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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
13c リリース3
E98554-01
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7 JVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイ

Enterprise Managerをアップグレードする際、JVM診断(JVMD)エンジンはすべてアップグレード前プロセスの一環として停止されます。Enterprise Managerが13cリリース3に正常にアップグレードされたら、アップグレード前にエンタープライズに組み込まれていたJVMDエンジンを再作成する必要があります。

この章では、Java仮想マシン診断(JVMD)エージェントのアップグレードまたは再デプロイ方法について説明します。最新のJVMD機能を取得し、それらを使用して企業内にデプロイされたJVMをモニターするために、JVMDエージェントを最新の使用可能なバージョンにアップグレードすることをお薦めします。

この章の内容は次のとおりです。

注意:

基本および拡張オプションによるJVMDエージェントのデプロイの詳細は、次のガイドを参照してください。

  • 『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』

  • 『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』

7.1 JVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイ

Enterprise Manager Cloud Controlには、単純なWebアプリケーション(.warファイル)であるJVMDエージェントのアップグレードおよび再デプロイを可能にするユーザー・インタフェースおよびPerlスクリプトが用意されています。このユーザー・インタフェースおよびPerlスクリプトにより、JVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイのプロセスを簡略化し、複数のJVMDエージェントを1回でアップグレードまたは再デプロイできるようになります。あるいは、WebLogic管理コンソールを使用して最新バージョンのJVMDエージェントをダウンロードしてデプロイすることもできます。

注意:

特定のエンタープライズ管理タスク(OMS Oracle HTTP Serverのアップロード用のカスタム資格証明の構成、複数OMS用のロード・バランサの構成など)により、OMS構成に変更が取り込まれます。このようなタスクには、デプロイされた管理エージェントの再保護が必要となることがあります。企業内にデプロイされた管理エージェントを再度保護する場合、この項の説明に従って、必ずデプロイされたJVMDエージェントを再デプロイしてください。

次のいずれかの方法を使用して、JVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイできます。

注意:

特定の管理対象サーバーにデプロイされているJVMDエージェントをアップグレードできるのは、使用可能なJVMDエージェント・バイナリのバージョンがデプロイされているJVMDエージェントのバージョンと異なる場合のみです。

7.1.1 「エンジンおよびエージェント」ページを使用したJVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイ

「設定」ページを使用して、モニター対象のWebLogicドメインにあるJVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイするには、次の手順に従います。

  1. 「設定」メニューで「ミドルウェア管理」を選択して、「エンジンおよびエージェント」を選択します
  2. 「エンジンおよびエージェント」ページで、「JVMDエージェントの管理」をクリックします。
  3. 「操作」で、「アップグレード」を選択します。

    注意:

    または、この場所にアクセスするには、「設定」ページで「JVMDエージェント数」の横に表示されるアップグレード・アイコンをクリックします。このアイコンは、JVMDエージェント・ソフトウェアの現在のバージョンとは異なるソフトウェア・バージョンが使用可能である場合にのみ表示されます。

    「表示」メニューから「すべてを開く」を選択した場合は、JVMDエージェントがデプロイされている管理対象サーバーすべてについて、ターゲット名、ターゲット・タイプ、ターゲット・ホスト、ターゲット・ステータスなどを表示できます。

    アップグレードまたは再デプロイするJVMDエージェントを選択します。「次へ」をクリックします。

  4. 「ターゲットの資格証明」ページで、WebLogicドメインごとに(管理サーバー・ターゲットに対応する)「Oracle EMAgentターゲット・ホスト資格証明」および「Oracle WebLogicドメインの資格証明」の値を指定し、「適用」をクリックします。

    注意:

    管理サーバー・ターゲットに対してホストおよびドメインの優先資格証明がすでに設定されている場合は、ドメインに自動的に適用され、「適用」をクリックする必要はありません。

    Oracle EMAgentターゲット・ホストの資格証明は、WebLogicドメインの管理サーバーの検出に使用された管理エージェントが実行されているホストのログイン資格証明です。Oracle WebLogicドメインの資格証明は、選択したWebLogicドメインの管理サーバーの資格証明です。

    WebLogicドメインの管理サーバーに対して優先資格証明(優先EMAgentターゲット・ホスト資格証明および優先Oracle WebLogicドメイン資格証明)を設定するには、「設定」メニューから、「セキュリティ」「優先資格証明」の順に選択します。ターゲット・タイプとして「Oracle管理サーバー」を選択し、「優先資格証明の管理」をクリックします。「ターゲット優先資格証明」セクションで、必要なWebLogic管理サーバーに対して優先ホスト資格証明および優先WebLogic管理者資格証明を設定します。

    「次へ」をクリックします。

  5. JVMDエージェント構成ページ(「JVMDエージェント構成」セクション)で、次を実行します。

    Oracle CloudターゲットでJVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイする場合は、「Hybrid Cloudモードの構成」を選択し、Oracle Cloudで構成したHybrid Cloudプロキシ・ホストおよびHybrid Cloudプロキシ・ポートを指定します。「Hybrid Cloudモードの構成」を選択すると、JVMDエージェントがプロキシ・ホストに接続し、プロキシ・ホストがJVMDエンジンに接続するため、「使用可能なJVMDエンジン」の値が自動的に「その他」に設定されます。

    注意:

    Hybrid CloudのバージョンがEnterprise Manager 13cにアップグレードされている場合、Oracle Cloudで実行してるターゲット・ドメインとJVM診断エンジンとの間のSSHトンネルで使用されているHybrid CloudプロキシおよびHybrid Cloud Gatewayも13cにアップグレードされる必要があります。

    ハイブリッド・クラウド・モードの構成を選択しない場合、WebLogicドメインごとに、デフォルトのJVMDエンジンが選択されます。必要に応じて、ドメインに対して選択したエンジンを変更するには、「使用可能なJVMDエンジン」のリストから新しいエンジンを選択し、「適用」をクリックします。選択したWebLogicドメインの管理対象サーバーにデプロイされているすべてのJVMDエージェントが、このJVMDエンジンに関連付けられます。または、「その他」を選択して、複数のエンジンの場合にロード・バランサに接続し、エンジンのホスト、ポートおよびプロトコルの詳細を手動で指定できます。できます。

    Enterprise Manager Cloud Control 13cでは、HTTPまたはHTTPSを使用して、JVMDエンジンに接続する複数のJVMDエージェントをデプロイできます。したがって、JVMDエンジンのHTTP URLとHTTPS URLの両方が「使用可能なJVMDエンジン」リストに表示されます。ただし、設定でロード・バランサを構成した場合、JVMDエージェントはHTTPまたはHTTPSを使用してロード・バランサに接続できますが、HTTPSを使用して個々のJVMDエンジンには接続できません。したがって、設定にロード・バランサを構成した場合、ロード・バランサのHTTP URLとHTTPS URL、および個々のJVMDエンジンのHTTP URLのみが、「使用可能なJVMDエンジン」リストに表示されます。

    このセクションに「WebLogicホーム」フィールドと「ミドルウェア・ホーム」フィールドが表示されている場合、それらに値を指定します。「WebLogicホーム」および「ミドルウェア・ホーム」フィールドは、それらの値が内部的に取得できない場合に表示されます。

    また、WebLogic管理サーバーがファイアウォールの背後または仮想ホスト上にある場合、アプリケーションはデフォルト情報を使用して接続できない可能性があります。この場合、「拡張ドメイン構成」セクションで追加情報を指定する必要があります。たとえば、WebLogic管理サーバーが仮想ホスト上にあり、アプリケーションがデフォルトのホスト値を使用して接続できない場合は、「管理サーバー・ホスト」に仮想ホストのIPアドレスを指定することが必要な場合があります。

    「拡張ドメイン構成」で、JVMDエージェントのデプロイに使用するJavaプロセスで使用されるクライアントJava引数およびLibディレクトリ引数を指定できます。

    クライアントJava引数: ターゲット・ドメインの管理サーバーに接続する際に使用するJava引数です。

    Libディレクトリ: デプロイメント・プロセスの間のJvmdエージェント・ライブラリのコピー先となるデフォルト・ディレクトリ・パスです。指定したディレクトリ・パスがすでに作成されていることを確認する必要があります。

    モニタリング有効: モニタリング無効モードでエージェントをデプロイするには、このチェック・ボックスの選択を解除します。「JVMターゲット」ホーム・ページ上の「JVMターゲットの構成」ボタンを使用してモニタリングを有効または無効にできます。
    拡張構成
    たとえば、「クライアントJava引数」フィールドで必要になる可能性があるJava引数の一部は、次のとおりです。
    • Dweblogic.security.SSL.enableJSSE=true

    • Dweblogic.security.SSL.protocolVersion=TLS1

    • Dweblogic.security.SSL.trustedCAKeyStore=<path to cacert>

    「次へ」をクリックします。

  6. 確認ページですべての情報を確認し、「アップグレード」をクリックします。

    「アップグレード」をクリックすると、「診断エージェントのデプロイメント・ステータス」ページが表示され、このページは、発行したジョブの進捗状況をモニターするために使用できます。

    アップグレード時または再デプロイメント時にエラーが発生した場合は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください

7.1.2 EMCLIの使用によるJVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイ

EMCLIを使用してJVMDエージェントをアップグレードまたは再デプロイできます。

たとえば、次のようになります。

$emcli deploy_jvmd -deploy_mode redeploy

詳細は、Enterprise Manager Cloud管理者ガイドを参照してください。

7.1.3 WebLogic管理コンソールを使用したJVMDエージェントの手動でのアップグレードまたは再デプロイ

WebLogic管理コンソールを使用して必要なJVMDエージェントのバージョンを手動でダウンロードし、デプロイすることもできます。

次に、必要なバージョンのJVMDエージェントを手動でダウンロードしてデプロイする手順を示します。

  1. WebLogicコンソールにログインします。

  2. 「デプロイメント」に移動します。

  3. 古いjavadiagnosticagent.earまたはjamagent.warが存在する場合は削除します。

  4. EM CCからダウンロードしたjamagent.warをインストールします。

  5. jamagent appがまだ起動していない場合は起動します。

  6. サーバーを再起動します(古いJVMDエージェントがある場合にのみ必要)。

  7. EM CCに移動し、ServerName_jvmターゲットが作成されているかどうかを確認します。

7.2 JVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイの検証

JVMDエージェントのアップグレードまたは再デプロイ後に、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』の説明に従って、新しいバージョンのデプロイメントを検証します