この章では、LinuxまたはUNIXの稼働するホストにOracle Secure Backupをインストールする方法について説明します。
この章には次の項が含まれます:
ホスト・システムにOracle Secure Backupをインストールする前に、次の前提条件が満たされていることを確認してください。
各ホストにroot権限でログインしてインストールを実行する必要があります。
メディア・サーバー・システムのテープ・ドライブおよびライブラリに必要な接続ポイントが事前に構成されている必要があります。
関連項目:
管理ドメインにOracle Secure Backupのテープ・ライブラリおよびドライブを追加する前に、任意のSCSIターゲットをスキャンして開くシステム・ソフトウェア(たとえば、テープ・ライブラリ・モニタリング・ソフトウェア)がある場合はそれらが無効になっていることを確認します。この種のソフトウェアが動作している場合、ハードウェアからの予期しない動作が発生する可能性があります。
Linuxホストの場合、RPMパッケージsg3_utils
およびsg3_utils-libs
がインストールされていることを確認します。これらのパッケージは、デバイスの接続ポイントの識別に使用されるsg_map
コマンドを正常に実行するために必要です。詳細は、システム管理者に問い合せるか、Linuxオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
Oracle Secure Backupの対話型インストールを実行できます。Oracle Secure Backupクライアント・ホスト・ロールのサイレント・インストールを実行することもできます。
Oracle Secure Backupのインストール時に使用可能なパラメータ・オプションは次のとおりです。
パラメータ | 説明 | サイレント・インストールの場合に必要 |
---|---|---|
--addinghostid hostname |
追加するホストのIDを指定します。 | はい(--noaddinghostid が指定されていない場合) |
--install_role Client |
対話型インストールに含まれるユーザー・プロンプトをバイパスし、クライアント・ホスト・ロールを自動的に選択します。 | はい |
--noaddinghostid |
クライアントがバックアップ・ドメインに追加される際に発生する管理ホストIDチェックをバイパスします。 | はい(--addinghostid hostname が指定されていない場合) |
--securepath |
セキュアな場所チェックをバイパスします。このオプションは、すべての非ルート・ユーザーに対してOracle Secure Backupパスが保護されていることをバックアップ管理者が確認した場合にのみ使用してください。 | いいえ |
-t path-to-alt-install-temp-directory |
デフォルトの一時ディレクトリ(/usr/tmp )が使用できないか、領域が不足している場合の、インストールのかわりの一時ディレクトリを指定します。 |
いいえ |
注意:
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境にOracle Secure Backupをインストールする場合、クラスタのノードごとにOracle Secure Backupをインストールする必要があります。
ホストにOracle Secure Backupをインストールする手順:
「Oracle Secure Backupのインストールの準備」に記載された計画タスクを完了します。
「LinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupのインストールの前提条件」に記載された前提条件が満たされていることを確認します。
管理サーバー・ロールまたはメディア・サーバー・ロールをインストールする場合は、「管理サーバーおよびメディア・サーバー用のセキュアなホストの選択」に記載された物理およびネットワーク上の要件をホストが満たしていることを確認します。
Oracle Secure Backupソフトウェアの配布を、すべてのホストがアクセスできるディレクトリにダウンロードします。インストール用に安全なディレクトリが選択されていることを確認してください。安全なディレクトリとは、ディレクトリ・パスの各部分に、表3-1に示す所有者およびグループ権限があるディレクトリです。インストール・プロセスでは、インストール・ディレクトリの所有者およびグループが確認されます。正しい権限がない場合、インストールは終了されます。バックアップ管理者はインストール場所がセキュアであることを確認した場合、インストーラでは、setup --securepath
を実行してセキュアな場所チェックをバイパスできます。
表3-1 安全なディレクトリの所有者およびグループ権限
プラットフォーム | 有効な所有者/グループ・リスト |
---|---|
Linux | root:root |
Solaris SPARC | root:root またはroot:sys |
Solarix X86 | root:root またはroot:sys |
IBM AIX | root:system またはbin:bin |
HPUX | root:root またはbin:bin |
注意:
Oracle Secure Backupソフトウェア・パッケージは、ネットワーク経由でアクセス可能な共有またはローカルの一時ディレクトリにインストールすることをお薦めします。
たとえば、NFS共有パス/net/myfiler/export/vol0/home/osb_media_dirにソフトウェア・パッケージを置いた場合、このファイラ共有にアクセスできるネットワーク内のすべてのホストでセットアップを実行することが可能になり、ネットワーク上のソフトウェア・パッケージの部数を制限できます。
LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムにroot
としてログインします。
Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリに変更します。ホーム・ディレクトリには、/usr/local/oracle/backup
を使用することをお薦めします。別のディレクトリにインストールする場合は、そのディレクトリに変更します。新しいディレクトリの場所を確認するメッセージが表示されます。
たとえば、Oracle Secure Backupソフトウェアの場所が/net/myfiler/export/vol0/home/osb_media_dir
である場合、その場所をデフォルトの$OSB_HOME
ディレクトリに変更するには、次のコマンドを実行します。
# mkdir -p /usr/local/oracle/backup # cd /usr/local/oracle/backup # /net/myfiler/export/vol0/home/osb_media_dir/setup
インストール・プロセス中に、インストール・プログラムは一時ディレクトリを使用します。インストールのデフォルトの一時ディレクトリは/usr/tmpです。このディレクトリが使用できない場合、またはディレクトリ領域が不十分という警告がインストール時に発生する場合は、かわりの一時ディレクトリを-tオプションで指定してセットアップ・コマンドを実行できます。
# /net/myfiler/export/vol0/home/osb_media_dir/setup -t <path-to-alt-install-temp-directory>
インストール・メディアまたは抽出したアーカイブ・ディレクトリからsetup
スクリプトを実行します。
セットアップ・スクリプトから次のメッセージが表示されます。
Oracle Secure Backupのバージョン番号を示すようこそメッセージおよび進行状況メッセージ
プラットフォームを示すメッセージ
パッケージをロードする際の各種の進行状況メッセージ
注意:
セットアップ・スクリプトが中断された場合、いくつかの一時ファイル(OBnnnn
またはOBnnnn.Z
という名前のファイル)が一時ディレクトリに残ることがあります。これらのファイルは安全に削除できます。
ホストのロールを指定します。このステップで選択したオプションに関係なく、メディア・サーバー・ロールに必要なソフトウェアがホストに自動的にインストールされます。
管理サーバーおよびクライアントのソフトウェアをインストールするにはAを入力します。
クライアント・ロールをインストールするにはBを入力し、[Enter]キーを押します。
メディア・サーバー・ロールは、後でホストを構成するときにOracle Secure Backup Webツールまたはobtoolコマンドライン・インタフェースで追加できます。
注意:
メディア・サーバーに必要なソフトウェアがインストールされていても、Oracle Secure Backupのインストール後にadmin
ユーザーがchhost
コマンドを使用してそのロールを付与するまで、ホストはメディア・サーバーのロールを持ちません。
最初のインストール後に、管理サーバーまたはクライアントにメディア・サーバー・ロールを追加するには、--addrole
オプションを指定してchdev
コマンドを使用する必要があります。
管理サーバーおよびクライアントのロールをインストールする場合は、次の手順を実行します。
通知用の電子メールを入力します。この電子メール・アドレスに、管理ドメインおよびその操作に関する通知が送信されます。
電子メール・アドレスの指定はオプションであり、指定しない場合、通知は送信されません。
インストール時に使用される構成パラメータをカスタマイズする場合は、yを入力します。
変更できるパラメータのセットおよびそれらの変更方法の詳細は、「Linux/UNIXの詳細設定の指定」を参照してください。必要なパラメータを変更した後、引き続き次のステップを実行します。
関連項目:
カスタマイズできるインストール・パラメータの詳細は、「インストール時の構成パラメータのカスタマイズの概要」を参照してください
注意:
キーストア・パスワードは、Oracle Secure Backup管理者に知らせておき、保護する必要があります。障害発生時に、Oracle Secure Backup管理サーバーの回復にはキーストア・パスワードが必要です。Oracle Secure Backupにパスワードの検索を要求できません。
Oracle Secure Backupキーストアのパスワードを作成します。
キーストア・パスワードは、すべての暗号化鍵が含まれるキーストアの暗号化のために使用されます。このパスワードは、Oracle Secure Backupウォレットに格納されます。
英数字の混在する8文字以上のパスワードを指定することをお薦めします。
Oracle Secure Backup管理サーバーのパスワードを作成します。
英数字混在のパスワードを選択することをお薦めします。
パスワードの最小の長さは8文字です。「Linux/UNIXの詳細設定の指定」で最小のユーザー・パスワード長をカスタマイズした場合、パスワードの長さは指定した新しい値と一致する必要があります。
クライアントのロールをインストールする場合は、次の手順を実行します。
(オプション)詳細設定を変更します。
インストールの詳細設定を構成する場合は、yを入力します。
カスタマイズできるパラメータは、「Linux/UNIXの詳細設定の指定」に記載されています。クライアントの場合は、Oracle Secure Backup一時ディレクトリおよびホストの再起動時にOracle Secure Backupデーモンを起動するオプションのみ変更できます。
デフォルト値を使用し、詳細なインストール・パラメータをカスタマイズしない場合は、nと入力します。
クライアントへのリクエストを初期化するホストIDを入力します。
ホストIDは、mkhost
コマンドを使用してクライアント追加のリクエストを初期化する、Oracle Secure Backupドメイン・ホストのIPアドレス、または完全修飾ドメイン名(FQDN)です。このホストは通常、Oracle Secure Backupの管理サーバーです。指定したIPアドレスまたはFQDNは、クライアントの/etc/obconfig
ファイルに格納されます。これは、リクエストのソースを検証するために、クライアントと、クライアント追加のリクエストを初期化したドメイン・ホストの間の初期ハンドシェイクで使用されます。
クライアントのインストール時にIPアドレス・チェックを省略するには、Oracle Secure Backupインストーラを起動する際に--noaddinghostid
オプションを使用します。たとえば、次のようになります。
# setup --noaddinghostid
インストールが完了し、インストールの成功の後に次のメッセージが表示されます。
Oracle Secure Backupがインストールされました。
Oracle Secure Backup一時ディレクトリに、osb_install.log
というインストール・ログ・ファイルが格納されます。デフォルトの一時ディレクトリは、/usr/tmp
です。
Oracle Secure Backupでは、インストール・プロセス中に必要なほとんどの構成パラメータにデフォルト値が使用されます。これには、アイデンティティ証明書鍵のサイズ、最小のユーザー・パスワード長などが含まれます。ほとんどの場合は、デフォルト値で十分です。インストール時に詳細設定を構成して、新しいパラメータ値を指定できます。
詳細設定を構成する場合、setup
スクリプトで、構成可能なパラメータを含む番号付きリストが表示されます。図3-1は、管理サーバー・ロールの構成可能なパラメータを示しています。特定のパラメータを変更するには、そのパラメータに隣接する番号を入力し、必要な値を入力します。たとえば、最小のユーザー・パスワード長を変更するには、2を入力します。オプション名の横に、デフォルトの設定が大カッコ内に表示されます。使用する新しい最小のパスワード長を入力します。
一度に1つの拡張パラメータのみ変更できます。複数の変更を行う場合は、別々に入力する必要があります。
関連項目:
変更できるインストール・パラメータの詳細は、「インストール時の構成パラメータのカスタマイズの概要」を参照してください
Oracle Secure Backupでは、クライアント・ホストの非対話型インストールをサポートしています。この機能を使用するには、--install_role Client
オプションを使用してインストールを実行します。
--install_role Client
パラメータはクライアント・ホスト・ロールを自動的に選択します。 このパラメータが使用される場合、詳細設定の入力は求められません。
注意:
クライアント・ホスト・ロールのサイレント・インストールを実行するとき、インストーラが標準以外のディレクトリから実行されても警告は表示されません。また、以前のインストールの断片がホストに存在しても警告は表示されません。(そのような断片は上書きされます。)Oracle Secure Backupクライアント・ホスト・ロールをサイレント・インストールするには、次の手順を使用します。
「Oracle Secure Backupのインストールの準備」に記載された計画タスクを完了します。
「LinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupのインストールの前提条件」に記載された前提条件が満たされていることを確認します。
クライアントをメディア・サーバーとして使用する予定の場合は、「管理サーバーおよびメディア・サーバー用のセキュアなホストの選択」に記載された物理およびネットワーク上の要件をホストが満たしていることを確認します。
Oracle Secure Backupソフトウェアの配布を、すべてのホストがアクセスできるディレクトリにダウンロードします。インストール用に安全なディレクトリが選択されていることを確認してください。安全なディレクトリとは、ディレクトリ・パスの各部分に、表3-1に示す所有者およびグループ権限があるディレクトリです。インストール・プロセスでは、インストール・ディレクトリの所有者およびグループが確認されます。正しい権限がない場合、インストールは終了されます。バックアップ管理者はインストール場所がセキュアであることを確認した場合、インストーラでは、setup --securepath
を実行してセキュアな場所チェックをバイパスできます。
表3-2 安全なディレクトリの所有者およびグループ権限
プラットフォーム | 有効な所有者/グループ・リスト |
---|---|
Linux | root:root |
Solaris SPARC | root:root またはroot:sys |
Solarix X86 | root:root またはroot:sys |
IBM AIX | root:system またはbin:bin |
HPUX | root:root またはbin:bin |
注意:
Oracle Secure Backupソフトウェア・パッケージは、ネットワーク経由でアクセス可能な共有またはローカルの一時ディレクトリにインストールすることをお薦めします。
たとえば、NFS共有パス/net/myfiler/export/vol0/home/osb_media_dirにソフトウェア・パッケージを置いた場合、このファイラ共有にアクセスできるネットワーク内のすべてのホストでセットアップを実行することが可能になり、ネットワーク上のソフトウェア・パッケージの部数を制限できます。
LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムにroot
としてログインします。
Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリに変更します。ホーム・ディレクトリには、/usr/local/oracle/backup
を使用することをお薦めします。別のディレクトリにインストールする場合は、そのディレクトリに変更します。
インストール・プロセス中に、インストール・プログラムは一時ディレクトリを使用します。インストールのデフォルトの一時ディレクトリは/usr/tmp
です。このディレクトリが使用できない場合、またはディレクトリ領域が不十分という警告がインストール時に発生する場合は、かわりの一時ディレクトリを'-t'
オプションで指定してセットアップ・コマンドを実行できます。
インストール・メディアまたは抽出したアーカイブ・ディレクトリからsetup
スクリプトを実行します。
次に、setup
スクリプトの実行例を示します。
myhost.oracle.com
を追加ホストIDとして設定するには、次のコマンドを使用します。setup --install_role Client --addinghostid myhost.oracle.com
クライアントをサイレント・インストールし、セキュア登録機能を無効にするには、次のコマンドを使用します。
setup --install_role Client --noaddinghostid
セットアップ・スクリプトから次のメッセージが表示されます。
Oracle Secure Backupのバージョン番号を示すようこそメッセージおよび進行状況メッセージ
プラットフォームを示すメッセージ
パッケージをロードする際の各種の進行状況メッセージ
注意:
セットアップ・スクリプトが中断された場合、いくつかの一時ファイル(OBnnnn
またはOBnnnn.Z
という名前のファイル)が一時ディレクトリに残ることがあります。これらのファイルは安全に削除できます。
この項では、Oracle Secure Backupのテープ・ドライブおよびライブラリを構成してそれらと通信する方法を説明します。10.4.0.3以前のバージョンでは、Oracle Secure Backupユーティリティdiscoverdev
は、NDMPファイラでのみ動作しました。Oracle Secure Backup 12.1では、discoverdev
ユーティリティがすべてのメディア・サーバー・プラットフォームで動作します(HP-UXを除く)。Oracle Secure Backup 12.1以降では、discoverdev
は高速であり、mkdev
に変数が手動で入力された際に起こり得るユーザー・エラーがないため、デバイスの構成に適した方法です。
注意:
以前は、Oracle Secure Backupでは、システムの接続ポイントを生成するためにすべてのプラットフォームでmakedev
が使用されていました。現在の方式は、可能なかぎりネイティブSGENデバイス・ドライバを使用することです(SolarisおよびLinux)が、HP-UXでは引き続きmakedev
を使用してシステム接続ポイントを手動で作成する必要があります。AIXでのmakedev
の実行手順は、それを手動で実行する理由がある状況のためにこのドキュメントに記載されていますが、discoverdev
を使用することをお薦めします。
discoverdev
が正しく機能するには、これを実行する前にデバイスの接続ポイントが存在する必要があります。表3-3に、各プラットフォームのデバイス接続ポイントのアクセス要件を示します。
表3-3 プラットフォーム固有の接続ポイントのアクセス要件
プラットフォーム | 要件 |
---|---|
Linux |
|
Solaris |
|
AIX |
(オプション) |
HP-UX |
現在このプラットフォームでは |
注意:
Oracle Secure Backupのmakedev
コマンドをobtool
mkdev
と混同しないでください。makedev
は、Oracle Secure Backupのカスタム・システム接続ポイントを作成するために、HP-UXで使用する必要があり、AIXで使用できます。ネイティブSCSI汎用オペレーティング・システム・ベースの接続ポイントを使用するSolarisまたはLinuxでは、makedev
を使用しません。obtool discoverdev
は、既存の接続ポイントを検出し利用するobtool mkdev
コマンドを自動化しますが、discoverdev
自体はシステム接続ポイントを作成しません。obtool mkdev
は、接続ポイントを利用してOracle Secure Backupで使用するデバイスを構成する手動のデバイス構成コマンドです。
この項の内容は次のとおりです。
LinuxホストをOracle Secure Backupメディア・サーバーとして構成するには、そのホストにSCSI汎用ドライバがインストールされている必要があります。ドライバにより、Oracle Secure Backupのテープおよびライブラリ・デバイスとの対話が可能になります。ホストが自動的に再起動後にドライバをリロードするように構成する必要があります。永続バインディングを構成することもお薦めします。永続バインディングを使用して、ホスト・バス・アダプタが、各デバイスのSCSIターゲットおよびLUNと、それらのWWNをペアにすることで、再起動時に接続ポイントがデバイス間でシャッフルされるのを防止します。永続バインディングを使用しない場合は、接続ポイントが更新されて新しい値が反映されるまで、Oracle Secure Backupがデバイスにアクセスができない可能性があります。Linuxメディア・サーバー・システムでの永続バインディングの構成方法の詳細は、システム管理者に問い合せるか、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
目的のテープ・デバイスに対応する/dev/sg
を識別するには、次のLinuxコマンドを実行してsg_map
の結果を得ます。
# sg_map -i -x
/dev/sg0 5 0 0 0 8 STK SL3000 4.00
/dev/sg1 5 0 0 1 8 STK SL3000 4.00
/dev/sg2 5 0 1 0 8 STK SL500 1466
/dev/sg3 5 0 3 0 1 /dev/nst2 HP Ultrium 5-SCSI I11V
/dev/sg4 5 0 4 0 1 /dev/nst3 STK T10000C 1.57
/dev/sg5 5 0 5 0 1 /dev/nst4 HP Ultrium 5-SCSI I3AS
/dev/sg6 5 0 6 0 1 /dev/nst5 HP Ultrium 5-SCSI I3AS
/dev/sg7 5 0 7 0 1 /dev/nst6 STK T10000C 1.57
これらの接続ポイントがシステム上に存在すると、Oracle Secure Backupのdiscoverdev
が、デバイスを作成する際にこれらを使用できます。
discoverdev
によるデバイスの作成の例を次に示します。
ob> lsh storabck06 admin,mediaserver,client (via OB) in service ob> discoverdev -ic -h storabck06 Device-Type Device-Model Serial-Number Attachpoint Library STK SL3000 464970G+1333SY1401 storabck06:/dev/sg0 create device object storabck06_lib_1? (a, n, q, y, ?) [y]: Tape HP Ultrium 5-SCSI HU1328WGF6 storabck06:/dev/sg3 create device object storabck06_tape_1? (a, n, q, y, ?) [y]: Tape STK T10000C HU1327WEYJ storabck06:/dev/sg4 create device object storabck06_tape_2? (a, n, q, y, ?) [y]: Checking each library to associate discovered drive(s) with DTE... Assigning DTE 1 in library storabck06_lib_1 for drive storabck06_tape_1 with serial number: HU1328WGF6 Assigning DTE 2 in library storabck06_lib_1 for drive storabck06_tape_2 with serial number: HU1327WEYJ ob> ob> lsd -l storabck06_lib_1: Device type: library Model: STK SL3000 Serial number: 464970G+1333SY1401 In service: yes Debug mode: no Barcode reader: default (hardware-selected) Barcodes required: no Auto clean: no Clean interval: (not set) Clean using emptiest: no Ejection type: ?? Min writable volumes: 0 UUID: 9a9c2982-1b34-1032-9c3e-aad50196aa4f Attachment 1: Host: storabck06 Raw device: /dev/sg0 storabck06_tape_1: Device type: tape Model: HP Ultrium 5-SCSI Serial number: HU1328WGF6 In service: yes Automount: yes Position interval: [undetermined] Debug mode: no Blocking factor: (default) Max blocking factor: (default) UUID: 9aa59b5c-1b34-1032-9c3e-aad50196aa4f Attachment 1: Host: storabck06 Raw device: /dev/sg3 storabck06_tape_2: Device type: tape Model: STK T10000C Serial number: HU1327WEYJ In service: yes Automount: yes Position interval: [undetermined] Debug mode: no Blocking factor: (default) Max blocking factor: (default) UUID: 9aa59f4e-1b34-1032-9c3e-aad50196aa4f Attachment 1: Host: storabck06 Raw device: /dev/sg4
mkdev
による手動でのデバイスの作成Oracle Secure Backup 12.1以降では、Linuxでデバイスを構成するのに適した方法はobtool discoverdev
ですが、場合によっては、obtool mkdev
を使用してデバイスを手動で作成することも必要になります。この項では、Linuxでのmkdev
の実行方法を説明します。
Oracle Secure Backupのdiscoverdev
は、sg_map -i -x
の結果を接続ポイントとして使用します。リンク名自体は、mkdev
でOracle Secure Backupデバイスの接続ポイントとして使用できます。
# sg_map -i -x /dev/sg0 5 0 0 0 8 STK SL3000 4.00 /dev/sg1 5 0 0 1 8 STK SL3000 4.00 /dev/sg2 5 0 1 0 8 STK SL500 1466 /dev/sg3 5 0 3 0 1 /dev/nst2 HP Ultrium 5-SCSI I11V /dev/sg4 5 0 4 0 1 /dev/nst3 STK T10000C 1.57 /dev/sg5 5 0 5 0 1 /dev/nst4 HP Ultrium 5-SCSI I3AS /dev/sg6 5 0 6 0 1 /dev/nst5 HP Ultrium 5-SCSI I3AS /dev/sg7 5 0 7 0 1 /dev/nst6 STK T10000C 1.57
次に、これを行う方法を示します。
/dev/sg0
は、obtool mkdev
のライブラリ・アタッチメントに変換されます:
# obtool mkdev --type lib --attach <hostname>:/dev/sg0 lib
/dev/scsi/sg3
は、obtool mkdev
のドライブ・アタッチメントに変換されます:
# obtool mkdev --type tape --attach <hostname>:/dev/sg3 -l lib -d 1 drv
接続ポイントを指すリンクを/dev
に作成することもできます。たとえば、Oracle Secure Backupでアタッチメントとして使用する/dev/obl<n>
または/dev/obt<n>
リンクを作成する場合は、次のようにします。
ライブラリの場合は、# ln -s /dev/sg0 /dev/obl0 (lはライブラリを表す)
ドライブの場合は、# ln -s /dev/sg3 /dev/obt0 (tはテープ・ドライブを表す)
これを行う場合は、Oracle Secure Backupが使用するデバイスごとに、/dev/obl<n>
または/dev/obt<n>
の一意のエントリが必要です(n
は0で始まり、1ずつ増加する)。
前に示した同じデバイスの構成は、次のようになります。
# obtool mkdev --type lib --attach <hostname>:/dev/obl0 lib
# obtool mkdev --type tape --attach <hostname>:/dev/obt0 -l lib -d 1 drv
ホストによるSCSIおよびファイバ・チャネル接続デバイスへのアクセスを可能にし、ホストをOracle Secure Backupメディア・サーバーとして構成するには、チェンジャ(ライブラリ)およびシーケンシャル(テープ)デバイスのSolaris sgenドライバを有効にする必要があります。
sgenドライバを有効にする手順:
シーケンシャル(01)およびチェンジャ(01)デバイスを有効にするには、/kernel/drv/sgen.conf
ファイルに次の行を追加します。
device-type-config-list="sequential","changer";
注意:
他のデバイスのdevice-type-config-list
がすでに定義されている場合は、sgen.conf
ファイルの既存リストにsequential
およびchanger
を追加してください。
次のコマンドを使用して、古いsgenドライバをすべて削除します。
rm -r /dev/scsi/changer
rm -r /dev/scsi/sequential
/kernel/drv/sgen.conf
ファイルで、各デバイスのターゲットとLUNパラメータの行を追加します。
これらの詳細は、prtconf -Dv
コマンドとdmseg
コマンドの出力で確認できます。次に例を示します。
name="sgen" class="scsi" target=0 lun=0; name="sgen" class="scsi" target=1 lun=0; name="sgen" class="scsi" target=2 lun=0; name="sgen" class="scsi" target=3 lun=0; ..... name="sgen" class="scsi" target=13 lun=0; name="sgen" class="scsi" target=14 lun=0; name="sgen" class="scsi" target=15 lun=0;
rem_drv sgen
を実行して、既存のsgenデバイス構成をすべて削除します。
すべてを1行に入力した、次のコマンドを使用して、sgenドライバを構成します。
add_drv -m '* 0666 bin bin' -i '"scsiclass,01" "scsiclass,08" "scsa,01.bmpt" "scsa,08.bmpt"' sgen
sgenアタッチメントが作成されているかどうかを確認するには、次のコマンドをrootユーザーとして実行します。
# ls -latr /dev/scsi/seq* total 10 drwxr-xr-x 5 root sys 512 Jan 29 17:01 .. lrwxrwxrwx 1 root sys 57 Jan 29 17:01 c1t1d0 -> ../../../devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/sgen@1,0:sequential lrwxrwxrwx 1 root sys 57 Jan 29 17:01 c1t2d0 -> ../../../devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/sgen@2,0:sequential lrwxrwxrwx 1 root sys 57 Jan 29 17:01 c1t5d0 -> ../../../devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/sgen@5,0:sequential drwxr-xr-x 2 root sys 512 Jan 29 17:01 . # ls -latr /dev/scsi/cha* total 8 lrwxrwxrwx 1 root sys 54 Jan 29 17:01 c1t0d0 -> ../../../devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/sgen@0,0:changer drwxr-xr-x 5 root sys 512 Jan 29 17:01 .. lrwxrwxrwx 1 root sys 54 Jan 29 17:01 c1t4d0 -> ../../../devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/sgen@4,0:changer drwxr-xr-x 2 root sys 512 Jan 29 17:01 .
sgenドライバ・エントリが見つからない場合は、次のコマンドを使用してシステムを再起動します。
# touch /reconfigure
# reboot
discoverdev
を実行して、sgenドライバを使用してSolarisのデバイスを作成します。
ob> lsh storabck18 admin,mediaserver,client (via OB) in service ob> discoverdev -ic -h storabck18 Device-Type Device-Model Serial-Number Attachpoint Library STK SL150 464970G+1333SY1401 storabck18:/dev/scsi/changer/c2t500104F000D14F89d1 create device object storabck18_lib_1? (a, n, q, y, ?) [y]: y Tape HP Ultrium 5-SCSI HU1328WGF6 storabck18:/dev/scsi/sequential/c2t500104F000D14F89d0 create device object storabck18_tape_1? (a, n, q, y, ?) [y]: y Tape HP Ultrium 5-SCSI HU1327WEYJ storabck18:/dev/scsi/sequential/c2t500104F000D14F8Cd0 create device object storabck18_tape_2? (a, n, q, y, ?) [y]: y Checking each library to associate discovered drive(s) with DTE... Assigning DTE 1 in library storabck18_lib_1 for drive storabck18_tape_1 with serial number: HU1328WGF6 Assigning DTE 2 in library storabck18_lib_1 for drive storabck18_tape_2 with serial number: HU1327WEYJ ob> ob> lsd -l storabck18_lib_1: Device type: library Model: STK SL150 Serial number: 464970G+1333SY1401 In service: yes Debug mode: no Barcode reader: default (hardware-selected) Barcodes required: no Auto clean: no Clean interval: (not set) Clean using emptiest: no Ejection type: ?? Min writable volumes: 0 UUID: 9a9c2982-1b34-1032-9c3e-aad50196aa4f Attachment 1: Host: storabck18 Raw device: /dev/scsi/changer/c2t500104F000D14F89d1 storabck18_tape_1: Device type: tape Model: HP Ultrium 5-SCSI Serial number: HU1328WGF6 In service: yes Automount: yes Position interval: [undetermined] Debug mode: no Blocking factor: (default) Max blocking factor: (default) UUID: 9aa59b5c-1b34-1032-9c3e-aad50196aa4f Attachment 1: Host: storabck18 Raw device: /dev/scsi/sequential/c2t500104F000D14F89d0 storabck18_tape_2: Device type: tape Model: HP Ultrium 5-SCSI Serial number: HU1327WEYJ In service: yes Automount: yes Position interval: [undetermined] Debug mode: no Blocking factor: (default) Max blocking factor: (default) UUID: 9aa59f4e-1b34-1032-9c3e-aad50196aa4f Attachment 1: Host: storabck18 Raw device: /dev/scsi/sequential/c2t500104F000D14F8Cd0 ob>
mkdev
による手動でのデバイスの作成Oracle Secure Backup 12.1以降では、Solarisシステムでデバイスを構成するのに適した方法はobtool discoverdev
です。ただし、場合によっては、obtool mkdev
を使用してデバイスを手動で作成することも必要になります。この項では、Solarisシステムでのmkdev
の実行方法を説明します。
Solaris sgenドライバを有効にする際に/dev/scsi/changer
および/dev/scsi/sequential
の各ディレクトリに作成されるエントリは、Oracle Secure Backupデバイス・アタッチメントとして使用されます。リンク名自体は、Oracle Secure Backupデバイスの接続ポイントとして使用できます。
/dev/scsi/changer/c1t0d0
は、obtool mkdev
のライブラリ・アタッチメントに変換されます:
# obtool mkdev --attach <hostname>:/dev/scsi/changer/c1t0d0 lib
/dev/scsi/sequential/c1t2d0
は、obtool mkdev
のドライブ・アタッチメントに変換されます:
# obtool mkdev --attach <hostname>:/dev/scsi/sequential/c1t2d0 drv -d 1 -l lib
または、接続ポイントを指すリンクを/dev
に作成することもできます。たとえば、Oracle Secure Backupでアタッチメントとして使用する/dev/obl<n>
または/dev/obt<n>
リンクを作成する場合は、次のようにします。
# ln -s /dev/scsi/changer/c1t0d0 /dev/obl0 for the library (the "l" stands for library)
# ln -s /dev/scsi/sequential/c1t2d0 /dev/obt0 for the drive (the "t" stands for tape drive)
これを行う場合は、Oracle Secure Backupが使用する各デバイスには、/dev/obl<n>
または/dev/obt<n>
の形式の一意の名前が必要です。
前に示した同じデバイスの構成は、次のようになります。
# obtool mkdev --attach <hostname>:/dev/obl0 lib
# obtool mkdev --attach <hostname>:/dev/obt0 drv -d 1 -l lib
Oracle Secure Backupでは、makedev
を使用してAIX接続ポイントを事前に構成する必要なしに、obtool discoverdev
でそれらを検出して使用できるようになりました。
AIXのデバイスを構成する手順:
次の手順を完了します。
ホストにメディア・サーバー・ロールを追加します。
ob> chhost --addrole mediaserver osblp01
discoverdev
を実行します。
ob> discoverdev -ic -h osblp01 Device-Type Device-Model Serial-Number Attachpoint Library STK SL150 464970G+1333SY1401 osblp01:/dev/obl0 create device object osblp01_lib_1? (a, n, q, y, ?) [y]: y Tape HP Ultrium 5-SCSI HU1327WEYJ osblp01:/dev/obt0 create device object osblp01_tape_1? (a, n, q, y, ?) [y]: y Tape HP Ultrium 5-SCSI HU1328WGF6 osblp01:/dev/obt1 create device object osblp01_tape_2? (a, n, q, y, ?) [y]: y Checking each library to associate discovered drive(s) with DTE... Assigning DTE 1 in library osblp01_lib_1 for drive osblp01_tape_2 with serial number: HU1328WGF6 Assigning DTE 2 in library osblp01_lib_1 for drive osblp01_tape_1 with serial number: HU1327WEYJ ob> lsd -l osblp01_lib_1: Device type: library Model: STK SL150 Serial number: 464970G+1333SY1401 In service: no Debug mode: no Barcode reader: default (hardware-selected) Barcodes required: no Auto clean: no Clean interval: (not set) Clean using emptiest: no Ejection type: ?? Min writable volumes: 0 UUID: eed24e34-15e2-1032-bdb8-000000000000 Attachment 1: Host: osblp01 Raw device: /dev/obl0 osblp01_tape_2: Device type: tape Model: HP Ultrium 5-SCSI Serial number: HU1328WGF6 In service: no Library: osblp01_lib_1 DTE: 1 Automount: yes Position interval: [undetermined] Debug mode: no Blocking factor: (default) Max blocking factor: (default) Current tape: [unknown] Use list: [not set] Drive usage: [not set] Cleaning required: [unknown] UUID: 01832346-15e3-1032-bdb8-000000000000 Attachment 1: Host: osblp01 Raw device: /dev/obt1 osblp01_tape_1: Device type: tape Model: HP Ultrium 5-SCSI Serial number: HU1327WEYJ In service: no Library: osblp01_lib_1 DTE: 2 Automount: yes Position interval: [undetermined] Debug mode: no Blocking factor: (default) Max blocking factor: (default) Current tape: [unknown] Use list: [not set] Drive usage: [not set] Cleaning required: [unknown] UUID: 0183170c-15e3-1032-bdb8-000000000000 Attachment 1: Host: osblp01 Raw device: /dev/obt0 ob>
システム・デバイスの接続ポイントを事前に構成する必要はなく、discoverdev
を実行してAIXメディア・サーバー上のOracle Secure Backupデバイスを構成できます。この項では、obtoolコマンドを使用して接続ポイントを作成し構成する方法を説明します。
obscan
スタンドアロン・ツールを使用すると、AIX上のスイッチ環境のSCSI接続テープ、ファイバ・チャネル・テープおよびメディア・チェンジャ・デバイスに関するデバイス情報の収集に役立ちます。makedevを使用して、Oracle Secure Backupで使用されるシステム・デバイス接続ポイントを作成するには、SCSI IDおよびLUNが必要です。obscan
ユーティリティは、Oracle Secure Backup管理サーバーのOSB_HOME/tools
ディレクトリにあります。構文は、次のとおりです(dname
は、スキャンするSCSIバスまたはファイバ・チャネル・ファブリックのデバイス・ファイル名)。
# obscan -f dname
# obscan -f /dev/scsi0
# obscan -f /dev/fscsi0
注意:
makedevを使用してOSBの接続ポイントを作成する場合、次の情報を入力するように要求されます。
Enter logical unit number 0-31 [0]: 0
この番号は、他のデバイスと区別するために、makedevにより作成される接続ポイント名に関連付けられます。これらの値は任意ですが、通常では0から始まり、作成されるライブラリまたはドライブ・アタッチメントごとに1ずつ増加します。
(3.3.5.0「デバイスへのOracle Secure Backup論理ユニット番号の割当て」を参照)
次の手順では、/dev/fscsi1
により識別されたファイバ・チャネル・ファブリック接続デバイス用に、makedev
がOracle Secure Backupシステム・アタッチメントを作成する際に必要となる情報をobscan
により収集します。
makedev
スクリプトを使用してHP-UXのSCSIまたはファイバ・チャネル・テープ・デバイスにアクセスするには、デバイスとホストの接続方法に関して次の識別情報が必要です。
SCSIバス番号インスタンス
ターゲットID
LUN
HP-UXのデバイス情報を収集するには、HP-UXオペレーティング・システムの/usr/sbin
にあるioscan
ユーティリティを使用できます。ioscan
コマンドはシステムを検索して、検出したすべてのデバイスを示します。ioscan
を実行するには、rootアクセス権限が必要です。
注意:
ioscan
ツールは、HP-UXオペレーティング・システムに含まれている場合があり、デバイスを識別するためのオプションのツールです。
HP-UXデバイスを識別および構成するには、次のようにします。
例3-1 ioscan -f
$ /usr/sbin/ioscan -f Class I H/W Path Driver S/W State H/W Type Description ... ext_bus 3 0/1/1/1 mpt CLAIMED INTERFACE SCSI Ultra320 target 11 0/1/1/1.1 tgt CLAIMED DEVICE autoch 4 0/1/1/1.1.0 schgr CLAIMED DEVICE ADIC FastStor 2 target 10 0/1/1/1.2 tgt CLAIMED DEVICE tape 8 0/1/1/1.2.0 stape CLAIMED DEVICE HP Ultrium 2-SCSI ... fcp 2 0/2/1/0.99 fcp CLAIMED INTERFACE FCP Domain ext_bus 9 0/2/1/0.99.15.255.1 fcpdev CLAIMED INTERFACE FCP Device Interface target 1 0/2/1/0.99.15.255.1.3 tgt CLAIMED DEVICE autoch 8 0/2/1/0.99.15.255.1.3.0 schgr CLAIMED DEVICE ADIC Scalar 24 tape 19 0/2/1/0.99.15.255.1.3.1 stape CLAIMED DEVICE IBM ULTRIUM-TD3 tape 20 0/2/1/0.99.15.255.1.3.2 stape CLAIMED DEVICE IBM ULTRIUM-TD3
各テープ・ドライブおよびテープ・ライブラリには、構成プロセス中にOracle Secure Backup LUNを割り当てる必要があります。この番号は、デバイスの構成時に一意のデバイス名を生成するために使用されます。Windowsでは、必要に応じて自動的にOracle Secure Backup論理ユニット番号が割り当てられます。ただし、UNIXまたはLinuxのメディア・サーバーの場合、管理ドメインの計画の一環として、デバイスごとにOracle Secure Backup論理ユニット番号を選択する必要があります。
Oracle Secure Backup論理ユニット番号の割当てに必須の順序はありません。通常、テープ・ライブラリまたはテープ・ドライブのいずれの場合でも、指定したタイプの各テープ・デバイスに、番号が0から順に割り当てられます。つまり、テープ・ライブラリには0、1、2の順に番号が割り当てられ、テープ・ドライブにも同様に0、1、2の順に番号が割り当てられます。Oracle Secure Backup論理ユニット番号の最大値は31です。
LinuxまたはUNIXでは、その結果、テープ・ライブラリのデバイス固有のファイル名は、/dev/obl1
、/dev/obl2
、/dev/obl3
などとなり、テープ・ドライブの名前は、/dev/obt1
、/dev/obt2
、/dev/obt3
などとなります。Windowsでは、結果のテープ・ライブラリ名は、//./obl1
、//./obl2
、//./obl3
などどなり、テープ・ドライブの名前は、//./obt1
、//./obt2
、//./obt3
などどなります。これらの名前は、WindowsでのOracle Secure Backupのインストール時に自動的に割り当てられます。
関連項目:
注意:
Oracle Secure Backup論理ユニット番号をSCSI LUNと混同しないでください。SCSI LUNはテープ・デバイスのハードウェア・アドレスの一部ですが、Oracle Secure Backup論理ユニット番号はデバイス特殊ファイルの名前の一部です。
Linuxの各メディア・サーバーに、SCSI Generic(SG)ドライバがインストールされている必要があります。このドライバは、Oracle Secure Backupがテープ・デバイスとやり取りするために必要です。
/etc/modprobe.conf
ファイルで正しく設定すれば、カーネル・モジュールは、通常そのモジュールを必要とする機能によって直接ロードされます。ただし、場合によっては起動時にモジュールのロードを明示的に強制する必要があります。
たとえば、RedHat Enterprise Linuxでは、SCSI Genericドライバのモジュールはsg
という名前が付いています。Red Hat Enterprise Linuxでは、モジュールをロードするための各種コマンドが格納されている/etc/rc.modules
ファイルが存在するかどうかが起動時にチェックされます。
注意:
起動プロセスではrc.modules
ファイルが先に実行されるため、rc.local
ファイルではなく、rc.modules
ファイルが必要です。
RedHat Enterprise Linuxでは、次のコマンドを使用して、起動時にroot
としてロードするように構成されたモジュールのリストにsg
モジュールを追加できます。
# echo modprobe sg >> /etc/rc.modules # chmod +x /etc/rc.modules
Oracle Secure Backupユーザーを、/dev/sg
デバイスに対する読取り/書込み権限を持つLinuxまたはUNIXユーザーにマップする必要があります。1つの方法として、/dev/sg
デバイスに対する権限を666
に設定することにより、この目的を果すことができます。
AIXおよびLinux/UNIXのインストールおよびアンインストールの手順は同じです。
ただし、AIXへのOracle Secure Backupのインストールが成功するためには、システムにI/O完了ポート(IOCP)が構成されていることを確認する必要があります。IOCPを構成するには、「AIXシステムのIOCPの構成」に記載された手順を実行してください。
Oracle Secure Backupをインストールする際、Oracle Secure Backup admin
ユーザーは、デフォルトで、UNIXユーザーroot
およびUNIXグループroot
にマップされます。Oracle Secure Backupでは、この構成で、ファイル・システムのバックアップに成功するには、ユーザーroot
がグループroot
のメンバーである必要があります。デフォルトでは、AIXではグループroot
は定義されません。AIXシステムにグループroot
が存在しない場合は、それを作成して、ユーザーroot
をそのメンバーにする必要があります。
注意:
インストール後に、このOracle Secure Backup admin
のマッピングを変更できます。
Oracle Secure Backup操作を正常に実行できるようにAIXシステム上のIOCPを有効にする必要があります。
IOCPを構成する手順:
lslpp
コマンドを実行して、データベースのインストール時にシステムにIOCPモジュールがインストールされたことを確認します。
$ lslpp -l bos.iocp.rte
出力は次のようになります。
Fileset Level State Description ---------------------------------------------------------------------------- Path: /usr/lib/objrepos bos.iocp.rte 5.3.9.0 APPLIED I/O Completion Ports API Path: /etc/objrepos bos.iocp.rte 5.3.0.50 COMMITTED I/O Completion Ports API
lsdev
コマンドを実行して、IOCPポートのステータスを確認します。
$ lsdev -Cc iocp
IOCPポートのステータスはAvailable
である必要があります。
IOCPポートのステータスがDefined
の場合は、次の手順を実行してこれをAvailable
に変更します。
root
としてログインします。
次のコマンドを実行します。
# smitty iocp
I/O完了ポートの特性の変更/表示を選択します。
構成の状態をDefined
からAvailable
に変更します。
システムを再起動してこの変更を反映します。