一リポジトリ内の指定したファイルまたはディレクトリを表示します。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にのみ適用されます。
例16-106 advmutil export lsofの使用方法
次の例では、メンバー・クラスタcluster1
のアクティブなファイルが表示されます。
#/sbin/advmutil export lsof EXPORT_NAME STATE CLUSTER_NAME REPO_ID REPO_PATH exporta unknown cluster1 45057_2 /repo exportb unknown cluster1 45057_2 /repo exportc unknown cluster1 45057_2 /repo
advmutil export mapping
目的
すべてのエクスポート、または特定のクラスタのエクスポートのみを再エクスポートします。
構文および説明
advmutil export mapping -h
advmutil export mapping [-c cluster_name]
次の表に、advmutil
export
mapping
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-111 advmutil export mappingコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
メンバー・クラスタの名前を指定します。 |
advmutil
export
mapping
は、すべてのエクスポート、または指定したメンバー・クラスタのエクスポートのみを再エクスポートします。これを使用して、システム管理者アクションによって特定のエクスポートへのアクセスが削除された際に、構成されているすべてのエクスポートを再エクスポートするようOracle ACFSリモート・サービスに強制できます。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にのみ適用されます。
例16-107 advmutil export mappingの使用方法
次の例では、メンバー・クラスタcluster1
でエクスポートが再エクスポートされます。
#/sbin/advmutil export mapping -c cluster1
advmutil export remove
目的
エクスポートの構成メタデータを削除します。
構文および説明
advmutil export remove -h advmutil export remove -c cluster_name [-p storage_repos -n export_name] [-f] [-b] [-y]
次の表に、advmutil
export
remove
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-112 advmutil export removeコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
メンバー・クラスタ名を指定します。 |
|
バッキング・ファイルが格納されているリポジトリの場所を指定します。 |
|
エクスポート名を指定します。 |
|
エクスポート・マッピングがアクティブかどうかに関係なく削除を強制します。 |
|
このマッピングのバッキング・ファイルを削除します。 |
|
クラスタのバッキング・ファイルを削除するときにプロンプトを表示しません。 |
advmutil
export
remove
は、エクスポートの構成メタデータを削除します。
デフォルトでは、バッキング・ファイルは、削除操作後に残ります。このファイルは、-f
オプションを指定してadvmutil
export
create
を実行することにより再使用できます。バッキング・ファイルが不要になった場合は、-b
オプションを使用してバッキング・ファイルを削除し、ストレージ領域をリポジトリに戻すことができます。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にのみ適用されます。
例16-108 advmutil export removeの使用方法
次の例では、export1
のメタデータが削除されます。
#/sbin/advmutil export remove -c cluster1 -p /repository1 -n export1
advmutil export resize
目的
エクスポートの基礎となるバッキング・ファイルにストレージを追加します。
構文および説明
advmutil export resize -h advmutil export resize -c cluster_name -p storage_repos -n export_name -s file_size
次の表に、advmutil
export
resize
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-113 advmutil export resizeコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
メンバー・クラスタ名を指定します。 |
|
バッキング・ファイルが格納されているリポジトリの場所を指定します。 |
|
エクスポート名を指定します。 |
|
ファイル・サイズをn{K|M|G|T|P|E}の形式で指定します。単位は、K (KB)、M (MB)、G (GB)、T (TB)、P (PB)、またはE (EB)です。 |
advmutil
export
resize
は、エクスポートの基礎となるバッキング・ファイルにストレージを追加します。バッキング・ファイルのサイズが増加すると、メンバー・クラスタ上のデバイスもサイズ変更されます。新しいサイズを使用するには、新しいサイズのデバイスを使用している、メンバー・クラスタのマウントされたファイル・システムでacfsutil
size
を管理者が実行する必要があります。オプションで、Oracle ACFSの自動サイズ変更機能が、このデバイスに関連付けられている、マウントされたメンバー・クラスタのOracle ACFSファイル・システム上に構成されている場合は、必要に応じて新しいストレージが使用されます。
デバイスを縮小するには、メンバー・クラスタでacfsutil
size
を実行して、ファイル・システムのサイズを削減する必要があります。このアクションは、関連付けられているバッキング・ファイルのサイズも削減します。
メンバー・クラスタでadvmutil
volinfo
を実行して、基礎となるボリュームのサイズを表示できます。ただし、これは、このデバイスを使用している現在のOracle ACFSファイル・システムのサイズと異なる場合があります。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にのみ適用されます。
例16-109 advmutil export resizeの使用方法
次の例で、export1
のバッキング・ファイルのサイズは1Gに増加されています。
#/sbin/advmutil export resize -c cluster1 -p /repository1 -n export1 -s 1G
advmutil session list
目的
Oracle Databaseメンバー・クラスタでのOracle ACFSリモート・サービス・セッションの現在の状態と説明をリストします。
構文および説明
advmutil session list -h advmutil session list [-n node_name] [[-i transport_id] [-v]]
次の表に、advmutil
session
list
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-114 advmutil session listコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ノード名を指定します。 |
|
「 |
|
XMLデータを含めて冗長出力を表示します。 |
advmutil
session
list
は、Oracle Databaseメンバー・クラスタのOracle ACFSリモート・サービス・セッションの現在の状態と説明を表示します。このリストは、デバッグおよび参照の目的に役立ちます。
コマンドの出力に表示される可能性のある状態値は次のとおりです。
-
ONLINE
Oracle ACFSリモート・サービスのトランスポート・セッションは、現在稼働中であり、構成されています。
-
REFRESH
DSCの「
transport_type.sequence_num
」の構成済トランスポートに関連付けられている、Oracle ACFSリモート・サービスのトランスポート・セッションをリフレッシュしています。リフレッシュにより、既存のすべてのターゲットからログアウトし、Oracle ACFSリモート・サービスのトランスポート構成に関連付けられている、基礎となるオペレーティング・システムのトランスポート・セッションの再初期化が試行されます。 -
RESCAN
Oracle ACFSリモート・サービスのトランスポート・セッションが現在スキャンされています。再スキャン・プロセスでは、単に、もう存在しないオペレーティング・システムのトランスポート・セッションの削除や追加された新規セッションの追加が行われます。既存のセッションはスキャンされません。
advmutil
session
list
コマンドは、Oracle Databaseメンバー・クラスタにのみ適用されます。
例16-110 advmutil session listの使用方法
次の例では、メンバー・クラスタのNode1
とNode2
のセッション情報が表示されます。
#/sbin/advmutil session list nodeName transportType sequenceNum state ----------------------------------------- Node1 iSCSI 0 ONLINE Node2 iSCSI 0 ONLINE
advmutil transport create
目的
ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にトランスポートを作成します。
構文および説明
advmutil transport create -h advmutil transport create -c cluster_name [-b binding [-n network_num ] | [-i resource_id] [-f]
次の表に、advmutil
transport
create
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-115 advmutil transport createコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
トランスポートが属するメンバー・クラスタ名を指定します。 |
|
トランスポートVIP(ホスト名またはネットワーク・アドレスのいずれか)を指定します。 |
|
指定したVIPのネットワーク番号を指定します。デフォルト値は |
|
既存の代替リソース識別子を指定します。 |
|
指定した既存のバインディングの受け入れを強制します。 |
advmutil
transport
create
は、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)にトランスポートを作成します。
クラスタ名は、crsctl
query
member_cluster_configuration
コマンドを使用して検出できます。トランスポートVIPには、IPv4アドレスまたはIPv6アドレスを指定でき、解決可能なDNSエントリ、またはIPアドレスのいずれかにすることができます。
マルチパス化やフェイルオーバーなどの追加機能を有効にしてトランスポートを作成する場合は、単一のメンバー・クラスタに対して複数のトランスポートを有効にする必要があります。追加のVIPアドレスを指定してadvmutil
transport
create
コマンドを複数回実行することにより、複数のトランスポートを作成できます。
メンバー・クラスタはVIPを共有できます。これは、新規メンバー・クラスタ用のトランスポートを登録するときに、共通のVIP名を指定することによって実現できます。ただし、すべてのメンバー・クラスタがadvmutil
transport
create
コマンドを少なくとも1回実行してトランスポートを指定する必要があります。
cluster_name_transport_type_sequence#の形式の識別子を持つ各トランスポートに対してトランスポートIDが作成されます。ここで、nは、0から始まる数字で、トランスポートごとに1つずつ増加します。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタでのみ適用されます。
例16-111 advmutil transport createの使用方法
次の例では、ネットワーク2
を使用してVIP havip1
のメンバー・クラスタcluster1
に対するトランスポートが作成されます。
#/sbin/advmutil transport create –c cluster1 –b havip1 –n 2
advmutil transport list
目的
システム上に構成されているトランスポートを表示します。
構文および説明
advmutil transport list [-h] advmutil transport list [-c cluster_name [-i transport_id] [-v]] | [-g cluster_guid [-i transport_id [-v]]]
次の表に、advmutil
transport
list
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-116 advmutil transport listコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
トランスポートが属するメンバー・クラスタ名を指定します。 |
|
|
|
クラスタのグローバル一意識別子(GUID)を指定します。 |
|
XMLデータを含めた冗長出力を指定します。 |
advmutil
transport
list
は、システムに構成されているトランスポートを表示します。このコマンドは、全構成の出力の表示に加えて、-c
オプションまたは-g
オプションを使用して特定のクラスタに関する情報を表示するよう構成できます。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタでのみ適用されます。
例16-112 advmutil transport listの使用方法
次の例で、出力は順序番号0
で構成されている単一のiSCSIトランスポートを示しています。
#/sbin/advmutil transport list clusterName: cluster1 (clusterGUID: f403401d0518ffcfff54324f2cc2f6d8) transportType sequenceNum ----------------------------------------------------------- iSCSI 0
前述の出力の情報を使用し、順序番号(0
)をメンバー・クラスタで使用して、特定のトランスポートに関する情報を表示できます。また、トランスポートID (iSCSI.0
)を使用して、トランスポート仕様全体を取得できます。
advmutil transport remove
目的
トランスポートを削除します。
構文および説明
advmutil transport remove [-h] advmutil transport remove -c cluster_name -i transport_id
次の表に、advmutil
transport
remove
コマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-117 advmutil transport removeコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
トランスポートが属するメンバー・クラスタ名を指定します。 |
|
|
advmutil
transport
remove
は、トランスポートを削除します。このトランスポートが、このIDを使用する最後のトランスポートの場合は、関連付けられているすべてのトランスポートVIPリソースも削除されます。
このコマンドは、ドメイン・サービス・クラスタでのみ適用されます。
例16-113 advmutil transport removeの使用方法
次の例では、トランスポートID iSCSI.0
のトランスポートがcluster1
から削除されます。
#/sbin/advmutil transport remove -c cluster1 -I iSCSI.0