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Oracle® Enterprise Manager Microsoft Systems Center Operations Manager (SCOM) Event Connectorユーザーズ・ガイド
for Enterprise Manager Cloud Control 13c リリース3
F21012-01
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5 イベント・テンプレートの使用

この章では、SCOMコネクタに付属しているデフォルトのイベント・テンプレートについて詳しく説明します。イベント・テンプレートは、Enterprise Managerのイベント属性とSCOM Webサービス属性との間のマッピングを指定します。

注意:

特に明記しないかぎり、次の手順はSCOM 2012コネクタおよびSCOM 2007コネクタに適用されます。SCOM 2007コネクタに固有の手順は、Microsoft SCOM 2007コネクタに使用できます。

5.1 イベント・テンプレートの理解

この項では、Enterprise Managerのイベント・データ・フィールドとMicrosoft SCOMのアラート・データ・フィールドとの間のデフォルト・マッピングについて説明します。

5.1.1 デフォルトのテンプレート

イベント・テンプレートXMLスタイルシート(XSL)ファイルには、2つのシステム間のマッピングが含まれています。これらのファイルは、Microsoft SCOMイベント・コネクタのインストールでインストールした自己更新アーカイブにあります。インストール・ファイルを抽出するには、テンプレート・ファイルのエクスポートのステップを実行します。

表5-1に、SCOM 2012コネクタのマッピングを実行するXSLファイルとその概要を示します。表E-1に、SCOM 2007コネクタのマッピングを実行するXSLファイルとその概要を示します。

表5-1 SCOM 2012マッピングを実行するXSLファイル

ファイル 説明

createEvent_request_2012.xsl

Oracle Enterprise Managerイベント・データをcreateEvent操作用のMicrosoft SCOM 2012アラートの書式に変換します。

updateEvent_request_2012.xsl

Oracle Enterprise Managerイベント・データをupdateEvent操作用のMicrosoft SCOM 2012アラートの書式に変換します。

updateEvent_request_2012_alt.xsl

Oracle Enterprise Managerイベント・データをupdateEvent操作用のMicrosoft SCOM 2012アラートの書式に変換する代替テンプレート。このテンプレートを使用すると、Enterprise Managerでステータス変更が発生するたびにSCOM 2012で新しいアラートが作成されます。

次の各項では、デフォルトのテンプレートについて詳細を説明します。

5.1.1.1 イベントの作成用テンプレート

この項では、SCOM 2012コネクタのデフォルトの作成マッピングを示します。SCOM 2007コネクタのデフォルトの作成マッピングを確認するには、Microsoft SCOM 2007コネクタイベントの作成用2007テンプレートを参照してください。

Oracle Enterprise Managerでイベントが生成され、ルールでSCOM 2012コネクタを起動するように構成されている場合は、Oracle Enterprise Managerコネクタ・フレームワークがcreateEvent操作を起動します。プロセスの中でcreateEvent_request_2012.xslテンプレートが起動され、Oracle Enterprise Managerの書式からSCOM 2012アラート書式にデータが変換されます。表5-2に、Microsoft SCOMのアラートとOracle Enterprise Managerのイベントとの間のデフォルトのフィールド・マッピング、およびMicrosoft SCOM 2012アラートを示します。

表5-2 イベントの作成用テンプレートのマッピング

SCOMフィールド名 必須

Name

はい

イベントのEventNameフィールドに設定します。

Description

はい

Enterprise Managerの説明の書式付きコンテンツの指定に従って、イベントの書式付きコンテンツに設定します。

Priority

はい

イベント優先度に基づいて優先度を設定します。詳細は、優先度のマッピングを参照してください。

Severity

はい

イベント重大度に基づいて重大度を設定します。詳細は、重大度のマッピングを参照してください。

Alert History

いいえ

作成の書式付きアラート履歴コンテンツの指定に従って、イベントの書式付きコンテンツに設定します。

5.1.1.2 イベントの更新用テンプレート

この項では、SCOM 2012コネクタのデフォルトの更新マッピングを示します。SCOM 2007コネクタのデフォルトの更新マッピングを確認するには、Microsoft SCOM 2007コネクタイベントの更新用2007テンプレートを参照してください。

Oracle Enterprise Managerでイベントが生成され、ルールでSCOM 2012コネクタを起動するように構成されている場合は、Oracle Enterprise Managerコネクタ・フレームワークがupdateEvent操作を起動します。

例5-1 デフォルト・テンプレート

updateEvent操作がデフォルト・テンプレートを使用するように構成されている場合は、プロセスの中でupdateEvent_request_2102.xslテンプレートが起動され、Oracle Enterprise Managerの書式からSCOM 2012アラート書式にデータが変換されます。表5-3に、Microsoft SCOMのアラートとOracle Enterprise Managerのイベントとの間のデフォルトのフィールド・マッピング、およびMicrosoft SCOM 2012アラートを示します。

表5-3 イベントの更新用テンプレートのマッピング

SCOMフィールド名 必須

ID

はい

イベントのExternalEventIdフィールドに設定します。

Resolution State

はい

イベント重大度が「クリア」の場合は「255」(クローズ)に設定します。それ以外の場合は「0」(新規)に設定します。

Alert History

いいえ

イベント重大度が「クリア」の場合は「Oracle Enterprise Manager cleared alert」に設定します。

イベント重大度が「警告」の場合は「Oracle Enterprise Manager changed alert severity to warning」に設定します。

イベント重大度が「クリティカル」の場合は「Oracle Enterprise Manager changed alert severity to critical」に設定します。

その他の重大度の値には設定しません。

例5-2 代替テンプレート

updateEvent操作が代替テンプレートを使用するように再構成された場合は、プロセスの中でupdateEvent_request_2012_alt.xslテンプレートが起動され、Oracle Enterprise Managerの書式からSCOM 2012アラート書式にデータが変換されます。

表5-4に、ステータスがクリアされている場合のOracle Enterprise ManagerのイベントとMicrosoft SCOM 2012のアラートとの間のデフォルトのフィールド・マッピングを示します。

表5-5に、その他すべてのステータス値に対するOracle Enterprise ManagerのイベントとMicrosoft SCOM 2012のアラートとの間のデフォルトのフィールド・マッピングを示します。

表5-4 イベントのクリア用代替テンプレートのマッピング

SCOMフィールド名 必須

ID

はい

イベントのExternalEventIdフィールドに設定します。

Resolution State

はい

「255」(クローズ)に設定します。

Alert History

いいえ

「Oracle Enterprise Manager cleared alert」に設定します。

表5-5 イベントの更新用代替テンプレートのマッピング

SCOMフィールド名 必須

Name

はい

イベントのEventNameフィールドに設定します。

Description

はい

Enterprise Managerの説明の書式付きコンテンツの指定に従って、イベントの書式付きコンテンツに設定します。

Priority

はい

イベント優先度に基づいて優先度を設定します。詳細は、優先度のマッピングを参照してください。

Severity

はい

イベント重大度に基づいて重大度を設定します。詳細は、重大度のマッピングを参照してください。

Alert History

いいえ

同期機能が有効な場合は、更新までのイベントおよび更新を含めたすべてのイベントのエントリが履歴ログに追加されます。元の作成エントリは、作成の書式付きアラート履歴コンテンツの指定に従って書式設定されます。各更新エントリは、更新の書式付きアラート履歴コンテンツの指定に従って書式設定されます。

同期機能が無効な場合、エントリは更新の書式付きアラート履歴コンテンツの指定に従って書式設定されたアラート履歴ログに追加されます。

5.1.1.3 Enterprise Managerの説明の書式付きコンテンツ

次のリストは、「説明」フィールドのテンプレートで使用される書式です。山カッコ(< >)で区別されたテキストは、Enterprise Managerのイベントのフィールド名を示しており、実際のフィールドの内容で置換されます。2つのアスタリスクが付いた行は、指定されているイベント・フィールドにデータが含まれている場合にのみ表示されることを示します。後述されている注意にはいくつかのフィールドに関する情報があります。

Received event reported by Oracle Enterprise Manager:
Occurred Date: <OccurredDate>
ReportedDate: <ReportedDate>
Event Class: <EventClass>
Event Name: <EventName>
Target Type: <SourceInfo/TargetInfo/TargetType>
Target Name: <SourceInfo/TargetInfo/TargetName>
Severity: <Severity>
Message: <Message>
Event URL: <EventURL> 

Target Properties:**
     <TargetProperty/Name>: <TargetProperty/Value>** 

Event Context:**
     <EventContextAttributes/StringAttribute/Name>: <EventContextAttributes/StringAttribute/Value>**

注意

  • Target Propertiesセクションは、イベントにターゲット・プロパティ値が含まれている場合にのみ存在します。次に、いくつかのサンプル・ターゲット・プロパティの名前と値のペアを示します。

    Line of business: Finance

    Owner: Finance-DB Team

  • Event Contextセクションは、イベントにイベント・コンテキスト属性値が含まれている場合にのみ存在します。名前と値のペアを含むStringAttributeまたはNumberAttribute値です。

  • イベントURLは、Enterprise Managerの「イベントの詳細」ページのURLに設定されます。URLをブラウザにコピーして、Enterprise Managerのイベントを直接表示します。

5.1.1.4 作成の書式付きアラート履歴コンテンツ

次のリストは、createEvent操作に対するアラート履歴フィールドのテンプレートで使用される書式です。山カッコ(< >)で区別されたテキストは、Enterprise Managerのイベントのフィールド名を示しており、実際のフィールドの内容で置換されます。2つのアスタリスクが付いた行は、指定されているイベント・フィールドにデータが含まれている場合にのみ表示されることを示します。次の「注意」では、一部のフィールドについて説明します。

Oracle Enterprise Manager created an event with the following attributes:
Message: <Message>
Severity: <Severity>
Reported Date: <ReportedDate>
Occurred Date: <OccurredDate>
Target Name: <SourceInfo/TargetInfo/TargetName>
Target Type: <SourceInfo/TargetInfo/TargetType>
Event Class: <EventClass>
Event Name: <EventName>
Event URL: <EventURL>

Target Properties:**
    <TargetProperty/Name>: <TargetProperty/Value>**

Event Context:**
    <EventContextAttributes/StringAttribute/Name>: < EventContextAttributes/StringAttribute /Value>**

注意:

  1. Target Propertiesセクションは、イベントにターゲット・プロパティ値が含まれている場合にのみ存在します。次に、いくつかのサンプル・ターゲット・プロパティの名前と値のペアを示します。

    • Line of business: Finance

    • Owner: Finance-DB Team

  2. Event Contextセクションは、イベントにイベント・コンテキスト属性値が含まれている場合にのみ存在します。名前と値のペアを含むStringAttributeまたはNumberAttribute値です。

5.1.1.5 更新の書式付きアラート履歴コンテンツ

次のリストは、updateEvent操作に対するアラート履歴フィールドのテンプレートで使用される書式です。使用されるタイトルは、Alert History Titleに指定されます。山カッコ(< >)で区別されたテキストは、Enterprise Managerのイベントのフィールド名を示しており、実際のフィールドの内容で置換されます。

Title
Reported Date: <ReportDate>
Message: <Message>
Severity: <Severity>

5.1.1.6 アラート履歴のタイトル

表5-6に、updateEvent操作のアラート履歴フィールドに指定されるタイトルを示します。使用される値は、Enterprise Managerのイベント情報に指定されている重大度に基づきます。

表5-6 アラート履歴のタイトル

イベント重大度 タイトル

クリア

Oracle Enterprise Manager cleared event.

警告

Oracle Enterprise Manager changed event severity to Warning.

クリティカル

Oracle Enterprise Manager changed event severity to Critical.

その他すべて

タイトルは指定されません。

5.1.2 重大度のマッピング

SCOMアラートの重大度は、Enterprise Managerのイベント重大度の値に基づいて設定されます。次の表に、SCOMでアラートを作成するときに使用される値を示します。

イベントの重大度 アラートの重大度の設定

致命的

Error

クリティカル

Error

警告

Warning

マイナー警告

Warning

情報

Information

クリア

Information

5.1.3 優先度のマッピング

SCOMアラートの優先度は、Enterprise Managerのイベント優先度の値に基づいて設定されます。次の表に、SCOMでアラートを作成するときに使用される値を示します。

イベントの優先度 アラートの優先度の設定
致命的 High
クリティカル High
警告 Normal
マイナー警告 Normal
情報 Low
クリア Low

5.2 イベント・テンプレートのカスタマイズ

大部分の実装についてはデフォルト・マッピングで十分ですが、必要に応じて変更が可能です。この後の項では、次のことを説明します。

ユーザーがXSLについて十分に理解しているものと仮定します。

SCOMマッピングのリファレンス情報は、Microsoft SCOMのカスタマイズを参照してください。

5.2.1 Oracle Enterprise ManagerのイベントのXML書式

次のサンプルは、Oracle Enterprise Managerでイベントが作成または更新されたときに、Oracle Enterprise Managerコネクタ・フレームワークが提供する書式を示しています。フィールドの説明は、イベントのXML書式のフィールドの説明を参照してください。

例5-3 イベントのXML書式

<EMEvent xmlns="http://xmlns.oracle.com/sysman/connector">
   <ConnectorGUID/>
   <ExternalEventID/>
   <NotificationRuleOwner/>
   <NotificationRuleName/>
   <ConnectorVariable>
      <VariableName/>
      <VariableValue/>
   </ConnectorVariable>
   <ConnectorVariable>
      <VariableName/>
      <VariableValue/>
   </ConnectorVariable>
   <Property>
      <Name/>
      <Value/>
   </Property>
   <Property>
      <Name/>
      <Value/>
   </Property>
   <SystemAttributes>
      <EventClass/>
      <EventID/>
      <SequenceID/>
      <OccurredDate/>
      <ReportedDate/>
      <DisplayTZ/>
      <EventName/>
      <Severity/>
      <SeverityCode/>
      <SourceInfo>
         <SourceObjInfo>
            <ObjID/>
            <ObjName/>
            <ObjOwner/>
            <SourceObjType/>
            <SourceObjSubType/>
         </SourceObjInfo>
         <TargetInfo>
            <TargetGUID/>
            <TargetName/>
            <TargetType/>
            <TargetTypeLabel/>
            <TargetURL/>
            <TargetProperty>
               <Name/>
               <Value/>
            </TargetProperty>
            <TargetProperty>
               <Name/>
               <Value/>
            </TargetProperty>
         </TargetInfo>
      </SourceInfo>
      <Message/>
      <ActionMessage/>
      <EventURL/>
      <AutoClose/>
      <EventCategory/>
      <EventCategory/>
   </SystemAttributes>
   <EventClassSpecificAttributes>
      <RawAttribute>
         <Name/>
         <Value/>
      </RawAttribute>
      <StringAttribute>
         <Name/>
         <Value/>
      </StringAttribute>
   </EventClassSpecificAttributes>
   <EventContextAttributes>
      <NumberAttribute>
         <Name/>
         <Value/>
      </NumberAttribute>
      <NumberAttribute>
         <Name/>
         <Value/>
      </NumberAttribute>
   </EventContextAttributes>
</EMEvent>

5.2.2 イベントのXML書式のフィールドの説明

表5-7に、デフォルトのマッピングで使用されるOracle Enterprise ManagerのイベントのXML書式に記載されている主なフィールドの説明を示します。

表5-7 イベントのXML書式のフィールドの説明

フィールド 説明

ExternalEventId

Microsoft SCOMのメッセージの一意の識別子。これは更新に対してのみ設定されます。

EventClass

イベントのタイプを識別します

OccurredDate

イベントが発生した日時

ReportedDate

OMSによってイベントが報告された日時

EventName

イベントを説明する名前

Severity

イベントの重大度: Fatal、Critical、Warning、Minor_Warning、InformationalまたはClear

SeverityCode

イベントの重大度コード: FATAL、CRITICAL、WARNING、MINOR_WARNING、INFORMATIONALまたはCLEAR

TargetName

ターゲット・タイプの一意のインスタンスであるターゲット名

TargetType

イベントが生成されたターゲット・タイプの表示名

TargetProperty

イベント・モデル(名前:値のペア)に特定のフィールドがない追加のターゲット・プロパティ

Message

イベントの説明

EventURL

イベントのWebページへのリンク

EventContextAttributes

イベント・モデル(名前:値のペア)に特定のフィールドがない追加のイベント・プロパティ

5.2.3 Oracle Enterprise Managerでのテンプレートの管理

Oracle Enterprise Managerには、Cloud Control内でテンプレートを管理できるようにする機能があります。テンプレートは、コネクタ・インストールの一部として組み込まれており、Enterprise Managerに自動的に登録され、表示されます。

Enterprise Managerを使用して、テンプレートの編集、XMLコードの表示、テンプレートの削除、および削除したテンプレートのリストアを実行できます。

開始するには、次の手順を実行します。

  1. Enterprise Manager Cloud Controlにログインします。
  2. 「設定」メニューから「拡張性」「管理コネクタ」の順に選択します。
  3. 「管理コネクタ」ページで、適切なMicrosoft SCOMコネクタを選択します。「構成」をクリックします。
  4. 「管理コネクタの構成」ページで「テンプレート」タブをクリックします。

5.2.3.1 Enterprise Managerでのテンプレートの編集

既存のテンプレートを編集するには、次のようにします。
  1. テンプレートを選択して「編集」をクリックします。
  2. 「説明」または「テンプレート・コンテンツ」フィールドを編集した後、「保存」をクリックします。確認ページで「はい」をクリックして、テンプレートの保存を完了します。

5.2.3.2 Enterprise Managerでのテンプレート・コードの表示

テンプレート・コードを表示するには、テンプレートを選択して「表示」をクリックします。
イベント・テンプレートはXSLT形式です。コードを理解するには、XSLTの基礎知識が必要です。

5.2.3.3 Enterprise Managerでのテンプレートの削除

テンプレートを削除するには、次の手順を実行します。
  1. テンプレートを選択して「削除」をクリックします。
  2. 「はい」をクリックして削除操作を確認します。
警告:デフォルトのテンプレートを削除すると、デフォルトの設定にリストアできなくなります。削除した後でテンプレートを再登録する唯一の方法は、テンプレートの登録の指定に従ってemctlコマンドを使用することです。

5.2.3.4 Enterprise Managerでの更新されたテンプレートのリストア

更新されたテンプレートをリストアするには、次の手順を実行します。
  1. テンプレートを選択して「リストア」をクリックします。
  2. リストアのために表示された確認ページで「はい」をクリックします。

5.2.4 マッピングの変更

この項では、Enterprise ManagerとMicrosoft SCOM Webサービスとのマッピングをカスタマイズする方法について説明します。手順は、マッピングの変更に必要なステップです。

マッピングを変更するには、次の手順を実行します。
  1. Enterprise ManagerからデフォルトのテンプレートXSLTファイルをエクスポートし、ベースラインとして使用します。テンプレート・ファイルのエクスポートの手順に従って、デフォルトのテンプレート・ファイルのコピーを取得します。
  2. カスタマイズしたテンプレートを保持するファイルを作成します。
    • カスタマイズするテンプレートがEnterprise Manager Cloud Controlコンソールで使用可能になっている場合は、次のステップを実行してテンプレート・データを取得します。

      1. カスタマイズするテンプレートのデータを表示するには、Enterprise Managerでのテンプレート・コードの表示のステップに従います。

      2. テンプレート・コンテンツを選択してコピーします。

      3. テンプレート・コンテンツを保持するための空のテキスト・ファイルを作成します。

      4. テンプレート・コンテンツをファイルに貼り付けて保存します。

    • カスタマイズするテンプレートをコンソールから使用できない場合は、次のステップを実行してテンプレート・データをエクスポートする必要があります。代替テンプレートを使用している場合は、このようにする必要があります。

      1. テンプレート・ファイルのエクスポートの手順に従って、デフォルトのテンプレート・ファイルのコピーを取得します。

      2. カスタマイズしているテンプレートXSLファイルを新しいファイル名にコピーします。

  3. 必要なマッピングの変更をカスタム・ファイルに追加します。マッピングの変更の詳細は、テンプレートの変更を参照してください。
  4. カスタム・テンプレート・ファイルのコンテンツを使用して既存のテンプレートを更新します。次のステップを実行してテンプレートを更新します。
    1. Enterprise Managerでのテンプレートの編集のステップに従って、カスタマイズしているテンプレートのデータを編集します。
    2. テキスト・エディタでカスタム・テンプレート・ファイルを開きます。
    3. ファイルのコンテンツをコピーします。
    4. コンテンツをEnterprise Manager Cloud Controlコンソールの既存のテンプレート・コンテンツに貼り付けて保存します。
これでファイルの統合の準備ができました。OMSの停止および起動は不要です。変更は自動的に取得されます。

テンプレートのカスタマイズ方法の例は、テンプレートのカスタマイズの例を参照してください。

SCOMのカスタマイズの詳細は、Microsoft SCOMのカスタマイズを参照してください。

5.2.4.1 テンプレートの変更

テンプレートは、入力XMLの書式を出力XMLの書式に変換するXSLTファイルです。マッピングを変更するには、変換される入力XML書式とテンプレートによって生成される出力XMLを理解する必要があります。入力ドキュメントは、Enterprise Managerのイベント情報が含まれているXMLドキュメントです。出力ドキュメントはSCOM Webサービスに送信されるリクエストです。出力XMLドキュメントは、SCOM EventService WSDLに指定されているデータ書式に準拠する必要があります。

Enterprise Managerのイベントの書式には、Enterprise Managerによって生成されたイベント・データの書式について詳細が記載されています。Microsoft SCOM WebサービスのWSDLの書式には、SCOMのEventService Webサービスで必要とされるXML書式の詳細が記載されています。XML書式とアラート・フィールド名とのマッピングには、SCOM EventService WebサービスのフィールドとSCOMのフィールド名の間のマッピングが記載されています。次のリストに、テンプレート・ファイルを変更する際に従う必要があるステップを示します。
  1. 変更しようとしているSCOM Webサービスのフィールドの名前を特定するには、XML書式とアラート・フィールド名とのマッピングおよびMicrosoft SCOM WebサービスのWSDLの書式を確認してください。たとえば、SCOMのCustom1フィールドに値を設定する必要がある場合は、XML書式とアラート・フィールド名とのマッピングでフィールドを確認すると、SCOM Webサービスが/create/event/extended-fields/string-fieldのXMLパスのデータを期待していることがわかります。
  2. イベントのデータを使用する予定の場合は、Enterprise Managerのイベントの書式を確認して、マッピングに使用するフィールドを特定します。Enterprise Managerのイベントのサンプルには、Enterprise ManagerのXMLドキュメントに存在するデータを識別する際に大変に役立つサンプル・トランザクションがあります。
  3. XSLTファイルの作成に使用できるテキスト・エディタまたはユーティリティで、カスタム・テンプレート・ファイルを開きます。
  4. カスタム・テンプレート・ファイルに必要な変更を加えて保存します。
  5. 変更が非常に単純な場合を除き、Enterprise Managerのイベントのサンプルのサンプル・データを使用して変更した内容をテストする必要があります。これには、XSLT変換を実行するユーティリティが必要です。

5.2.4.2 テンプレートの登録

この項には、emctlコマンドライン・コマンドを使用してコネクタを登録する方法が記載されています。イベント・コネクタには新しいテンプレートを定義できないため、このコマンドが必要な唯一の理由は、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールから削除されたデフォルト・コネクタを再登録することです。

このコマンドを使用して既存のテンプレートを更新することもできますが、テンプレートの更新で推奨される方法は、Enterprise Managerでのテンプレートの編集の指定に従ってCloud Controlコンソールを使用することです。

テンプレートを登録するには、emctlに対する実行権限およびテンプレートの読取り権限のあるユーザーとして、次のemctl register_template connectorコマンドを実行します。

$ORACLE_HOME/bin/emctl register_template connector -t <template.xsl> -repos_pwd <reposPassword> -cname <connectorName> -iname <internalName> -tname <templateName> -ttype 2 [-d <description>]
説明:
  • <template.xsl>は、テンプレート・ファイルのフル・パス名です。

  • <reposPassword>は、Enterprise Managerのルート(スーパー管理者)のパスワードです。

  • <connectorName>は、コネクタ・インスタンスの作成のステップ5でインストールしたコネクタ・インスタンスの名前です。

  • <internalName>は、テンプレートに使用する内部名です。

  • <templateName>は、テンプレートに表示する名前です。

  • <description>は、テンプレートの説明です。

例: このコマンドを使用して、コネクタ・インスタンスのcreateEventテンプレートをSCOM 2012という名前で再登録できます。
emctl register_template connector -t /home/oracle/customized_templates/createEvent_request.xml -repos_pwd <password> -cname "SCOM 2012" -iname "createEvent" -tname "Create Event Request" -ttype 2 -d "Demo template"

5.2.4.3 テンプレートのカスタマイズの例

デフォルトでは、Microsoft SCOM 2012アラートのアラート名はOracle Enterprise Managerのメトリック列に設定され、カスタム・フィールドはマップされていません。

次の例は、アラート名の変更方法と、カスタム・フィールドのマッピングの追加方法を示しています。デフォルト・マッピングには、次のような変更が加えられます。
  • アラート名は、Oracle Enterprise Managerのイベントのハードコード値を使用するように変更されます。

  • カスタム・フィールド1は「ターゲット・タイプ」に設定されます。

  • カスタム・フィールド2は「ターゲット名」に設定されます。

  1. SCOM 2012コネクタ構成ページに移動します。
  2. 「Template」タブに移動します。
  3. 「Create Event Request」テンプレートを選択し、「View」をクリックします。
  4. テンプレート・コンテンツを選択してコピーします。
  5. 「OK」をクリックします。
  6. custom_createEvent_request_2012.xslという名前の空のファイルを作成します。
  7. テキスト・エディタでファイルを開き、テンプレートのコンテンツを貼り付けて保存します。
  8. Cloud Controlコンソールで、「Update Event Request」テンプレートを選択して「View」をクリックします。
  9. テンプレート・コンテンツを選択してコピーします。
  10. custom_updateEvent_request_2012.xslという名前の空のファイルを作成します。
  11. テキスト・エディタでファイルを開き、テンプレートのコンテンツを貼り付けて保存します。
  12. テキスト・エディタでcustom_createEvent_request_2012.xslファイルを開きます。
  13. 適切なセクションを、新規のマッピングが反映されるように変更します。

    変更前

    次のコードは、変更前のファイルの影響を受けたセクションを示しています。

         <summary>
           <xsl:value-of select="a:SystemAttributes/a:EventName"/>
         </summary>
         ...
         <extended-fields>
           <!-- SCOM alert custom fields -->
           <!-- Uncomment fields to be set and replace "VALUE" with the actual
            value -->
           <!--
           <string-field name="CustomField1">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField2">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField3">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField4">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField5">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField6">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField7">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField8">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField9">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField10">VALUE</string-field>
           -->
         </extended-fields>

    変更後

    次のコードは、変更後のファイルのextended-fieldsセクションを示しています。変更は太字で示しています。

    <!-- SCOM alert title -->
         <summary>Event From Oracle Enterprise Manager</summary>
         ...
         <extended-fields>
           <!-- SCOM alert custom fields -->
           <!-- Uncomment fields to be set and replace "VALUE" with the actual
            value -->
           <string-field name="CustomField1">
             <xsl:value-of select="a:SystemAttributes/a:SourceInfo/a:TargetInfo/a:TargetType"/>
           </string-field>
           <string-field name="CustomField2">
             <xsl:value-of select="a:SystemAttributes/a:SourceInfo/a:TargetInfo/a:TargetName"/>
           </string-field>
           <!--
           <string-field name="CustomField3">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField4">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField5">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField6">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField7">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField8">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField9">VALUE</string-field>
           <string-field name="CustomField10">VALUE</string-field>
           -->
         </extended-fields>
  14. 更新後に変更を保存します。
  15. custom_updateEvent_request_2012.xslファイルを開き、カスタム・フィールドに同様の変更を追加します。この場合、アラート名は作成の場合のみ有効であるため、設定できません。
  16. 更新後に変更を保存します。
  17. テスト用に設定するには、create.xmlおよびupdate.xmlという名前の空のファイルを作成し、テキスト・エディタで開きます。
  18. 作成のサンプルのXMLドキュメントのコンテンツをコピーしてcreate.xmlファイルに保存します。
  19. 更新のサンプルのXMLドキュメントのコンテンツをコピーしてupdate.xmlファイルに保存します。
  20. create.xmlおよびupdate.xmlファイルのそれぞれを入力XMLドキュメントとして使用して、XSLT変換を実行するユーティリティを使用して、新しいテンプレートをテストします。
  21. 出力XMLドキュメントを調査し、結果が適切であることを確認してください。

    注意:

    また、XMLクライアントを使用して、XML出力ドキュメントをSCOM Webサービスに送信し、Webサービスが受け入れる書式になっていることも確認できます。

  22. XMLドキュメントに問題がある場合は、必要な修正を加えてステップ17と18を繰り返します。
  23. Cloud Controlコンソールで、「Create Event Request」テンプレートを編集します。
  24. custom_createEvent_request_2012.xslファイルのコンテンツを既存のテンプレートにコピーして保存します。
  25. Cloud Controlコンソールで、「Update Event Request」テンプレートを編集します。
  26. custom_updateEvent_request_2012.xslファイルのコンテンツを既存のテンプレートにコピーして保存します。