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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceのアップグレード
12c (12.2.1.4.0)
E96109-03
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4 Oracle BI EEの移行後のタスク

Oracle BI EEメタデータの移行後、カタログ・グループおよびその他のコンポーネント(WebLogicとEnterprise Managerのセキュリティ、BIサーバーおよびBIプレゼンテーション・サービスなど)の構成設定を手動で移行します。

4.1 カタログ・グループの移行

カタログ・グループは、管理者がセキュリティ管理目的でユーザー・ロールとアプリケーション・ロールを編成できるようにするOracle BI EEの機能でした。

Oracle BI Release 12c (12.2.1.1以降)では、カタログ・グループは廃止されました。カタログ・グループは、アプリケーション・ロールへのアップグレード・プロセスによって移行されます。

4.2 Oracle BI EEの構成の移行

データ移行後、構成情報を11gシステムから12cシステムに手動で移行します。これには、WebLogicセキュリティ、Enterprise Managerセキュリティ、管理対象BI構成、BIログ、BIサーバーおよびBIプレゼンテーション・サーバー構成設定が含まれます。

4.2.1 Oracle WebLogic ServerによるOracle BIのセキュリティ構成の移行

Oracle BI 12cは、Oracle Fusion Middleware Securityアーキテクチャと密接に統合されており、コアなセキュリティ機能をそのアーキテクチャのコンポーネントに委任します。デフォルトでは、Oracle BIインストールは、ユーザーおよびグループの情報に対してOracle WebLogic Server組込みLDAPサーバーを使用する認証プロバイダで構成されます。Oracle BIのデフォルトのポリシー・ストア・プロバイダおよび資格証明ストア・プロバイダは、資格証明、アプリケーション・ロールおよびアプリケーション・ポリシーをドメインのファイルに格納します。Oracle BIのセキュリティ構成をOracle WebLogic Serverで11gシステムから12cシステムに手動で移行する必要があります。

Oracle BIのセキュリティ構成を移行する手順は次のとおりです。
  1. Oracle BI 11g WebLogicコンソールにアクセスして、ご使用のOracle BI 11g WebLogicセキュリティ構成を調査し、セキュリティ・プロバイダの現在のセキュリティ構成を調査します。
  2. Oracle BI 12cのWebLogicコンソールにある同じセキュリティ構成を手動で構成します。

4.2.2 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlセキュリティ構成の移行

アプリケーション・ロール、セキュリティ権限およびアプリケーション・ポリシーに関連するセキュリティ構成のほとんどは、移行プロセスにおいて、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control 12cに移行されます。Fusion Middleware Control 12cの特殊なセキュリティ・プロバイダ構成は調査して手動で適用する必要があります。

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlセキュリティ構成を移行する手順は次のとおりです。
  1. Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control 11gのセキュリティ・プロバイダ構成を確認します。
  2. アプリケーション・ポリシーおよび該当するユーザーを検索して、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control 12cセキュリティ設定を検証します。
  3. Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control 12cの特別なセキュリティ・プロバイダ構成を適用します。
  4. ユーザー、グループおよびアプリケーション・ロールが12cシステムに適切に表示されることを確認します。

4.2.3 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlが管理するBusiness Intelligence構成の移行

Fusion Middleware Controlは、Oracle BIのいくつかの重要な構成を管理するために使用されます。Fusion Middleware Control 11gの一般セクション、プレゼンテーション・セクション、パフォーマンス・セクションおよびメール・セクションの構成は、手動で調査して12cシステムに同じ設定を適用する必要があります。

Fusion Middleware Controlが管理するBI構成を移行するには:
  1. Fusion Middleware Control 11gで、「ビジネス・インテリジェンス構成」リンクにナビゲートし、「構成」タブを確認します。
  2. Fusion Middleware Control 12c「ビジネス・インテリジェンス構成」タブで同じ構成設定を適用します。
    一般セクション、プレゼンテーション・セクション、パフォーマンス・セクションおよびメール・セクションの構成設定がFusion Middleware Control 12cに適切に適用されていることを確認します。

4.2.4 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlが管理するBusiness Intelligenceログ構成の移行

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、Oracle BIコンポーネントのログ構成の管理に使用されます。11gシステムで手動でログ構成設定を確認し、同じ設定を12cシステムに適用する必要があります。

Fusion Middleware Controlが管理するOracle BIログ構成を移行する手順は次のとおりです。
  1. Fusion Middleware Control 11gで、「Business Intelligence」リンクにナビゲートし、「診断」タブの設定を確認します。
  2. 構成設定をメモして、Fusion Middleware Control 12cでOracle BIコンポーネント・ログ構成およびコンポーネント・ログ・レベルを適用します。

4.2.5 Oracle BI Server構成の移行

BIサーバーの様々なファイル(odbc.iniおよびtnsnames.ora)に構成情報が入っています。odbc.iniファイルには非Oracleデータ・ソース(DSN)接続情報が含まれています。tnsnames.oraファイルには、ディスクリプタをローカル・ネーミング・メソッドに接続するネットワーク・サービス名またはリスナー・プロトコル・アドレスにマップされているネット・サービス名が含まれます。これらの11gファイルを確認して、構成情報をそれぞれの12cファイルに手動でコピーする必要があります。

BI Server構成詳細を移行するには:
  1. 次の場所にある11gのodbc.iniファイルのBIサーバー情報を表示します。
    (UNIX) 11g_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/bienv/core
    (Windows) 11g_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\bienv\core
  2. 11gのodbc.iniファイルから12cファイルにBI Server構成をコピーします。
  3. 既存の12c odbc.iniファイルで、11gからODBCのエントリを統合します。

4.2.6 Oracle BIプレゼンテーション・サーバー構成の移行

Oracle BIプレゼンテーション・サービスのプロセスは、ほとんどのWebサーバーのビジネス・ロジックをホストし、ビジネス・インテリジェンス・データをWebクライアントに提示するためのフレームワークとインタフェースを提供します。userpref_currencies.xmlファイルは、「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブの「通貨」ボックスに表示される通貨オプションを定義します。bridgeconfig.propertiesファイルにはプレゼンテーション・サービス・プラグイン情報が含まれます。これらの11gファイルを確認して、構成情報をそれぞれの12cファイルに手動でコピーします。

Oracle BIプレゼンテーション・サーバー構成を移行する手順は次のとおりです。
  1. 次の場所にあるuserpref_currencies.xmlファイルの構成情報を表示します。
    (UNIX) 11g_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS/
    (Windows) 11g_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\biconfig\OBIPS\
  2. 該当する構成情報を11gのuserpref_currencies.xmlファイルから12cのファイルにコピーします。
  3. 次の場所にあるbridgeconfig.propertiesファイルの構成情報を表示します。
    (UNIX) 11g_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig
    (Windows) 11g_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\biconfig
  4. 該当する構成情報を11gのbridgeconfig.propertiesファイルから12cのファイルにコピーします。

4.3 DataDirectドライバを使用するためのデータベースの構成

適切なDataDirectドライバを使用するには、データベースを構成する必要があります。DataDirectドライバを使用するように構成済のデータベースを使用している場合は、適切なDataDirectドライバを使用するようにデータベース構成のodbc.iniファイルを変更します。 

DataDirectドライバを使用するようにデータベースを構成するには:
  1. 次の場所にあるodbc.iniファイルを開きます。
    (UNIX) 12c_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/bienv/core/odbc.ini
    (Windows) 12c_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\bienv\core/odbc.ini
    DOMAIN_HOMEの値を、12cソフトウェアをインストールしたときに作成した12cのドメイン・ホームへの実際のパスに置き換えます。
  2. 次の例に示すように、DataDirectドライバを使用するようODBCエントリを更新します。
    [DSN name in RPD] 
    Driver=MW_HOME/bi/common/ODBC/Merant/7.1.4/lib/<7.1.4.so> 
    Description=DataDirect 7.1.4 Sybase Wire Protocol 
    LogonID=DB username
    Password=DB password
    NetworkAddress=DB hostname, DB port
    Database=DB name
    ここで、RPDはrapidfileデータベースを表します。RPDは、BIサーバーがソース・データベースからデータを取得するために使用するバイナリ・ファイルです。
  3. 11gのDataDirectバージョンに構成されている、すべての既存のデータ・ソース名(DSN)を更新します。たとえば、次の例に示すようにSYBASEのデータソース名にはDataDirect 7.1.4を指定する必要があります。
    [ODBC Data Sources] 
    AnalyticsWeb = Oracle BI Server 
    Cluster = Oracle BI Server 
    SSL_Sample = Oracle BI Server 
    DSN name in RPD = DataDirect 7.1.4
  4. odbc.iniファイルを保存して閉じます。

4.4 使用状況トラッキングの構成

Oracle BIサーバーでは、使用状況トラッキング・データの収集がサポートされます。使用状況トラッキングが有効な場合、BIサーバーは各問合せについて使用状況トラッキング・データを収集します。次に、統計情報が使用状況トラッキング・ログ・ファイルに書き込まれるか、データベース表に直接挿入されます。12cシステムの移行と構成を完了した後、NQSConfig.INIファイルで使用状況トラッキングを有効化する必要があります。

使用状況トラッキングを構成するには:
  1. リポジトリをオンライン・モードで開きます。
  2. RCUスキーマからS_NQ_ACCTおよびS_NQ_DB_ACCT表をインポートします。
  3. NQSConfig.INIファイルで、USAGE_TRACKING=YESを設定し、PHYSICAL_TABLE_NAMEおよびCONNECTION_POOLを更新します。
  4. 次の表をインポートして、初期化ブロック実行およびサマリー・アドバイザ機能に関連する問合せ統計をトラッキングします。
    • S_NQ_INITBLOCK
    • S_NQ_SUMMARY_ADVISOR
  5. 初期化ブロック・ロギングを有効化するには、NQSConfig.INIファイルでINIT_BLOCK_TABLE_NAMEおよびINIT_BLOCK_CONNECTION_POOLを更新します。
  6. サマリー・アドバイザ・ロギングを有効化するには、NQSConfig.INIファイルでSUMMARY_STATISTICS_LOGGING=YESを設定し、SUMMARY_ADVISOR_TABLE_NAMEを更新します。
  7. BI Serverを再起動します。
使用状況トラッキングの詳細は、『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の使用状況トラッキングの管理に関する項を参照してください。

注意:

BI Serverの問合せが表示データによって表でトラッキングされるようにしてください。

4.5 SQLサーバーの構成

12cシステムを構成した後、odbc.iniファイルでSQL Server設定を構成する必要があります。

SQL Server構成するには:
  1. 次の場所にあるodbc.iniファイルを開きます。
    (UNIX) 12c_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/bienv/core/odbc.ini
    (Windows) 12c_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\bienv\core\odbc.ini
    DOMAIN_HOMEの値を、12cソフトウェアをインストールしたときに作成した12cのドメイン・ホームへの実際のパスに置き換えます。
  2. 次の例に示すように、DataDirectドライバを使用するようODBCエントリを更新します。
    [DSN name in RPD] 
    Driver=$ORACLE_HOME/bi/common/ODBC/Merant/7.1.4/lib/<7.1.4.so> 
    Description=DataDirect 7.1.4 SQL Server Wire Protocol 
    Address=DB HOST\SQLSERVER NAME
    Port=PORT NUMBER
    AlternateServers= 
    AnsiNPW=Yes 
    ConnectionRetryCount=0 
    ConnectionRetryDelay=3 
    Database=DB name 
    LoadBalancing=0 
    LogonID=DB username
    Password=DB password
    QuotedId=Yes 
    SnapshotSerializable=0 
    ReportCodePageConversionErrors=
    
  3. 11gのDataDirectバージョンに構成されている、すべての既存のデータ・ソース名(DSN)を更新します。たとえば、次の例に示すようにSQL Serverのデータソース名にはDataDirect 7.1.4を指定する必要があります。
    [ODBC Data Sources] 
    AnalyticsWeb = Oracle BI Server 
    Cluster = Oracle BI Server 
    SSL_Sample = Oracle BI Server 
    DSN name in RPD = DataDirect 7.1.4
  4. odbc.iniファイルを保存して閉じます。

4.6 ロールおよび権限の追加

データを移行した後、BI Administrator、BI AuthorおよびBI Consumerのグループのロールおよび権限を追加する必要があります。

ロールおよび権限を追加するには:
  1. WebLogicコンソールにサインインします。
  2. 「セキュリティ・レルム」にある「Myrealm」に進み、「ユーザーとグループ」をクリックします。
  3. 次のグループを作成します。
    「グループ」タブでBIAdministratorsグループを作成します。
    「メンバーシップ」タブでBIAuthorsグループおよびBIConsumersグループを作成します。
  4. 管理者またはWebLogicユーザーにBIAdministratorsグループを割り当てます。

4.7 Oracle BIのMySQLの構成

DataDirectドライバを使用するには、MySQLデータベースを構成する必要があります。DataDirectドライバを使用するように構成済のデータベースを使用している場合は、適切なDataDirectドライバを使用するようにデータベース構成のodbc.iniファイルを変更します。

Oracle BIのMySQLを構成するには:
  1. 次の場所にあるodbc.iniファイルを開きます。
    (UNIX) 12c_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/bienv/core/odbc.ini
    (Windows) 12c_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\bienv\core\odbc.ini
    DOMAIN_HOMEの値を、12cソフトウェアをインストールしたときに作成した12cのドメイン・ホームへの実際のパスに置き換えます。
  2. 次の例に示すように、DataDirectドライバを使用するようODBCエントリを更新します。
    [DSN name in RPD] 
    Driver=NEW_ORACLE_HOME/bi/common/ODBC/Merant/7.1.4/lib/<7.1.4.so> 
    Description=DataDirect 7.1.4 MySQL Wire Protocol 
    ApplicationUsingThreads=1 
    ConnectionRetryCount=0 
    ConnectionRetryDelay=3
    Database=DB name
    DefaultLongDataBuffLen=1024 
    EnableDescribeParam=0
    InteractiveClient=0 
    LoadBalancing=0
    LogonID=DB username
    Password=DB password
    PortNumbeR=DB PORT
    ReportCodepageConversionErrors=0 
    TreatBinaryAsChar=0 
  3. 11gのDataDirectバージョンに構成されている、すべての既存のデータ・ソース名(DSN)を更新します。たとえば、次の例に示すようにMySQLのデータソース名にはDataDirect 7.1.4を指定する必要があります。
    [ODBC Data Sources] 
    AnalyticsWeb = Oracle BI Server 
    Cluster = Oracle BI Server 
    SSL_Sample = Oracle BI Server 
    DSN name in RPD = DataDirect 7.1.4
  4. odbc.iniファイルを保存して閉じます。

4.8 Oracle BI JavaHost構成の確認

XMLPおよびOracle BI JavaHost設定が、11gシステムの構成に指定した設定と一致することを確認します。

XMLPとBI JavaHost構成を確認する方法は次のとおりです。
  1. 11gおよび12cシステムでconfig.xmlファイルを表示します。
    ファイルは、11gシステムでは次の場所に存在します。
    (UNIX) EXISTING_DOMAIN_HOME/config/OracleBIJavaHostComponent/coreapplication_obijh1/config .xml
    (Windows) EXISTING_DOMAIN_HOME\config\OracleBIJavaHostComponent\coreapplication_obijh1\config .xml
    ファイルは、12cシステムでは次の場所に存在します。
    (UNIX) NEW_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig/OBIJH/config.xml
    (Windows) NEW_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\biconfig\OBIJH\config.xml
  2. 11gと12cの両方のシステム上のXMLP構成は次のコード・ブロックのようになります。
    <XMLP> 
    <InputStreamLimitInKB>8192</InputStreamLimitInKB> 
    <ReadRequestBeforeProcessing>true</ReadRequestBeforeProcessing>
    </XMLP>
  3. 12cのsetOBIJHEnv.shファイルにあるOBIJH_ARGS="-server -Xmx1024M -Xrs"パラメータが、11gのopmn.xmlファイルにある"start-args" value="-server -Xmx1024M -Xrsパラメータと一致することを確認します。
    opmn.xmlファイルは、11gシステムでは次の場所に存在します。
    MW_HOME/instances/config/OPMN/opmn/opmn.xml
    <process-type id="OracleBIJavaHostComponent" module-id="CUSTOM"> 
    <module-data> 
    <category id="start-parameters"> 
    <data id="start-executable" value="$ORACLE_HOME/jdk/bin/java"/> 
    <data id="start-args" value="-server -Xmx1024M -Xrs 
    .
    .
    .
    setOBIJHEnv.shファイルは、12cシステムでは次の場所に存在します。
    (UNIX) NEW_ORACLE_HOME/bi/modules/oracle.bi.cam.obijh/setOBIJHEnv.sh
    (Windows) NEW_ORACLE_HOME\bi\modules\oracle.bi.cam.obijh\setOBIJHEnv.sh

4.9 クラスタの有効化

データの移行後、12cシステムのクラスタ・インスタンスをオンにするには、ClusterConfig.xmlファイルでClusterEnabledパラメータを手動で有効化する必要があります。

クラスタを有効化するには:
  1. 次の場所にあるClusterConfig.xmlファイルを開いて編集します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig/core
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\biconfig\core
  2. 次の行を探します。
    <ClusterEnabled>false</ClusterEnabled> 
    この行を次のように変更します。
    <ClusterEnabled>true</ClusterEnabled> 
  3. ファイルを保存して閉じます。

4.10 Oracleハードウェア・アクセラレーションおよび互換性モードの有効化

ハードウェア・アクセラレーションは、ダッシュボード・プロンプト、トレリス・チャートおよびマイクロチャート、サマリー・アドバイザ機能およびTimesTenインメモリー・データベースの集計の永続性などの機能の自動実行に影響します。そのため、移行後に12c bi-config.xmlファイルのbi:hw-accelerationフラグを手動で有効化する必要があります。11gシステムの状態が実行時に維持されるように、bi:compat-mode-11gフラグも有効化する必要があります。

bi:hw-accelerationフラグを有効化するには:
  1. 次の場所にあるbi-config.xmlを見つけます。
    (UNIX) 12c_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig/core/bi-config.xml
    (Windows) 12c_DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\biconfig\core\bi-config.xml
    DOMAIN_HOMEの値を12cシステム上のOracle BIドメインのパスに置き換えます。
  2. 次の行を探します。
    <bi:hw-acceleration>false</bi:hw-acceleration>
    それを次のように置き換えます。
    <bi:hw-acceleration>true</bi:hw-acceleration>
  3. 次の行を探します。
    <bi:compat-mode-11g>false</bi:compat-mode-11g>
    それを次のように置き換えます。
    <bi:compat-mode-11g>true</bi:compat-mode-11g>
  4. ファイルを保存して閉じます。

4.11 Oracle BI Serverの互換性フレームワークの設定

互換性フレームワークによって、BIサーバーはOracle BI 12c (12.2.1.1以降)の新しい機能またはバグ修正を追加することができます。これは、Oracle BI 11gリリースと互換性がありませんが、BIサーバーが以前のメジャー・リリースとの間の互換性モードで動作できるように柔軟なフレームワークを提供します。個々の機能およびバグ修正は、互換性フラグを使用して個別に有効化または無効化することができます。また、以前のリリース(11.1.1.9)と互換性を持たせるためにOracle BIシステムに単一のCOMPATIBLE_RELEASEフラグを使用することで、すべての互換性フラグにデフォルト値を設定することができます。NQSConfig.INIファイルにCOMPATIBLE_RELEASEパラメータを追加して、移行された12c環境を、可能なかぎりOracle Business Intelligence 11gリリース1 (11.1.1.9)環境のように動作させます。

注意:

COMPATIBLE_RELEASEパラメータが設定されていない場合、システムはデフォルトで現在のリリース(12.2.1.4.0など)の動作を実行します。

フレームワークは個々のバンドルを区別しません(バージョン番号の最初の4桁のみが互換性を判断するのに重要です)。

本質的に後方互換性のない、新しい機能、拡張機能またはバグ修正を適用する場合、この項で説明しているガイドラインを使用して互換性フラグを指定してください。

注意:

NQSConfig.INIファイルには、デフォルトではCOMPATIBLE_RELEASEパラメータはありません。グローバルのbi:compat-mode-11g はデフォルトのフラグで、すべてのOracle BI EEコンポーネントに適用されます。bi-config.xmlファイルのbi:compat-mode-11g要素がtrueに設定されている場合、BI Server互換性フレームワークはCOMPATIBLE_RELEASEが11.1.1.9に設定されているように動作し、11gから12cへの移行の際に主要な互換性の問題を引き起こすあらゆる機能またはバグ修正を無効にします。ただし、 COMPATIBLE_RELEASEパラメータまたはその他任意の互換性フラグを設定するために明示的にNQSConfig.INIファイルを編集した場合、NQSConfig.INIファイルの設定は、bi-config.xmlファイルに指定されたグローバルの bi:compat-mode-11g フラグより優先します。

一般的なCOMPATIBLE_RELEASEパラメータを設定する以外に、特定の機能またはバグ修正を対象に接頭辞"OBIS_"で始まる互換性フラグを設定できます。これらの特定の互換性フラグを設定する指示は、必要に応じて特定の問題を解決するためにサポート・チームによって提供されます。次に例を示します。

[ COMPATIBILITY ]
COMPATIBLE_RELEASE=11.1.1.9;
OBIS_ENABLE_DIMENSIONALITY=0;

COMPATIBLE_RELEASEパラメータまたはNQSConfig.INIファイルの特定の互換性フラグを設定すると、システム全体に変更が適用されます。互換性モードが特定のレポートまたはダッシュボードに設定されるように、COMPATIBLE_RELEASEパラメータまたは特定の機能フラグをセッション変数または関係変数として設定できます。これは、分析リクエストに問合せの接頭辞を追加することで実現できます。変数設定の例を次に示します。

set variable COMPATIBLE_RELEASE='11.1.1.9':

4.12 Fusion Middleware MapViewer構成の移行

Oracle Fusion Middleware MapViewer (MapViewer)は、Oracle Spatial and GraphまたはOracle Locator (Locatorとも呼びます)によって管理される空間データを使用してマップをレンダリングするための、プログラム可能なツールです。MapViewerには、空間データの問合せおよび地図レンダリングの複雑さを意識させず、より上級のユーザーに対してはカスタマイズ可能なオプションを提供するツールが備わっています。これらのツールは、プラットフォームに依存しない方法でデプロイでき、マップ・レンダリング・アプリケーションと統合するように設計されています。データの移行後に、11gのファイルと同じ内容を含むように(Loggingセクションを除く)、12cのMapViewer構成ファイルを手動で変更する必要があります。

MapViewer構成を移行するには:
  1. 12c Fusion Middleware MapViewer管理コンソールに移動します。
  2. デフォルトの12c MapViewer構成ファイルのコピーを作成します。
  3. 12c MapViewer構成ファイルのコピーの内容を、11g MapViewerインストールからのmapViewerConfig.xmlファイルの内容で上書きします。
  4. MapViewer構成ファイルのコピーのLoggingセクションを、デフォルトの12c MapViewer構成ファイルの設定に置き換えます。
  5. MapViewer構成ファイルのロギング設定のログ・レベルを、12cの必要に応じて更新します。
  6. 12c MapViewer管理コンソールで「保存」をクリックし、次に「再起動」をクリックします。

4.13 移行後の認証問題の解決

移行後の認証の問題を回避するため、DYNAMIC_OLAP_LOGIN初期化ブロックで「認証のために必要」オプションの選択を解除する必要があります。

注意:

Oracle BIリリース11.1.1.7から12cに移行する場合にのみ、次の手順を実行します。
移行後の認証の問題を解決する手順は次のとおりです。
  1. リポジトリをオフライン・モードで開きます。
    1. 12cシステムで次のディレクトリに移動します。
      (UNIX) 12c_DOMAIN_HOME/bitools/bin/
      (Windows) 12c_DOMAIN_HOME\bitools\bin\
      DOMAIN_HOMEの値を12cシステムの実際のドメイン・ホームに置き換えます。
    2. 次のコマンドを実行します。
      sh data-model-cmd.sh downloadrpd –u uname –p pwd –o downloaded.rpd –w rpd_password
      ここで、

      -oは出力RPD
      -w rpd_password  はRPDパスワード(たとえば、Admin123)

    3. クライアント・インストーラでインストールしたBI管理ツールで、ダウンロードされたリポジトリをオフラインで開きます。
  2. 次のステップを実行します。
    1. BI管理ツールの「管理」メニューで「変数」を選択します。
    2. 「変数マネージャ」ダイアログで、「アクション」メニューから「セッション」「初期化ブロック」の順に選択します。
    3. 変数初期化ブロックダイアログで、DYNAMIC_OLAP_LOGINを見つけます。
    4. DYNAMIC_OLAP_LOGINプロパティを開き、「認証のために必要」チェック・ボックスの選択を解除します。
    5. 「適用」をクリックしてリポジトリを保存します。
  3. uploadrpdコマンドを使用してオンライン・モードでリポジトリを開きます。
    12c_DOMAIN_HOME/bitools/bin/data-model-cmd.sh uploadrpd –u uname –p pwd –i downloaded.rpd –w rpd_password

4.14 構成ファイルのコピー

移行後に構成ファイル(writebacktemplate.xml、userpref_currencies.xmlおよびbicustom.ear)を手動でコピーする必要があります。

次の構成ファイルを新しいBIインスタンスにコピーします。
  1. 次のディレクトリに変更します。
    (UNIX) DOMAIN_HOME/bi/bifoundation/web/msgdb/messages
    (Windows) DOMAIN_HOME\bi\bifoundation\web\msgdb\messages
  2. writebacktemplate.xmlファイルを12cインスタンスにコピーします。
  3. 次のディレクトリに変更します。
    (UNIX) APPLICATION_HOME/bi/bidata/components/OBIPS/
    (Windows) APPLICATION_HOME\bi\bidata\components\OBIPS\
  4. bicustom.earファイルを12cインスタンスにコピーします。
  5. 次のディレクトリに変更します。
    (UNIX) DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS
    (Windows) DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\biconfig\OBIPS
  6. userpref_currencies.xmlファイルを12cインスタンスにコピーします。
  7. userpref_currencies.xmlファイルを開き、編集して次の行を追加します。
    <Config>
    <UserCurrencyPreferences currencyTagMappingType="static">
      <UserCurrencyPreference sessionVarValue="gc1" displayText="Global Currency 1" currencyTag="int:USD" />
      <UserCurrencyPreference sessionVarValue="gc2" displayText="Global Currency 2" currencyTag="int:euro-l" />
      <UserCurrencyPreference sessionVarValue="gc3" displayText="Global Currency 3" currencyTag="loc:ja-JP" />
      <UserCurrencyPreference sessionVarValue="orgc" displayText="Org Currency" currencyTag="loc:en-BZ" />
      <UserCurrencyPreference sessionVarValue="lc1" displayTag="int:DEM" currencyTag="int:DEM" />
    </UserCurrencyPreferences>
    </Config>
    保存してファイルを閉じます。
  8. 次のディレクトリに変更します。
    (UNIX) DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS
    (Windows) DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\biconfig\OBIPS
  9. instanceconfig.xmlファイルを開き、編集して次の行を追加します。
    <UserprefCurrenciesConfigFile>DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS/userpref_currencies.xml</UserprefCurrenciesConfigFile>
    保存してファイルを閉じます。
  10. サービスを再起動します。

4.15 カスタマイズされた「結果なし」メッセージでのHTMLコードの表示の削除

分析において、コンテンツ開発者は分析の結果でデータが戻されない場合に表示されるテキストを制御できます。コンテンツ開発者は、デフォルトのメッセージを受け入れるか、またはメッセージにHTML形式のコードを挿入するなどして、メッセージのテキストをカスタマイズできます。

コンテンツ開発者によってリリース11gでメッセージがカスタマイズされ、HTMLコードが組み込まれている場合、リリース12cではその機能を実行してメッセージを書式設定するのではなく、判読可能なテキストとしてコードを表示してメッセージが表示されます。この問題を回避するには、カスタムメッセージにHTMLコードが組み込まれている分析ごとに「分析プロパティ」ダイアログを開き、「HTMLマークアップを含みます」オプションを選択します。

「HTMLマークアップを含みます」オプションの使用の詳細は、『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド』EnableSavingContentWithHTMLに関する項を参照してください。